せつな「あれから練習は上手くいってる?」
マナ「なんとか大丈夫、あとは残りの期間でどうにかするよ」
現在の状況をせつなに教えつつも残された時間でどう完成させるかを決めなきゃならない。そんなことを今あたしは抱いていた。ちょっと気を逸らすように言ったつもりだけど、案外普通に頷いてくれたようだ。
せつな「私ももう少しアドバイスをあげられたらよかったんだけど、本当に問題ない?」
マナ「まぁね。でも何かあったらそこは臨機応変でやるよ」
せつな「自信があるならそれで結構よ。私はマナ達が頑張れたらそれでいいと思ってるから」
マナ「なんかそれを言われたら勇気が湧いてきた気がしちゃった」
ちょっと照れくさいな、あんな感じに褒められたら。
せつな「あのさ、もしも優勝できたらみんなでお出かけしてみない?」
マナ「ふぇ?」
咄嗟の一言に思わず固まってしまう。そ、そんな急に言われてもぉ~…。
せつな「というのもそれは私じゃなくてラブが言ってたことなんだけどね」
マナ「どうしてそれを?」
せつな「単純な理由だけど、人数多い方が一番いい気がするって言ってたらしいわ。私もそれは間違いだとは思ってないし」
でも、これはある意味いい機会なのかもしれない。せつなは思い出し笑いをするようには話をつづけた。
せつな「なんだかちょっと嬉しくなった感じがするわ」
マナ「あたしもだよ、もしあの時六花がダンスをやるだなんて言わなかったら今頃こんなことにはなってなかったよ」
せつな(多分これは運命的な出来事のようね…)
マナ「だからせつな、最後まであたし達のことを応援してね(ギュ)」
せつな「ふふ…、マナったら…」
決意を振り絞るあたしにせつなが深く安堵する。その様子を見てあたしは強く抱きしめた。
マナ「本当に心から感謝しているよ、せつな」
せつな「えぇ」
~~ホール内~~
ラブ「うへぇ…。やっとスッキリしたぁ…」
タルト「ピーチはん、大丈夫か?」
ラブ「私って最近不幸な目にしかあってないような……」
亜久里「それでしたらビタミンを多く摂取することをおすすめしますわ」
六花「これ、レモンを絞ってからアセロラドリンクに混ぜてみたけど。よかった飲んでいいわよ」
ラブ「…ありがとう(ゴクゴク)」
披露丸出しの私に栄養を蓄えている特性ドリンクを差し出してくれた。当然レモンの果汁が入っているから凄く身体にいいらしい。
ラブ「美味しい~…(ほわぁ~)」
亜久里「いいですの?それ、マナにあげるのではなくて?」
六花「そんなわけないでしょ!?ただ、心配だったから一口ぐらい飲ませただけで…。別にマナだけにあげるってじゃないのよ?」
亜久里(最近の六花は妙にマナへの愛情が強過ぎでですわ…)
ラブ「そういえば亜久里ちゃんは身体の痛みとかないの?」
亜久里「わたくしは全然平気ですわ?ピンピンしてますし」
ラブ「いいなぁ~、若い娘は気合が冴えるんだね」
無論、亜久里ちゃんだけに言えたことじゃないけどそれはそれでよしとしておこう。
六花「あのさ、次の休日にまた集まらない?そこで何かアドバイスがほしいの」
ラブ「アドバイス?あぁ、私そのことで二人に言おうと思ってたんだ」
亜久里「奇遇ですね」
ラブ「これだけは覚えてほしいの、ダンスは一人のためじゃない。みんなで力を合わせて初めて実現できるものなの。その心だけは忘れないでね」
六花「ちょっとイマイチわからないけれど…。やれるだけのことはやってみせるわ」
亜久里「期待していますわよ、先輩」
ラブ「せ、先輩…!?」
この時、私の心に何かが着火した。
ラブ「うっひょぉおおおお~、せせせせ先輩だなんて、私一度そう言われたかったんだぁ~!!うふふふ、おひょひょひょ、ふぇrwfjしfsgdfkねちおghjfjfkgふおrhふぃsjfsdjぎhぎsrjふぉあsj@。、「;・p「:l・l;・;l。l「;;・;「:・^-¥・;……」
タルト「ピーチはんが壊れてるで……」
六花「前言撤回、本当に大丈夫なのかしら……?」
亜久里「まぁ実力は本物ですしね」
~~夕方~~
せつな「ラブ、私が伝えてほしいことは言えた?」
ラブ「うん、きっちり言ったよ。あとはマナ達が上手くいくことを願うだけだね」
すっかり夕方になり、私とせつなはマナ達と別れてそのまま帰宅した。ある意味凄い一日だった。
ラブ「さて、本番まであとわずかだから向こうもまだトレーニングあるらしいよ。次の予定でまた一緒にやろうよ」
せつな「わかったわ。それまでにどうにかなってほしいものね」
というわけで、そんな一日の幕を下ろしたのであった。
それから数日後、約束の日を迎えることとなった。