プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第192話 絶望の悪夢:序章

校長「みんなを突然集めてしまって済まない。この時間みんなを集めたのは他でもない。実は今朝、我が校の生徒が何者かによって殺された」

 

生徒達のざわつきが体育館全体に響き渡る。

 

校長「被害者は胸を大きな凶器に貫通したと思われる。今現在警察による捜査が厳重に行われているとのことじゃ、皆もくれぐれもこのような事態に合わぬよう肝に銘じてほしい」

 

学校が休日にも関わらず突然の全校集会が行なわれ、生徒全員がそわそわしている。どうやらこの事件の第一発見者はジュンとケイらしい。

 

校長「今後この件は警察やその関係者達のみで捜査を敢行するそうじゃ。また学校のある日にまた各担任の先生方から話をするので皆は安全な生活を送るよう―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そんな……エミリーが……」

 

リコ「どうしてこんなことに…うぅ…」

 

緊急の全校集会が終わり、改めて二人から話を聞いた私達。あまりのショックに今でも挫折してしまう。

 

ケイ「朝早くジョギングしようとジュンと一緒にエミリーを探したんだけど、無残な姿で…」

 

ジュン「くそぉ!(ドン!)一体誰がエミリーを…!」

 

さっきの校長先生の話によれば被害者であるエミリーは胸に凶器と思われる物で貫通されてそのまま即死したとのこと。死亡推定時刻はおそらく五時より前だと断定できる。

 

ことは「悲しいよぉ…(ぐす)」

 

親しかった友達が殺されることは心の傷が深いということ、つまり今回の事件はまたどこかで起きると思う。

 

リコ「はーちゃん、悲しいのは私達も一緒よ。でも今は…」

 

ジュン「あぁ。エミリーを殺した犯人を見つける、それだけさ…」

 

みらい「けど校長先生言ってたよ?後のことは警察の捜査で行うって」

 

友達が死んだことに同情するのは誰だって同じ、ここはみんなで犯人を見つけたい。しかし校長先生の言うことが優先される。魔法界の事件を担当する警察や捜査課などは私の住むナシマホウ界とはハードが違う。一般人が勝手に行動しても注意だけで済むナシマホウ界にとっては比べものにならない程厳重な捜査だというらしい。

 

モフルン「どうするモフ…?」

 

みらい「大丈夫だよモフルン、私達が探すから。それにモフルンは私が守るから」

 

リコ「じゃあ先生達や他の関係者に気づかれないように調べましょう」

 

今度は刑事が動き出すのも時間の問題だと判断し、手短に行動を開始した。軽率な行動はなるべく控えるよう、周りに注意しながら街全体を散策するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そっちはどう?」

 

リコ「ダメだわ、全然手がかりなしよ」

 

ことは「もう足がパンパンだよぉ…」

 

私とリコとはーちゃん、それにモフルンは西と北へ。ジュンとケイは東と南へと二手に分かれて捜査を始めたものの、これといったことはなかった。その後箒で上空から捜索するが、それこそ見つけ出すことが困難のため森林の方へと着陸する。降りた直後はそのまま歩いて行動するが、なかなか手間のかかる。私達は諦めずにひたすら道を進んでいく。ところが長時間歩き続いたのか、はーちゃんは途中で足が動かなくなってしまう。

 

みらい「痛いの?」

 

ことは「うん、脹脛が肉離れしそう…」

 

リコ「はーちゃんに無理させてしまったわね、これでも食べて休むといいわ」

 

ことは「あっ、冷凍みかんだ…。ありがとう」

 

みらい「それと、キュアップ・ラパパ!足の痛みよ、治まりなさい(パァ…)」

 

そんなはーちゃんに楽させようとするために、私は魔法ではーちゃんの脹脛を冷やしてリコは冷凍みかんを食べさせた。

 

モフルン「はーちゃんが元気になったモフ」

 

ことは「二人とも、だーい好きっ!(ギュ)」

 

みらい「わぁ!?っははは、ちゃんと安静にしなきゃダメだよ?」

 

リコ「慌てん坊さんなんだから、ふふっ」

 

これではーちゃんを安静させることができたので、私とリコは引き続き捜索を再開する。モフルンははーちゃんを日陰の場所へと誘導させる、でもたった数歩の距離だけどね。

 

みらい「リコ、モフルンとはーちゃんよく眠ってるね」

 

リコ「寝顔がちょっとかわいいかも」

 

みらい「あまり距離を離さないようにしないとね」

 

リコ「逸れたら困るわよね」

 

それから三十分後、はーちゃんの足は少しずつ痛みが治まってきた。私達もだいぶ疲労が溜まってきたのでここらへんで休憩を取った。

 

みらい「痛みはどう?」

 

ことは「…ズキンズキンしないよ」

 

リコ「よかったわね」

 

はーちゃんは安心したのかまったりと胸を撫で下した。そこでリコがはーちゃんの脹脛を優しく触り、痛み具合をチェックする。

 

みらい「その顔は大丈夫って証拠だね」

 

リコ「安心したら行きましょう」

 

ことは「はーい」

 

よかったぁ、本当に。このままはーちゃんが動けなくなったらどうなるかと思ったよ~。

 

みらい(やっぱりこんな感じが一番かな)

 

 

 

???「友情はやがて、バラバラになる…」

 

 

 

ことは「…誰?」

 

モフルン「危険な臭いがするモフ」

 

突然私達の背後に現れる謎の影。その姿は靄が消えて初めて見えた。

 

みらい「何者なの?」

 

リコ「一体どういうことよ…」

 

???「我は偉大なるネオフュージョンの力から生まれた欠片の一部、お前達に絶望という名の悪夢を与えるためにやってきた…」

 

ネオフュージョン?闇の魔法使いでも終わりなき混沌でもない、何なの…。

 

リコ「あなたの狙いは何なのよ」

 

欠片「この世界には強大なる力を受け継ぎ者がどこかにいると聞いた。その力は闇を消滅させる程の圧倒的な光らしい、もしそれがこの近くにあるとすれば…」

 

ことは「…っ!?」

 

みらい「はーちゃん…?」

 

相手の目線が一瞬はーちゃんの方へ向いた直後、はーちゃんは身の毛がよだつように身震いした。

 

欠片「お前達はその力が何か知ってるか?」

 

リコ「それは―――」

 

モフルン「正直に話したらダメモフ」

 

みらい「うん…。私達は何も知らない。例えそれがわかっても教えるわけがない」

 

ことは「みらい…」

 

ここではーちゃんの秘密を他言したら何をしてくるかわからない、だから今のところは内密にする。

 

欠片「なるほど、敢えて白を切るか」

 

一同「「「…え?」」」

 

欠片「これでどうです?オルーバの旦那」

 

リコ「今なんて…?」

 

 

 

オルーバ「ご苦労さん、僕の情報は正しかったろ?君達のところについたのも何かの縁だね」

 

 

 

なんとすぐ後ろからオルーバがやってきた。どうしてオルーバが…。

 

オルーバ「あの力を手に入れえるなら手段は選ばなくていいよ、思う存分やっていいよ」

 

欠片「さぁ覚悟はいいか、プリキュア…」

 

ことは「こうなったらやるしかないよ!」

 

リコ「逃げ場なし、ね…!」

 

オルーバ「僕は高みの見物させてもらうよ」

 

嘲笑うオルーバは上空で見学をし始めた。結局戦うしかないんだね…。

 

みらい「みんな!」

 

欠片「地獄の時間の始まりだ…」

 

 

 

みらい&リコ「キュアップ・ラパパ、ダイヤ!ミラクルマジカルジュエリーレ!(パァァ)」」

 

ことは「キュアップ・ラパパ、エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!(パァァ)」

 

 

 

掛け声とともにリンクルストーンが現れ、モフルンにダイヤを、はーちゃんの持っているリンクルスマホンにエメラルドがセットされる。その直後、魔法の力で身体が大人っぽくなって徐々に姿を変えていく。

 

 

 

ミラクル「二人の奇跡、キュアミラクル!」

 

マジカル「二人の魔法、キュアマジカル!」

 

フェリーチェ「天音く命に祝福を(フッ)、キュアフェリーチェ!」

 

一同「「「魔法つかいプリキュア!」」」

 

 

 

オルーバ(また楽しませてもらうよ、プリキュア…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「…また何か、大きな災いが起きようとしている…」


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