ラブ「シフォン、今日は楽しかった?」
シフォン「プリプ~♪」
美希「喜んでくれてなによりね」
私達はあれからもう少しジョーさんのところへ滞在し、ようやく帰ることにした。今は無事にクローバータウンストリート方面へ向かう最中なんだけど、なんだかお腹が減ってきた。
タルト「さっきおやつ食べたばかりちゃうんかピーチはん?」
ラブ「要するに別腹ってことなの。私のお腹は丈夫にできてるからねぇ~」
祈里「あらら、あまり食べすぎるとお腹壊しちゃうわよ」
賑やかに雑談をしていると近くでいい匂いがしてきた。この匂いは、いつも私達が食べているあれの匂いかも…!
ラブ「カオルちゃん、やっほー!ドーナツ食べに来たよ!」
カオルちゃん「今日も来ると思ったよ、それはありがたいねぇ」
見覚えのある看板、ここがいつも私達が食べているドーナツ屋さん。今日も芳醇な香りを求めて食べに来ました。
美希「いつもご苦労さん」
祈里「私達の分もいただくわ」
カオルちゃん「そうしたところなんだが、残念ながら今日の分はあとわずかなんだ…」
ラブ「ガビーン!!」
そ、そんな…。折角ここまで来たのに、あとわずかだってぇ~!?
タルト「誰がそんなに食べたん?」
カオルちゃん「実はだな、昼過ぎに君達と同じくらいの女の子達が来てたんだ。まさかの大人買いってやつでね」
祈里「私達と同じくらいの女の子達?」
美希「どんな特徴だったの?」
カオルちゃん「まぁ有体に言ってしまえば、元気ある娘達だった。まさしく似た者同士ってことよ」
訝しむように特徴を説明しているカオルちゃんだが、想像だけではあまりピンと来ない…。
ラブ「それでその娘達はこの後何してたの?」
カオルちゃん「あの娘達は今日トリニティのダンスを見たんだ。それでダンスに誘われたんだ」
ラブ&美希「「ダンスの誘いだって(ですって)!?」」
祈里「まさかミユキさんが…?」
カオルちゃんの大胆発言に思わず発狂する私と美希たん。し、信じられない…。まさかミユキさんがあんなことをやるなんて……。
美希「どんな理由で誘ったのかしら」
カオルちゃん「要するにこれを見てくれ」
『全国のダンスが好きなみんな、今ここに集まれ!
アマチュアダンスパフォーマー開催
舞台は大貝町にある市民会館、これからダンスを始めたいみんなをプロ達がしっかりとサポートします。出場資格は問いません、経験のある人でもない人でも楽しくパフォーマンスして盛り上がろう!
受付等は下記の番号まで
0120-75―――』
カオルちゃんが見せてくれたのはアマチュアダンスパフォーマと書かれた申込用紙だった。まさかいつの間にこんなことがやるなんて…。
祈里「意外だったわね」
タルト「つまりダンスが好きな人でもこれからやりたい人でも気軽に参加できるってことやないか」
ラブ「今日はたまたまダンスの練習なかったけど、こんなことがあるなんてね。こうなった以上は私達も参加しようよ!」
美希「ラブ、これはあくまでダンス経験のない人向けの行事なのよ。そこは優遇させないと。でも経験ある人でもいいて書いてあるならまた話は変わるわよね」
今一度チラシを確認しておく私達。見返してみればわかる通り、経験のある人でもいいらしい。いっそのこと腕試しって考えればいいかも。
カオルちゃん「それなら出ればいいじゃないか。四人で」
ラブ「ありだよそれ!」
美希「なんだかその項目を見て拍子抜けしちゃったわ」
祈里「無理もないかも」
ラブ「そうだね、今すぐにでもせつなに見せたかったけどね」
丁度今ここでせつながいてくれたらよかったんだけど、明日見せよっかな。
カオルちゃん「なんだ、今日はいないのか」
美希「別の用事があったから、今日はいないの」
祈里「しょんぼりだわ」
ラブ「まぁともかく、当日までにどうにかしないとね。参加するかどうかはミユキさんに聞かなきゃいけないよね」
ちなみにこのアマチュアダンスパフォーマーはミユキさんと他のプロ達が主催した行事らしい。
カオルちゃん「景気づけにドーナツ食べる?」
ラブ「待ってましたぁ~!」
~~十分後~~
ラブ「私、今日気になったことがあるの」
美希「珍しいわね、ラブから相談だなんて」
祈里「どんなことなの?」
ここで私はドーナツを頬張りながら二人に相談してみる。ちょっと洒落にならないだろうけど、とりあえずハッキリさせておきたい。
ラブ「今日私達の前に現れた女の人、なぜあそこまで感情を拒絶するのだろうかって。そう感じたの。なんだかあんまりよくない方向へと突き進んだに違いはないとも」
美希「きっとそれは何らかの影響かもね…」
祈里「だといいんだけど」
私達が戦った相手、一体何者だったんだろう。また出てきたらその真相を確かめてみたい。
ラブ「次会う時は、本気だと思う…」
おそらく、もっと強大な何かが現れそうな予感もする。その時はせつながいてくれないと…。
ラブ「なんてね。さて、そろそろ帰ろっか」
美希「そうね。細かいこと考えてもしょうがないわね」
祈里「続きはまた今度ね」
今日はもう遅いので私達はそろそろ帰ることにした。大方、この先に降りかかる脅威に合わなきゃいいんだけどね……。