プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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第99話 あなたと私

マナ「女の子…?」

 

灯りが照らされてる部分に一人の少女が何かを考えながら立っていた。その顔はやけに真剣だった。

 

マナ「もしかして、あの娘かも……」

 

シャルル「聞いてみるシャル」

 

気になったので一度話しかけることに。見た感じはオドオドしている様子ではないし、緊張はしていないらしい。

 

マナ「あの、もしかして…。あなたが東せつなさん…?」

 

その少女は、こっちに振り向きつつ軽く頷いた。どうやらその通りだった。

 

 

 

マナ(ジョーさんが言っていた通りだ。でも、一体何を考えてたのかな…)

 

 

 

じりじり…じりじり…

 

 

 

虫達のさざめきと共に冷たい風が吹き始めた。あたしは少し寒気を感じてしまう。昨日までは結構気温があったが、今は嘘かのように低い。

 

せつな「…これを着て。風邪ひくわよ」

 

マナ「あ、ありがとう……」

 

寒気を感じたあたしに薄着のカーディガンをくれた。ちょっと嬉しい気持ちかも。

 

マナ「東…さんはこんなところで何をしていたの?」

 

せつな「せつなでいいわよ、相田マナさん」

 

マナ「どうしてあたしの名前を?」

 

突然の一言で一瞬ビックリしてしまう。思い当たる節はただ一つ……。

 

せつな「ジョーさんから聞いたわ。あなたからの手紙を見てなんとなく会ってみたかったの」

 

マナ「なるほど…。そういうわけだったんだ」

 

さっきのジョーさんの言葉を思い返してみたが、やっぱり的中していた。

 

せつな「その子がアイちゃんかしら」

 

マナ「そうだよ、今はぐっすり眠ってるけどね」

 

眠っているアイちゃんの頬っぺたを軽く触れるせつな。勿論感触は柔らかくて気持ちいい。

 

せつな「ジョーさんに色々と教えてもらって…。どんな娘なんだろうって気になったからつい」

 

マナ「友達になってくれるなら喜んで歓迎するよ。丁度今、ダンスを習い始めてね」

 

せつな「私もダンス、好きよ」

 

無邪気そうにせつなが綻びを見せてくれた。何か特別なこだわりがあるのだろう。

 

マナ「まぁ始めたばかりでぜんぜん慣れないけど、あたしの仲間達と一致団結していくから大丈夫だよ」

 

せつな「誰から教わることになったの?」

 

マナ「ミユキさんかな。あの人なかなかセンスあるし凄いなぁ~ってね」

 

せつな「私もミユキさんの元でダンス練習しているわよ。まさか、他の人にも教えるなんてね」

 

どうやらせつなもミユキさんからダンスを習っているみたいだ。かなりの偶然なことだった。

 

マナ「ということは…、あたしより先輩ってことっすか~!?(ドッキリ)」

 

せつな「その顔だと完全に駆け出しからって顔ね。私も仲間達と共に一緒にやってるの」

 

マナ「お互いに携えてるものがあるね。なんかホッとしちゃうな」

 

となれば、ダンスのセンスもなかなかいいかもしれない。あたしより経験のあるせつななら今度手本になれるかも。

 

せつな「だから、私もあなたに負けないように精一杯頑張るわ」

 

マナ「精一杯頑張るっかぁ。興奮するようにキュンキュンしちゃいそ~」

 

せつな「それはどんな意味?」

 

マナ「つまりこれは愛なんだよ。胸がドキドキしてたまらないんだ」

 

せつな「愛…。幸せと似ているわね」

 

マナ「幸せって愛と同じっぽいよね」

 

それぞれが発した単語に耳を傾ける。きっと特別な意味がある可能性が秘めていそう。

 

せつな「幸せは人々と幸運に導いてくれるそうよ。私の仲間がよく口にするの。幸せゲットだよって」

 

マナ「凄く心が落ち着く。幸せ、それいいかも。愛と似たような雰囲気で嬉しくなっちゃいそうだよ」

 

いいこと聞けて正解だったのかもしれない。今まで感じたことのない躍動感を心から受け止められるのだから。

 

マナ「つまり世界が希望に満ち溢れている意味が込められているよ」

 

せつな「……。確かにそうなんじゃないかしら、あなたの言う通りだわ」

 

一旦言葉をとぎらせて深呼吸してから再度言葉を発するせつな。おそらくは彼女にとっては特別なことがあるのだろう。

 

マナ「とにかく、あたしが思ったのはこんなもんかな。自分なりのケジメってもんがあるし、目標に向かって突き進めばいつかは達成という道へと辿りつけるのだと―――」

 

せつな「―――(スッ)とりあえず今日はここまでにしましょうか。もう夜だし、この後寒くなるわ」

 

咄嗟にせつなの指であたしの唇に触れられて話を遮られた。そういえばもう遅くなっちゃったし、ここまでにするか。

 

マナ「せつな、あたし達はもう友達だよ」

 

せつな「そうね、マナの判断が正しいわね」

 

お互いに笑みを浮かべてそのまま帰ることにした。今日の出会いは偶然ではなく、決められていたことなのかもしれない。ちなみにこの後連絡先などを交換、これでいつでも会えるようになった。せつなが言う幸せ、あたしにも共感できるよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ(なんか眠れない…。明日も学校あるというのに)

 

不安そうに眠りにつかないあたしはさりげなく思った。そんな気持ちを抱きつつ、あたしの一日は終わった。

 

 

 

 


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