プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第190話 今でも、これからも③

めぐみ「ちょっとゆうゆう⁉︎」

 

ひめ「痛いよそれっ⁉︎」

 

突然の出来事に身震いをしてしまう私とひめ。けど平手を受けた誠司は特に苦しい顔をしていなかったのだ。

 

ゆうこ「今ので全部なかったことにしてあげる。これでいいでしょ?」

 

誠司「あぁ…。そういうわけだめぐみ、これで元通りさ」

 

めぐみ「心配して損したじゃない」

 

ひめ「寿命が縮まるところだった…」

 

でも存外私とひめには受け入れなかったことだった。折角いいリアクションしたのに…。

 

誠司「残念そうな顔されると余計困るんだが…」

 

ゆうこ「そうね…」

 

めぐみ「けどこれで一件落着って感じかな?」

 

誠司「俺らから話すことはこれだけだ」

 

どうにか場が落ち着き、一安心する。けどこれだけじゃ足りない気がする…。

 

めぐみ「…あのね、私からも話したいことが」

 

ひめ&ゆうこ「「いいよ」」

 

めぐみ「って即答かいっ!?」

 

誠司「めぐみ、後ろ」

 

めぐみ「ん?きゃあ!?」

 

いおな「驚いた?みんな楽しそうだったからこっそり来たけど、ビックリしたみたいね」

 

ひめ「その登場の仕方はちょっとね…(はぁ…)」

 

いおな「結構ひめにドン引きされてるけど気のせいかしら…」

 

ここでこっそりといおなちゃんがやってきたが、不安が募る空気に。怪しそうな雰囲気していたもんねぶっちゃっけ。

 

いおな「もうめぐみには伝えたの?」

 

ゆうこ「まぁね。やっとモヤモヤが解れたところ」

 

いおな「めぐみ」

 

めぐみ「何?」

 

いおな「めぐみが言いたいことは、ちょっと場所を変えようか」

 

いおなちゃんが私の顔を見つめながら答える。おそらくは私の心の奥の気持ちを和らげるための気遣いかもしれない。現に私自身も完全に気持ちが晴れたわけではないのだから。

 

めぐみ「そしたらそれでいいかも…」

 

ひめ「んじゃ決まりね」

 

いおな「それに、あの人にも心境を聞かせてあげたいから」

 

ゆうこ「あの人って?」

 

いおな「とにかく来たらわかるから」

 

誠司「一体誰なんだ?」

 

ひめ「さぁね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「ごめんなさい、待ちました?」

 

ゆり「いおなが来るまで退屈だったから本を読んでいたの。ちょっと夢中になっちゃって周りを気にしていなかったから」

 

めぐみ「ゆりさん?」

 

ゆり「いおなにあなたをこっちに来るようにと頼んでおいたのよ」

 

私達が向かったのは見通しのいい山の辺り。そこには一人ベンチで読書していたゆりさんがいた。

 

ひめ「どうしてめぐみを呼んだの?」

 

ゆり「この前、めぐみの心がまだ晴れてなかったからちょっと心境を聞きたいと思ってね」

 

めぐみ「あの、まだ私…」

 

ゆり「いいのよ、あなたのペースで話せばそれでいいから」

 

準備が整っていない私に対してゆりさんが私をリラックスさせるように促す。ある程度感覚を空けて自分の素直な気持ちを伝え始める。

 

めぐみ「私、本当は自分を追いつめ過ぎていたかもしれません。誰かが好きになる気持ちはどうしても譲れないんです。勿論友達としてでもあり、大切な人としての両方ですけど」

 

ゆり「友達に聞こうとしたことがすんなり聞き出せなくて、相当悔やんでいたのね」

 

めぐみ「あ…」

 

ゆうこ「めぐみちゃん…?」

 

誠司「大森、今のあいつは正直だ。それが自分にとって乗り越えるべきじゃないかと自覚しようと…」

 

いおな「めぐみはいつどこでも間違ってはいないのよね、自分の志を」

 

ひめ「だって最高の仲間なんだしね」

 

ゆりさんの口から出た悔やむ、きっとこの前のことを思い出すのかも…。複雑そうで結構複雑、それが私の甘さということになる。抱えてきたことはいくらでも解決してきた、それでも無理なものだってあったりする。

 

ゆうこ「めぐみちゃん、やっぱり正直だね…」

 

めぐみ「苦しい気持ちだってあるけど、しっかり聞いたら気が楽になった。私の理想としている大切な人はすぐそこにいるんだってことを」

 

ゆり「誰のこと?」

 

めぐみ「それは…、ここにいますよ」

 

自分自身の甘さを乗り越え、導いた答えがある。私の大切な人は…、

 

 

 

めぐみ「ここにいるみんなです」

 

 

 

そう、ここにいる全員。だから、何かを比べるというのは関係ないと思う。

 

ひめ「めぐみらしい答えだね」

 

いおな「ホント仲間想いね」

 

自分なりの答えを出したけど、みんなも意義なしに頷いた。

 

めぐみ「……ありきたりだった、かな…?」

 

ゆり「素直だと思ったわ。優しさを持っている人こそが仲間に恵まれる、そういうものじゃないかしら」

 

めぐみ「そうなんですか?」

 

ゆり「今度は自分達の力で本当の答えを探してみなさい、きっと今よりもいいことがあると思うから」

 

ひめ「私達だけで?」

 

ゆうこ「面白いじゃない、それ」

 

ゆりさんがクスクスと笑いながら私達にそう伝えた。やけに無邪気な表情をしていると思えばゆりさんが笑うなんて想像もつかなかった。

 

いおな「じゃあ今度はそうしましょうか」

 

ひめ「賛成~」

 

めぐみ「…ゆりさん、私考えてみます。私達の本当の答えが見つかるかどうかを」

 

ゆり「応援してるわ、それじゃあ私はこれで帰るね」

 

ゆうこ「私達も帰ろっか」

 

ゆりさんは読んでいた本をしまい、そのまま私達と別れた。さっきゆりさんが言い残した言葉、本当に答えが見つかるんだろうか…?

 

ひめ「がむしゃらに考えても仕方ないよね。めぐみ、真実はきっと見えてくるよ」

 

めぐみ「そう、だね。私、頑張ってみるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「う~ん、誠司遅い…」

 

誠司「めぐみ~、遅れてすまない」

 

今日は久しぶりに誠司と二人っきりのお出かけ。私は近くの公園の噴水で誠司の到着を待っていた。

 

めぐみ「も~、どれだけ時間かかったのよ」

 

誠司「ちょっと色々あってな」

 

めぐみ「何それ?」

 

誠司「いやなんでも。それより行きたいところはあるか?」

 

めぐみ「そうだな…あ、私ちょうど行きたかった場所があるんだ。行っていいかな」

 

誠司「俺はお前が希望するところに一緒についていくだけだ、異議はないぜ」

 

めぐみ「やったぁ~」

 

私の要望に従う誠司が地味に微笑む。そして向かった先はいつも見る街並みのいい場所、私や誠司も馴染み深い場所だ。

 

めぐみ「誠司、わざわざアイス買ってくれるなんてありがとう」

 

誠司「まぁたまには奢ってやろうと思ったんだ。ここのアイスは人気なんだぜ?」

 

めぐみ「今度ひめ達も誘ってあげたいね」

 

私にアイスを買ってあげた誠司も自分の分を買う。こういった気遣いも流石だと思う。

 

めぐみ「誠司」

 

誠司「ん?」

 

めぐみ「あーん」

 

誠司「いきなりそれやるかっ!?」

 

めぐみ「食べたく…ないの…?」

 

誠司「自分の分あるから別に……だぁもう…!わかったよ、一口食べるよ」

 

無理矢理恋人っぽいシチュエーションを作って誠司に甘える。欲を抑えることができなかった誠司はそのまま私のアイスを一口頬張る。

 

誠司「意外と美味いじゃないかこれ」

 

めぐみ「だよね、誠司のも美味しいじゃん」

 

誠司「おいいつの間に…」

 

誠司が喜んでいる隙に私は誠司の分を素早く口にする。

 

めぐみ「じゃあ次は、あそこに行きたいな」

 

誠司「よし、時間かからないように急ぐぞ」

 

めぐみ「うん!」

 

それから私達は時間がある限りひたすら行きたい場所を巡る。その途中休憩を挟むことにする。

 

誠司「ほい。喉乾いたろ、これでも飲みなよ」

 

めぐみ「ありがと…」

 

あとずっと気になってきたことがあった。今日の誠司がやけに親切だってことが。

 

めぐみ(何だろう…。この気持ち、さっきから落ち着かない。あと胸が…)

 

誠司「お前、顔赤いぞ…?」

 

めぐみ「ぴぎゃぁ!?」

 

誠司「何を考えてたんだ?」

 

めぐみ「いや、その…別に……(もじっ)」

 

誠司「何もないわけないだろ、お前が思っていることはお見通しだ」

 

ドキドキが止まらない私に誠司が溜め息を吐きながら答えた。まぁ伊達に幼馴染やってないしね…。

 

 

 

ひめ「いいムードね(こそっ)」

 

ゆうこ「いいの?めぐみちゃんと相良君を追いかけても」

 

いおな「これもめぐみのためよ。本人の心境をハッキリさせないといけないんだから」

 

ゆうこ「そうだよね。よし、このまま見つからないように二人を追いかけよう」

 

ひめ「これじゃあ私達ただの不審者扱いだよね…?」

 

いおな「リボンやぐらさんは神様と一緒に行動しているから余計手間がかかるわ。ここは三人の力を合わせましょう」

 

ひめ&ゆうこ「「オッキュー」」

 

 

 

めぐみ「ん?今誰かが見ていたような…」

 

誠司「気のせいだ。さてと、一回休憩すっか」

 

どこからか知らないけど監視されているような気が…。でも何もないよね、うん。

 

めぐみ「あのね誠司、一つ私の話聞いてくれるかな…?」

 

誠司「なんだ?」

 

めぐみ「えっと、そのっ……(もじっ)」

 

ダメだ、上手く言葉が出ない…。えぇい、躊躇してる場合じゃない。やるんだ私、ファイトだ。

 

めぐみ「あの時誠司が言った言葉、今ならその気持ちがわかった感じがするの」

 

誠司「俺が何を?」

 

めぐみ「いつかはめぐみの傍にいてめぐみを守れる男になるのが目標なんだ。って。この前誠司が悩んでいた頃にその言葉を思い出すと、口では言い表せないぐらい……理解できた」

 

誠司「俺が、大森と一緒だった頃のことか」

 

めぐみ「確かに誠司は私がこのままブルーにしか目を向かないと思ったんだよね。それでゆうゆうとしばらくの間色々あったんだね」

 

今頃になって思い出す過去、私も誠司も両方悩みを抱えていた時が今となれば懐かしいと思える程おかしな話だった。しかし元々あった気持ちは、変わらず残っていた。

 

誠司「俺があの時言ったことは今日までずっと変わらない。お前が無理している時は俺が支えてやる。一途にその心は無くなることはないはずだ」

 

めぐみ「やっぱり、私の憧れている誠司だ…(ぐすん)」

 

誠司「なんで泣くんだ…」

 

めぐみ「しょうがないでしょ、嬉しいから泣いてるんだから…」

 

予想外にも涙がホロリと流れていく。嬉しいから泣いている、ただそれだけのこと。

 

誠司「お前の気持ちはわかる。だからこれからは焦るな、お前のペースでやっていけばいい。その、物事色々だ」

 

めぐみ「それは余計なんじゃない?私は何でもできる…から」

 

咽び泣くのを抑えつつ、そのまま答える私。やはり誠司の気持ちには乗せられやすいのかも。

 

めぐみ「私も無理はしないよ?ほら、また迷惑かけちゃうかもしれないし…」

 

誠司「お前は正直者だ、自分に嘘をつかないところが長所だろ?」

 

誠司からの励ましの言葉にちょっとだけほっこりする。って当たり前のことで喜ぶのは日常茶判事だし、見慣れているよね。

 

めぐみ「逆に言えば短所は不器用なところかも…」

 

誠司「昔から変わらないな」

 

めぐみ「も~!なんで笑うの~!」

 

誠司「悪い悪い、つい思い出してな」

 

めぐみ「忘れてよ~!」

 

誠司「でも不器用っていえばひめも同じだけどな」

 

めぐみ「デリカシーないなぁ」

 

軽く私を揶揄う発言する誠司、そして腹を抱える。地味に後味悪い雰囲気だな~。

 

めぐみ「いいことも悪いことも関係ないよ、それが個性なんだから」

 

誠司「だよな」

 

めぐみ「えっと…誠司は私のこと、どう思う…?」

 

誠司「そんなの当たり前じゃないか。とってもいい性格してるし、友達思いって感じだ」

 

めぐみ「…そうじゃなくて」

 

また話が逸れたけど、もう一度本題へと戻す。私自身の心の準備がまだ整っていない、けど言いたいことはしっかり告げたいと必死だった。

 

めぐみ「……私はね、一番誰が好きなのかっていうのは関係ないと思うの」

 

誠司「ん?」

 

めぐみ「誰が一番ではなく、みんな平等で公平的なんだと考えられる。私はひめが好きでもブルーが好きでも…誠司が好きでもない。私を支えてくれるみんなが大好きなの」

 

誠司「めぐみ…」

 

めぐみ「結構恥ずかしいって思われそうだけど、とにかく私が言いたかったのはそういうことだから。独り占めしないで助け合うのが大切だし、悩んでいる時にもいつだって仲間がいるから。寂しくない、怖くもない、だから…未来へ向かって前に進めるんだから」

 

今現在の自分の本心を告げていく。無我夢中な状態だけどしっかり伝わったかな…。

 

誠司「お前の本音を聞けてよかった。みんな平等ということか、俺も同じ気持ちだ」

 

めぐみ「そ、その……変かな…?」

 

誠司「それはないに決まっているだろ?変なんて一度も思ったことがない」

 

真剣な表情で私に必死になって答える誠司、その目には偽りがなかった。

 

 

 

ひめ「ぐぬぬ~…いい雰囲気ですぞっ…」

 

ゆうこ「もう少し様子を見ましょう」

 

いおな「でも流石にもうやばいんじゃないかしら」

 

ひめ「ちょっとずつ接近しちゃうんだからね(こそこそ)」

 

いおな「大丈夫かしら…」

 

 

 

しばらく無言の時間が気がつけば続いてた。私も誠司も申し訳ないような顔をしてこっそりとお互いの顔を振り向こうとする。

 

めぐみ「あっ…」

 

誠司「…悪い」

 

どうしても後ろへと向いてしまう。緊張感が微妙に高ぶるしこのままは話すのも本末転倒な気がままならない。

 

誠司「…なぁめぐみ」

 

めぐみ「何…?」

 

誠司「単刀直入に言うけどさ、お前の本当の気持ち聞けて……嬉しかった」

 

めぐみ「誠司…」

 

すると誠司の口から予想外の言葉で出てきた。

 

めぐみ「ふぇ?」

 

誠司「なんかすっげースッキリした気分になったんだよ。俺も悩んでた時が一時期あったけどさ、めぐみの一言でよくわかんねーけど吹っ切れた気がしたんだ」

 

めぐみ「もう少しわかりやすく説明してくれないかな…」

 

誠司「だーかーら!俺は今―――」

 

 

 

ひめ「も~我慢の限界じゃ~っ!」

 

 

 

めぐみ「ひめっ!?」

 

誠司「大森達もなぜここに!?」

 

いおな「もうひめったら…(ハァ…)」

 

ゆうこ「ごめんね二人とも。これには色々訳があるの…」

 

誠司が呆れ気味で答えようとしたら、ひめが突然転がっていくようにやってきた。勿論ゆうゆうといおなちゃんも一緒だった。

 

めぐみ「どうしてひめ達がここに?」

 

ひめ「めぐみと誠司が二人っきりでお出かけだなんて心配したんだからねっ」

 

ゆうこ「ひめちゃんがそのことを鵜呑みにしちゃった結果、私達も巻き添えになったの」

 

いおな「恥をかいてるのはどっちなのよ」

 

んで結局勢揃いという形になったと、私達は不思議な縁があるんだね。

 

誠司「でもまぁお前らも暇だったろ?丁度昼飯時だからみんなで美味い店でも探そうぜ」

 

めぐみ「誠司…その」

 

誠司「話は後回しだ、今は腹ごしらえだ」

 

ゆうこ「私がっつり食べられるところがいいかな」

 

いおな「私も同じく」

 

ひめ「早く行こうよ~」

 

細かいことは後にし、食事をとることにした。一体誠司は何を思ったんだろうか?

 

そんなこんなで食事を終えてそのままみんなが行きたい場所を満喫するまで巡った。満足した後は人が沢山集まる噴水のある場所へと向かった。結構歩いたため、一旦ベンチで座って休憩する。その途中ひめはあることを言い出した。

 

ひめ「めぐみ、ゆうこ。私達っていつでも一緒だね」

 

ゆうこ「うん。ひめちゃんの言う通りね」

 

めぐみ「よし。いっちょやってみますか」

 

いおな「何するの?」

 

ひめ「にひひ、行ってみよ~」

 

私とひめとゆうゆうは横に並んで決めポーズ的なことをやり始める。

 

ひめ「私達は、また一つ凄いことをした。数多の脅威から世界を救い、人々を笑顔に変えた。それはつまり、え・い・ゆ・う。私達のこと」

 

めぐみ&ひめ&ゆうこ「「「ドヤッ」」」

 

いおな「……」

 

誠司「なんだこれ…」

 

ところが二人は呆気なくドン引き。ひめ、どうやら無意味だったね…。

 

ひめ「し、しょんにゃ~っ!!」

 

ゆうこ「残念だったねひめちゃん、ドンマイ」

 

めぐみ「笑いの壷が違うみたいだね」

 

あまりの結果に思わず挫折するひめ。これに関しては本人にとっての心の傷となるだろう、多分。

 

めぐみ「それで誠司、さっきの続きだけど」

 

誠司「すまないな、何度も中断しちゃって。俺が思ったことはめぐみが常に正しくて意見を曲げないところが羨ましいんだ」

 

いおな「相良君、そんなことを思っていたの…?」

 

ゆうこ「誰よりもめぐみちゃんを知っているからね」

 

ひめ「誠司、顔赤いね」

 

誠司「うるさいな、そんなんじゃねぇよ…」

 

さっきの話の続きを言う誠司にひめ達がちょびっとだけ胸の鼓動が高まっていた。むしろそれは私の方なんだけどね、あはは…。

 

めぐみ「私には誠司が言った言葉の意味がよくわかるよ。大切な人のためならどんなことでもする意思がとても心に刻まれる。でも…たまには私に甘えても、いいんだよ…?」

 

誠司「もうガキじゃないし、俺だって真剣だ。大人になるための準備はもうしている」

 

めぐみ「も~強情なんだから~っ(すっ)」

 

誠司「ん?」

 

 

 

めぐみ「…んっ?」

 

誠司「……」

 

 

 

私が誠司の顔に近づこうとすると、逆に誠司の方から近づけてきた。そして…、

 

ひめ「えぇえええ~!?」

 

ゆうこ「これが愛なのね~♪」

 

いおな「相良君…やるわね」

 

私の口元に柔らかい感触が伝わってきたのだった。

 

めぐみ「…(///)」

 

誠司「こういうのは…俺からしたい」

 

めぐみ「ぷははは…。ありがとう、私の憧れの人…ふふっ」

 

ひめ「熱い、熱いですぞぉおおお~~~っ!!」

 

ゆうこ「将来の夫婦決まりかもね」

 

いおな「まだ仮だけどね、一応」

 

予想外なシチュエーションでひめ達は一瞬パニック状態になった。けど、

 

ひめ「誠司、上手くいったね」

 

めぐみ「え?どういうこと?」

 

誠司「俺だって緊張したからな…こういうことやるの…」

 

いおな「実はね、相良君はめぐみと―――」

 

誠司「だぁああ!それ以上言うなぁああ!」

 

ゆうこ「相良君顔真っ赤だね」

 

つまり誠司が遅れて来たのは…そういうことだったのか、なるほど。

 

めぐみ「誠司って本当に優しいんだね…」

 

誠司「めぐみまで…。まぁ俺なりの気遣いだ、そういうことにしておいてくれ」

 

ひめ「めぐみ、これで気持ちはスッキリした?」

 

ひめが私の顔を覗き込むように尋ねる。かつての出来事を思い返せば悩みがあった、けど今は…。

 

めぐみ「もう大丈夫。私、なんだか全部が解決できちゃった気分。みんなのおかげだよ、本当にありがとう」

 

ひめ「私達はいつだって友達だね!」

 

ゆうこ「これからも助け合う仲間として」

 

いおな「一生懸命頑張らないとね」

 

誠司「くれぐれも無茶はしないようにな、今後の成長としてさ」

 

めぐみ「…うん、そうだね!」

 

私には支え合いながら一緒に乗り越えていく友達がいる。どこまでもその先へ進めるように次のステージへの第一歩を踏み越えないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「今回は散々だったね」

 

R「無情だな」

 

ファントム「…この俺がこうも簡単にプリキュアに甚振られるとは」

 

R「ダークプリキュアは今回の仕事をもってしばらく休息をとるとのことだ、お前はどうする?」

 

L「レジーナちゃんも別の世界にブラブラしているからあまり戻って来ないね。そうだ、次君が行く世界だけどこんなところはどうかな?」

 

ファントム「ここは…?」

 

R「ここは不思議な力が秘められている。お前は次ここに行ってもらう、勿論そこの世界の人物にも依頼した。これからお前はそいつと行動することとなる」

 

ファントム「そこならば、俺の力は認められるんだな?」

 

L「くれぐれも僕達の期待を裏切らないようにね。失敗が二度もあれば君を雇った意味がないからね」

 

R「成果を楽しみにしているぜ」

 

ファントム「……わかった」

 

R(あの世界は、ちと厄介だろうがな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「行ってきまーす」

 

薫子「…いってらっしゃい」

 

えりか「つぼみ~!いつまで待たせるのよ~!」

 

いつき「もう行くよ~」

 

ゆり「ホント、お節介な一面が多いわね」

 

つぼみ「大丈夫です、さぁ行きましょう」

 

シプレ「レッツゴーです!」

 

コフレ「えりかもはしゃぐのは程々ですよ?」

 

ポプリ「いちゅき今日もかわいいでしゅ」

 

私達は例え離れても一緒。どこまでも繋がっています。

 

めぐみ「おーい、こっちだよー」

 

ひめ「姉さ~ん、今日も張り切ろうよ~!」

 

ゆうこ「みんな賑やかで満腹ね」

 

いおな「楽しい一日になるかもね」

 

リボン「いい天気で何よりですわ」

 

ぐらさん「クールに決まりそうだぜ」

 

誠司「全員集合だな」

 

ブルー「まさか僕まで来ることになるとはね。でもこれはこれで悪くないかな」

 

もし友達と喧嘩した時は素直に謝ればいい、気持ちを伝えられればいい。私達に必要なのは感情、そして愛情と心。

 

つぼみ「めぐみ、どこに行きます?」

 

めぐみ「私はどこでもいいよ。つぼみもそう思うよね」

 

 

 

私達には、心と愛があるのだから…。




大変遅くなりましたが、第三章は今回をもって完結です。今回のテーマは恋愛を強調させましたが、途中で人間関係がギクシャクする場面もありました。最後はお互いの気持ちを理解してこその友達だと改めて実感できるのではないかと解釈しました。

そんな心を誰でも持てる辺りが、本当の成長へと繋がっていくでしょう。短いですが今回はここまでとします。また次回、第四章でお会いしましょう。

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