ひめ「ついたよ、ここが私の家だよ」
いつき「大きいね、まるでお金持ちみたいな家だね」
つぼみ「なんて立派な家でしょう」
あまりに立派な家に思わず私といつきが見惚れちゃいます。しかしここまで凄いところに住むなんてお嬢様か何かですかね?
えりか「何人暮らし?」
ひめ「ふっふっふ。それはヒ・ミ・ツ」
いつき「そこは答えるべきじゃないのかい?」
めぐみ「ひめには色々事情があるの。そっとしてあげて」
えりか「むむ、なんとなく理由は察した。言及しないでおこう」
つぼみ「ご家族の事情とかもありますよね」
それの方が本人のためなら仕方ありませんね。とりあえずみんなで入ることにしましたが、入った瞬間から立派な感じがしました。
つぼみ「わぁ~。素敵ですね」
えりか「私の家と大違いだわさ」
いつき「住み心地がよさそうだね」
めぐみ「今お茶入れるから待っててね」
ひめ「んじゃごゆっくり~」
私達は好きな場所に座り、そのまま休むことにしました。
つぼみ「来たのはいいですが、これからどうすればいいんでしょう?」
えりか「悩んでも解決できないってば。それよりいつきに聞かせてあげなよ、例の話を」
いつき「例の話?」
つぼみ「いやぁ~!そんな顔で聞かないでくださいよぉ~!」
いつきの興味津々な表情に赤っ恥をかいてしまいました…。え、えりかぁ~…。
えりか「そもそも誤解されるような真似するからこうなるの、わかる?」
つぼみ「はい…、自分に素直じゃありませんでした」
自分だけビックリして余計損したような気分になります。はぁ、一体どうすればいいんでしょうかぁ…。
いつき「落ち着いて、ゆっくりでいいから」
つぼみ「実はですね、最近気になる人がいるんです…」
いつき「ふむふむ、珍しくもないことだね」
つぼみ「まだ許容の範囲内です。でも、凄く胸がドキドキしてしまう程の…」
思い出すだけでも全身が身震いしそうです。多少は解れたけれども、まだ完全ではありません。
えりか「最近のつぼみは相当緊張気味だから刺激は与えない方が御の字かもね」
つぼみ「いえ、ハッキリしない感じで終わるのは嫌です。気持ちをちゃんとしたいです」
いつき「なるほど。僕は直接見てないけど、その人と上手く打ち解けるといいね」
これでまともな受け答えが今後出そうな予感がします。それはそれとして…、
つぼみ「えりか、今何やってるんですか…?」
えりか「それはもう招いてくれたお礼としてここだけの―――」
つぼみ「いやぁあああ!やめてくださ~いぃ!!」
なんと私が大事にしていた秘蔵の○○○(←ピー音入る)をえりかが勝手に私の鞄から取り出しました。
いつき「これは?」
つぼみ「見ないでください~!!」
えりか「何水臭いこと言ってんの。あげるわけないでしょーが」
つぼみ「じゃあ最初から出さないでほしいです!」
頭が痛くなりそうです……。
~~数分後~~
めぐみ「お待たせ~」
ひめ「さっき大声が聞こえたけど、どしたの?」
いつき「気のせいだよ、うん」
えりか「世の中には知らなくていいことがあるから」
つぼみ「…えりかが言わないでください」
それから落ち着いたところでみんなでお菓子を頬張りながら紅茶を飲みます。なんという奥深い味わい、とても美味しいですね。
つぼみ「この茶葉はどこのものですか?」
めぐみ「これはね、遠い国で有名な茶葉だよ」
いつき「場所覚えてないのかい?」
ひめ「いやいや~、細かいことは気にしないタイプだから~」
えりか「このクッキー誰が焼いたの?」
めぐみ「それ、私が焼いたの」
確かに、このクッキーはとても香ばしいバターの香りに甘い味わいが感じます。
いつき「いいお嫁さんになれそうだよね」
めぐみ「あ…。そうかな…?」
ひめ「今顔が赤くなったね」
めぐみ「これはその、照れるの意味だから…!」
つぼみ「うふふ、素直なんですね。えっと…」
めぐみ「どうしたの?」
つぼみ「あの、どっちで呼べばいいかと思って」
めぐみ「めぐみでいいよ」
つぼみ「ふえ?」
今の言葉に一瞬驚いてしまいます。今日会ったばかりなのにそれは…。
めぐみ「だって、もう私達友達でしょ?」
ひめ「私のことも気軽にひめって呼んでいいよ」
えりか「私はこういうの慣れてるから大丈夫~!」
いつき「じゃあそうしようかな。僕のことも普通に呼んでも構わないし」
やれやれ、結局はそういうことになるんですね。やはり変わった娘達でしたか。
つぼみ「そしたら…、つぼみって呼んでもいいですよ?」
それから全員で一瞬考え込みます。これでもうハッキリしました。
つぼみ「じゃあ……めぐみ」
めぐみ「うん!こっちこそよろしくね、つぼみ!」
えりか「私とひめはもう相性バッチリ~っしゅ!」
ひめ「だよね~!」
まずはこれで友達としての第一歩がつかめましたので、一件落着ですね。