六花「もっと足を踏み出すようにして、それじゃないと感覚つかめないわ」
真琴「最近六花も積極的に指摘するようになったわね」
亜久里「そんなにきつく言われてもヘトヘトになりますわぁ……」
数日後、あたし達はミユキさんと一緒に街外れの市民会館を借りてダンスの練習を行っている。なかなかいい感じには仕上がっているけれど、まだまだ感覚がつかめない部分も多々ある。
ありす「そういえば今日はスケジュールにも書いてあったハードスケジュールの日でしたね」
六花「具体的な内容は身体トレーニングらしいわ。ダンスだけじゃなく、身体能力もさらに磨かなきゃいけないらしいのよ」
マナ「六花~。そろそろ休憩したいんだけど~」
六花「だめよ、まだミユキさんが戻ってないから」
ちなみにミユキさん不在の場合は六花とまこぴーが指示している。やはり練習を怠らないための対策だとか。
ありす「マナちゃん相当頑張っていますね」
真琴「でも油断する一面もあるからこうやって六花も指摘するのよ」
マナ「とりゃあ~!!」
亜久里「そんなに飛び上がったら―――」
マナ「ほぉあぁ~!?(ゴキッ)」
六花「鈍い音したわね…」
思わず足を挫いてしまった…。折角張り切ってるのに、これは大失敗だよぉ~…。
真琴「そろそろ戻ってきたわよ。早速報告しなきゃね」
マナ「何を?」
六花「そんなの決まってるじゃない。そろそろ私達の明確なコンセプトを決めるってことを」
六花が訝しむように説明する。それはそうと、時期にアマチュアダンスパフォーマーのエントリーが始まる。それに向けて今までこうやってダンスの練習をしていたってわけ。あの時のことを思い出してやっと気づいた、あたし達が目指している目標を。
ミユキ「お待たせ~。ところであれからちゃんとテーマを決めたかしら?」
六花「はい、それを説明しようとずっと考えてました」
真琴「ダンスをやるにあたって大事なことだったので報告したいです」
ミユキ「聞かせてもらおうかしら、あなた達のテーマを」
六花「私達のテーマは―――」
~~一時間後~~
マナ「気合と根性でカバーだ~!!」
六花「そんなに走ったら疲れるわよ~!」
ありす「ランニングは一定のペースを保って走るんですよマナちゃん」
真琴「これじゃ優勝できるのは夢の夢だわ…(はぁ…)」
亜久里「乙女はもっと美しく優雅に生きるのですよ。そんな調子だとアイちゃんに笑われますわ」
それから身体を張ったトレーニングが始まり、必死で体力作りに力を入れる。こうなった以上は全力でやるっきゃない!
マナ「立派なダンサーになるんだからぁあああ~!!(ドドドドドド)」
この後あたしは疲労でダウンすることを知らずに走っていたのであった。
それから夕方になり、
みんなが色々と予定を立てているところであたしは目を覚ました。
マナ「みんな、今日はごめん」
六花「全く無茶ばかりして、迷惑な王子様になっちゃうわよ?」
頭痛気味になり、少し気持ち悪くなっちゃっていた。今日は焦りすぎたよね。
ありす「まだまだ期間があるわけですし、ゆっくり休んでください」
真琴「チームワークを大切にね」
亜久里「困ったことはわたくしがフォローしますわよ?」
マナ「ありがとう…。あたし、嬉しいよ~!」
励ましの言葉を貰ってすっかり嬉しい気分になる。やぱりこんな時こそがいいよねぇ~。
六花「とにかく、明日自主トレだけど学校終わってからにしましょうか」
こうして、派手なトレーニングを用いた今日の練習は終わった。これからどのようにするかが問題となるかもね。
~~翌日の午後~~
マナ「1、2、3、1、2、3っと」
真琴「いい調子よ。さっき体育の授業やってたからなかなか張り切ってるようね」
学校が終わり、あたしとまこぴーは先に自主トレを行っていた。六花達は後から来るとのことらしい。
マナ「シャルル、今のどうだった?」
シャルル「真剣になってるシャルね」
真琴「ダビィもいいと思う?」
ダビィ「上手くいって凄いビィ」
真琴「よかったわね、褒めてもらって」
マナ「いや~それほどでも」
シャルル達も関心していたみたいだね。一安心一安心。
真琴「マナ、ちょっと私も踊ってみるわ」
マナ「まこぴーの生披露!?」
真琴「いいから黙って見て。私だって素直に練習したいのよ…」
少しヤキモチを焼くように呟く。本当は一緒にやりたかったのかな?
真琴「今から風の流れをイメージして。そこからどんな後継が見えるかを想像してほしいの」
マナ「……あ」
言われた通りにそうしてみると、普段のまこぴーからちょっと印象の変わった光景を思い浮かんでくる。これはイメージする人間によるイマジネーションだろうか?
マナ(…これだ。あたし達がやろうとしたことは、これなんだ……)