プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第135話 愛と幸せ③

がむしゃらに速足で屋上へと向かうけど、その衝撃で全身に強い痺れを漂わせる。

 

マナ(あたしが本当に望んでいたこと…。みんなと交わした約束…)

 

そんな出来事があったかのように脳裏を駆け巡り、ひたすら思い出していく。そう、あたしは色々なことを経験して色々なことを聞いたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花『『ありのままの形でダンスをやって、心から温まる表現力を身につけたい』よ』

 

 

 

ありす『どんなことでもめげずに頑張る姿がとてもお似合いですわ』

 

 

 

真琴『チームワークを大切にね』

 

 

 

亜久里『もっと華麗にアピールできる立ち位置にならやれる感じですわ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだった。いつだってあたしはみんなに支えられてきたんだった。結局それを無駄にしてしまうあたしがどうしても許せない。本当は幸せな笑顔でダンスをやりたいだけだったんだ。でもそれってあたしにとって得するものなのか?

 

 

 

いや、そうじゃない。得とかそういう問題ではない。気の済むだけ楽しめればよかったんだ。それが例え誰も達成できなかったとしても不条理で言及する意味なんて何もないはず。

 

 

 

ならば自分達が変わればいい。あるべき理想の結末を迎えるためならそれが幸せものなのであれば、その現実を受け入れればいい。

 

 

 

ダンスがやりたいだけとかいう問題だけじゃない。みんなの笑顔を見せるためのダンスなのだから。ここが最大の道しるべならそれを実現しちゃえばどうってことない。なんてったって、あたし達がやらなきゃいけない最高の見せ場なんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしの中から生まれる感情を全部みんなが支えてくれた。今ならその気持ちがよく理解できる。あの時言ってしまったことが凄く後悔してるかがわかる。嫌だったこと、不快だったことを根こそぎ吐き捨てたい気分だ。なら、そんな自分の蟠りを今ここで断ち切りたい。それから…それから……。

 

 

 

マナ「はぁ…。はぁ…」

 

まだ身体が完全ではないためめ、息がそれ程長く続かない。

 

マナ(まだ間に合う…。やり残したことがいくらでもある。今なら吐き出せる)

 

身体が動かないまま、あたしは周りを見渡す。誰もいないことを確認して強く深呼吸した。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「みんなー!あの時つまらないこと言ってごめーん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くに聞こえるように盛大に大空に向かって叫んだ。この声が誰かに届けばいいけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~午後三時~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花「ん?今、聞き覚えのある声が聞こえたような…」

 

真琴「どうかしたの?」

 

六花「私の勘違いじゃなきゃいいけど、あれって…」

 

ありす「……」

 

真琴「まさか…」

 

六花「マナが呼んでる……」

 

亜久里「行くつもりなんですか」

 

六花「ごめん。私、行かなきゃいけないところがあるの。すぐに戻ってくるから…(ダッ)」

 

ありす「マナちゃんが呼んでいたのですか、六花ちゃん…?」

 

真琴「そんなわけが…」

 

亜久里「見せたくない感情は、これからのことをどう乗り切るかを見い出す答え…ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「六花ー!怒らないでもう一度やり直したい!ありすー!まだ間に合うからありすにも謝りたーい!まこぴー!はぁ、はぁ…。つまらないことしてごめ…ん!あたしの下らない発言してごめん…!あ、亜久里ちゃ…げほっ!げほっ…!」

 

声が嗄れて今でも失神してしまいそうな程の勢いだった。それでもまだ謝らなきゃいけないことがたくさんあるのだ。

 

マナ「みんなでもう一回、ダンスをやり…たい…!だから…!」

 

 

 

六花「全く、どんだけ迷惑な幸せの王子様よ?」

 

 

 

マナ「り…六花?」

 

六花「私も謝るわ、あの時は本当にごめんね」

 

 

 

ここで初めて、あたしに幸福感とありがたみが芽生えてきた。

 

 


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