さっき言っていたこと、本当に活かせるのかな……。ちょっと気持ちの整理に追いつけにくいけど、みんなで頑張るしかないよね。
六花「アイちゃん、とても喜んでいるわね」
真琴「こんなに笑ってるもの、嬉しいに決まってるわ」
シフォンの遊び相手になっているアイちゃんが喜ぶ顔に六花とまこぴーが笑みを浮かべる。もうしばらくはそっとしておいてあげてもいいよね。
マナ「ねぇせつな…。ラブ、大丈夫なの?」
せつな「すっかり気持ち悪くなっているわね…」
ありす「私が事前に説明していればこんなことにならずに済みましたが…」
祈里「あれって何だったの?」
ありす「あれは大阪で一時期人気だった禁断のスイーツで―――」
真琴「私、ちょっと外の空気を吸ってこようかしら~…(すたすた)」
(副音声)「ヤよ!それ以上喋らないで!もうあんなトラウマ思い出したくないわよ!!」
するとまこぴーが突然姿を消し始めてしまった。まだ何も言ってなのにどうしちゃったの!?
ありす「真琴さん、どうしたのでしょうか?」
六花「全力で逃げた気がするけど」
マナ「まさか…」
あたしがそっと確認してみると、どうやらこれは納豆餃子飴らしい。以前まこぴーが口にしたことがあるらしいが、相当のトラウマになった覚えがあるようだ。とにかく、あんなんじゃ戻ってきそうになさそうかも…。そんな不満を胸に、一日が終了していくのだった。
~~深夜~~
マナ(うぅ…。全然眠れない…。やっぱりかなり疲れてるけど、眠気が感じないな…)
その夜、布団の中に入って寝ようとしたものの、全く眠れる気配すら感じられない。すぐに寝れるあたしがここまで追いつめられるのも珍しいことだった。
マナ(ちょっと夜更かししちゃうかもしれないが、散歩でもしに行くか…)
勿論、こんな夜中に出回るなんて尺の招致だが。まぁどうせ明日も休みだし、ある意味救いの出来事かも。
とはいえ、それで何かを考えるのも無理はあるし。そう簡単に―――
六花「マナ、こんな夜遅くからどこをほっつき歩いているのよ?」
マナ「って六花!?」
しまった!てっきり六花の家付近まで来ちゃったよ!なんだか自然と寄ってしまったというノイローゼだとか…?
マナ「六花も眠れないの?」
六花「まぁね。私もちょっと考え事していたし、だんだん眠くなくなってきたってわけ」
マナ「そうなんだ。ねぇ六花、ひとつだけあたしの話聞いてもいいかな?」
六花「一体何なの?」
あまり思考が回らないあたしは六花に聞きつけてみる。
マナ「あたし達ってさ、何のためにダンスを覚えようとしているの?」
六花「それは勿論、楽しみたいからに決まっているわよ?ていうかことのきっかけは私なんだけどさ」
マナ「うん、確かに全ての始まりは六花が言った言葉だったね。ただ、それを目標とした何かを実現できたらどうなるんだろうかって思ったわけで…。六花はどう受け答えてくれるの?」
六花「……」
ここで六花が突然黙り込んでしまう。いや、むしろ自分でも想像できていなかったことをどうするか迷っているのだろうか?
六花「私ね、色々悩んでいたけどやっぱりありのままの姿でいたいと思ってるの」
マナ「まさか、その気持ちを後にとっておくとか…?」
六花「いや……、多分みんなに共用してほしいかも」
淡々とした表情で答える六花。ちょっと顔を赤めているけど、気のせいだろうか?
マナ「共用ったって、どうすれば…」
六花「適当に答えたわけじゃないわ。一応本音で言ったつもりなのよ…」
益々俯いて言葉も出なくなってしまう六花だが、存外、あたしはその気持ちを受け止められている。
六花「と、とにかく…。私から言えるのはそれだけなの、それ以上問い詰められても返答しようがないわよ」
案外拍子抜けしたような様子だと感じたけど、六花はそれでいいのかな?
マナ「でもさ、あたしは別に気にしないよ?というのも、それぞれでやりたいことを見つければいいんじゃないかな?」
六花「まぁ、それもあるわよね。そこまで深く言及する必要もなさそうね」
マナ「じゃあさ、明日の朝までどうすればいいかを考えてみるよ。改めてさ」
六花「全く、世話が焼けるんだから。マナにいい考えがあれば任せてもいいわよ?」
そんなこんなで、もう家に戻って寝ることにした。あたしの考えで、ここから先がどう変わるかが決まるかもしれないね。