買い物を終えた私とえりかはそろそろお昼ご飯をとることにします。
つぼみ「私、とてもいい店を知ってますよ」
えりか「何、もの凄いブラボーな場所!?」
つぼみ「ち、近いです…。とにかく、今から行きましょうよ」
えりか「いえ~っす!」
無邪気そうに喜ぶえりかを引っ張るように連れて向かいます。今日は色々と活躍したえりかに何かをご馳走させてあげたいですね。
つぼみ(そういえば、さっきから誰かに見られてるような気が…)
えりか「どったのさ?」
つぼみ「な、何でもありませんよ?」
妙な気配を感じ取った私は、恐る恐る進みます。嫌なことがなければいいんですが…。
~~三十分後~~
つぼみ「どうですか?ここの自慢のパンケーキは」
えりか「これはまさに味の革命祭りっしゅ!」
店に入り、それぞれで注文を済ましてからの食事。私は甘くて香ばしいフレンチトーストにあったかいコーヒー。えりかはブルーベリーソースとアイスを添えたパンケーキとレモンティー。どちらも人気メニューだったりします。
つぼみ「してえりか、戻ったら早速作業に入るんですか?」
えりか「とりあえず事前にオーダーメイドしてあるから作業が捗れるけどね。ここからいい感じに仕上げたいわね」
つぼみ「完成したら誰を試着させるんです?」
えりか「バカ、それを先に教えてどうすんのよ。それじゃ私のプライドに傷をつけちゃうじゃない」
つぼみ「ごめんなさい…(しょぼん)」
えりか「ともかくつぼみが上手く手伝ってくれたらこっちとしても鼻が高いからさ」
今日買った物をメモしていくえりかが再度見直していきます。これ以上余計なことを口にしない方が身の為なのでは…。
えりか「ほらつぼみ、口開けて」
つぼみ「ふぇ?いきなり―――」
えりか「どう?美味しい?」
突然口の中にパンケーキを押し込まれて動きが止まってしまいます。
つぼみ「お、美味しいですよ?」
えりか「一口ぐらい食べさせ合いしたっていいじゃない?」
つぼみ「これじゃまるで…、えりかが彼女みたいじゃないですか…(ボソ)」
えりか「今微かに聞こえたけど!?」
つぼみ「冗談ですよぉ~。きっとただの聞き間違いだと思うので」
えりか「最近のつぼみは爆弾発言をすることがあるから危ういのよ…」
透き通る寒気がえりかに襲い掛かります。別にそういうつもりで言ったわけじゃ…。
つぼみ「危ないことは言いませんよ、絶対に」
えりか「まぁそれならいいけれど。ともかく、早い段階で仕上げたいの。そのためにはつぼみの―――いや、できれば複数人の協力が必要となるけれど」
つぼみ「私は何やったらいいですか?」
えりか「細かい材料とかを用意。そこから私が手入れするの。これは私じゃなきゃできないことでもあるから、最高の仕上がりにしたいんだから」
無我夢中になりながらも必死で考えを整えるえりか。確かに腕に関しては否めませんよね。
つぼみ「そのためにはたくさん努力が必要ですよね」
えりか「いや、それ以上の根気よさね」
つぼみ「やれますよ、えりかなら―――っ!?」
えりか「どったのさ?」
つぼみ「今、どこかで…」
えりか「妙に鋭いわね…」
一瞬のことでした。私は何かを感じとることができました。きっとどこかで何かが…。
つぼみ「えりか、のんびりする時間はあまりありません。急ぎましょう」
えりか「よくわかんないけど、了解。さっさと食べなきゃ(もぐもぐ)」
私にはわかります。すぐ近くに邪気が近づいていることが…。
???「ターゲットが近くにいたのね…。早速行動を開始しないと」