プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第178話 影と憎しみ①

つぼみ「この街ってこんなにいいところだったんですね」

 

めぐみ「特にこの橋の下の道はランニングとかで利用する人達が多いんだよ。私はよく学校に行く時や帰りの時とかに通るよ」

 

つぼみ「川も綺麗ですし、朝方の景色と合いますよ」

 

早朝の散歩に出た私達、それに人が少ない時間帯のためにこうやって二人っきりで歩くことができている。つぼみにもっと教えたいことはあるけど、何よりつぼみ自身が見て楽しむ場所がいいと思う。

 

めぐみ(つぼみ…)

 

つぼみ「ん?どうしました?」

 

めぐみ「ううん、別に。そうだ、折角だからもっといい場所を教えるね」

 

つぼみ「そんなところがあるんですか?」

 

めぐみ「私に任せんしゃい、えっへん」

 

距離はだいぶ遠のくが、つぼみにどうしても連れて行かせたかった場所があったためそこに行くことにした。しばし歩くこと数分、まだ霧があるためにあまり景色は見えないが眺めはよさそうだ。

 

つぼみ「ここは…、なんだか懐かしい感じが…」

 

めぐみ「懐かしい?」

 

つぼみ「いや、その…。ちょっと似たような場所があって、私そこに来たことがあるんです。まぁ幼い頃の話ですし」

 

めぐみ「つぼみが気に入ってくれたなら嬉しいよ。ここの神社はね、結構街の風景が全体的に見えるところなの。だから一度つぼみをここに連れて行かせたかったの」

 

つぼみ「確かに眺めがいいですね。私、ここ嫌いじゃないですよ」

 

予想以上につぼみが興味津々の様子で私も思わず胸を撫で下ろした。私もここでブルーと…。

 

めぐみ「折角だし、何かお願いごとしようよ」

 

つぼみ「そうですね、ここに来た記念にですね」

 

ついでに二人で何かしらのお願いごともしておく。色々と縁があるためか、こういうのも意識するようになってちょっと不思議に思い始めた。

 

つぼみ(もっとみんなと一緒にいられる毎日が来ますように…)

 

めぐみ(みんな幸せでありますように…)

 

目を閉じてそっとお願いを込める。自分達が大事だと思っていることを素直に気持ちで表す。その直後、ある光景が見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(キュアブロッサム、あなたは世界を変えるプリキュアの一人…。その心を託し、滅びの未来を変えて―――)

 

???(キュアラブリー、プリキュアとしての使命を、運命を導く糧に―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ&めぐみ「「……っ!」」

 

透き通る謎の声、そしてよく見えなかった人影。あの言葉の意味って何…?

 

つぼみ「そろそろみんな起きる頃ですし、帰りましょうか」

 

めぐみ「うん、そうしよう」

 

ようやく霧が晴れたので、一緒に戻ることにする。ところが…、

 

 

 

ファントム「こんなところまでノコノコ居座るとは好都合だ」

 

 

 

つぼみ「あなたは…!」

 

めぐみ「どうしてファントムがここに!?」

 

なんとここで宿敵の一人であるファントムが目の前に現れた。そこまでして邪魔するなんて…。

 

つぼみ「今度は何をするつもりですか」

 

ファントム「俺も少しばかりとっておきを用意した。あの時お前と戦ったことを活かさせてもらうぞキュアブロッサム」

 

めぐみ「つぼみ、ファントムと戦ったことあるの?」

 

つぼみ「はい。一度だけですが、とてつもない憎しみが伝わります」

 

ファントム「ついでにキュアラブリー、お前の仲間どもも時期にあいつにやられるだろうがな」

 

めぐみ「誰のこと?」

 

ファントム「それはこいつがよく知ってる相手だ」

 

つぼみ「まさか…、あの人ですね」

 

もしそうであればひめ達も危ない。ここで時間を過ごすわけにはいかない、早く急がないと!

 

ファントム「今から二時間まってやる。それまでにここに戻って来い」

 

めぐみ「私達を煽ってるの…?」

 

つぼみ「いえ、これは私達に有利な時間をくれるということじゃないですかね」

 

ファントム「万全な状態でのお前らとの戦いをしたい。無論こちらにもハンデをつけるがな」

 

ハンデと聞くと嫌なことしか想像できない、でも野放ししたらこの街全部を破壊するやもしれない。

 

つぼみ「行きましょうめぐみ」

 

めぐみ「…必ずこっちに戻るから」

 

ファントム(戻った暁には、俺から分離できたいあいつをお披露目してやる…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ふぅ、お腹空きましたね。朝ご飯食べましょうか」

 

めぐみ「そうだね、腹空かしては戦はできぬってね」

 

えりか「二人ともどこ行ってたの?」

 

ひめ「いなかったから心配したんだよ」

 

ひめの家に戻ってきた私達は朝食を食べるためにソファーに腰かける。そこへえりかとひめがしかめっ面で心配してきた。

 

つぼみ「ちょっと散歩していまして」

 

めぐみ「眠れなかったからつい」

 

ひめ「朝から神様は睡眠しているからあまり大声は出せないよ。言いたいことは起きてからね」

 

いつき「それより早く食べようよ、冷めちゃうよ」

 

いおな「ふぁ~…。まだ眠いわね…」

 

ひめ「ところでゆうこと誠司は?」

 

そういえば既に二人はいるはずなのに、どうしたんだろう?

 

いおな「朝早くから出かけてるわよ。用事があるって」

 

めぐみ「……」

 

ひめ「めぐみ…?」

 

めぐみ「何でもないよ、それじゃあいただきます」

 

つぼみ(めぐみ……)

 

ここで体力をつけないと後がない、それとゆうゆうにきちんと気持ちを聞かないと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「朝のランニングもいい気持ちだわ」

 

誠司「悪いな付き合わせてしまって。これも俺の日課なんだ」

 

ゆうこ「それはもうわかるよ、いつも見てるから」

 

誠司「だよな。なぁ大森」

 

ゆうこ「何?」

 

誠司「俺さ―――」

 

 

 

Dプリキュア「自分の気持ちを言いたいところだが、お前はまだ青い」

 

 

 

誠司「誰だ…?」

 

ゆうこ「あなた、ダークプリキュアね…!」

 

誠司「ダークプリキュア?なんだそれ」

 

Dプリキュア「お前の心を、試させてもらう(バッ)」

 

誠司「うわっ…!」

 

ゆうこ「相良君!」

 

Dプリキュア「こいつは預かる、返してほしいなら今から二時間後にぴかりヶ丘神社に来い。勿論他の連中も連れてな」

 

ゆうこ「待って、まだその余裕は…」

 

Dプリキュア「来ないとこいつの生命はない、それに楽しい物を見せられないからな」

 

ゆうこ「絶対来るからね、約束なんか破らないよ」

 

Dプリキュア「決まりだな。また後で会おう(バッ)」

 

ゆうこ(このことをみんなに知らせないと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「みんな、落ち着いて聞いてほしいの」

 

ひめ「何を?」

 

ゆうこ「みんな揃ってる?私から言いたいことが」

 

いおな「どうしてそんなに焦ってるの?」

 

私が説明しようとしていることを話そうとしたら、大慌てでゆうゆうが戻ってきた。でも誠司がいないけど、どうしたんだろう?

 

つぼみ「まとめるとですね…」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

ひめ「つまりダークプリキュアっていうのが誠司を連れ去って人質にしておいてそこへファントムがダークプリキュアと一緒に神社に来いってことなんか~いっ!!」

 

えりか「ひめ説明乙」

 

いおな「相良君を人質にしておき、私達全員で来るなんて…。これは罠じゃないかしら」

 

いつき「わからないね。とにかく気を引き締めていかないと」

 

いおな「でもゆりさんもいてくれたら…」

 

つぼみ「大丈夫です。私達ならどうにかなります」

 

一通りの内容を説明し、益々緊張感が昂ってしまう。でもいちど 起きたことは放り投げるわけにはいかない。

 

めぐみ(誠司……)

 

ゆうこ(めぐみちゃん…)

 

あとは時間通りに来れば準備は整う、それまでに万全にしておかないと…。


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