プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第207話 急げ。さもないと、

校長「みらい君達は大丈夫じゃろうか。身の危険がなければよいが…」

 

水晶「何か察していらっしゃるのですか?」

 

校長「うむ。きっと彼女らはとてつもない者に出くわしている可能性がある、じゃがワシにはその先が予測できんのじゃ」

 

水晶「本当にそう思いになられると」

 

校長「プリキュアとしてやらなければならないことを優先しているはずじゃ。彼女らならそれを変えられる。どこかで何者かと遭遇しているはず、その時の状況を打破する手がかりは見つけられるじゃろうか…。如何せんワシらはただ静かに見守るだけじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラクル「何あれ、ブヨブヨしてるよぉ~…(オドオド)」

 

マジカル「怖がってる場合じゃないわ、早く止めるわよ」

 

フェリーチェ「待ってください。迂闊に行動するのは命取りです、まずは様子を窺いましょう」

 

 

 

ドン、ドン…

 

 

 

謎のスライム状の怪物はゆっくりと街の中心へと移動する。すぐに行動するのではなくタイミングを計ってから奇襲をかけるという作戦だ。フェリーチェは失敗した時の保険を担っているので多少はカバーをかけて私達の負担を軽減する。とにもかくにも少しでも誤れば返り討ちは確定であり、一網打尽にされてしまう。

 

 

 

ヌルヌル…

 

 

 

マジカル「私とミラクルで足元を塞げばいいのね」

 

フェリーチェ「相手は真っ直ぐにしか進んでいません。道を封鎖すれば動きは止まるでしょうね」

 

マジカル(そういうことなら深く考察する必要はないわね。あとは上手くやるだけ…)

 

ミラクル「よし、行こう」

 

 

 

ヌルヌル…

 

 

 

ゆっくり進んでいく中、謎のスライム状の怪物は辺りをキョロキョロと見渡す。きっと警戒をしているはず。今はまだチャンスではない。そこへフェリーチェがアイコンタクトで私達に合図を送る。どうやら左右から回れとのことだ。一応トパーズの姿だとああいう相手に立ち向かうのは有利でもある。トリッキーな戦術で敵を攪乱すれば一層相手を不利にできるし、私達の荒らしが覿面ならフェリーチェも楽に行動可能となる。

 

 

 

ミシミシ、ミシミシ

 

 

 

徐々に一直線に進む相手を更に視察していく。そろそろここが攻め時だ。

 

 

 

フェリーチェ「今です」

 

ミラクル「行くよ、マジカル」

 

マジカル「えぇ。せーっの…」

 

 

 

ドシィン…!!

 

 

 

私とマジカルは左右から攻撃をしかけて相手の態勢を崩す。少し仰け反ったのを確認し、フェリーチェが正面を塞ぎ出す。

 

 

 

フェリーチェ「リンクル・ピンクトルマリン!(ギュイン!)」

 

ミラクル「よしっ!」

 

マジカル「今度は私達の番ね」

 

ミラクル「リンクル・アメジスト!(カァ!)」

 

マジカル「リンクル・ペリドット!(パァァ…)」

 

 

 

ドシン、ドシン…

 

 

 

私とマジカルの一撃が効いたみたい。でもなんだか呆気ない様子でもあった。徐々に身体が縮むように小さくなっていく。

 

 

 

マジカル「小さくなってるわね」

 

ミラクル「やったのかな…?」

 

フェリーチェ「まだです、あれは…姿が変わって―――」

 

 

 

バチバチ…!

 

 

 

身体が小さくなって段々姿形が代わり果てていく怪物。今度はエイリアンのような姿へと変わった。その周りには無数の電気が纏っていたのだった。

 

 

 

フェリーチェ「来ます!ぐぅっ…!」

 

ミラクル「フェリーチェ!でやあぁ!(ドン!)」

 

マジカル「気をつけて、あれに触れると―――あぁああっ!」

 

ミラクル&フェリーチェ「「マジカル!」」

 

マジカル「うぅ…手が痺れて…動かない…!」

 

 

 

バチバチ…!バチバチ…!

 

 

 

マジカルを襲ったあの一撃、目にもとまらぬ速さだった。そして一瞬でマジカルが麻痺を負ってしまったのだ。

 

 

 

ギュイン…

 

 

 

ミラクル「こんのぉ!!(ズガッ!)」

 

マジカル「ミラクル!迂闊に攻めたら危険よ!」

 

ミラクル「だからって―――うわっ!危なかった…」

 

フェリーチェ「こんなの近づけません。離れて戦うしかありませんね」

 

オルーバ「どうやら実験は成功だったみたいだね」

 

一同「「「オルーバ!」」」

 

 

 

ゴゴゴゴ…

 

 

 

すると私達の背後からオルーバが現れて悠然とした様子で見つめてきた。あの様子だと、敵情視察らしい。ところがその直後、

 

 

 

ビュウウウ…

 

 

 

オルーバ「ここからが面白いショーの始まりさ」

 

ミラクル「どういうこと…?」

 

オルーバ「こいつは僕が生み出した試作品さ」

 

マジカル「試作品ですって…?」

 

フェリーチェ「何を企んでいるのです」

 

オルーバ「ごらん、徐々に姿が変わっていく。今度は今のようにはいかないさ」

 

 

 

ゴゴゴゴ…

 

 

 

あの怪物はオルーバが生み出したもの。最初のスライム状の姿、そしてエイリアンの姿から違う形に変化した。

 

 

 

ズガガガァ…!

 

 

 

ミラクル「人型の姿になった…」

 

オルーバ「これまで君達と戦ったドンヨクバールではもう使い物にならないからね。そこで僕はとある協力者に新しい力を得たのさ。当然僕自身の力を高めるための素材にもなれるものを用意してくれてるけどね」

 

フェリーチェ「自分の行いが間違っているのにも関わらず今度はそのようなことを…なんて傲慢なやり方なんですか」

 

オルーバ「君達の想像することなどたかが知れてるよ。これも全ては僕の計画の内なのさ、行くんだ」

 

 

 

ゴォォォッ!

 

 

 

人型の姿をした怪物は俊敏に私達に襲い掛かる。尽かさず反撃をしつつ体力も温存させておく。

 

 

 

バチバチ!バチバチ!

 

 

 

ミラクル「ぐっ!」

 

マジカル「厳しいわね…!」

 

フェリーチェ「私に任せてください、プリキュア・エメラルドリンカネーション!」

 

 

 

フェリーチェが前線に出て相手の攻撃を相殺させる。相手の行動パターンを把握しない限り籠城を余儀なくされる一方だ。それを気にしている内にオルーバの攻撃が私とマジカルを襲い掛かるのだった。

 

 

 

オルーバ「余所見をしていると痛い目に合うよ(ドン!)」

 

ミラクル&マジカル「「うぅ…!」」

 

フェリーチェ「しまった、二人が…」

 

ミラクル「まだまだぁ!(ブン、ズガッ!)」

 

オルーバ「全く、諦めの悪い娘達だね。少し痛い目に合わないとわからないのかな?」

 

マジカル「私達は足掻くわ。あなたの行いは絶対に許さないんだから」

 

オルーバ「あ、そう。少し早いけどこいつのとっておきの力を見せてあげるよ。さぁ、プリキュアに絶望を与えるんだ」

 

 

 

 

 

ズドドドドッ…!!

 

 

 

オルーバの指示と共に鳴り響く雷鳴。その直後、全方位から弓矢の如く一瞬で降り注いできた。

 

 

 

ドドドドドドドド!!

 

 

 

ミラクル「何これ、早い…ッ!」

 

マジカル「これじゃ幾ら避けても無駄じゃない!」

 

フェリーチェ「持久力が試されるってことですね…」

 

オルーバ「君達には荷が重いんだよ。そろそろ限界が来たかな?」

 

ミラクル「急に曲がって―――」

 

マジカル「きゃあッ!?」

 

フェリーチェ「あぁ!うぅ…」

 

 

 

ドドドドドドドド!!

 

 

 

まだ続く怒涛の連射。弓矢の軌道は瞬く間に変え、更に私達を翻弄する。この行動が何度も繰り返されていくため、段々粘れなくなる。

 

 

 

ミラクル「どこまでも追いかけて来る、これじゃキリがない…」

 

フェリーチェ「これでは拉致があきません、反撃しましょう」

 

 

 

バン、バン!

 

 

 

こうなってしまえば持久戦は流石に持たない。そこでリスクを背負いつつも撃ち落とし作戦を敢行する。

 

 

 

プシュゥゥ…

 

 

 

マジカル「これを突破して一気に決めるわよ!」

 

オルーバ「少しはやるじゃないか。君達がどこまでやれるかが楽しみだ、だがその身体では限界かな?」

 

ミラクル「いや、ここからが本領発揮だよ」

 

 

 

バシ、バシ!

 

 

 

連携を取るように弓矢を振り払っていき、本体へと突入していく。そしてそのまま協力な一撃を与える。

 

 

 

ミラクル&マジカル「「プリキュア・トパーズエスペランザ!」」

 

フェリーチェ「プリキュア・エメラルドリンカネーション!」

 

 

 

二つの技が見事に直撃、このままいけば倒せる。

 

 

 

ゴォォォォ…!!

 

 

 

オルーバ「流石に受けきれないか。どうやらまだまだ改良が必要みたいだね」

 

フェリーチェ「今度は何を…?」

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

浄化されていく相手をすぐに吸収しボール状に変えるオルーバ。悟った顔で私達を見つめつつ自身の身体の中に入れた。

 

 

 

キュォォォ…

 

 

 

オルーバ「これでだいたいの戦闘データは取れた。今後の戦いに活かせそうだよ」

 

ミラクル「あなたのやろうとしていることって何なの?」

 

オルーバ「当然、僕は更なる力を求める。協力者達と共にね。だから余裕を持っていられるのは今の内さ」

 

 

 

ビュゥ…

 

 

 

不快な笑みをしながらオルーバは去っていった。これが今後の事態に大きく影響を及ぼすかはまだ不明のままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルーバ「戻ったよ、プリキュアと邂逅し更なる戦闘データを得てきた」

 

R「とんだ素っ頓狂っぷりだったな、プリキュアも。だがこれで新たな力を得られるのは間違いないさ」


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