プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第195話 個人の意思

平凡な日常、窓から見つめる景色はとても清々しい。退屈で暇なこの時間がまた丁度いい、そしてただひたすら時だけが過ぎていく。

 

みらい(魔法界は平和かな…。ちょっと不安かも)

 

私は先日起きた出来事を思い出し、少し魔法界のことが心配になり始める。ナシマホウ界はというとほぼ平常な感じだ。ともかく何事もめげないことを意識していきたい。

 

みらい(でも、ナシマホウ界にも危害来る可能性が…)

 

途方に暮れるような感情が出てくる。自分だけかもしれないが、ナシマホウ界まで危険が訪れるのではないかと疑う。そんなことを意識している内に午前の授業が終わる。心の底から思っていることがどれ程現実に起きるか…まだ未知なる領域になりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「今日の風、ちょっと生暖かいね」

 

みらい「うん」

 

昼休みになり、私達は学校の屋上で時間を過ごす。はーちゃんが策の網目から風景を覗き込みながら涼むと、少しだけしけった空気が流れ込んだ。

 

リコ「今回の件、到底魔法界の住民じゃ対応できそうにないわね…」

 

ことは「オルーバの言葉を信用してもいいかな?」

 

みらい「本当だとすれば尚更疑いようもないよ、私は…このまま野放しするのは余計ダメなんだと思う」

 

リコ「そのためには色々と謎を解決したいわ。仮にナシマホウ界も脅威に脅かされたら手に負えない気もするし」

 

リコが首を横に傾けながら答える。リコまでもそう思うならば今後の光景も目に見えることになる、どっちみち戦うしか選択肢はないのかもしれない。

 

みらい「また…みんなが酷い目に合わないかな…」

 

リコ「次はジュンとケイに来るのかも、その次は…」

 

ことは「うん、その時はみんなでやっつけようよ」

 

みらい「それがいつ訪れるかが心配だね。このまま何もないといいけど」

 

考える程思考が一杯一杯になりそうになる。それを振り切ってまでしないと平和になれない、今はただ対策を練ることだけが精一杯だった。

 

みらい(他に目的でもあるかな…)

 

リコ「みらい…」

 

気がつけば既に昼休みが終わりを迎えようとしていた。教室に戻り、午後の授業を受けながら個人で方法を考え始めた。

 

そして学校が終わり、家に帰宅すると私はそのままベットに横たわった。

 

モフルン「疲れてるモフ?」

 

みらい「ちょっとね、リコとはーちゃんも一緒にね」

 

仰向けになってモフルンの頭を撫でる私。その直後、自然と眠りにつこうとしていく。

 

モフルン「お昼寝するモフ?」

 

みらい「夕方まで寝るね、お休み…」

 

モフルン「モフルンもお昼寝するモフ…」

 

リコ「入るわよ―――って疲れて寝ちゃったのね」

 

ことは「寝かせてあげようよ」

 

リコ「そうね、じゃあ…みらい抜きで―――」

 

ことは「本当はみらいがいてから話したいけど、二人だけで話そうか」

 

リコ「えぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「はーちゃん、何を話したいの?」

 

ことは「私ね、あの時気づいたことがあるの」

 

熟睡しているみらいとモフルンをそっとしておき、はーちゃんの部屋で二人っきりで話を進めることになった。その前に宿題をやっていたため、会話するタイミングを考えていた。予想外の出来事に私は少しだけ首を傾ける。

 

リコ「一体何を気づいたの?気になるわ」

 

ことは「オルーバの言葉に引っかかってね。もしかするとマザーラパーパの力を狙ってくるんじゃないかと…」

 

リコ「仮にあの謎の敵も狙ってくるのかしら…」

 

ことは「まるで三つ巴みたいだね、でも絶対誰にも渡さない」

 

リコ「でもどうしてそこまで…」

 

あの時の戦いではーちゃんが気になったことをもう一度考えてみる。だからと言ってそれが本当かどうかは定かではないと思う。

 

ことは「リコはどう感じたの?」

 

リコ「ネオフュ-ジョンって言ってたわね。あの敵が本当に現れたらどうにもならないかも…」

 

ことは「よくわからないけどまた来る可能性あるよね」

 

あの頃に経験した恐怖心がフラッシュバックする恐れがある。他にマザーラパーパを受け継ぐはーちゃんに襲い掛かってその力を奪おうとする、一気に降りかかる障害がまた脅かされるというのかしら…。

 

リコ「はーちゃん」

 

ことは「ん?」

 

リコ「何が来ても絶対に大丈夫よ、みんなで力合わせれば負けないわ」

 

ことは「リコ…、よ~し!なんだか勇気が沸いてきた!」

 

リコ「テンション高いわね、でも無理しなくてもいいのよ?」

 

ことは「困った時は遠慮せずに頼るからね」

 

困難を乗り越えた私達だからこそ言える言葉、はーちゃんはやる気を最大限に引き出す勢いを見せる。けど調子に乗るのはちょっと慎むべきかもね。

 

リコ「はーちゃん、ありがとう。何かいい対策が練りそうだわ」

 

ことは「そうなの?」

 

リコ「私なりに方法を見つけるわ、みらいにも伝えた上でね」

 

ことは「頑張るぞ、おー!」

 

リコ(近々魔法界にまた行かないと、きっとあっちも大変かもしれない…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(…お前は何を望む?何を選ぶ…)

 

 

 

私は…どうしたらいいの…?

 

 

 

???(仲間を蔑ろするのか、お前の迷いは人を不幸にする)

 

 

 

嘘よ、そんなことないわ…!

 

 

 

???(返す言葉もないか、ならば消えろ―――)

 

 

 

あぁ、あぁ……―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「…っ!!…あ、夢…?」

 

目を覚ますと、小鳥達の囀りが響き渡る。自分が見た夢は全く覚えておらず、特に気にすることなく普段通りの朝を迎えて起床する。

 

リコ「んっ…」

 

カーテンを開けて日差しを浴びながら背伸びする。昨日の疲れはもう既になくなっていた。

 

みらい『リコ~、ご飯食べるよ~』

 

ことは『早く食べないと遅れるよ』

 

みらいとはーちゃんの呼び出しが聞こえてすぐに着替えて朝ご飯を食べることにした。さて、今後の心境はどうなるのかしらね…特にみらいの方が気になるだろうし。


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