プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第157話 め・し・ま・せ

えりか「ふぇ~。疲れて腹減ったべ~」

 

つぼみ「新しい友達できてよかったです」

 

夕方に差し掛かり、私達はすぐに帰ることにしました。案外いい家に住んでいる友達ってあまりいない気がしますね。

 

いつき「何か買っていく?」

 

つぼみ「そうですね、折角ですしどこかいいお店に行きましょうよ」

 

私の提案に気持よく頷くえりかといつき。まずは見晴らしのいいところをみ見つけないといけませんね。

 

えりか「ここってあんまり来たことないよね~。随分と賑やかな場所だけど」

 

いつき「この街に来るのそこそこなさそうだけど、別に気にはしないと思うな」

 

コフレ「えりかが方向音痴なだけですね」

 

えりか「迂闊に顔出すな、見られたらどーすんのよっ(グリグリ)」

 

コフレ「痛いです~…」

 

ポプリ「いちゅきは食べたい物あるんでしゅ?」

 

いつき「僕は正直なんでもいいよ。美味しい物は色々あるからさ」

 

喋りながら歩いていると、行列ができているお店を発見しました。むむ、こんな時間に大量の列ができてるなんて、怪しいです…。

 

シプレ「どうしたです?」

 

つぼみ「あのお店に行ってみましょう!きっと美味しい物があるはずですよ!」

 

えりか「おわ、いきなりどーした」

 

いつき「めぼしいところがあったのかい?」

 

つぼみ「とにかく行けばわかりますよ、レッツゴー!」

 

えりか&いつき((今日のつぼみ、やけに張り切ってる…))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、大森ごはん~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「それじゃ、気をつけてね」

 

いおな「いつも申し訳ないわ。折角のお仕事を邪魔して」

 

ゆうこ「いいっていいって。この後めぐみちゃんとひめちゃんが来て売れ残りの飴をおすそ分けするから」

 

いおな「いつも私がここの花の手入れをしていたら迷惑じゃないかと思ったから」

 

ゆうこ「またお願いするからね」

 

いおな「うん、また明日ね」

 

ゆうこ「さて、気合いを入れないとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ようやく空いてきたようですね」

 

えりか「なんでもいいから早く食べたいど~!」

 

いつき「ドードー」

 

いよいよ私達の注文の時間がやってきました。一応お持ち帰りということになってますけどね。

 

えりか「とりあえず唐揚げとコロッケちょうだ~い!」

 

つぼみ「って早っ!?」

 

いつき「まだ決めてないよ…?」

 

どうやらえりかの腹の虫が治まる一方はなかったようですね…。

 

ゆうこ「いらっしゃいませ~。三名様ですね?ご注文はこちらをご確認してから決めてくださいね」

 

つぼみ「へぇ~。色々あるんですね」

 

いつき「どれも美味しそう」

 

たくさんある種類の中から選ぶのは相当時間かかりそうですし、気になった物だけを決めるとしますか。

 

つぼみ「私はクリームコロッケで」

 

えりか「唐揚げほしいっしゅ!」

 

いつき「僕はフランクフルト」

 

無難な物を選んだのは明確ということで、精算を済ませて近くのベンチで食べることにします。

 

ゆうこ「はい、今なら注文したお客さん全員に飴をプレゼントしています。よかったらどうぞ」

 

つぼみ「ありがとうございます」

 

外は冷え気味なので、手早く済ませます。まずはそれぞれ一口だけ頬張ります。

 

つぼみ「揚げたてで美味しいですね」

 

えりか「生き返ったっしゅ!」

 

いつき「香ばしいね、よく作りこまれてるって感じだね」

 

食感すら魅了される程の味わい、まさに家庭の味そのものです。

 

ゆうこ「こんばんは(ヒョコ)」

 

えりか「ぎょ!?」

 

つぼみ「ビックリしましたっ!」

 

すると突然さっきの人が目の前に現れました。心臓に悪いですよ、こういうの…。

 

ゆうこ「どうだった?うちのお店の味は」

 

いつき「とても美味しかったよ」

 

えりか「全く、こんな冗談をよく―――ぴょ~!!」

 

えりかがさっき貰った飴を舐めると気高く叫びました。今度はなんです?

 

えりか「この飴、あの時と同じ味でしょ!?」

 

つぼみ「あの時って―――あ~!」

 

包み紙をよく見ると、まさしくあの時えりかが知らずに舐めた飴と同じ包み紙であることを思い出しました。

 

ゆうこ「もしかして…」

 

えりか「超うまし!誰かさんが落としたけど、最高だった」

 

ゆうこ「そうなんだ、気に入ってくれて嬉しいわ」

 

つぼみ「ごめんなさい、えりかがあんなんで」

 

ゆうこ「いいのよ、私は美味しい時の顔を見れるだけでいいから」

 

意外と懸命に見てるんですね。確かにさっき食べた物のことを考えるとまだ心残りがあるような感じがしますし。

 

ゆうこ「折角だし、連絡先も教えちゃうね」

 

いつき「いいの?」

 

ゆうこ「またいつでも来れるようにね」

 

えりか「案外優しいかもね」

 

つぼみ「また来てもいいですか?」

 

ゆうこ「いつだって構わないよ。私は大森ゆうこ、よろしく」

 

つぼみ「花咲つぼみです」

 

えりか「来海えりかっていうの、よろしく!」

 

いつき「僕は明道院いつき、またよろしく頼むよ」

 

まさか今日で新しい友達が三人できるなんて、すさまじいにも程がありますね。

 

えりか「ねぇねぇ、ゆうゆうって呼んでもいい?」

 

いつき「いきなりだねぇ…」

 

ゆうこ「いいよ別に。私の友達にもそう呼んでる娘がいるよ」

 

つぼみ「そうだったんですね…」

 

えりか「だってこの飴美味しいもん!要は教祖!」

 

ゆうこ「いつでも来てね~。待ってるから」

 

つぼみ「帰りましょうか」

 

ここまで素晴らしい一日がまた訪れるのはそう簡単ではありませんよね。とにかく、私達はここで帰ることにしました。

 

つぼみ(結局、あのお方―――ブルーさんには会えませんでしたね…)

 

その時、私の心の中の何かがそう嘆いていました。まだこの気持は抑えそうにはないようです。


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