せつな「これを、あなたに渡したくて…」
ジョー「これは、ラビーズじゃないか。どうして君が持っているの?」
私がラビーズを差し出すとジョーさんが目を窺うように見つめた。やはりこの人に渡すことが正解だったみたい。
せつな「実は、とある女の子から頼まれたんです。渡してきてほしいと」
ジョー「その子の名前は?」
せつな「リムって言います。ご存じですか?」
ジョー「ごめん、僕はその娘知らないんだ。でもどうしてその娘がラビーズのことを知ってるのだろう」
ちょっと味気ない顔で悩みだすジョーさんが頷きながら考える。流石にこれだけのことでなく、ラビーズをなぜ知ってるかも疑問に思っていたらしい。
せつな「結構不思議な女の子でした。なんだか無邪気な感じもしていたし」
ジョー「そうだったんだ、それはそれで嬉しい話だね。ところで君があの娘からラビーズを貰ったの?」
せつな「これは私が拾った物なんです。その後にその娘の声が聞こえて導かれて事情を聞いて今に至るというわけです」
結局さっきのは偶然ではなく、必然的だったのかもしれない。私にはそう思うが、もう少しあの娘のことを聞いておけばよかったのかも。
ジョー「とりあえず僕に渡せてホッっとした?」
せつな「なんていうか、それはあなたが持っていた方がいいと思います。私じゃそれが何のために使うかわからなくて…」
やはりそれが何に使うかわからない。もしかしたらジョーさんに聞けばいいかも―――って聞いたところで私が使えなければ意味がないのよね。
せつな「何かわかればいいんですが、私じゃ到底それを扱うのが無理です」
ジョー「そうかぁ。だったらこれは僕が持っておくよ。何かあった時に役立つかもしれないしね」
せつな「そういえば、さっき手紙がどうたらこうたらって言ってましたよね?」
ジョー「すっかり忘れてた。ちょっと読もうかな」
するとジョーさんが届いた送り主不明の手紙の封筒を開けた。中には短めな手紙が入っていた。
ジョー「送り主は…」
せつな「相田マナ…」
ジョー「マナちゃんからの手紙だ。今まで渡してきたことなかったのにどうして僕の元へ…」
せつな「どんな内容が書いてあるんですか?」
私も気になったので少し内容を覗いてみる。何やらお詫びやら何やら色々書いてあるらしい。
ジョー「せつなちゃんだっけ?今度マナちゃん達と一緒に過ごさない?」
せつな「あの、そのマナって娘はどんな娘なんですか?」
ジョー「一言で表すと、白馬の王子様かな?」
白馬の王子様?それってつまりあだ名なのだろうか?
ジョー「他には色々とできるしどんな時だってめげないのさ」
せつな(それを聞くと、ラブを思い出すわ。ラブだって、いつもそういう感じだったわね)
ジョー「そうだ、せっかくだから君のことやさっきの娘達のことも詳しく話してくれないかな?」
せつな「いいですよ」
なんだかこの人と話すのが楽しくなってきた。もうちょっとだけここにいようかしら。
???「どこにいる、愛と名を持つプリキュアは……」