ひめ「あ、神様が戻ってきたよ!」
いおな「こんな遅くまでかかったのね」
気づけばもう日が沈んでいた。ここでゆうゆうといおなちゃんが帰ることになった。残った私とひめは戻ってきたブルーを迎える。
ひめ「今日もずっといなかったでしょ?すっごい心配したんだよ」
ブルー「済まなかったね。実はある理由で留守にしてたんだ」
めぐみ「ある理由?」
私が聞くと、ブルーが座りながら説明を始めた。かなりの疲れが溜まっているような顔のようだけど、大丈夫かな…?
ブルー「最近、妙な胸騒ぎがして落ち着かなかったんだ。僕はリボンとぐらさんと一緒に街中を見回っていたんだ。どこかで何かが動く気配が気になってね」
めぐみ「そうだ、私達もそれと同じようなことが」
ひめ「うん、なんだか怪物を出す人物が他にもいたっていうか」
この前起きたことをブルーに全て話す。するとブルーは難しい顔をしながらこう答えた。
ブルー「なるほど。幻影帝国ではない別の脅威ということか。おそらく目的はそれぞれありそうだが、直接会わないと見当がつかないかもね」
ひめ「あとは私達以外の世界のプリキュアのことも…」
めぐみ「気になるかもしれないけど、一体どういう意味なのかわからないと思う」
なかなか安直な考えだけど、だからといってそれを蔑ろにするかと言われたらそうはいかない。
ブルー「細かいことはまたみんなが集まってから話そう。ひめ、あとでリボンの疲れを癒してあげて」
ひめ「最近見ないリボンも随分とご機嫌斜めになったものよね~」
めぐみ「そうでもなさそうだけど…(あはは)」
ひめはブルーが言われた通りに自分の部屋でリボンの疲れを癒してあげることにした。それに、ひめも眠たそうだしゆっくり休めるといいね。
ブルー「めぐみはそろそろ帰らなくてもいいのかい?」
めぐみ「もうこんな時間だし…。でももう少しだけ、ブルーといたいな…」
ブルー「心配かけないようにね」
スキンシップはあまりしないように心掛け、私はブルーの隣に座る。少し場所取り過ぎたかな?
ブルー「そういえば、今日と先週でめぐみとひめによく似た女の子二人に会ったよ」
めぐみ「私とひめに似た女の子二人?」
ブルー「厳密に言えば雰囲気が似てるというべきかな」
そんな娘達がいるなんて、かなり偶然そうな予感かも。
めぐみ「んでさ、どういう娘達なの?」
ブルー「一人がとても穏やかで静かな感じな娘、もう一人はわんぱくな感じの娘だったよ」
めぐみ「想像するだけでもピンと来ないなぁ…」
うん、わからなくもないよ?でも自分とよく似た人って早々いないと私は断定するんだけど…。
めぐみ「ねぇねぇ。名前は聞いたの?」
ブルー「ごめん、名前までは聞いてなかったよ」
実に怪しい気分が漂う気がするかも…。もしかしたら、ブルーはその娘達と…!
ブルー「めぐみ…?」
めぐみ「なな、なんでもないでごじゃるよ!?」
ヤバイ、思わず語尾がおかしくなっちゃったよ~!!
めぐみ「本当に大丈夫だから、うん」
ブルー「ならいいけど。今の妄想はあまり他言しないでね…」
やけにブルーがドン引きしそうな顔をしてるようだ。誤解なのにぃ~…。
めぐみ「私、その娘達と会ってみたいな。聞くだけでワクワクするし」
ブルー「出会いの数だけ友情が生まれる、めぐみはそう思ったんだね」
めぐみ「それから色んなことを知って友達になるの。これって愛じゃない?」
ブルー「人との繋がりは、自分を変えることができるよ。その心をいつまでも持ってほしいと僕は思う」
めぐみ「ブルー…!」
嬉しさのあまりに、私は立ち上がってブルーを後ろから抱きしめた。ブルーの言うことは未来に影響する、そう思っただけでも幸せが育まれる気がする。
めぐみ「私はいつまでもブルーのことを信じてるからね」
ブルー「僕もだよ。ただめぐみだけじゃない、みんなのことも信じるよ。自分が見つけた答えに嘘はないか、その意味をみんなで見つけよう」
めぐみ「うん!」
ここでもう完全に暗くなったので私はそのまま帰ることにした。人との繋がりは自分を変える、これこそが私が求めたイノセントかもしれない。
ファントム「よもや俺の知らないプリキュアがこの世界にいたとはな…。これは狩り甲斐がありそうだ」
X「私達の影武者として十分な戦果を期待しているから」
ファントム「仰せのままに。全てはこのプリキュアハンターであるファントムにお任せを」
Dプリキュア「私を忘れてもらっては困るな」
X「当然、あなたにも役目があるの。彼と同じように行動すればいいだけ。いい?」
Dプリキュア「了解。それからあのレジーナとかいう小娘はどうなんだ?」
X「あの娘は勝手に動いてるだけ。使命なんてどうでもいいと思ってね」
ファントム「やる気のない者に手柄を奪われる筋合いなどない」
X「十分に励んでちょうだい。プリキュアを一人残らず消去すると」
Dプリキュア「必ず成し遂げてみせる」
X(この二人を仲間に手なずけたのは、来るべき戦いの時に必要。あとはネオフュージョン様が復活なされた時に…)
つぼみ「ふぁ~…」
えりか「学校終わったってのに随分と寝不足気味よね」
なぜか私の眠気は収まりません…。昨日の疲れが残っているせいでしょうか…。
いつき「休み時間も結構睡魔に襲われてたもんね」
えりか「勉強以外で寝不足なの珍しいけどさ、今日のはあまりに大げさでしょ」
眠気覚ましにえりかが私の頬をおもちのように伸ばしまくります。そんなに伸ばすと私のアレが切れそうですけど…!
つぼみ「あんまり伸ばさないでください~!顔が元に戻らなくなたらどうするんですか~!」
いつき「顔が広がったつぼみもかわいいと思うなぁ」
つぼみ「も~いつきまでバカにするんですか~!?」
えりか「人間は愚かな生き物だ。しかし目標という名の光を求め、走り出した時―――ブルァ!!(ゴス)」
いつき「えりか、余所見はよくないよ…?」
えりかが誰かとぶつかっちゃったみたいです。大丈夫なんですか~!?
つぼみ「怪我してませんか?」
えりか「大丈夫だ、問題ない(ドヤ)」
いつき「君も大丈夫?」
そうでした、ぶつかった相手にも謝らないと…!
つぼみ「あの、私の友達が迷惑をしてすみません!」
えりか「余所見をしてしまった。つぼみ、薬は一番いいのを頼む…」
つぼみ「こんな時にふざけないでください!(ポカ)」
私とえりかが渋々と頭を下げると、
ひめ「いやいや~。全然平気だよ?ね、めぐみ?」
めぐみ「それよりひめの鼻血が…」
ひめ「ぎょぎょぎょ~~~!!?ウゾダドンドコドーン!!」
つぼみ「早く止血を~!!」
相手の方は勢いよく鼻血を噴射していました…。
~~しばらくお待ちください~~
いつき「どうにか落ち着いたね」
つぼみ「危うく殺人事件が起きたかと疑われるところでしたよ…」
えりか「とんだ超人だな…」
ひめ「ゆ、輸血を…」
めぐみ「ほらほら、もう大丈夫だよ」
慌てて応急処置が施されて一先ずは解決されました。もう色々とてんやわんやですよ……。
えりか「ごめんね、よく前見てなくてさ」
ひめ「こっちこそごめんね」
いつき「よかったね、無事で」
お互いが謝ると、今度はある物を凝視し始めました。
えりか「ちょっとアンタ、この袋に入ってる物を見せてくれる?」
ひめ「ぎょえ!?何故!?」
つぼみ「ちょっとえりか!他人の私物を勝手に見るなんて…」
ひめ「いいよ、大した物じゃないけど」
黙々と話を進めるえりかにもはや何も言えません。そしてそのまま真剣な表情で色々とチェックをしています。
えりか「ふむふむ。この服の作り込み、悪くないわね。むしろ自身の技術が培った結果?」
めぐみ「なんか真剣だね」
えりか「よかったら私の物を見てもいいわよ」
ひめ「いいの!?じゃあお言葉に甘えて~」
いつき「あっちも興味津々だね~」
つぼみ「えりかの腕に翻弄しちゃったりして、ですね」
このまましばらく無言が続き、お互いが持っていた衣類を返却します。
えりか「アンタ、才能あるわね」
ひめ「私も見たけど、今まで見た中でもとてもいい作り込みだったよ」
つぼみ「さて、どうなりますかね…」
ひめ「あの、姉さんと呼ばせてください!!」
一同「「「おぎょぎょ~~!!??」」」
なんという予想外な結果なんですかこれは!?
えりか「いや~姉さんか~。ちょっと照れるかも、ぐふふ」
ひめ「ねえ姉さん、私白雪ひめっていうの。よろしくね!」
えりか「姉さんと呼ぶのはいいけど、私の名前は来海えりか。ちゃんと覚えてね」
もう好きにしてください……。
~~一時間後~~
つぼみ「まだ名前言ってませんでしたね。私は花咲つぼみです」
いつき「僕は明道院いつき。これでも、アレなんだ」
ひめ「すっごくボーイッシュな感じだよね!」
めぐみ「美少年のようなイメージかも。それに背も高いし。あ、私は愛乃めぐみだよ」
それぞれが自己紹介を済まし、賑やかなムードになりました。本当にさっきのはもう勘弁ですよ全く。
ひめ「そうだ!今からみんなを私の家に招待するね」
つぼみ「いいんですか?」
めぐみ「ひめの家はね、凄く大きいんだ。きっと驚くよ」
つぼみ「あの、お二人のことは…」
ひめ「気軽にひめって呼んでいいよ」
いつき「むしろそっちの方が呼びやすいよ」
えりか「一体どんな家かな~」
こうして、私達は彼女の大きなお家へと招待されることになりました。果たしてどのような感じなのかが待ち遠しいですね。