えりか「じゃ~ん!新作をちゃっかり用意しました~!」
いつき「季節に合わせて厳選したんだね」
放課後、えりかが新しく手入れしたファッションを披露してくれています。というのもあの時からのコーデ魂が徐々に昂っているのが関係していたのかと推測されているようなされていないような話ですけどね…。
つぼみ「この仕上がり、とても絵になりますね」
えりか「ちょっと徹夜して思いついたんだよねそれ。でも満足してくれてよかった」
いつき「この調子ならいくらでも喜んでくれるよね、みんなから」
自信満々のえりかを飽きるくらいに褒めます。まぁこの程度だったらえりかは飽きるということには気づきもしませんしね。
つぼみ「そろそろ帰りましょうか。今日は少し寒くなるでしょうし」
えりか「風邪引いたら洒落にならないね」
いつき「じゃあそうしようか」
時間を見ながら行動し、三人一緒で帰ります。その途中、私とえりかはあることに気がつくのです。
つぼみ「あ…ノート忘れてしまいました…」
えりか「オーマイガー…」
いつき「大変だね、すぐ取りに行った方がいいよ?僕はここで待ってるから」
つぼみ「すいません…すぐ戻ります」
えりか「あーまずった」
動揺するような素振りで私とえりかは机の中に入れっぱなしのノートを取りに行くことにしました。こんなと時に忘れ物するなんて最悪です…。
~~数分後~~
いつき「ねぇポプリ、寒くない?」
ポプリ「大丈夫でしゅ、いちゅきも大丈夫でしゅ?」
いつき「僕は平気さ。慣れてるからね」
???「奇遇だな。ここでお前一人だけとはな」
いつき「…誰?」
???「俺の名はファントム、プリキュアハンターだ(バッ)」
いつき「どこから…?」
ファントム「お前のことは調べさせてもらった、いやお前だけではない」
ポプリ「あそこでしゅ」
いつき「どういうこと?」
ファントム「正確にはダークプリキュアとかいうやつから聞いた。こころの種を使う者どもというのはな」
いつき「なぜあの人を知ってるの、そこまでして何がしたいのさ」
ファントム「目的は単純だ。俺の知らないプリキュアと戦えばいい手鳴らしにもなるだろうさ。ここで悪あがきなどという飯事などやっても無駄だ」
ポプリ「好き勝手にしないでほしいでしゅ!」
ファントム「所詮妖精は何もできまい。抵抗してもただの飾り物でしかない。さぁ、ここで俺に狩り取られるか?」
いつき「口で言っても無駄なら、こっちも遠慮はしない!」
ファントム「いいだろう、かかってこい。俺の知らないプリキュアを潰せるのが光栄だからな」
ポプリ「プリキュアの種、いくでしゅ!」
いつき「プリキュア・オープンマイハート!」
ファントム(いい気になるなよ、ここで捻り潰されるのが運命さ…)
サンシャイン「日の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」
~~同時刻~~
つぼみ「やっと取れましたね…」
えりか「先生いたから説得に時間かかったべ~…」
ようやく忘れ物を取れた私達でしたが、先生が教室にいたので結構苦戦してしまいましたよ…。
シプレ「何か嫌な気配感じるです!」
コフレ「すぐにいつきのところへ戻った方がいいです!」
つぼみ「本当ですか!?」
えりか「えぇ~いこんな時に~!」
よからぬ事態、ということですね。すぐに向かわないといつきが危ないです…。
えりか「あっ!あそこ」
駆け足でいつきのいるところへ戻ると、そこには何かと戦ってる様子が見られます。
つぼみ「すぐに助けましょう!」
えりか「合点招致、やっちゃるっしゅ!」
シプレ&コフレ「「プリキュアの種、いくです!」」
つぼみ&えりか「「プリキュア・オープンマイハート!」」
~~某所~~
サンシャイン「はぁ!(ガッ)」
ファントム「てやぁ!(ゴッ!)」
サンシャイン(動きは鈍くない、やはり相当本気なのかも…)
ファントム「威勢だけで押しつけても俺を倒せない」
サンシャイン「いや、それは私の思う通りにやる。そしてあなたを倒す!」
ファントム「面白い、益々狩りたくなったな。ならば朽ち果てろ!(ズバァ!)」
ブロッサム「はぁああ!(ギィン!)」
マリン「とりゃー!(ズガァ!)」
サンシャイン「ブロッサム、マリン!」
ブロッサム「間に合いました~…(ホッ)」
マリン「まずは無事ね。それにしてもあいつは何なのよ!」
私とマリンは間一髪で相手の攻撃を防ぐことができました。しかし気になるのはあの敵ですね…。
ファントム「お前らが確か、キュアブロッサムとキュアマリンか。やつらに似てるな」
ブロッサム「あなたの目的は何ですか」
サンシャイン「そいつはプリキュアハンター。私達を狙おうとしているの」
マリン「よく知らないけど、さっさとやっつければいいでしょ?」
ファントム「まとめてかかってこい。すぐに消してやる…!」
気味の悪い佇まい、あの様子だと完全に見下していますね…。まさか未知なる相手が来ようとは想像もつかなかったことですね。けれど、ここで逃げるわけにもいきません。なんとか食い止めたいところです。
ブロッサム「いきますよ!」
ファントム「まずはお前からだ、大人しく散れ!(ガッ!)」
マリン「上よ!」
ブロッサム「っ!ふん!(ズガッ!)」
上から来る一撃を脚で弾き飛ばします。でも振動が激しく一瞬弾いた部分の脚部が麻痺してしまいます。
マリン「今度はこっちから!(シュ)」
サンシャイン「回り込む!(ブン)」
ファントム「させん(シュバッ!)」
マリン「と見せかけてストレートォ!(ドゴ!)」
サンシャイン「はぁああ!(ドン、ドン!)」
ブロッサム「いいコンビネーションですね!」
そのまま私の動きに便乗するように、マリンとサンシャインが左右から同時攻撃を仕掛けました。おかげで多少は相手の体勢を崩すことができました。
ファントム「邪魔なやつらめ(ビュン!)」
マリン「どわっ!?」
サンシャイン「この程度、はぁ!(ズガ!)」
ファントム「迂闊だ(ジャキィン!)」
サンシャイン「うっ!は、早い…」
ブロッサム(今の状況ですぐに持ち直した…?身体能力的が優れてるってことですね…)
しかし相手はすぐに体勢を立て直し、そのまま反撃を押しつけてきました。これは侮れない部分がありましたね、流石に油断は禁物ですかね…。
ファントム「これでできたと思うなよ、まだ戦いは始まったばかりだ」
ブロッサム「あなたが何を仕出かすかは大方理解できました。でも私達の力はこんなものではありません!」
サンシャイン「その憎悪が世界を混乱の渦へと巻きこむ、そうなる前にやるべきことを」
マリン「人の事情も知らないで面倒なことに巻き込まれた身にもなりなさいよね!」
ブロッサム「それは関係ないと思うんですが…(トホホ)」
とにかくファントムが危うい存在なのはわかりました。だけどプリキュアハンターという肩書があるならなぜそこまでしてプリキュアに執着するのでしょうか?
ファントム「俺は全てのプリキュアをこの手で仕留める。そうすることで俺の強さが証明できる。当然お前らも例外ではない、つくづくブルーという地球の神も無能なものだな」
ブロッサム「…ッ!」
マリン「ブロッサム…?」
今の言葉に、頭に来ました……。
ブロッサム「ブルーさんは無能ではありません!」
サンシャイン「ブロッサム…」
ファントム「ほう。あくまでやつを否定しないのか。それにお前のようなイレギュラーがやつと知り合いだとはな」
ブロッサム「侮辱など言語道断です…!ブルーさんは私に色々と教わりました、口では表現できないくらい素晴らしいことを」
ファントム「だがあいつは―――いや、これはあいつの方がよく知ってるようだな」
ブロッサム「あの人にも辛い過去はあったんです。私はなんとなく共感できた気がします。人の幸せをずっと見守る心を持っているんです!私はそんな人に出会えたことが…凄く幸せです…」
マリン「心から感謝していたんだね、つぼみは…」
まだ彼のことを全部わかったわけではありません。これからもあの人から笑顔を譲り受けたい、幸せに肖れたい、こんな気持ちをどう表現すればいいのかわからないくらい嬉しいです。あの人が支えてくれたからこそ、私は更に勇気が沸いてきます…!
ブロッサム「ファントム、あなたは私達が止める。止めてみせます!」
マリン「本当の勝負はこれからってね」
サンシャイン「この光は心を通じ合った者だけが持てる物。その闇を私達の光で照らす」
ファントム「女々しい小娘どもめ、本気で相手してやる。てやぁ!(キィン!)」
ブロッサム「負けはしない、絶対に!(ドゴッ!)」
マリン「たとえ可能性がなくても!」
サンシャイン「私達は最後まで立ち向かう!」
ファントム「今度はお前らの本気の技で来い、それを全部受け止めてやる」
再度攻撃を開始しますが、やはりダメージを与えにくい感じです。でも本気の技を使わせるのは何のために…?
マリン「遠慮はいらないよ、やろう!」
サンシャイン「言われなくてもね」
ブロッサム「やりましょう」
とにかく今は決着をつけるのみですね。野放しにしたら話になりません。
ブロッサム「プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!」
マリン「プリキュア・ブルーフォルテウェイブ!」
まずは私とマリンが別々のタイミングで技を放ちます。そして次はサンシャインの番です。
サンシャイン「その光、私の光で照らしてみせる!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!(ビカァ…!!)」
ファントム「……」
これで決まれば私達の勝ちです、果たしてどうなんでしょうか…。