えりか「何かリクエストない?」
夢中になって色々な種類の衣服などを見て回るえりかがもはや真剣な表情をしていることが伺えます。一体金銭感覚どうなっているのでしょう…。
つぼみ「えっと、私はこの薄っすらとした温かい感じの配色をしたワンピースが素敵だと思うんですよね」
えりか「ふむ、悪くないチョイスかもね」
つぼみ「これとは別に薄紫のフリルとかもいいじゃないですか?」
難しい顔をしているえりかを更に意見を入れてみる私。すると、
えりか「どれもいいけれど何か足りないものがあるっていうか、アイデンティティっていうか…」
その結果は話のレベルが違ったみたいでした、とほほ……。
つぼみ「どんなのが理想なんです?」
えりか「一応今回ばかりは気合を入れたいところなんだけどさ。なぜか引っかかる部分があるのよ」
つぼみ「引っかかる部分?」
えりか「色を合わせるのは勿論いいけど、それと同時に見る方と見せる方のイメージが食い違うと断言するような…」
道理でえりかが悩んでいたわけだったんですね。それなら話は早いでしょうし。
つぼみ「ここは大胆な見せ方にしちゃいましょうよ!」
えりか「大胆?」
つぼみ「はい、もしそれくらいで手こずるなら思い切って勝負するんですよ」
えりか「勝負…。ふぉ!?閃いた~!」
ここでえりかの第六感が覚醒したようです。こ、この輝きは尋常じゃありません…!
えりか「つぼみ~!ここにあるもの全部見ていくわよ~!」
つぼみ「逆にはしゃいでいるようにしか見えない気が…」
そんなこんなで一件目の店にある品を全部確認しつつ、必要な物だけを購入。それから次の店へと向かいます。
つぼみ「ふふ、これだけでも似合うような気がしますね」
えりか「つぼみが着るとバッチグーっしゅ!」
試着室で私が色々な服を試着します。自分でもなんだか嬉しい気分になりそうです。
えりか「さてと、これでよしっと」
咄嗟に次の予定をメモするえりかに興奮してしまいます。これがプロの考えというものなんでしょうか…!
えりか「次行くわよ、まだまだ買い物は終わらないんだから」
つぼみ「はい、ですがあまり荷物は多すぎないように…」
~~一時間後~~
えりか「そろそろ最後の店ね」
つぼみ「え~り~か~…。私、お腹すきましたぁ~…(げっそり)」
えりか「弱音吐かないの。あと少しなんだから―――って何か落ちてる」
つぼみ「黄色い包み紙に包まれてるのって…」
えりかの足元に何か飴玉のようなものを発見しました。各々と確かめてみることにします。
えりか「ふむふむ、とても甘さそうな匂いがする」
つぼみ「ちょっとえりか、落ちた食べ物を口にするのは―――って食べちゃいましたよ!?」
えりか「ペロペロ…。あ、あっま~いっ!!」
なんて強靭力!?流石はえりかです…。
えりか「ハチミツの味が凄く協調されてるって感じね」
つぼみ「一体だれかが落としたんでしょうね」
あまりの脅威に少し腰を抜かしてしまいます…。あれは誰のものでしょうか?
えりか「さぁ、グズグズしてないで早く行くわよ~」
つぼみ「やれやれ」
あとは全部買い終えるまで辛抱しますかね。関せしたらどうなるかが楽しみです。