ハート「こんなんじゃ、まともに攻撃を喰らったら身体が持たない…!」
ソード「今の一撃で痛烈なダメージを受けたようね」
R「おいおい?お前らの威勢はその程度なのかよ。笑わせてくれるぜ」
ダイヤモンド「こんなんじゃ、攻撃なんて予測できないわ…」
今のでおもいっきりダメージを受けたあたし達は、あまり立てる状態ではなかった。ましてや消えてワープする攻撃なんて普通で考えると有り得ない現象だ。
ロゼッタ「こんな卑怯な真似をするなど、外道にも程がありますわ…!」
R「外道で結構、そいつぁいい褒め言葉だぜ。さぁ、ここからどう反撃できる?」
ハート「勝負は、ここからなんだから…!はぁ!(ドン!)」
ダイヤモンド「諦めないわ!(ズガァッ!)」
ソード「敵も相当よろけてるわ、今がチャンスよ」
そして気を緩めずに再び攻撃を開始。あたしとダイヤモンドでナケワメーケに再度パンチを入れる。これくらいの傷ならまだまだ戦える。
R「だが、あまり体力が残ってないかもな」
ソード「アンタの相手は私達よ、ふん!(ガゴン!)」
ロゼッタ「やらせません!(ズガァ!)」
今度はロゼッタとソードがRに同時攻撃をしかける。それでも余裕の表情を見せるRは両腕で二人の攻撃を阻止した。流石に読まれていた行動だった。
ロゼッタ「まだです、はぁ!(ガガァ!)」
ソード「その隙に畳み掛ける!(ズシャァ!)」
ダイヤモンド「結構押してきてるわ、その調子よ!」
R「ナケワメーケ、突っ込め!」
ナケワメーケ「…パ~ン(ドン、ドン、ドン…!)」
Rの指示で再び動き出すナケワメーケにあたしは正面からキックをお見舞い。運よく相手を仰け反らせることができた。
ダイヤモンド「ナイスよ!」
ソード「安心するのはまだ早いわ。ここからは少しの油断が命取りになるから、慎重に行くわよ」
ソードがこの後のことを警戒する。確かに今ので相手の体制を崩したが、そこから反撃される可能性は極めて高い。個別で動いたら更にダメージが激しくなるだろう。
R「しっかし、この世界も大した柄じゃねぇな。まだ前来た世界の方がよっぽど面白かったのによぉ」
ハート「前の世界ってどういうことなの」
ロゼッタ「さっきからよくわからないことをおっしゃってますが、説明願いますか」
R「どうせお前らみたいな無能な子娘どもに説明しても理解できぁねぇがな」
ソード「何か重要な手がかりがあるかもしれないからそれは喋らないとわからないわ」
Rが溜め息を吐きながら何かを呟いた。この言葉にどうしても引っかかってしまうあたし達はその理由を聞かせる。
R「有体な話だが、お前ら以外にもプリキュアは何人もいる。俺はその中で手ごたえのある奴らを好む。チンタラしてる奴は興味ねぇ。俺が求めるのはとにかく―――力だ」
ダイヤモンド「力…?」
ソード「私達以外にもプリキュアは何人もいるっていうの…?」
R「俺がここに来る前に一度立ち寄ってからかってみたが、骨のある奴が一人いたんだ。そいつは夢を諦めないで前に突き進むような奴だった。お前らにもそういう才能ってぇのがあるかどうか見極めてみたが、何かが足りねぇんだよな」
ロゼッタ「私達もそれなりの覚悟はあります、あなたには到底理解できないでしょうけど…!」
R「やれやれ、聞き分けのない子供は嫌いだぜ…!」
ハート「聞き分けないのはR、アンタの方でしょ。そうやって必死でもがき苦しむあたし達を見下すなんて」
R「俺は知ってるんだぜ?お前らがジコチューと戦ってる様をな。いくら人の心を取り戻してもそれは本当の愛じゃねぇ。仮に例えるなら、偽りとでも言っておこうか」
ハート「偽り…?」
突然の世迷言で少しだけ錯覚を感じてしまうあたし。こんなにキュンキュンすることが、偽りになったら―――
ハート「―――それじゃ、あたし達が成し遂げたことも全部無駄だというの?」
R「完全ではねぇが、おそらくはそうかもしれねぇな」
ダイヤモンド「ハート!こんな奴の言葉に惑わされちゃダメよ!」
ロゼッタ「そうです、マナちゃんはいつだって前に突き進んでいました!今でもそう感じるはずです!」
ソード「私も何度か迷ったが、こんなデタラメな誘惑には負けはしない。だから、前に進んで!」
ハート「ッ!あたし、今迷走してしまうところだった…」
R「ほう、俺の言葉から逃れたってぇんか。結構根性あるじゃねぇかよ。お前、気に入ったよ。俺が求める相手に相応しい」
―――でも、この愛だけは譲れない…!!
ハート「あたしは絶対に挫けない、ここで立ち止まるわけにはいかない!!」
その意味を、あいつにぶつけたい。この拳で……!