プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

233 / 237
第206話 リコの迷い②

夜になり、すっかり満月が輝く時間帯になった。私達は眠くなったのでそろそろ就寝をすることにした。

 

みらい「ふぁ~、眠くなってきたね…」

 

ことは「明日は早いみたいだからね。もう寝ないと」

 

私とはーちゃんは既に眠りにつく状態に。一方リコは魔法で小さな灯りをつけて読書をしている。

 

リコ「……」

 

みらい「ねぇ、リコも早く~」

 

リコ「私はもう少し起きているわ」

 

片手にはココアの入ったカップを持っていてすっかり読書気分だ。そもそもリコは勉強などで寝るのが遅くなる場合が多々ある。おそらくはその名残なのだろう。

 

リコ「明日はすぐに捜索を再開するんだから、きっと上手くいくはずよ」

 

ことは「その割には一人だけ起きてるんだ」

 

リコ「べ、別にそういうわけじゃないし…」

 

はーちゃんがニヤニヤしながら答えるとリコが渋々と俯く。

 

リコ「ともかく私はもうちょっとだけこのままでいたいのよ」

 

みらい「それじゃ先に寝るね、お休みー」

 

モフルン「お休みモフ」

 

リコ以外全員眠りについて、リコはしばらく読書をしていた。

 

リコ(どうしよう、本当に私になんか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そろそろ出発しよっか」

 

リコ「そうね。今日もお休みだし捜索に専念できるわね」

 

宿から出て一斉にホウキに乗って上空に舞い上がる。早朝から向かったのは人影のない荒野、まずはこういった場所から向かうのも悪くない。

 

ことは「本当にここでいいの?」

 

リコ「まずは物陰の少ない場所から回ることから考えましょうか。きっと手がかりは見つかると思うわ」

 

いつもとはちょっと違うリコの判断。はーちゃんが首を傾げたのはこのためだった。一応私も同じような質問をする。

 

みらい「どうして人がいないところを選んだの?」

 

リコ「昨日色々考えたけどおしかしたら人の多い場所に行くのはベターだから敢えてこういう誰もいないところに行ったんじゃないかと私は思ったの。もしあってたら計算通りだし?」

 

普段ならもっと単刀直入に答えるリコだが、何だか説明が矛盾しているのが目立つ。

 

ことは「ねぇモフルンはどう思う?」

 

モフルン「リコがそう言っているならそうした方がいいと思うモフ。リコも精一杯努力したいと思っているモフ、でもいつものリコならもっとテキパキと手順を踏む気がするモフ」

 

リコ「気のせいよモフルン。ほら、一緒に探しましょうか」

 

色々不十分な点がちらほら目立つと思うが、みんなで昨日から追いかけている人物の捜索を再開する。しかし、普段のリコらしかぬ言葉にどうも引っかかってしまう。

 

みらい「あのさリコ、今日のリコなんだか変だよ?」

 

リコ「何言ってるの?そんなことないわよみらい?」

 

みらい「いつもならもっとしっかりとした答え方するよね?今の発言にはどうも頷けない気がする…」

 

リコ「そ、それは昨日ちょっと夜更かししてしまったから昨日頭に入れたことが少し抜けていたのよ。別にこれくらい問題ないし…?」

 

リコは必至で弁明するがその表情はどうも無理のある感じだった。私は更にリコに何かあったかを確かめるためもっと問いかけてみる。

 

みらい「いつものリコなら私達の意見を聞いてから答えを決めてるよね。私、ちょっと心配になってきたと思う」

 

リコ「私は常に冷静よ?動揺なんてしてないから」

 

ことは「こんなところにいるわけないのにその根拠はあるの?」

 

リコ「はーちゃんまで…」

 

今度ははーちゃんも疑うような眼でリコをじっと見つめてきた。本来ならこんな表情なんて見せるわけがないはーちゃんは相当呆れてた。

 

みらい「ねぇリコ。困ってたりしてない?」

 

ことは「例えば…悩み、とか」

 

リコ「…大丈夫だし、私が悩むなんて早々―――」

 

ことは「私達仲間でしょ、遠慮しないで正直に答えてもいいんだよ?」

 

リコ「……」

 

はーちゃんが遮った一言にリコの口が止まる。どうやらこの感じは言い逃れできないみたいだ。

 

みらい「リコ…」

 

モフルン「モフ…」

 

リコ「わかったわよ、言えばいいんでしょ言えば」

 

はーちゃんの説得により、リコは素直に自分の事情を説明した。それを聞いて私達は、

 

みらい「なるほど。一刻も早く捉えて死んでしまったみんなを早く元に戻してほしいとお願いしようと考えてたんだね。でも今の私達のいる世界は誰かの認知上の世界だよ?」

 

リコ「その認知上の世界っていうのがまた狂わせるのよ。あのファントムという人が出て来る前からそうなっていたのかもしれないし、ファントムが敵なのかまだわからないのよ?信じようにも油断ができないわ」

 

リコが悩んでいたことをすぐに納得した。そしてファントム、この人物について。彼はまだどういう人物なのか不明で元より認知上の世界という現実ではないところにいるのも未だに実感できない。あの時オルーバがそう言ったのも何かよからぬ事態が起きる予兆なのかと認知せざるを得なかった。今現在になってもまだこの一連の出来事の真実には到達できようもないため、私達がどう解決していくかが問題となる。

 

ことは「ふむ、これからどうしたものかな…」

 

リコ「この謎を知る者がいればわかるけれど―――っ!?」

 

みらい「どうしたの?」

 

すると遠くの方で爆発音が鳴り響き、僅かな地震が起きた。その影響で少し体制が乱れてしまう。

 

リコ「向こうで何かあったんだわ、急ぎましょう!」

 

みらい「よくわからないけど、うん!」

 

私達は急いでホウキに乗り騒ぎのあったところへ急ぐ。多分市民達に被害を及ぼすことかもしれない。直ちに急行しなければ…!

 

リコ「いたわ、あれよ!」

 

ことは「何これ…スライム?」

 

私達が目撃したのは大きなスライムのような何か。遠く離れた街が襲われていたようだ。

 

みらい「人々が襲われてる!」

 

リコ「止めるわよ」

 

今すぐあれをなんとかしないと更に被害が増えてしまう、とにかく大至急で対応を…!

 

みらい&リコ「「キュアップ・ラパパ、トパーズ!ミラクルマジカルジュエリーレ!」」

 

ことは「キュアップ・ラパパ、エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!」

 

プリキュアに変身し、街の救助活動かつあの怪物の駆除の両方が始まろうとしていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。