プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第160話 黒き花の息吹①

いおな(今誰かが私を見ていた、それも凄い憎悪が感じるように…)

 

身の毛がよだつ殺気を浴びた私は思わず動揺してしまう。そんな私を相良君が心配する。

 

誠司「氷川、きっと気のせいじゃないか。安心しろ」

 

いおな「うん、そうよね…。気にすることないよね」

 

相良君の言葉に少しだけ安堵する。ここ最近私が浮かない顔をするとめぐみ達が励ましてくれることがある。どこまで辛いことがあっても臆することなんてないはず。

 

いおな「私、ちょっと休むわね」

 

誠司「ああ。俺も少し寝るわ、さっき空手の自主トレしたから疲れが溜まってさ」

 

いおな「いつも頑張ってるのね、相良君は」

 

誠司「当たり前さ。めぐみを守ってやれる男にならないとな」

 

いおな「相良君って、めぐみのこと…」

 

誠司「まぁ、自分の気持ちをハッキリ伝えるのはいつになるかわからんけど…」

 

どうやら相良君も譲れない一面があったみたいね。ともかく私達は気持ちを整えるために少し眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――…チュン」

 

いおな(……誰?)

 

???「―――フォーチュン、お前を―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「…っ!!」

 

夢の中から聞こえた謎の声。私は恐怖のあまり目を覚めてしまう。

 

いおな(やっぱり、誰かが私を呼んでいる…。ここの近くにいるはず…)

 

周りを確認してこっそり一人で外へと向かう。みんなには悪いけど、これは私の問題。それを解明することで何かがわかると思うから。

 

ゆうこ「いおなちゃ~ん、って……いない?」

 

いつき「どこにいったんだろう?」

 

ゆうこ「私、探してくるわ」

 

いつき「何が起きるかわからないけど、気をつけて」

 

ゆうこ「すぐ迎えに行くから」

 

 

 

プリチェンミラー『ポ・ポ・ポ・ポ・ポリス、かわるんるん!』

 

 

 

ゆうこ(いおなちゃん、一体どこに…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「当てずっぽうでこんなところに来たけど、どこに…」

 

 

 

???「待っていたぞ、キュアフォーチュン」

 

 

 

いおな「誰なの、姿を見せなさい」

 

どこか知らない場所に来て夢の中の声の主を探していると上から人影が見えた。なぜだろう、なぜか憎しみと悲しみが伝わるような感情を持っている人物だけど…。

 

Dプリキュア「私はダークプリキュア。キュアフォーチュン、お前はここで朽ち果てるのだ」

 

いおな「どうして私のことを…?それにダークプリキュアって…」

 

今でも感じる無情な心。彼女には今までと違う闇を漂っていた。

 

Dプリキュア「お前にはやつと同じ匂いがするみたいだ」

 

いおな「やつって…」

 

Dプリキュア「話してもお前には理解できまい、この私を倒さぬ限りな」

 

いおな「一体何が言いたいの…?」

 

Dプリキュア「ただ、お前には力が備わっている。その持てる力でこの私を捻じ伏せてみろ」

 

 

 

ゆうこ「いおなちゃ~ん!」

 

 

 

いおな「ゆうこ!?どうしてここに」

 

すると大急ぎでこちらにやってきた人物がいた、ゆうこだった。

 

Dプリキュア「ネズミが一匹増えたか。いいだろう、まとめてかかって来い」

 

ゆうこ「どういう状況かはだいたいわかるわ」

 

いおな「お願い、力を貸して!」

 

状況をを把握するゆうこに私は必死になって頼む。そして私とゆうこはそのまま戦闘態勢へと入る。

 

 

 

ゆうこ「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」

 

いおな「プリキュア・きらりんスターシンフォニー!」

 

 

 

ゆうこはプリチェンミラー、私はフォーチュンピアノを取り出してプリカードをセットする。その光でプリキュアへと変身する。

 

 

 

ハニー「大地に実る命の光、キュアハニー!」

 

フォーチュン「夜空に煌めく希望の星、キュアフォーチュン!」

 

 

 

これで対抗手段は得た。あとはあの黒いプリキュアを止めなきゃ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~駅前カフェ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「美味しいです!こんなところに素晴らしいカフェがあるなんて」

 

めぐみ「でしょ?ここの絶品パフェはすっごく有名なんだ。そのカフェオレも人気なの」

 

つぼみ「感じたことのない香りが鼻の中から響きますよね、感激しちゃいます!」

 

めぐみが私のために連れてきたのは平日は学生達の行列で賑わっている駅前のカフェです。めぐみ曰く一度訪れると忘れられない心地よさとのことです。

 

つぼみ「私が頼んだイチゴパフェ、病みつきになりそうです」

 

めぐみ「つぼみが喜んでくれて嬉しいな。あのさ、つぼみって気になる人いる?」

 

つぼみ「ふぇ!?いきなりなんですか!?」

 

めぐみ「乙女の感ってやつかな?」

 

唐突に来ためぐみの大胆発言に腰を抜かしてしまいそうになりました。ほ、本気で腰痛になるところでしたよ…。

 

つぼみ「じ、実はですね…。最近そう思い始めたんです」

 

めぐみ「何かな~」

 

つぼみ「特徴は……優しくて、背が高くて…。とても印象的な性格でして…」

 

めぐみ「ふむふむ」

 

つぼみ「人込みの中に歩く姿に一目ぼれしたっていうか…」

 

めぐみ「なんてファンタスティックなシチュエーション!?」

 

つぼみ「いやぁああああ~~ッ!!死にたいです!マジで死にたいです~~ッ!!」

 

めぐみ「ちょっとどうしたの!?」

 

つぼみ「すみません…。かなり思考がおかしくなってしまって…」

 

めぐみ「とりあえず、落ち着こう……ね?」

 

今ので少しドン引きされた気もしますが、きっと気のせいですよね…?

 

つぼみ「めぐみにも気になる人はいるんですか?」

 

めぐみ「うん、凄く凛々しくてね。あとはあれこれ色々~!」

 

つぼみ「説明になってませんよ?」

 

めぐみ「ごめんごめ~ん、あまりにあり過ぎて言葉にできないや」

 

つぼみ「やっぱり、私達って似た者同士ですね」

 

めぐみ「そうかも、ね。どこか似てる部分あるよね」

 

こんなに面白いと感じたのは相当な話でした。私達はもう少しここで色んなことを話してから戻ることにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーチュン「はぁ!(ドガ!)」

 

Dプリキュア「狙いが甘い、ふん…!(ズガ!)」

 

フォーチュン「くっ…!全く攻撃が当たらない…」

 

ハニー「えぇい!(ゴン、ゴン!)」

 

Dプリキュア「ただ攻撃を繰り出せばいいものではない…。これならどうだ!(ゴォォ!)」

 

ハニー「あぁああ!」

 

フォーチュン「ハニー!」

 

 

 

二人で一斉にかかるが、相手には一切命中していない。それどころか、一方的に押されてる気がする。

 

 

 

Dプリキュア「私の知らないプリキュアの力はこの程度なのか?」

 

フォーチュン「あなたの綺麗事なんかに…!」

 

ハニー「私達はまだ諦めてなんかいない!」

 

Dプリキュア「口先だけは達者じゃないか。このまま潔く散るか?」

 

フォーチュン「まだよ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!パインアラビアン!」

 

ハニー「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ココナッツサンバ!」

 

 

 

プリカードを使って一時的に姿を変える。ハニーが後方支援をするように懐から追い打ちをかける。そして私は全力で相手の態勢を崩そうと正面突破を試みる。

 

 

 

フォーチュン「プリキュア・オリエンタルドリーム!(シュコォ!)」

 

ハニー「よし、そのままじっとしててよ!(ボン、ボン!)もう一度、プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ポップコーンチア!」

 

Dプリキュア「小賢しい真似を…!」

 

 

 

案外効果的のようだ。でもここで油断をしてはいけない、すぐに反撃が来るはず。

 

 

 

Dプリキュア「だが、パターンを読めば臆することなどない。ふん!(シュバ!)」

 

ハニー「うぅっ!」

 

フォーチュン「まだぁ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!あんみつこまち!」

 

Dプリキュア「私も本気を出すとするか…(ゴォォォ…!!)」

 

フォーチュン「プリキュア・桜吹雪の舞!(ビュワァァァ!)」

 

 

 

休むことなく連続で大きな一撃を放つ。先程ハニーとの連携で多少は有利にはなってるとは思うけど…。

 

 

 

Dプリキュア「…痴れ者が(ブォォォ!)」

 

フォーチュン「そんな…!」

 

ハニー「あんみつこまちでもダメなの…!?」

 

Dプリキュア「はぁああ!(ゴッ!)」

 

フォーチュン「うぐぅ!」

 

 

 

ところが、相手が纏っている闇の波動により今の一撃がこうも簡単にかき消されてしまった。

 

 

 

Dプリキュア「私の闇の力を受けてみるがいい…!プリキュア・ダークフォルテウェイブ!(ゴォォォッ!!)」

 

ハニー「こんなの耐えれるけ―――あぁああああ!!」

 

フォーチュン「ハニー!!」

 

Dプリキュア「次はお前だ、ふん!(ゴォォォッ!!)」

 

フォーチュン「きゃああああああッ!!」

 

 

 

ダークプリキュアによる闇の一撃でことごとく致命的なダメージを負ってしまう。それに滲む憎悪も加わったためか、精神的なダメージも喰らう羽目に。

 

 

 

Dプリキュア「どうした、弱いな…」

 

ハニー「…どうして勝てないの…?」

 

フォーチュン「私達の力ってこんなものしかないの…?」

 

Dプリキュア「存外失望した。これじゃあいつ程の強さになるのは夢の夢やもしれん」

 

フォーチュン(ここで終わるの…?まだやるべきことがあるのに)

 

 

 

精神もズタボロになりかけた状態に成す術はあるのか、そのようなことを走馬燈のように思っていると、

 

 

 

???「もうやめなさい、無駄な戦いなんて必要ないわ」

 

 

 

Dプリキュア「やはり来たか、キュアムーンライト…!」

 

ハニー「また新たなプリキュア…?」

 

フォーチュン「キュアムーンライト…。月光の名のプリキュア?」

 

 

 

物陰からまた別のプリキュアが姿を現した。その瞳には信念を断ち切るような志を露にしていた。

 

 

 

ムーンライト「あとは私に任せて。その身体じゃもう無理よ」

 

フォーチュン「待って!まだ私達は戦える。戦えるんです!」

 

ハニー「そうだよね、まだ全てが終わったわけじゃない。きっと手段はある」

 

ムーンライト「あなた達、面白い考えをするわね」

 

フォーチュン「だってそれが諦めない意思なんです。希望を捨てない限り」

 

ハニー「失敗したっていい。とにかく目の前のことに集中するのが大事だと思います」

 

 

 

可能性はゼロじゃない、僅かの確率があれば不可能なことはないのだから。

 

 

 

Dプリキュア「お前らが正しいかどうか、この戦いで見極めてやる」

 

ムーンライト「こんなところでも阿漕なことをするなんて、不快ね」

 

フォーチュン「これ以上困らせるわけにはいかないもの」

 

ハニー「幸せな世界を築き上げるために…!」

 

 

 

まだまだ行方はわからないが、これでまた勝機は見えてきた気もする。その心を忘れず、再び立ち上がることにした。


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