プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第175話 秘密のお泊り会①

めぐみ「お待たせー」

 

ひめ「すごごご~い!」

 

ゆうこ「今日はとっておきだよ」

 

いおな「スパイスの香りが効いてるわね」

 

今日のメニューは私がゆうゆうにリクエストして作ったパエリア。他にはサラダにローストビーフも作っておいた。

 

つぼみ「貝もエビもいい感じですね」

 

えりか「魚介類沢山でマジ感動っしゅ!」

 

いつき「取り分けなきゃね」

 

誠司「それなら俺がやるわ」

 

食べるためにまずは取り分けなきゃいけない。私は誠司に取り皿を渡して、誠司が懸命に料理を盛りつける。ちなみに分量はきちんと人数分になるように調整しているが、多少は余ってしまう。でもこの時のために事前に買出ししておいてよかったかも。

 

めぐみ「今日はつぼみ達を連れてのお泊り会だけど、元気に盛り上がっていこう!」

 

ひめ「早く食べよーよ」

 

ゆうこ「わかってるよ。それじゃあ―――」

 

 

 

一同「「「いただきます!」」」

 

 

 

ゆうゆうの合図でみんなで食べ始める。それと同時にひめとえりかが同時にパエリアにダイブするように一斉に頬張る。口の周りに米粒がついても気にせずに食べ続ける。

 

いおな「ちょっと行儀悪いわよ?」

 

ひめ「うっま~い!」

 

いおな「って全然聞いてないし…」

 

誠司「確かに美味いよなこれ。とてもスパイスが効いてるし」

 

めぐみ「それほどでも、あはは」

 

個人的には我ながらよくできた方だと思うが、どうやら全員に好評のようだ。一応ゆうゆうに炊き加減などを再確認しておいた甲斐があってよかった。

 

つぼみ「お焦げもサクサクですね」

 

いつき「僕はこんな感じがいいかな」

 

えりか「ビーフや、マジで美味やんけ!」

 

つぼみ「えりかも行儀悪いですよ?」

 

ゆうこ「一杯あるから遠慮しないでね」

 

わいわいと盛り上がりながら食べていると、ここでいおなちゃんがあることを提案した。

 

いおな「ねぇ、食べ終わったらみんなで何かしない?」

 

ひめ「何するの?」

 

めぐみ「ここまで来たならトランプじゃない?」

 

えりか「ここは恋話~!」

 

つぼみ&めぐみ「「えぇ~~!?」」

 

やだ私…!何を意識しちゃって…っていうか唐突すぎるんですけどぉ~!?

 

いつき「あまりからかっちゃダメだよ。ほら、つぼみの顔を見てよ」

 

ゆうこ「相当赤っ恥かいてるね…(あはは)」

 

つぼみ「…そうじゃないんです、決して…」

 

みんなの反応に対して、つぼみは静かに俯く。これは流石にヤバイと感じるけどね…。

 

誠司「別に自分の好きなことを順番に言い合う方がいいんじゃね?」

 

ゆうこ「相良君、(ゴニョゴニョ)」

 

誠司「…お前、何を…!」

 

めぐみ「どうしたの?」

 

ゆうこ「何でもないよ?」

 

ひめ「あ~や~し~」

 

えりか「ここは武勇伝でも―――」

 

いおな「却下」

 

えりか「ですよねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ねぇゆうゆう」

 

ゆうこ「どうしたのめぐみちゃん?」

 

夕食を食べ終え、私とゆうゆうが食器の後片付けをしている時に私はゆうゆうに尋ねた。

 

めぐみ「一つ聞きたいことがあるんだけど、いい?」

 

ゆうこ「私は構わないよ」

 

めぐみ「じゃあ…」

 

一度深呼吸し、喋る言葉を整理する。それからゆうゆうにハッキリと告げる。

 

めぐみ「ゆうゆうって誠司のことどう思っているの?」

 

ゆうこ「どう思っているかって?それは勿論頼りになる幼馴染だね」

 

めぐみ「私は今のゆうゆうが思っていることとは全然そうは感じない」

 

ゆうこ「え…?」

 

割と真剣な表情で次々と言葉を告げ、少し追い詰めようとしていた。

 

めぐみ「ちょっと誠司を独り占めしてない?」

 

ゆうこ「人聞きの悪い話っぽいねそれ」

 

めぐみ「悪くない、もしかして私に何か隠してない…?」

 

ゆうこ「……隠し事なんかしていない」

 

めぐみ「嘘つかないで」

 

徐々に目の敵をするような態度を取ってしまう私。でもこれだけはちゃんとしてほしいと決めていたことだ。ゆうゆうには悪いけど、今の私は本気だ。

 

ゆうこ「私はいつでも正直、友達に嘘なんか言わない。それが私の本心」

 

めぐみ「その態度がムカつくのっ!」

 

ゆうこ「めぐみちゃん……?」

 

めぐみ「私の知ってるゆうゆうはいつでもどこでも自分の気持ちをきちんと伝える優しい存在、でも現状はちっともそうには感じれない」

 

今までこんなことを言ったことがない。私の大切な友達の一人をここまで一方的に攻めるなんて……バカらしく思える。

 

ゆうこ「私だって、譲れない気持ちぐらいあるの…!」

 

めぐみ「え…?」

 

ゆうこ「めぐみちゃんが意識していることは、私も一緒。だから、私もめぐみちゃんと同じ気持ちなのよ…!」

 

めぐみ「でもその気持ちは私が最初に生んだもの…だから」

 

お互いに涙目になりそうな程の対抗。するとここで誠司が台所へとやってきた。

 

誠司「お前ら、何してるんだ?」

 

ゆうこ「相良君…」

 

めぐみ「あ…」

 

誠司がやってきたと同時に、ゆうゆうが真っ先に誠司の元へ寄り添った。この状況をあまり理解できない誠司が首を傾げてしまう。

 

誠司「つかなんで泣きそうな顔してんだよ、何かあったのか?」

 

めぐみ「やっぱり、そういうことだったんだ……」

 

ゆうこ「違うの、だから―――」

 

めぐみ「…もういいよっ!!」

 

誠司「おいめぐみ!どこ行くんだよ!?」

 

ゆうこ「私、めぐみちゃんを怒らせちゃった…」

 

誠司「あとは俺が―――あ…」

 

ゆうこ「めぐみちゃんには気にかけないって約束、したよね?」

 

誠司(済まない、めぐみ…)

 

見るに耐えない状況に、私は思わず叫び声を上げて部屋へと入ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、初めて親友に裏切られた感じになってしまう。今日にとって、私の一番の辛い出来事へと誘ってしまったのだ。


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