私にはどう捉えればいいのか。あいつの言う通り、本当の自分が理解できているのか。私が見てきたものは現実なのか、夢なのか、益々惑わされそうになる。
ラブリー「私の何がわかるっていうの!」
R「じゃあここは仮想の世界か?」
ラブリー「…それは」
R「お前、案外かわいいじゃねぇか。えぇ?その怖気づく顔をなぁ」
プリンセス「ちょっと、何をするのよ!」
こいつが私を惑わせようとしている。私という存在を認識させないために。こんな結末嫌に決まってるじゃない…!
ラブリー「確かに私にとっては仮想世界だと思う。だけど、仲間がいるから現実かもしれないのに」
R「口先だけかお前は。ここまでおろそかなやつを見たのは初めてだぜ?」
ラブリー「アンタなんかに私の―――きゃあ!」
R「ふふふ、お前の活かした面は実にいい手土産だ。あぁ、その不快な気持ちを是非俺のものにしてぇな」
ラブリー「た、助けて…っ!」
殴りかかろうとした私をRが一目散に躱して私の身体を締めつけた。苦しいのと辛いのと……悲しいのが一緒に混ざっている。
R「さて、このまま俺に抵抗できずに頂かれても楽だろうさ」
プリンセス「ラブリーから離れなさいっ!(ゴッ!)」
R「お前の相手はこいつだろ、やれ」
プリンセス「っ!あぁ!」
ラブリー「プリンセス!!」
誠司「ラブリーから、めぐみから離れろぉ!(ガシッ)」
ラブリー「せ、誠司…!」
プリンセスが必死になって私を助けようとしたが、デザトリアンに吹き飛ばされる。するとここで誠司が全速力でRの両腕を掴んできた。
R「力のねぇ小僧が出しゃばってんじゃねぇぞ、オラァ!(ゴッ!)」
誠司「うぅ…!俺には何もできないけど、せめて大事な人を守ることぐらいできるんだ…!」
R「力がない以上は無能だ」
プリンセス「誠司は無能なんかじゃない…。いつだって一緒いてくれた大事な友達だから…」
誠司「だからこそ、守ってあげたいんだよ」
ラブリー「ダメだよ、誠司じゃ敵いっこないってば…」
誠司「確かにお前の言うことは間違っちゃいない。でも、守られてばかりの俺ではいたくないんだよ」
R「ほう。悪足掻きもいいところだな」
ラブリー「何が悪足掻きなの?誠司だって心はいつも本気なんだよ!」
今の誠司の目は誰にも負けない勇気を携えてる目だ。こんな誠司を見るなんて早々ないことだった。
プリンセス「流石ね、やっぱラブリーの傍には誠司がいないとね」
誠司「ありがとな、俺はいつだって本気さ」
ラブリー「誠司にできないことは、私にはできるかもしれない。でも、私にできないことは誠司にはできるよ」
R「これが友情ってやつか、気が変わった。お前らの友情ってやつが本物なのか、俺に見せてくれ」
なんとRが少し笑い始めた。どうやらこの言葉を聞いて興味が湧いたのかもしれない。それと同時に私のあらゆる部分を掴んでいたRが離れていく。
R「お前も悪くなかった。でもお前らのメンバーじゃキュアハニーが一番好みだなぁ。ムッチリ感が俺は好みだし」
ラブリー「ちょ…っ!何を想像しているのよ!!(///)」
プリンセス「ほぇ、ゆうこが好みね…(はぁ…)」
誠司「確かに大森はスタイル抜群だと思う、あと氷川も一緒だけど」
ラブリー「誠司、それどういう意味なの!」
誠司「何でもねぇよ、聞かなかったことにしてくれよ…」
私のあの部分を触っておきながら…!!あいつ、本当に最低な男……っ!!
R「閑話休題だ。そろそろ再開しようぜ」
ラブリー「乙女を侮辱した落とし前、キッチリつけてもらうわ!」
プリンセス「今日のラブリー、ちょっと怖いかも…」
デザトリアンが総攻撃の準備をしようとする。しかしそんな悠長なことは気にしない。私はあらゆる手段を使ってデザトリアンの体勢を崩そうとする。
ラブリー「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ロリポップヒップホップ!」
プリンセス「ラブリーに続くぞぉ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!シャーベットバレエ!」
それぞれがプリカードを使って姿を変えて左右から攻撃を仕掛ける。
ラブリー「プリキュア・ポップンソニックアタック!(パン、パン!)」
プリンセス「プリキュア・アラベスクシャワー!(フワフワ…!)」
どっちを守ればいいか迷い、相手は無防備状態へとなった。そこから私達の同時攻撃が降り注ぐ。元に戻った後もそのまま攻撃を続行する。
ラブリー「ラブリービーム!(ビュイン!)」
プリンセス「プリンセスボール!(ボン!)」
R「くそ、これじゃ攻撃を蓄えた意味がねぇな…。もういい、そのまま特攻しろ」
ラブリー「プリンセス!」
プリンセス「えぇ!」
既に体勢が崩れて今となれば無防備へ。このまま止めをさせば…!
ラブリー「愛の力を聖なる光に!ラブプリブレス!」
プリンセス「勇気の力を聖なる光に!ラブプリブレス!」
ラブリー&プリンセス「「あなたにハッピー、お届けデリバリー!」」
私達のラブプリブレスに力を蓄えて腕に交差させて叩く。ぞれぞれ振り上げた両手にエネルギー弾を発生させ、2つのエネルギー弾を合わせ、金色のオーラをまとった中心にハートが入った円環形のエネルギー弾を出現させる。
ラブリー&プリンセス「「プリキュア・ツインミラクルパワーシュート!!(ギュイン!)」」
強力なエネルギー弾が敵に命中し、一気にフィニッシュする。
ラブリー&プリンセス「「ハピネスチャージ!」」
誠司「やったな二人とも!」
R「やられちまたか。悪くなかったぜ、今の一撃は」
僕を失ってもRは楽しそうに高笑いをしていた。マジでムカつく…!
R「お前らの力はよくわかった。また会おう(ビュワ)」
ラブリー「……」
誠司「めぐみ、怒ってるのか…?」
プリンセス「怒ってないよ、むしろ嬉しい気持ちみたいだし」
騒動は解決され、ひとまずやり残したことを済ませることに。
ひめ「ひゅ~、疲れた~」
誠司「結局最後まで俺は荷物係りかよ…」
めぐみ「まだ誰も戻ってきてないね」
ひめ「よし、早速作業に取り掛かるぞ~!」
ひめは購入した衣類を自分なりにオーダーメイドする作業に入る。忙しくなりそうだからあまり話かけない方がいいかもね。
めぐみ「誠司、ちょっといいかな…」
誠司「別にいいけどどうしたんだ?」
めぐみ「その、上の部屋に来てほしいの」
この時、私は本気で初めて誠司に恋心を抱いた瞬間を得たのだった。ブルーとは別に。