リコ「どうやらパニック状態だったみたいね」
ことは「うん、みらい相当怖がってた」
気を失ったみらいを連れて家に戻った私達はみらいの精神的不安を和らいだのを確認する。その直後、みらいは起き上がり何が起きたかを説明し始める。
みらい「…ごめんね、迷惑かけちゃって」
リコ「いいのよ。みらいが無事ならそれでいいから」
みらい「私はよくわからなかったけど、まゆみ達が既に…」
リコ「となれば、またあの時の二の舞よね」
みらいの言ったことに関して私はある出来事を思い出す。それは以前魔法界に訪れた時に起こった事件がまず頭に思い浮かべた。
ことは「でもさ、いくらなんでもナシマホウ界にも被害会うのはあまりにも都合よすぎないんじゃない?」
リコ「かもね。そんなことをするのは絶対に同じ犯人だと思うわ―――いや、もしや…」
私はふとあの言葉を思い出した。
リコ「『認知上の世界の人間』」
ことは「あ…」
みらい「そうなのかもしれない、ね…」
以前魔法界で起きた事件に対してオルーバが言った言葉、今でも信じられないんだけどそれが本当ならばどうやって解決するのかがまだわからない。
リコ「一体誰の認知上の世界なのかわからないわね」
ことは「…そういえばみらいはさっきの出来事をすぐに気づいたんだよね?」
はーちゃんが目を疑うような目線でみらいに尋ねる。でもなぜそんな目で…?
みらい「私が廊下の窓から偶然見かけたんだけど、モフルンもチラッと目撃した程度だったの。何かが去っていくような黒い影がすっと消えていくのをハッキリとわかった」
リコ「本当に?特徴はどうだったの?」
みらい「それはね……」
リコ「みらい…?」
するとみらいが突如黙り込んで下を向いた。みらいの様子に気づいたはーちゃんは、
ことは「リコ!(ガバッ)」
リコ「きゃ!?」
みらい「はーちゃん、どうしてそんなことするのかな?」
咄嗟に私を抱きかかえて瞬時に後ろに下がった。これはどういうことなの~!?
ことは「あなた、みらいじゃないでしょ…!誰なの!?」
リコ「ちょっとはーちゃん、いきなり何言ってるのよ!?」
みらい「あーあ、もうちょっとでうまくいくと思ったのに。気づかれた以上はもう茶番は不要か…(ガバッ)」
私達が見たのはみらいを装ってた謎の人物だった。なんとその人物はみらいに変装をしていたという衝撃的な展開だった。
ことは「となればモフルンも…」
リコ「あなたは誰なの、みらいはどこよ!」
X「私はX、あなた達プリキュアを倒すために生まれた存在。まさかこの世界にもプリキュアがいるとは本当だったのね」
リコ「なぜ私達に接近したの…?」
震えが若干感じる中、冷たい目線の少女目の前に苦渋が強いられる。
X「きっと今頃あなた達のお仲間はどこかで寂しがっているに違いないかもね、私はマザーラパーパの力を持つ者からそれを奪うために近づいただけ」
ことは「ダメ!これだけは誰にも渡さないんだから!」
リコ「はーちゃん…」
X「それとここは現実世界ではない可能性だってあり得る、人間一人一人の認知上の世界かもしれないし。気づかれてはもうやる気なくしたから今回はここまでにしてあげる」
リコ「教えて、本当の現実に戻れるの?」
X「まだ言うわけないでしょ。その真実を知らない以上は永遠と現実に戻れないから、それじゃ(バッ)」
Xと名乗る少女は意味深なことを言い残しその場を去った。こうしてはいられない、早くみらいを探さないと…。
ことは「みらいどこにいるんだろう…」
リコ「手分けして探すしましょう」
~~某廃墟~~
みらい「う~…痛っ…」
モフルン「大丈夫モフ?」
みらい「うん、なんとか…」
目が覚めると見知らぬ場所へと連れていかれた。なぜこんなことになったかというと、
みらい「こんなところにいる場合じゃない、早くリコ達と会わないと」
モフルン「知らない人が突然出てきて気がついたらここにいるのはわからなかったモフ」
私は先生の手伝いで帰宅が遅くなっていて、先程手伝いが終わった。しかし見慣れない人影が近づいてそのまま眠ってしまった。そして気づけば廃墟にいたという結果になってしまった。
みらい「早く出ようよ、ここ臭いし…(うぐ…)」
私はモフルンを抱きかかえて必死で出口を探す。しかもここは割とゴミとかが散乱していて臭いなどが充満している。帰ったらお風呂に入らないと…。
モフルン「みらい、あっちから甘い匂いがするモフ」
みらい「もしかしたらあそこが出口なんだね、やった~!モフルン天才だよ~!」
モフルンの自慢の鼻が頼りになったみたい、とにかくあそこに辿れば出れるに違いない。
みらい「やったー!―――ってあれ?甘い匂いの元がないね」
モフルン「でも無事に出られたモフ」
みらい「でもこの道全然わからないよ…。だけどホウキ使えばすぐ帰れるね、いや悪臭が全身に染みついてるから飛んだら街のみんなが苦しむだろうし…」
外から出ると全く行ったことのない場所だったため、すぐに帰れる手段を割り出す。しかし充満した臭いを街全体に散布させるわけにはいかないし、ここは徒歩で帰ることに。
みらい「ふぇ~、お腹空いたよ~…」
モフルン「ファイトモフ、もうすぐご飯が食べれるモフ」
こうして苦労を背負いながら自力で家まで帰ることを決意した私達だった。すると、
リコ「みらいー!」
ことは「モフルンもいたよ!」
ホウキに乗っているリコとはーちゃんが手を振ってやってきた。ここで無事に確保され、家まで帰宅できた。全く本当に不思議な一日だったよ…。