プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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一部変更しての再投稿です。


第131話 心の善意と縋る気持ち②

ラブ「せーの、よっと。ふん、せいっと」

 

祈里「ラブちゃん、何をしてるの?」

 

ラブ「寂しい気持ちばかりじゃ収集つかないから少し身体を解しながらストレッチしてるの。ほら、ブッキーもやろ、ね?」

 

祈里「みんなも一緒させようかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この事態になってから早一時間が経過。医療班達が全力でマナの治療に専念している中、どうしても無事を祈ることばかりしか考えられない。恐らくは半日で治療は終わるとのことだった。心肺停止には至らなかったけど、すぐに意識を取り戻す状態ではないという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで私は嫌な気持ちを少しでも軽減するためにこうして身体を動かしているわけだった。

 

亜久里「どうしたんですの?こんな時に」

 

ラブ「待つだけじゃ暇でしょ?だからこうやって動けば不安なことだって乗り越えると思ってさ」

 

急に連れ出された亜久里ちゃんが蔑むように問いかける。そんな目で見られても…。

 

ラブ「ほら、早く回復したら一緒にダンスやりたいんじゃない?」

 

亜久里「それはできたらそうしていましたわ。今はそれどころではありません」

 

ラブ「気が進まないのはよくわかるよ。このまま待ってたって何も起こらないよ…」

 

亜久里「もし仮に回復できたとしてもすぐに復帰できるようなことでは済みません。一度治療を受けた人間を今すぐ参加させても拒否されるだけですわ。もしその役割を懐柔するような人がいればとっくに苦労はしていません…」

 

ラブ「亜久里ちゃん……」

 

そうだよね、あの時は余裕を持てたけど終わった途端に倒れてしまうんだし。余程精神が強かったんだね、私よりマナの方が。

 

亜久里「けど、マナはわたくしのことを思ってくれたんだと思っています」

 

ラブ「どういうこと?」

 

亜久里「ことの始まりは六花だったんですよ。それを実現したいって強く願望したのがマナでしたわ。マナのやりとげたいっていう気持ちにありすや真琴、わたくしも共感したんです」

 

ラブ「互いにやりたいことが一致してる、それって奇跡だと思うな」

 

亜久里「ただマナが言うならそれに賛成したまでですわ」

 

照れながらボソボソと呟く亜久里ちゃん。なんだか無邪気な表情を見せたって感じかも。

 

ラブ「私もさ、みんなが必死になってくれてとても共感できた感じがする。特にそれを言及する程の話じゃないけどさ。なんとなく自分なりの気持ちを伝わればそれでいいよ」

 

亜久里「人を煽てたって、そう簡単に気分は変わりませんわ…?」

 

ラブ「そういうことは、気にしない気にしな~い。それじゃ一緒にストレッチしよっか」

 

亜久里「って人の話を聞いてますかぁ~!」

 

私なりに言いたいことを言えたつもりだったけど、伝わったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ラブ、どこに行ってたの?」

 

ラブ「ちょっとみんなで外で身体を動かしてたんだ。気分がスッキリしちゃった」

 

それからみんなで戻って来ると、せつなが眠たそうな顔をしていた。すっかり忘れてた、ヤバイヤバイ……。

 

せつな「ごめんなさい、折角待っていたのに私が寝てしまいそうになるなんて」

 

祈里「そんなことはないわよ?」

 

亜久里「それではレディとしてはまだまだですねぇ」

 

ラブ「ナイスツッコミ」

 

亜久里「それよか、ありすと真琴が戻って来てませんね」

 

祈里「さっきは一緒にいたけど、どこへ行ったのかしら」

 

ラブ「とりあえず気長に待とうか。そうだ、何か飲みたい物ある?私買ってくよ」

 

せつな「ラブに任せるわね」

 

亜久里「変なチョイスにはしないでくださいね。それにしても二人とも、どこへ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「ありす、こんなところへ連れてどうしたの?」

 

ありす「ちょっと、気にかかったことがありまして…」

 

真琴「気にかかったことって?」

 

ありす「今はランスちゃん達、楽しく遊んでいます。だからこの機会を作ったわけでして。マナちゃんは回復するまで時間かかりますし、六花ちゃんには話しかけるだけでも困難が生じますし、今相談できるのは真琴さんだけなんです」

 

真琴「どういう事情かはよくわからないけど、亜久里ちゃんを巻き込むわけにはいかないものね」

 

ありす「ありがとうございます…。もしよければ私の話を聞いていただけますか?」

 

真琴「いいわよ。友達なんだからさ」

 

ありす「その、今までダンスの練習を欠席したってケースは私を除いてありました?」

 

真琴「欠席自体は全くなかったわね。そもそも、パフォーマーが近かったし闇雲にサボるなんてナンセンスだわ」

 

ありす「以前、マナちゃんの身体の動きが妙に鈍かったんです。多分日頃から溜まった疲労があるのかと」

 

真琴「あの時はたまたま疲れてただけじゃない。私だってそういうことに関してはしっかり見逃さないわよ。それが影響であんな事態になるなんて有り得ないもの」

                ・・・・ 

ありす「もし仮にその疲れが原因で予選落ちになったとすれば?」

 

真琴「……」

 

ありす「マナちゃんの体調管理は万全ではなかったというのですか?」

 

真琴「そんなの、自分でどうにかするんじゃないの?」

 

ありす「誰かを助け合うのが友達のやることではないのですか?」

 

真琴「私は前からマナには忠告したはずよ。何かあればすぐ相談することって」

 

ありす「相手に全て責任を委ねてもいいというんですか?」

 

真琴「ありす……」

 

ありす「答えてください、真琴さん……。今、あなたが言いだそうとしたことを」

 

真琴「わ、私は……」

 

 

 

ありす「うぅ…」

 

 

 

真琴「大丈夫?」

 

ありす「ごめんなさい。ちょっと私、お腹痛くて」

 

真琴「すぐに休んだ方が―――ってもしかしてありす、生理……?」

 

ありす「……」

 

真琴「治るまで黙っておくわ。誰にも口にしないから」

 

ありす「真琴さん…。本当にごめんなさい……(サッ)」

 

 

 

真琴(私が言いたい答え、か……)

 

 


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