ひめ「どうして誠司はこうもデリカシーがないのよ!」
誠司「何だよ…」
めぐみ「何だよとは何さ、ちゃんとこういうのには掟があるの」
誠司「どういうことだよ」
あまりの衝撃的な一面を目撃した私とひめは誠司に両方からの平手制裁を下した。しかし誠司は反省するどころか逆に首を傾げる様子だった。
ひめ「言い訳は無用、とにかく謝りなさいよ」
誠司「つーか、あいつって女だったのかよ…?」
めぐみ&ひめ「「……ゑ??」」
すると誠司の口から予想もしなかった一言が放たれた。もしかして…、
いつき「そうか、気づかなかったんだね。僕から言うつもりだったけどすっかりだったよ」
めぐみ「意外だった…ね」
ひめ「まさか本当に知らなかったの?」
誠司「……当たり前だ」
こういう時、どう説明すればいいんだろう…?
いつき「そうなんだ、それなら仕方ないよ。先に言わなかった僕の不注意でもあるし、僕の方こそ謝るよ」
誠司「あ、あぁ…」
ひめ「この勝負、お預けね」
めぐみ「折角いい試合だと思ったのに」
誠司「決着はいずれつけような」
いつき「望むところさ」
なんだ、誠司は知らなかったんだ。それなら私達の方が詫びるべきなのかも。
めぐみ「ご、ごめん…」
ひめ「私も、悪かったよ」
誠司「ったく、本当に世話を焼かせるよな」
とにかくこれで無事に解決。それにしても、なぜいつきはそうまでして…。
つぼみ「大丈夫ですか~!」
えりか「私様参上~!」
なんとここで大慌てでつぼみとえりかがやってきた様子。
いつき「二人とも、なぜ慌ててるの?」
つぼみ「今悲鳴のような声が聞こえたので」
えりか「それを調査しにきたんやでしかし!」
ひめ「姉さん!」
えりか「ひめ!」
えりか&ひめ「「ダ~~イブ!!」」
誠司「…暑苦しいな」
めぐみ「あの二人、本当に似た者同士だね」
ひめは嬉しいのか、えりかと一緒に共鳴を始めた。一体何のかは不明だが。
つぼみ「あの、あちらの男の子は?」
めぐみ「そうか、まだいつきにしか言ってなかったね。私達の親友の誠司だよ」
誠司「相良誠司だ、特技は空手だ」
つぼみ「いつきと同じですね、どうでした?」
めぐみ「見事にコテンパンだったけどね」
誠司「あいつ、強すぎだろ?」
まだまだ誠司には超える壁というものがあるようだ。自分より強い相手がいる程強くなれる心は持っているはずだし。
めぐみ「いつきはどれぐらい上手いの?」
いつき「僕の実家が道場だからさ」
ひめ「ぎょえ~!?マジっすか!」
誠司「そういえば大森と氷川は来るのか?」
めぐみ「二人とも、もうすぐこっちに来るってさ」
誠司「俺らの中でも道場持ちのやつがいるんだ」
いつき「凄いなぁ。今度手合わせしたいよ」
少しだけいつきが興奮をしている。それだけ興味があるのかもね。
つぼみ「ところでこの後どうします?」
めぐみ「偶然一緒になったから、ひめの家に行こうよ」
ひめ「結局そうなるのね」
誠司「お前の家なら広いし誰でも入れると思うよな」
えりか「じゃあ突入~!ひめ、後で持ってる服とか見せてもらえるかな?」
ひめ「イ~~エス!」
めぐみ「やれやれ」
~~三十分後~~
場所を変えてひめの家へ。ここでゆうゆうといおなちゃんが来る予定だ。
めぐみ「よかったら私達が作ったケーキ食べて」
ひめ「とっても美味しいよ」
誠司「結構作り過ぎだな、この量的には」
みんなで椅子に座り、手作りケーキを食べることに。口に入れるととても香ばしい味わいが口の中全体に広がっていく。
つぼみ「この生地の中に紅茶の香りがしますね」
めぐみ「それは少し紅茶をいれることで味を引き立てるようにしたの」
えりか「中のフルーツもいいねぇ」
ひめ「でそでそ?これは私が選んだんだよ」
ひめが天真爛漫の笑みで答える。これは全てひめの厳選による彩のため、見た目だけでなく味の組み合わせもしっかりしている。中身は新鮮なイチゴやメロン、それにアクセントを加えるためにキウイとイチジクも投入したらしい。
いつき「これは誰でも食べやすそうかも」
誠司「ひめにしては上出来だな」
ひめ「何よ~!私だってお菓子作りはできるのにぃ~!」
めぐみ「私も一緒に作ったからこその結果だよ、いいでしょ?」
ひめ「えへへ、そうでもあるけどね」
ゆうこ「こんにちわ~」
いおな「今来たわよ~」
丁度いいタイミングでゆうゆうといおなちゃんが到着した。でもいおなちゃんが持ってるものは一体…。
いおな「これ、ここに置けそうな花なんだけど」
ひめ「なぜ花を?」
少し重たそうな花を手にしてるみたいだけど、どこで仕入れたんだろう?
つぼみ「あなたも見ませんね」
えりか「まるで凛々しい感じ」
いおな「いつの間に友達が増えてるわね」
めぐみ「そうそう、これには深い訳があってね」
ひめ「要するにかくかくしかじか」
いおな「意外ね、私もビックリしちゃいそう」
苦笑いしつつ花瓶に水を入れて花を詰めるいおなちゃん。そうだった、大事なことを聞かないと。
めぐみ「なんで花なんかを?」
ゆうこ「実はね、ある人からの譲り物なの。だからあの花をここに持ってきたの」
誠司「お前らはここ数日間何をしてた?」
いおな「私とゆうこはひめの家をもう少し鮮やかに見せるために色々街を回ってたの。そこで花畑のある庭園に立ち寄ってそれにしようと決めたってわけよ」
つぼみ「あの、ある人って誰なんです?」
いつき「今僕も気になった」
いおな「確か…。月影ゆりさんって人からの…」
つぼみ&えりか&いつき「「「えぇ~~!?」」」
いおなちゃんの発言に対してつぼみとえりか、それにいつきが一緒に発狂した。この様子だと、何らかの関係があるのかも。
つぼみ「ゆりさんに会ったんですか!?」
えりか「そこんとこお答え願います!」
いおな「あなた達、なぜそこまで驚くの…?」
いつき「最近ゆりさんの姿見ないけど、何をやっているんだろうね」
三人の反応についていけない状態のいおなちゃんは地味に怯えてた。あの様子じゃ無理もないよきっと。
つぼみ「ともかくこの話はゆりさんが来たらまたしましょうか」
えりか「うん、今のままじゃちっとも理解できん」
いおな「ゆりさんは私にとってお姉ちゃんの次に大事な存在だと思うの」
いつき「お姉さんがいるんだ」
ゆうこ「いおなちゃんのお姉さんは今は外国にいるけど、とても大事な家族なんだよ」
誠司「お前らって知らないところで繋がってたんだな、これはビックリしちゃうぜ」
いおなちゃん達の事情は私も思わず共感する勢いの出来事だった。
ひめ「この後どうしようか?」
誠司「もうそれぞれの自由行動でいいんじゃね?」
つぼみ「いいですね。それじゃ…」
めぐみ「私に聞きたことがあれば何でも相談に乗るよ」
つぼみ「はい、でしたらこの街のいいところを案内してください」
めぐみ「勿論!私達、友達だよね!」
私とつぼみは二人でいい場所へ行くことに。
えりか「ひめの部屋どこにある?」
ひめ「私の部屋はあっち。色んな服を見せてあげる」
えりかとひめはどうやらファッションの参考のために動くとのこと。
ゆうこ「女の子ならもっと女の子らしい服装にしなきゃね」
いつき「一応つぼみとえりかが選んでくれるよ」
ゆうこ「いや、あなたには何かが足りないわよ」
いつき「な、何かな…?」
一方いつきとゆうゆうはちょっと危ない雰囲気の様子だった。
めぐみ「誠司といおなちゃんはどうするの?」
誠司「俺と氷川はこのまま二人で雑談するよ」
いおな「特にやりたいことはないわ」
めぐみ「そうなんだ。じゃあ私達は行くね」
それぞれの目的のために、それぞれで動くことにした。それにしてもこんなに賑やかになるのは自分でも有り得ない気がするかも。
~~三十分後~~
いおな「相良君、一つ聞きたいんだけど」
誠司「どうした?」
いおな「最近、神様って頻繁に留守にしてるわよね」
誠司「だよな、俺も思ったんだ」
いおな「何か、訳でもあるんじゃないかしら…」
誠司「何もなければいいがな…」
いおな(もしかして…また危機が来る、とか…)
ギョロ……
いおな「…っ!?」
誠司「おいどうした」
いおな「今、誰かが私を見てた気がして…」
誠司「大丈夫だ、大したことはなさそうだし」
Dプリキュア(キュアフォーチュン…。こいつはやつに似ている……)