プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第176話 秘密のお泊り会②

つぼみ「みなさんそろそろあれ始めましょうか」

 

えりか「いいよ、もう待ってられないよ」

 

いつき「じゃあ開始だね」

 

ひめ「乙女の秘密のお話タ~イム!」

 

ひめの合図でみんなで盛り上がるこの空気、とても興奮しますね。あとはめぐみ達を待つだけですね。

 

ゆうこ「ごめ~ん、遅くなっちゃった」

 

ひめ「めぐみは?」

 

誠司「…少し疲れたから部屋で休んでいるそうだ」

 

珍しいですね、いつもならすぐに来るめぐみが今来てないなんて。一体どうしたんでしょうか?

 

ゆうこ「…まぁとにかく始めましょうよ」

 

いおな(ゆうこ、何か焦ってないかしら…?)

 

ちょっとだけ罪悪感のある表情をするゆうこ、やはり問題でもあったのでは…。

 

誠司「俺風呂入るからみんなで楽しくやっててくれよ」

 

ひめ「タオルとか用意しておかないとね。私出してあげるよ」

 

いおな「うっかり覗いたらダメよ?」

 

ひめ「へーきへーき」

 

いつき「まぁいいか」

 

ひめは誠司君にタオルを用意するために一度席を外します。いつまでもボーっとするのも勿体ないので早速始めます。

 

つぼみ「私からでいいんですね…?」

 

いおな「遠慮しなくてもいいわよ」

 

ゆうこ「とびきりいい特ダネをお願いね」

 

つぼみ「はい、では行きますね。私はブルーさんのことがとても気になります」

 

えりか「ここまでは全員わかるよね。それでどこが気に入ったの?」

 

トップバッターは私になり、ブルーさんのいいところを話します。でも言われてみればあの人のいいところって、まずは背が高いし優しいし。それから…、

 

つぼみ「……えっと、心が打たれる雰囲気だから…です(///)」

 

一同「「「なるほど」」」

 

ってそんなんでいいんですか私っ!?あまりにも表現し難いことを教えても何のメリットなんかないのに、でもそれはある意味間違いではないのでは?

 

いつき「意外に人を見るんだね、凄いよつぼみは」

 

つぼみ「それ程でもありませんけど…」

 

いおな「ビックリしたわ。神様ってあんなイメージだったとは」

 

ゆうこ「そこまで意識してないと本人は思うけどね…」

 

えりか「大丈夫、みんな共感してるから(笑)」

 

つぼみ「最後の(笑)はいらないですよえりか…」

 

ちょっとだけ注意力が散漫したじゃないですか、えりかの意地悪。

 

いつき「次は僕が言うよ。実は、最近あることを意識するようになったんだ」

 

いおな「あること?」

 

そういえばいつきがそんなことを言うのってほぼ初耳ですね、どんなことなんでしょう?

 

いつき「それは、女子力……なんだ」

 

えりか「えぇ!?今更かよ!?」

 

ゆうこ「そこについては私が説明するね。ここ数日間でもっと女の子らしい雰囲気にできないのかっていつきちゃんが悩んでいたの」

 

つぼみ「でもいつもなら完璧なはずなのに」

 

いつき「その気持ちは変わらないよ。でもね、将来を考えると改めないといけないことだってあるよ。例えば心とかね」

 

それは所謂大人の女性になるための準備というべきですかね?

 

いおな「誰だってそれを考えるわ。別に例外じゃないし」

 

えりか「いつきはありのままの自分でいれば十分。でしょ?」

 

いつき「ここ数日間で感じたのが自分らしさでありたいということかな。確かに例外じゃない話だけど地味なことでも一生懸命になるのも日々の努力かも」

 

そのためには色々と試行錯誤する必要があるようですが、いつきにはもっと研鑽の余地があるのかもしれません。

 

いおな「いい話が聞けたわ、とてもよかった」

 

えりか「次私~!」

 

ここでえりかの出番がやってきました。どうせ碌なことじゃないのは目に見えてますけどね…。

 

えりか「私、将来資格を取りたいと思っているの」

 

ゆうこ「何の資格?」

 

えりか「勿論ファッションコーディネーターよ。そのためにまずは勉強して資格取らなきゃ意味ないの」

 

言われてみれば納得する内容ですね、でもその仕事は結構大変なイメージだと私は感じるんですが、どうでしょう?

 

いおな「えりかって確かお姉さんいるのよね?」

 

つぼみ「そうですよ。ゆりさんの親友ですからね」

 

いおな「私この前ゆりさんから聞いたの。凄く美人ですって」

 

ゆうこ「今度会ってみたいな~」

 

えりか「まぁ貧相な私とは大違いだけど。ともかく私はいつか資格を手に入れたいの。もっとファッションのことを学ばなきゃ生きていけんのだ!」

 

つぼみ「余計暑苦しく見えますねこれ…」

 

でもえりかの好きな分野ですし、精一杯応援しますからね。

 

ゆうこ「結構盛り上がってますな~」

 

いおな「私達も何か言わないと」

 

つぼみ(こうしているとなんだか時の流れを忘れますね。でもそれにしても、めぐみは大丈夫でしょうか…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「ふぅ…」

 

ひめ「ほい、コーラだけどいい?」

 

誠司「いいよ別に」

 

風呂から上がった誠司にコーラを渡し、そのまま一緒にソファーに座る。その直後、私は誠司にあることを尋ねた。

 

ひめ「ねぇ誠司。一つ聞いていい?」

 

誠司「どうしたんだ?」

 

ひめ「さっき、めぐみとゆうこ……何してたの?」

 

誠司「俺も途中から来たからよくわかんねぇが、少なくとも言い争いになったに違いはないな」

 

ひめ「普段あんなに仲がよかった二人なのに、なぜ…」

 

虚しい口調で答える誠司に対して少し身体がグッタリしてしまう。

 

ひめ「あのさ、最近ゆうこに変わったことないの?」

 

誠司「特にないけどさ、でも……」

 

ひめ「誠司…?」

 

今度は喋ろうとした言葉すら止まるようになった誠司。何かわけがあるのかな。

 

誠司「ひめ、ちょっと耳貸してくれないか」

 

ひめ「いいけど」

 

誠司「実はな―――」

 

ひめ「それってかなり強引ね。でもゆうこがあんなに真剣になるなんて見たこともない」

 

誠司「このことは誰にも言うなって言われてる。でもお前だったらわかってくれるんじゃないかって」

 

結構焦りが生じている誠司の心がよくわかる。だけど友達を騙すなんてゆうこらしくないと思う。

 

誠司「当然めぐみにも言わないでおけ」

 

ひめ「わかっている。このタイミングで教えたら確実に二人は絶交してしまうよ。どうにか仲直りさせたいよ」

 

誠司「それと大森が隠し事なんてできそうにないイメージだがな」

 

ひめ「あとは私に任せて。めぐみのことはね」

 

誠司「済まんなひめ、お前に任せて」

 

誠司が申し訳なさそうな表情で何度も私に頭を下げる。少なくともこれは誠司とゆうこの問題でもあるし、めぐみの問題でもあるから。

 

ひめ「今日はもう疲れたでしょ?ゆっくり休んで」

 

誠司「そうだな、じゃあそうするわ」

 

ひめ「身体には気をつけてね(チュ)」

 

通り過ぎる前に誠司の頬に軽くキスする。

 

誠司「い、今のはなんだよ…」

 

ひめ「いつもお世話になっているお礼。みんながいないからできたのよ、こんなの恥ずかしくてできないわよ…(///)」

 

でもこんなの見られたら間違いなくヤバイんだからぁ~!!

 

誠司「まぁいいか。じゃあおやすみ」

 

ひめ「おやすみ誠司」

 

部屋に入る誠司に軽く手を振る。結局ゆうこが最近馴れ馴れしかったのはこのためだったとはね、一本取られたわ。

 

ひめ(めぐみ、元気出してくれるかな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「面白かったですね、また今度やりましょうね」

 

えりか「いい話聞けて満足ですたい」

 

いつき「もう遅いし寝ようか」

 

ゆうこ「ひめちゃん来れなかったね」

 

いおな「どうしたのかしら?」

 

よくよく思い出せばあとで来ると言ったひめが結局戻ってくることはありませんでした。ちょっと残念です。

 

つぼみ(めぐみ…)

 

いつき「つぼみ?」

 

つぼみ「いえ、なんでもないです。そろそろ寝ましょうよ」

 

えりか「私つぼみと同じ部屋ね」

 

いつき「僕はここでいいよ」

 

ゆうこ「ひめちゃんの家には沢山部屋あるからね。困らないよ」

 

いおな「私ももう寝るけど、ゆうこはまだ起きてるの?」

 

ゆうこ「もう少しだけね」

 

ここで私達はそれぞれの部屋に戻り、寝ることにしました。一方ゆうこはまだ寝る様子ではなかったみたいです。

 

えりか「つぼみ、今日は一緒に……したい(ヒソヒソ)」

 

つぼみ「もうえりかったら、しょうがないですね」

 

いおな「まるで夫婦みたいね…(あはは)」

 

とにかくもう遅いし、夜更かしなんてできませんよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「めぐみ、入るよ(コン、コン)」

 

めぐみ「…ひめ?」

 

誠司との会話のあと、私はめぐみのいる部屋へと入った。どうやらめぐみは相当やつれた顔をしているみたいだった。

 

ひめ「何かあったの?もしよかったら私が相談相手になるからさ」

 

当然誠司からは知らないふりでいてほしいとのことだからあえてこういう口ぶりで聞いている。

 

めぐみ「私、ゆうゆうに裏切られた…」

 

ひめ「裏切られた?」

 

めぐみ「必死で言ってるのに何もないって誤魔化すの。絶対に隠し事をしていた、それを言わないなんて……っっ!」

 

ひめ「でもゆうこなりの気持ちはあったんじゃないかな。めぐみを誤解するようには見えないよ」

 

きっとどこかで行き違いがあったような気がする。そうめぐみは捉えていたんだろうか?

 

めぐみ「ありがとうひめ。気持ちだけは受け取るよ。でももういいの、一度信用が失われたら修復が難しいから…」

 

ひめ「私、もう寝るね」

 

めぐみ「わかった。おやすみ……」

 

そしてそのまま気を失うかのようにめぐみは眠りについた。正直こんなにわだかまりを持つなんてめぐみにしてはらしくないのかも。

 

ひめ(心配かも…)

 

ブルー「おや?ひめ、どうしたの?」

 

ひめ「神様…」

 

リボン「とても暗い顔ですわ」

 

ここで遅くまで留守にしていた神様とリボンが戻ってきた。自分の顔を一度鏡で見ると、若干目の下に隈ができていた。

 

ひめ「あ…」

 

ブルー「疲れてるみたいだね。もう寝た方がいいよ」

 

ひめ「そうするよ。おやすみ神様、リボン」

 

ブルー「リボンも寝なよ、今日はもう遅いし」

 

リボン「わかりましたわ、おやすみなさい」

 

これでよかったのかな…?あまり悩みが解消できなかったけど、このまま関係が悪化しなきゃいいのに。そんな一日をジワジワと経験した私にとってはかなり遺憾だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「うぅ……眠れないな…」

 

ゆうこ「相良君(ヒソヒソ)」

 

誠司「うわぁ!?」

 

ゆうこ「静かにして。みんなが起きちゃうでしょ?」

 

誠司「なんでお前が俺のところに…」

 

ゆうこ「私も眠れないから、相良君とその―――したいの」


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