ひめ「ねぇめぐみ、一つ聞きたいんだけど」
めぐみ「ん?」
約束の時間が訪れたので、みんなでさっきつぼみと一緒に行った神社へと移動する。そこでひめが顎に手を当てながら私に尋ねた。
ひめ「本当にやるつもりなの?このまま一方的に負けるんじゃ…」
めぐみ「心配ないよ、力を合わせればできないことはないよ」
いおな「そうよひめ。不可能なことは全部可能にすればいいんだから」
正直私も少し不安な心はある、なんせ誠司が捕らわれているから。迂闊に手を出せば誠司の身も危うい。
つぼみ「ですが、相手は約束なんて守るんでしょうか…」
いつき「とりあえずやってみないとわからないよ」
えりか「ふむふむ。いざという時は本気でかかるのが一番、そうでしょ?」
つぼみ「えりか、いつき…。はい、ここで立ち止まると意味ありませんよね」
どうやらつぼみも勇気が沸いてきたんだね。勿論相手はファントム、それにダークプリキュアって言ってたっけ。さっき誠司を人質にしたってゆうゆうが説明したみたいだし。まずは誠司を返してもらうことが優先、罠だろうが振り切ってみせる。
めぐみ(なんだろう、もう一つ嫌な予感がするような…)
ゆうこ(……めぐみちゃん、私…)
~~数分後~~
ファントム「どうやらちゃんと来たみたいだな」
めぐみ「約束通り、誠司を返して」
ひめ「どんな手を使おうとも、私達が止めてみせるから」
それから目的地に到着し、まずは誠司の解放を要求する。だが向こうもそう簡単に渡す気はなかった。
ファントム「とりあえずこいつには何も施していない、安心しろ。けど、俺達に勝ってから返してやろう」
つぼみ「そう来ましたね…」
えりか「予想的中、大ボスって感じよね」
いおな「みんな、上を見て!」
いつき「もういたってことだね…」
上を見上げると、黒くて憎しみを感じさせる女の人が現れた。もしかしてこの人が…、
Dプリキュア「私の相手はこいつらと言いたいところだが、そこはお前に任せる」
いおな「ダーク…プリキュア…」
ゆうこ「前にいおなちゃんと戦った相手よ」
ひめ「これって私達と戦うフラグですと~!?」
めぐみ「みたいだね」
あの威圧感に思わず身体中が震え上がる。彼女こそがダークプリキュアと名乗る者…、その名の通り悪のプリキュアということだ。
ファントム「さぁお前達の相手はこの俺、プリキュアハンターのファントムだ」
つぼみ「こっちは私達に任せてください、決着をつけたいです…」
めぐみ「わかった、ファントムはつぼみ達に任せるよ」
これで準備は整った、あとは勝つだけ…!
Dプリキュア「折角だし、お前らに相応しいステージを用意してやる(パチン)」
めぐみ「うわぁ!?」
ひめ「ぎょえ!?」
ゆうこ「きゃ!?」
いおな「う…!?」
足元を見てみると、それは荒れ果てた砂漠のようだった。もしかしてあそこが戦う舞台…?
Dプリキュア「変身したらあそこへ移動される、準備はいいか?」
めぐみ「今更引き返すわけにはいかない!みんな、行くよ!」
今私達とダークプリキュアとの葬列な戦いの幕を開ける、負けたらそこでおしまいとなる…。
めぐみ&ひめ&ゆうこ「「「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」」」
いおな「プリキュア・きらりんスターシンフォニー!」
私とひめとゆうゆうはプリチェンミラー、いおなちゃんはフォーチュンピアノを取り出してプリカードをセットして掛け声とともにプリキュアへと姿を変える。
ラブリー「世界に広がるビッグな愛、キュアラブリー!」
プリンセス「天空に舞う青き風、(ヒュウ)、キュアプリンセス!」
ハニー「大地に実る命の光、キュアハニー!」
フォーチュン「夜空に煌めく希望の星、キュアフォーチュン!」
ラブリー&プリンセス「「ハピネス注入!」」
ハニー&フォーチュン「「幸せチャージ!」」
一同「「「ハピネスチャージプリキュア!」」」
Dプリキュア(これが、ハピネスチャージプリキュアか…。面白い)
その直後、私達はダークプリキュアのいる砂漠の空間へと突入した。それぞれで勝負をつけないと誠司は助からない、チャンスは一度っきり…!
ファントム「それでは、もう一度お前らの力を俺に見せてみろ」
つぼみ「行きますよ!」
えりか「ちゃっかりシプレ達も来たみたいだよ、これでオッケー」
いつき「ていうかいてくれないと変身できないしね」
つぼみ(無事でいてください、そして私達もすぐに向かいますから…)
ブルー「みんな、揃ってお出かけしんだね」
リボン「大変ですわ~!みんながファントムのところへ行きましたわ!」
ブルー「一体何が…?」
リボン「事情は後程説明します、とにかくみんなが危ないですわ!」
ぐらさん「全くいおなも勝手にいなくなるし、もう滅茶苦茶だぜ…」
ブルー「すぐに向かおう、このままでは危険だ」
ブルー(めぐみ、みんな……)
ラブリー「…酷い」
プリンセス「砂漠だからってこんなの…」
ハニー「結構朽ち果ててるじゃない…」
フォーチュン「こんなものがあなたの求めていたものなの?」
Dプリキュア「私の求めていたものなど所詮はこの程度、今いる場所と同じだ」
見るに堪えいないくらいの荒廃した空間、そして血に染まっている空。これが彼女の心だというの…?
Dプリキュア「あの人は、私の…」
ラブリー「あの人?」
Dプリキュア「それを話して何の意味がある。ともかくここがお前らの墓場となる」
フォーチュン「言っても無駄よ、今はケリをつけましょう」
プリンセス「なんだか複雑な気分、でもそんなことはどうでもいい」
Dプリキュア「そろそろ始めようか、食物連鎖が連なる憎しみのロンドを…」
ラブリー「みんな!」
相手の先制攻撃と同時に、一斉に散開する。相手の目からは枯れた心を映し出していいるような殺気だ。
フォーチュン「てやぁ!(ガッ!)」
ハニー「えぇい!(ゴッ!)」
Dプリキュア「あの時の戦闘で既にパターンは見切った。うせろ…(ズババァ!)」
フォーチュン「ぐぅ…!」
ハニー「全然聞いてない…!?」
ハニーとフォーチュンが背後から攻撃を仕掛けるが、全て防がれてしまった。こうなった以上は同じ手はもう通用しないということになる。
ラブリー「次は私達が!はぁああ!(ガンガン!)」
プリンセス「ドリャあー!(ズガァ!)」
Dプリキュア「キュアラブリーにキュアプリンセスか。まるであの二人と一緒だな…何もかも…!(ズギャアン!)」
ラブリー&プリンセス「「あぁああっ!」」
今度は私とプリンセスで正面から叩こうとしたが、呆気なく相手の技で吹き飛ばされてしまった。まるで今まで私達が経験した動きを全て覆すかのような精神力、なぜあそこまで…?
Dプリキュア「人の心も幸せなど、所謂感情にしか過ぎない。不幸や憎しみさえ抱けばそれまでだ」
ラブリー「終わりなわけないもの。いくら感情でも、悲しい方向に進んだら誰も笑顔になれないんだから…」
プリンセス「大切な人だって幸せになれるんだよ、それが嫌なの?」
Dプリキュア「浅はかな、人間がどれだけ惨めで愚かなのかわるだろう?人間も結局夢や希望を捨てたら一生後悔する人生を送る、それがバカ共の末路だ」
ハニー「あなたの心は非常に悲しんでいるわ…」
Dプリキュア「何を戯言を」
一体彼女には何が起きたんだろう?きっと辛いことでもあったのかな…?
フォーチュン「私はあなたの気持ちに同情する、けど絶対に共感しないわ」
Dプリキュア「私の心はこの空間そのもの。どう這いつくばろうとも心を汚されるわけにはいかない」
ラブリー「もうとっくに汚れているじゃない…」
Dプリキュア「黙れ。まだ私は終わってはいない、勝負はこれからだ……ふん!(ビュン!)」
理由を聞き出す余裕もなく再び攻撃を続けるダークプリキュア。その表情は既に悪鬼のようだった。
ラブリー「何か他に方法はないの…?」
フォーチュン「とりあえず戦うしかないのね…!」
ハニー「ここは私が足止めする、みんなはその間に集中攻撃を!」
プリンセス「了解、んじゃ行くよ!」
こっちはこっちでどうにかしないといけないし、つぼみ達は大丈夫かな…?