プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第136話 愛と幸せ④

途方に暮れた入道雲が左へと流れてゆく。特に雨が降るとかいう予報なんてない。そんな青空を私はひたすら眺め続けていた。

 

ラブ「今日は暇だね…」

 

せつな「どうしたの?難しい顔をして」

 

私に気にかけるせつなが尋ねてくる。一応気分は悪いわけではないが、あまりいい考えが出てこない。

 

ラブ「なんていうか、あれだよ。何かがどんよりしてる感じがするっていうか」

 

せつな「そうね。最近のラブはいかにもそうやって抱え込んでいるわね」

 

そう、数日前に起きた出来事で少しモチベーションが下がってしまっている。私は特に問題ないけど、せつな達にとってはショックだったのかもしれない。

 

ラブ「ねぇせつな。もう一度行かない?」

 

せつな「どこに?」

 

ラブ「そんなの決まってるよ、ね?」

 

せつな「…うん、そうね」

 

でも過去のことは気にせず、私とせつなはめげない。もう一度、本当のことを聞きたいのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~商店街~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祈里「今日はどの食材がいいかしら」

 

美希「ビタミンが豊富な物や食物繊維のある野菜がいいと思うけど、健康のことを考えるとそれがいいかもしれないわよ」

 

 

 

ラブ「美希たーん!ブッキー!」

 

 

 

美希「え!?ラブ…?」

 

祈里「そんなに大声出してどうしたの?」

 

ラブ「後でちょっと私の用事に付き合ってほしいの」

 

せつな「事情は私が説明するから、ね?」

 

美希「ふふっ。なんとなく予想はつくわ」

 

祈里「まぁね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~駅前のショッピングモール~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「マナがいる病院はここの近くでいいかしら?」

 

亜久里「さっき六花が慌てて駆け足で走って行きましたね」

 

ありす「実はあそこ、四葉財閥のグループの内の人達が設立した病院なんですよ」

 

真琴「うそ!?今初めて知ったわ…」

 

亜久里「ブラボーですわ…」

 

ありす「あら?誰かが来たようですね」

 

 

 

ラブ「ふぃ~…。ここに来るのに結構運賃かかるんだよねぇ~」

 

せつな「遠い町だし、仕方ないわ」

 

祈里「これじゃお小遣いでドーナツ買えないかもね」

 

美希「金銭感覚鈍ってなきゃいいけど」

 

 

 

亜久里「やっぱり来たんですか。なぜここまで」

 

せつな「どうしてもみんなで会いに行きたいとラブが思ってさ」

 

真琴「実は私達もよ」

 

祈里「となればこれで全員―――」

 

美希「ちょっと待って。六花がいないわよ」

 

ありす「六花ちゃんは一足先に向かったようですわ」

 

ラブ「じゃあ、このまま一気に向かおうよ」

 

 

 

こうして、みんなを集めて再びマナのところへ行くことにした。もう一回本当の気持ちを聞きたいし、何より自分が今どうするべきかを聞きたいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「六花…。どうしてあたしのために…」

 

六花「そんなの決まってるじゃない…。私達には、マナが必要なのよ」

 

一瞬伝わる六花の温もり。なんだか心が和らげる感じだ。

 

マナ「あたし、ここ数日間わかったことがあるの」

 

六花「一体どんなこと?」

 

マナ「本当に大切なことはみんなで一緒に笑顔になること。それと幸せを忘れないことだって」

 

六花「いかにもマナらしい答えだわ。同感するわ」

 

マナ「あのねっ…。その、どうしても六花に言いたいことがあって…」

 

再度深呼吸をして気持ちを整えると、

 

 

 

ありす「マナちゃんには六花ちゃんがいた方がお似合いですよね?」

 

真琴「幸せの王子様は辛いわね」

 

亜久里「本当にお節介者ったらありゃしませんわよ」

 

 

 

笑顔であたしを励ましてくれたありすとまこぴーと亜久里ちゃんの姿があった。

 

マナ「みんな…!」

 

ありす「私達だけじゃありませんよ」

 

マナ「え…?」

 

 

 

ラブ「えへへ、来ちゃった」

 

美希「随分と痩せこけたみたいね。折角のスタイルが台無しかもよ?」

 

祈里「美味しいフルーツ買ってきたから後で食べる?」

 

せつな「マナ、心配かけちゃったと思うけど気にしないで」

 

 

 

なんとラブ達も駆けつけたという。こんな嬉しいことなんてそう簡単にはなかった。

 

マナ「み、みんなぁ~!(しくしく)」

 

あまりの衝撃に思わず嬉し涙を流してしまう。ちょっとこれは恥ずかしい…!

 

エル「遅いと思ったらこんなところに」

 

亜久里「えぇ!?来てたのですか!?」

 

エル「亜久里ちゃん、そんなに驚かないでよ」

 

真琴「これでようやく全員揃ったみたいね」

 

あたしは周りを見渡すと、いつもよりみんなの笑顔が微笑ましく見えてきた。それどころかみんなはあたしを励ますことしか考えていなかった。それに、

 

 

 

マナ「あ…。ミユキさん…」

 

 

 

後ろでガッツポーズをミユキさんが更に励ましてくれた。まさか、えへへ……。

 

真琴「そういえばマナに言い忘れたことがあったわ~」

 

マナ「ぎょえぇ!?まだ怒ってる…?」

 

真琴「そうかもね。むしろマナにとって嬉しいニュースよ」

 

マナ「嬉しいニュース?」

 

亜久里「実はですね―――」

 

ありす「パフォーマーが開催される次期が延長されたとのことです」

 

六花「なんだとて!?」

 

亜久里「六花まで驚いてどうするのです。知らなかったんですか?」

 

マナ「何か理由でもあるの?」

 

首を傾げてみんなに尋ねてみる。うそ、こんな奇跡って…。

 

ありす「主催者さんが別のイベントに参加するみたいでして。それで延期になったんです」

 

マナ「随分と単純な理由ね…(あはは)」

 

せつな「だから身体を正常にするのにまだ時間があるってことよ」

 

祈里「それまでリハビリできるわ」

 

案外拍子抜けしたような内容だったけど、これで少し猶予ができたわけだ。思う存分身体を治すことが可能になる。

 

六花「ねぇマナ。私さ、マナに言いたいことがあるの」

 

マナ「何さ今更。謝ればそれでOK―――」

 

 

 

六花「…ん」

 

マナ「……むぐ」

 

 

 

一同「「「えぇ~~!?」」」

 

 

 

この瞬間、一同が一番驚いた場面だった。




あと2話で第二章終わりです。

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