透き通る空気、それに喉かな青空。小鳥達の囀りと共に吹く清々しい風。そんなお昼時を利用して私達は少し離れた場所で買い物をすることにした。
めぐみ「楽しい楽しいお~出かけ~♪ひ~めと一緒にショッピング~♪」
ひめ「相変わらずハイテンションですな~」
誠司「全く、そうだよなぁ」
ウキウキしつつも三人で横断歩道を歩く。今日の目的はひめの買い物を手伝うこと。要するに服を買うことだ。
ひめ「ところで一つ提案あるんだけどさ」
ここでひめがキョロキョロしながら尋ねてきた。うむ、なんだか怪しいな…。
めぐみ「提案って?」
ひめ「実は、今日私が買う服について色々と見てほしいの。ちょっと面倒だけどいいかな?」
めぐみ「勿論だよ!ひめのためなら私、なんだってやるよ!」
ひめ「め~ぐ~み~!」
誠司「でもなんで今キョロキョロしてたんだ?」
ひめ「そ、それはあれよ。みんな色んな服装してるし私も何かインパクト入れなきゃって思っただけだし」
確かにその気持ちはわかる。ひめだって負けられない気持ちはあるだろうし、ここは意地だと思うよね。
めぐみ「それじゃ早速突入しようよ―――ってどこの店行くんだっけ…」
ひめ「えーっと場所はわかるけど、名前が…」
誠司「きちんと調べていないんだな、お前ら…」
めぐみ&ひめ「「ごめんなさい…」」
~~三十分後~~
道に迷ったけど、なんとか辿り着くことができた。それにしても凄い人盛りだ。
ひめ「じゃじゃーん!こんなのはどう?」
めぐみ「ひゅ~!いけてるねぇ~!」
ひめが水色のワンピースに桜柄のポーチの組み合わせを試着してみた。なんていうか、ひめにはとてもお似合いの組み合わせだね。
めぐみ「じゃあ私が提案した組合せにしてみようよ」
ひめ「わかった。すぐに着替えるわね」
誠司「でもひめならどれも似合うと思うな」
めぐみ「誠司も優しい部分はあるんだね」
誠司「まぁ率直で無難な感想だ。悪くないだろ?」
めぐみ「それと誠司」
誠司「なんだよ…」
めぐみ「覗いたらダメだよ…?」
誠司「しねぇよ、変なこと考えてないし」
さてと、次なる組合せを探しておかないとね。
それから時間をかけて色々試行錯誤し、
ひめ「次はこのチュニックとキャミソールとデニムを…dっはうぇいfhww」
めぐみ「ひ、ひめ~!?」
ひめは疲れ果ててしまった。
誠司「おいおい、考えすぎじゃないのか?少し休めよ、な?」
ひめ「このくらい大丈夫よ…。私の辞書に不可能なんてないし」
めぐみ「まぁ思いっきり上下逆に着ちゃってるよね?」
誠司「髪の毛がボサボサだ。俺がとかして―――おわ!?」
ひめ「およっ!?」
思わず誠司がつまづいてしまい、ひめとぶつかってしまった。
めぐみ「二人とも、大丈夫…?」
誠司「あぁ。なんとか」
めぐみ「っていうか、それどころじゃ…」
誠司「え…?」
ひめ「せ~い~し~…、どこ触ってんのよ~~!!(ゴッ)」
この瞬間、忘れられない光景を見てしまったようでした…。