プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第169話 片思い

めぐみ「ふぁ~…。早くご飯食べたい…」

 

ひめ「まだお昼じゃないでしょ、我慢して」

 

とても退屈な一日であり、とても楽にできない今日の一日はビッチリと試験前の勉強に取り組んでいる。今度の中間試験いい点数を取らないと成績が下がる危険性があるため、私とひめは向かい合わせになりながら一緒に勉強していた。

 

めぐみ「ねぇひめ、ここの英文どう訳せばいいの?」

 

ひめ「これは過去進行形の英文だから何何をやっていたとかさ。とにかくあまり成立しない文章に訳してもダメってこと」

 

めぐみ「ふむ。ここをこうして…っと」

 

ひめ「正解、次はこの文章を英訳ね」

 

めぐみ「ほげぇ~…」

 

終わりの見えない試験前の勉強、ひめは英語ができるから楽だろうけど私はあまり得意というわけじゃない。成績も下がるし受験にも支障を来してしまう。どちらにしろ苦手な科目も克服しなきゃ今後の進路にも影響されるというデメリットでもあるのだ。

 

誠司「お前、もう頭パンクするのかよ。他の教科ばかりができても意味ないぞ?」

 

めぐみ「何よ、そんなわけじゃないんだから」

 

誠司「俺はお前のために言ってやってんだ。本気でどうにかしないとヤバイって」

 

ひめ「誠司の言う通りだよ、めぐみもまだ可能性はあるんだからね」

 

めぐみ「わかってるよそれくらい…」

 

やっぱり残るものはプレッシャーしかない。これだけは乗り越えたいという気持ちが足りないためなのか、一方的に置いてきぼりになるばかりだ。

 

ゆうこ「こういう時はまず、リラックスすることが大事だよ。きっとめぐみちゃんにもできるはずだと思うな」

 

めぐみ「ゆうゆう…心の友よ~!」

 

誠司「静かにしろ」

 

めぐみ「ごめん…」

 

ひめ「あ~あ。まぁこれは地道な努力が一番よね」

 

苦渋と睡魔の両方が襲い掛かる中、必死で超えるべき壁を突破することを決意した私だった。今まで遊んでた分をしっかり中間試験で挽回しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~昼休み~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「めぐみ、よく頑張ったね」

 

いおな「まさか極限状態までに陥るなんてね」

 

めぐみ「ふぁ~。お昼ご飯食べた後の休み時間は格別ですなぁ~」

 

昼休みになり、廊下でいおなちゃんと一緒に立ち話をしていた。ひめは余裕な表情を見せていたのでとてつもなく羨ましい。

 

誠司「氷川はどうだったんだ?苦手なものはなかったのか?」

 

いおな「私はどれも平等に熟してるから大丈夫よ。試験になってもできると思うから」

 

めぐみ「いいな~、私もできるようになりたいな~」

 

誠司「ひめが教えてくれてるからどうにかなるんじゃね?」

 

もしこれで赤点なんか取ったら補習はまず確定だろう。そんなことにならないように全力で高点数を得なきゃならない。

 

ゆうこ「みんな張り切ってますな~」

 

ひめ「でそでそ?」

 

いおな「ゆうこはバッチリ?」

 

ゆうこ「問題なし、バッチグーよ」

 

どうやらゆうゆうも嬉しそうな顔で答えたようだ。できる人はみんなこんな感じというわけか。

 

めぐみ「猛烈に燃えてきた!ライバルが多くなった感じだし」

 

ひめ「当日までしっかり私がしごいてあげる、ファイトよ!」

 

めぐみ「ひめ~!」

 

自分のやるせなさが初めからないように勇気が沸いてきた。挫けたら何も解決できない、最後までやり遂げないと!

 

ゆうこ「相良君、ちょっといい?」

 

誠司「どうした?」

 

ゆうこ「そろそろいいよね?」

 

ひめ「どった?」

 

ゆうゆうが誠司を誘ってる…?一体どうしたんだろう?

 

誠司「ちょっと大森と参考書借りてこうようと思ってな。すぐ戻るから」

 

ゆうこ「ごめんね、急に席外しちゃって」

 

めぐみ「いいよ、別に止めたりしないからさ」

 

かしこまる顔で何度も頭を下げながら、ゆうゆうは誠司を連れて図書室方面へと移動した。

 

いおな「じゃあ私そろそろ戻るね。二人とも、気を抜いちゃダメよ?」

 

めぐみ「了解、女に二言はなしってね」

 

ひめ「そんな言葉存在しないよ」

 

めぐみ「テヘペロ☆」

 

私とひめも休み時間を利用して再び試験前の勉強へと移行することにした。まだまだ試練は始まったばかり、頑張るぞぉ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「これで二人っきりだね」

 

誠司「なぁ、なんで嘘ついた?」

 

ゆうこ「それは相良君と一緒になりたかっただけ。ちょっと誤魔化しても気づかれないでしょ?」

 

誠司「それ、この前のめぐみと一緒だった時も同じこと言えるよな」

 

ゆうこ「……」

 

誠司「なぜ飴をあげたって言った?本当は違うだろ?」

 

ゆうこ「…相良君」

 

誠司「どうした…?」

 

ゆうこ「あの時は静かにしてほしいって口を塞いだだけなの。私の想いを届けかっただけなの」

 

誠司「おい。想いって…」

 

ゆうこ「私はめぐみちゃんと同じくらい相良君がかっこいいと思う。幼い頃からの相良君が逞しい、それだけで嬉しいの。本来ならめぐみちゃんと相良君がくっつくべきだろうと思うけど、もう無理よ」

 

誠司「それはわかるよ、俺だって。めぐみを守ってやりたいという心は今でもあるし、めぐみが俺の方を振り向かなくてもいい。両思いの方がいいが、片思いのままじゃ味気ないし」

 

ゆうこ「でも今の現状をわかってるでしょ?めぐみちゃんはもう神様一筋よ」

 

誠司「知ってた。でも俺は諦めない、めぐみの気持ちが変わるまではな」

 

ゆうこ「無理なものは無理なのよ?もう考えるのをやめて」

 

誠司「嫌に決まってんじゃないか。あいつは、俺にとっての大事な存在なんだよ…!」

 

ゆうこ「じゃあ私は?」

 

誠司「あ…」

 

ゆうこ「私も昔っから一緒の幼馴染なんだよ、一人だけ気持ちが違うのはあんまりじゃない…」

 

誠司「大森……」

 

ゆうこ「実は私も、相良君のことが……好きでした」

 

誠司「そんなこと初めて聞いたぞ…?」

 

ゆうこ「これが私の気持ち。私の本心よ」

 

誠司「それをめぐみ達が聞いたらどうなると思う?間違いなく言い争いになるだけだ」

 

ゆうこ「これが最後、もうめぐみちゃんには気にかけないと約束して」

 

誠司「俺にはわからねぇ…!どうすればいいんだよっ…!」

 

ゆうこ「これ以上面倒なことを引き起こすなら、私は何をするかわからないから」

 

誠司「少しは俺の話を聞けよ!なぜそこまでめぐみを諦めなきゃいけない理由がある!?」

 

ゆうこ「それはね―――(ヒソヒソ)」

 

誠司「まるで他人事だな。でもそれでいいのか?」

 

ゆうこ「相良君が構わないなら、私はそれでもいいよ」

 

誠司「そうか。あともう一つ聞きたいことがある。お前の俺に対する気持ちは本当か?」

 

ゆうこ「言ったじゃない。私もめぐみちゃんと同じだって」

 

誠司「……仕方ねぇな。めぐみのことはしばらく諦めろってことでいいよな?」

 

ゆうこ「私は本当だったら友達を騙したくなんかない。でも相良君がそれを望むのなら本望だと実感できる」

 

誠司「大森、お前のこと一方的に疑ってごめんな」

 

ゆうこ「いいよ。少しの間だけ私達は恋人同士というわけだから」

 

誠司「認めたくないが、お前の考えに乗るよ」

 

ゆうこ「決まりね。これでやっと理解してもらえてスッキリしちゃった」

 

誠司(本当にこれでよかったんだろうか。このことはめぐみ達に言わない約束だって言われたし…)

 

ゆうこ「改めて、しばらくの間だけ私と付き合ってください」

 

誠司「…わかった」

 

ゆうこ「ふふっ、かわいい顔っしちゃって」

 

誠司(許してくれめぐみ、少しの間だけどお前のことを意識できそうにないみたいだ…)

 

ゆうこ「もう戻ろう、午後の授業始まっちゃうし」

 

誠司「あ、あぁ…。早くしないと面倒だしな」

 

ゆうこ「相良君、忘れ物」

 

誠司「何だ?俺は手荷物なんか―――」

 

 

 

ゆうこ「……ん」

 

誠司「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~放課後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ふぇ~終わった~」

 

ひめ「私もクタクタ~」

 

放課後になり、みんなで下校することとなった。まだまだ道のりは遠いがこの勢いで精進するのが世の定め。

 

いおな「めぐみ、今度私も教えてあげるから」

 

めぐみ「いおなちゃ~ん!」

 

ひめ「それにしても、さっきから誠司の様子が変だよ?」

 

めぐみ「どったんだろ?」

 

ひめが首を傾げるように誠司の方へ振り向く。何かあったのかな?

 

いおな「相良君どうしたの?」

 

誠司「…ちょっと気が動転してるだけさ。どうやら読む参考書を間違えたっつーか」

 

ゆうこ「私の不注意だったかもしれないね、気にしないで」

 

とても顔が赤くなって俯いているのはきっとそのせいかも。まぁ男の子だし、仕方ないところもあるわけで。

 

ゆうこ「今日は私の家でご飯食べに来ない?勉強の疲れが取れると思うから」

 

ひめ「ひゃっほ~!」

 

めぐみ「ご馳走になるよ」

 

まずは疲れた精神を癒すため、みんなでゆうゆうの家で晩御飯をいただくことになった。色々辛い道はあるが、何事にも熱心にならないとね。


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