プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第133話 愛と幸せ①

六花「マナっ!」

 

ありす「どうやら無事でしたね」

 

真琴「こんなこと、今でも信じられないわ」

 

亜久里「本当に心配をかける白馬の王子様ですわ」

 

数分後、喜びのあまりに思わずむせび泣く六花達が入ってきた。どうやら本当に迷惑かけちゃったっぽいかも。

 

マナ「そんなに泣かないでよ、大したことないし」

 

六花「もう…、このままマナが目を覚まさなかったら私…!」

 

自分では全く実感ないけど、それ程だったのだろう。なんだか面映い気分だ。

 

マナ「あたし、何もわからないや。とりあえず眠っていたことしか」

 

真琴「身体は大丈夫?」

 

マナ「一応手足なんともないけど?」

 

亜久里「しかし医師によれば甚大な部分があると」

 

その一言に妙に引っかかってしまう。別に大したことではないけれど、それのどこが―――

 

 

 

マナ「うっ…!」

 

 

 

立ち上がろうとすると、胸が苦しくなってしまう。

 

ありす「成功したものの、まだ完全ではないってことですね」

 

亜久里「一度医師と対談しましょう。そこで理由が明らかになるでしょう」

 

真琴「確かに、それが堅実ね」

 

みんながあたしの両腕を肩に乗せてそのまま松葉杖を持たせる。今動いたらわかるけれど、やはり胸が苦しい感じがする。

 

 

 

そしてそのまま医師のところへ行って診査結果を聞くことに。その後、結果を聞き終えたあたし達はすぐにメディカルルームへと戻る。

 

 

 

マナ「…そんな、今の身体じゃダンスできない…?」

 

真琴「嘘かもしれないけど、それが事実よ…」

 

ありす「先程の話を聞いた通り、マナちゃんの身体の一部や右足が麻痺状態とのことですわ」

 

あまりの衝撃的な結果に挫折してしまうあたし。もしこの症状が長かったら…、

 

マナ「じゃあダンスはどうなるの…?」

 

六花「…」

 

マナ「ねぇ六花、どうして答えないの?」

 

ありす「…」

 

マナ「ありすもどうして?」

 

真琴「…」

 

マナ「まこぴー、一言ぐらい…」

 

亜久里「…」

 

マナ「亜久里ちゃん…」

 

誰もが絶句して黙り込む。むしろ悲惨すぎて何も言葉を入れる余地もないのだ。

 

マナ「じゃあせつな達は―――」

 

真琴「これは私達の問題なのよ…っ!」

 

亜久里「今の状況じゃ、せつな達も何も言い返せませんわ」

 

ありす「残念ですが、そういうことです」

 

首を振るように切実に答えるありすと亜久里ちゃん。その表情からは、何も浮かばない。

 

マナ「でもすぐに万全な状態にして、できるようにしたいの!」

 

真琴「そんな身体で何ができるのよ!」

 

マナ「だって、ここまでやってきたんだよ?努力を積み重ねて必死で練習したんだよ?」

 

真琴「残りの期間はもう一週間もないわ。このままだと私達のエントリーは辞退ってことになる」

 

亜久里「このダンスのセンターはマナでしょ?センターが不在のダンスは、必要ありません……」

 

まこぴーまでもが責めるように答えてきた。そこまで強く言わなくても…。

 

マナ「いや、あたしはやる。みんなに心配かけたのはあたしのせいなんだ。あたしが責任を取らないといけないから」

 

ありす「マナちゃん…」

 

マナ「それを否定するなら、あたしはダンスを辞める…。辞めるよ……」

 

真琴「……辞めるって」

 

亜久里「いくらなんでもそれは酷いですわ」

 

マナ「みんなは今のあたしの状態を聞いて判断した。ならばそれを許さないのなら喜んで辞めてあげる。目標のないことに全力で頑張る必要なんてない。いっそのこと最初からやらなきゃいいじゃない」

 

せつな「……」

 

マナ「これ以上あたしを引き留めても意味なんてないよ。もう出てって…」

 

ありす「マナちゃん、私達は―――」

 

 

 

マナ「いいから出てってよ!!」

 

 

 

六花「…っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――パシン…ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「……」」」

 

 

 

ここで、今まで経験したことのない痛みが頬に伝わった。

 

マナ「……」

 

六花「何が目標のないことよ…。自分だけが投げやりになってよくそんなことを平気で言えるわね…」

 

伝わる六花の非情さ、そして六花の悲しみ。それこそ感情を露わにしているに違いはない。

 

六花「みんなのことを考えないマナなんて…最低よっ!!(ダッ)」

 

亜久里「六花!」

 

真琴「悪いけど、今のマナは到底ダンスの練習には入れさせないわ…。私達だけで―――いや、足りないチームは出れないなからやる意味なんてないわ。みんな、今は出ましょう」

 

せつな「…マナ」

 

ラブ「どうして…」

 

まこぴーがそう言い残すと、全員がこの場から立ち去ってしまった。

 

ありす(マナちゃん……)

 

 

 

シャルル「大丈夫シャル?」

 

マナ「ごめんシャルル。今は一人にさせて…。そしてアイちゃんとも一緒に遊んであげて」

 

あたしがそう答えた頃には、既に一人ぼっちになっていた。もう誰も頼れる人なんていない、孤独の中にいた。

 

 

 

マナ「……うっ。うぅ……」

 

 

 

数分後、あたしは数えきれないくらいの涙を流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医療施設での生活も今日で三日目。一応両親には軽い怪我ということを医師の人が話したらしい。

 

マナ「…あたし、これからどうすれば。そしてお腹減った…」

 

空腹状態のあたしは一人孤独で外の景色をずっと眺める。ちなみにここ数日前までは食欲もなく、全ての食事を食べずに終えてた。なので絶食状態が続いている。

 

 

 

医者『相田マナ様、面会の時間です』

 

 

 

マナ「面会?こんな時に誰が…」

 

ここで告げられた突然の面会宣言。今となれば動く気力すらない。

 

マナ(どうせ碌な話でもなさそうだし…。行くか)

 

しばしばと松葉杖を手にして移動する。もう片方だけでもいいぐらいの回復はしている。

 

 

 

そして面会室へと移動し、来客人を待っていると意外な人物と遭遇した。

 

マナ「もしかして、エルちゃん?」

 

エル「はい、心配になったからつい来ちゃった」

 

彼女は亜久里ちゃんと同じ学校で同じクラスの娘だ。でもどうしてここに…。

 

エル「実は私だけじゃないの」

 

マナ「他に来てるの?」

 

 

 

ミユキ「久しぶりね、あれから元気してた?」

 

 

 

マナ「えぇ!?ミユキさん!?」

 

あたしはここで思いもよらない人物と再会したのであった。


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