プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第164話 つぼみの心とめぐみの気持ち

ゆうこ「あ、ひめちゃん達がもう来るよ!」

 

いおな「どんな魅せ方をするのかしら」

 

つぼみ「すみません、遅くなりました」

 

いつき「大丈夫だよ、まだ終わってないから」

 

大慌てで客席に移動したのですが、まだ間に合ったみたいです。いよいよえりか達のお披露目、いい感じでいてくださいね…!

 

めぐみ「……」

 

誠司「どうしためぐみ、随分と暗い顔してるじゃないか」

 

めぐみ「ふぁ!?な、なんでもないよ?ちょっとボーっとしただけ…」

 

ゆうこ「相良君、ここ最近めぐみちゃんいつもあんな感じみたいなの」

 

誠司「そうだな、あいつがここまで長い時間暗くなるなんておかしいかもな…」

 

つぼみ「…?」

 

いおな「見て、もう来るわよ」

 

ここでようやくえりか達が姿を見せました。うん、しっかり笑顔でアピールしていますね。一方のひめは…、

 

 

 

ひめ「これが一流モデルの集まるファッションショー…、すごごご~い!(ワクワク)」

 

えりか「バカ、今は集中しなさいな(バシ)」

 

ひめ「でもさ、これだけ人が集まるなんて素敵だよね」

 

えりか「へいへい。最後はかわいく決めるよ」

 

 

 

どうやらかなり羨ましがっていたみたいでしたね、流石です。そして最後は二人揃って笑顔で戻りました。

 

いおな「最後は華麗だったわね」

 

いつき「きっといい評価になるよ」

 

つぼみ「私もそう思います。あの二人に不可能なんかありませんよ」

 

ゆり「とても素直な答えじゃない?」

 

つぼみ「そうですかね、えへへ」

 

この後全ての披露が終了し、ファッションショーは無事に幕を下ろしました。えりか達も喜ぶことに間違いありませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「つぼ~み!」

 

つぼみ「素敵でしたよ、えりか」

 

誠司「お前って意外に凄いんだな」

 

えりか「意外にとは何よ~」

 

帰り道の途中、みんなで今日のことを嬉しそうに話をしていました。まぁあれだけ頑張ったからよしとしましょうか。

 

ゆうこ「でもよかったじゃない。褒められてもらっただけでもいいし」

 

ひめ「ねぇゆうこ、あとで飴たくさんちょうだい!」

 

ゆうこ「はいはい。ねぇ、めぐみちゃんはどうだった?」

 

めぐみ「…よかったと思うよ」

 

誠司「…めぐみ」

 

いおな「ちょっとめぐみ、いい加減――――」

 

めぐみ「私は本当に大丈夫だから、心配しないで?」

 

ひめ「……」

 

なんだか滞った空気になってしまいます。本当にめぐみはどうしたんでしょうか…?

 

つぼみ「めぐみ、一度私と二人きりになりましょう。ね?」

 

めぐみ「つぼみ…?」

 

誠司「おいそれで―――」

 

えりか「ここはつぼみに任せた方がいいよ」

 

ゆり「困った時こその相談相手なんだから」

 

つぼみ「ごめんなさい、すぐ終わらせますね」

 

私はみんなにそう伝え、めぐみを連れて近くの公園の大きな山へと移動します。

 

いおな「きっと神様のことなのかしら」

 

誠司「もしそうなら、俺…」

 

ゆうこ(相良君…)

 

外はもう時期夕方へと差し変わる頃、日が沈む前に何か相談でもできればいいんですが…。

 

つぼみ「めぐみは何に悩んでいるんです?」

 

めぐみ「…私、不安なの」

 

つぼみ「不安、ですか…?」

 

めぐみの口から放った不安、おそらくはブルーさんのことを…?

 

つぼみ「恋の悩み、なんです?」

 

めぐみ「ごめん。そうじゃないの」

 

ですが意外にも恋の悩みとかではなかったみたいです。じゃあ何を悩んでいるのか…。

 

めぐみ「ここ毎日夜中に同じ夢を見ちゃうの。みんなが離れ離れになる夢を…」

 

つぼみ「私も一緒です。いや、それ以上のことですが」

 

めぐみ「私、過去にみんなと戦ってたことがあって。その直後に謎の靄に包まれて誰もいなくなっちゃって…。そして謎の声も聞こえた、この夢を何度も見る羽目になった」

 

つぼみ「それ私も聞こえました。聞いた直後に目を覚ましてしまうんです」

 

めぐみ「そこで疑問だと感じたのが目を覚ますと違うところにいること。つぼみも何かそう思ったりしなかった?」

 

今度はめぐみが真剣な表情へと変えてきたみたいです。目覚めると違う場所にいる、これって私も…?

 

つぼみ「確かにめぐみの言ってることは間違いだと思いません。ですが他のみんなに聞いても何も知らない、明らかにおかしい話ですよ」

 

めぐみ「ひめにも何度も教えたけど、信じてくれなかったし。絶対に普通じゃないよね」

 

 

 

???「それは君達が特別だからさ」

 

 

 

つぼみ「誰ですか」

 

すると夕日の中から現れるみたいに謎の男が私達の前に姿を現しました。

 

L「僕はL。偉大な存在であるネオフュージョンに力を与えられし者だよ」

 

めぐみ「…っ!」

 

L「今ここで君達と戦うつもりはないよ。今君達が言ったおかしい話、それ本当のことだからね」

 

つぼみ「私達をどうするつもりです?」

 

あからさまに私達を見下すような視線でLがジロジロと見つめます。でもその裏には何か不思議な物があるような感じです。

 

めぐみ「そもそもネオフュージョンって何者なの、アンタ達の目的は何なの」

 

L「話は簡単、君達プリキュアが存在する世界。それら全てを一つにしてまとめて破壊する。だからその一環としてあの時君達にネオフュージョンの力の一部が具現化した欠片を送り込んだのさ」

 

つぼみ「じゃあ世界が繋がるというのは…」

 

L「本来世界は混ざり合うことはない。だけどそれを行ったことによって僕達にとってのいいシナリオができあがるからね。そして世界が繋がった影響は誰にもわからない。ところが君達みたいなプリキュアには影響されないということか」

 

簡単に整理すると、並行世界同士が意図的に統合されてそれに違和感を感じさせないためのこと。理論的に考えるとその世界にはないものがそこには普通に存在する、私達はただ単にそこへ移動したわけではないみたいです。

 

めぐみ「つまり私達の気づかないところでもう世界は混ざり合ったってことね…」

 

L「たくさんある世界を一つにすることによってネオフュージョンは機能する。あの方は全宇宙の狭間で力を蓄えているんだよ。そう、ネオフュージョンが目的としていることは来たるべき戦いに備えるための準備。君達プリキュア全員をまとめて排除することなのさ」

 

つぼみ「来たるべき戦い…」

 

L「ね?面白い話だろう?」

 

めぐみ「何が面白い話よ、そうやって自分達の自己満足だけで世界を滅茶苦茶にされるなんて嫌だよ!」

 

Lの言葉にめぐみがおもいっきり反論します。その気持ちは私だって同じです。

 

つぼみ「あなたがどう来ようとも、私達プリキュアが絶対食い止めます!」

 

L「いい覚悟だね。いずれ君達が立ち向かう姿が楽しみだよ」

 

めぐみ「何度でも行くよ、世界に平和が訪れるまで!」

 

X「お兄様、少し考え過ぎ…(ビュワ)」

 

つぼみ「あなたは…!」

 

めぐみ「次は女の子…?」

 

あの娘は…前に会った、Xっという娘でしたっけ…?

 

L「こらこら、折角いいところだったのに」

 

X「一人で勝手に盛り上がらないで。それじゃお兄様以外の立場ないもの」

 

L「程々にするよ。さて、帰るか」

 

つぼみ「次に会う時は、容赦しませんよ」

 

L「それ僕の台詞、でも楽しみにしているよ。じゃあね(ビュワ)」

 

X「せいぜい生き延びることね(ビュワ)」

 

そしてそのまま二人は帰ってしまいました。今まで起きたことは紛れもなく事実だったということですね。

 

つぼみ「…もう、後戻りできませんね」

 

めぐみ「うん。私達が止めなきゃね」

 

つぼみ「めぐみが困ったことはみんなでカバーしますよ」

 

めぐみ「私、なんだかスッキリしちゃった。ありがとう、相談に乗ってくれて」

 

めぐみは気分が穏やかになったのか、清々しい雰囲気になりつつ笑みを浮かべました。

 

つぼみ「これからもずっと友達ですよ」

 

めぐみ「だよね!」

 

それぞれの目標が浮かび上がり、前に突き進める感じがします。いつだって私達には仲間がいる、挫けない限り何度でも立ち上がれますから。

 

めぐみ「そういえばつぼみって、ブルーのことが気になる?」

 

つぼみ「ふぇ!?は、はぁ…(今めぐみ、ブルーさんを呼び捨てにしましたよね!?もしかして、めぐみって…)」

 

恐る恐る身振りしてしまいます。もしそれが本当ならば…、

 

つぼみ「私、今度ブルーさんと会う約束したんです!」

 

めぐみ「そう、なんだ…(///)」

 

つぼみ「実はあの人に一目惚れしてしまって…」

 

めぐみ「ふむ。つまりつぼみもブルーのことが……す、き…?」

 

勢いで言いましたが、めぐみも頬を赤くしてる様子ですね。

 

つぼみ「ヤキモチ、ですよね」

 

めぐみ「いや、なんていうかその…。気持ちが同じだったんだなって思って」

 

つぼみ「ぷっ、はははっ」

 

めぐみ「も~なんで笑うの~」

 

つぼみ「お互いに好きな人同士を、幸せにしましょ?」

 

めぐみ「そうするしかないよね。あともうみんなのところへ戻ろうよ」

 

いつに増して愛情というものが溢れるばかりです。気持ちが楽にあっためぐみを連れてみんあのところへ戻ることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「それで、きちんと気持ちを伝えたのか?」

 

めぐみ「上手く言えたよ。みんなにも迷惑かけたくないからさ」

 

ゆうこ「…よかったね」

 

つぼみ達、それにひめといおなちゃんと別れた私と誠司とゆうゆうが灯りが灯る夜道を歩きながら話をしている。すっかり暗くなってしまい、人があまり通らない状態だ。

 

めぐみ「ちょっと喉乾いちゃった。飲み物でも買ってくるね。あと二人の分も」

 

誠司「お前から買ってくるなんて珍しいな」

 

めぐみ「たまには、ね?」

 

私は数メートル離れた自販機へと移動し、飲み物を買うことにした。

 

誠司「なぁ大森、めぐみの気分がスッキリしてよかったじゃないか」

 

ゆうこ「うん…」

 

誠司「俺、てっきり怖いことでも思い出したかと冷や冷やしちゃったんだよな」

 

ゆうこ「相良君」

 

誠司「ん、どうした?」

 

ゆうこ「…もうめぐみちゃんは相良君のことなんて意識しないよ」

 

誠司「は?どういう意味だよ」

 

ゆうこ「だって、めぐみちゃんは神様に夢中なんだよ?」

 

誠司「それだけは認めたくないけど、でも俺はめぐみのことを守りたい。今日でも、明日でも一緒だ」

 

ゆうこ「…さっきつぼみちゃんと話した後とても嬉しそうな顔してたもの。あの様子じゃもう、恋愛話したに違いない」

 

誠司「おい、お前が言ってること全然めぐみとの話には関係ないじゃないのか?」

 

ゆうこ「私はわかるの、だから当分めぐみちゃんは相良君のことは意識しない」

 

誠司「わかってるさ、こんなところで諦めたくないんだよ…!」

 

ゆうこ「じゃあこれからは私のことだけを見てほしいの」

 

誠司「一体何がどうなってんだかさっぱりじゃねぇかよ…」

 

ゆうこ「言い訳はなし。もうめぐみちゃんのことは諦めて、今度から私のことを考えて」

 

誠司「俺の話を少しは―――」

 

 

 

めぐみ「さぁーてと、これで二人は喜ぶかな―――……え?」

 

 

 

私が戻ってくると、誠司とゆうゆうの距離がほとんどなかった。それに、あの体制って……。

 

めぐみ「…何、してるの」

 

ゆうこ「相良君に飴をあげてただけだよ?」

 

誠司「気にすんなよ?」

 

電柱で上手く遮られていたためハッキリとは見えなかったが、変なことはしていないみたいだった。

 

めぐみ「それ飲んで帰ろうよ」

 

誠司「あぁ。ありがとな」

 

ゆうこ「もう帰らなきゃヤバイね、みんなで急ごうよ」

 

しっくり来ない気持ちを抑えつつ、今日一日が終わりを迎えたのだった。正直、私の心の奥底では何かが傷ついていたような気がした。


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