あかね「今日は休日やけど、明日には交流会があるから来週はしんどくやりそうやな~…」
なお「しんどくても我慢しなきゃ。そういう時だってあるよ」
休日の午前、うちはなおとれいかとで近くのスーパーで買い物をしているんや。確か今日はなおの家で昼食としてカレーを食べることになったみたいやからその食材を探しているところやで。
れいか「今は家族の方々は夕方になるまで帰ってこないと聞きましたのでなおが作ってくれるんですよね?」
なお「まぁね。本当はみゆきちゃんとやよいちゃんも誘いたかったんだけど、二人は今日用事があるって言ってたから残念だねぇ」
あかね「また今度誘えばええねん。機会はいくらでもあるんやし」
れいか「気に病むのも無理はありませんよ。時が経過すれば訪れますよ」
新じゃがと新玉ねぎをカゴに入れながら歓心するれいか。ホンマうららかな気分やなぁ。
あかね「うちちょっとカレールー探してくるわ」
なお「あんまり辛いのは作らないからね」
れいか「私となおは残りの食材を揃えてきますね」
一旦二手に分かれて食材をそれぞれで探すことにした。何かうまいカレーが出来たらええんやけど。
あかね「さて、スパイスの効いたやつを―――ってなおに辛過ぎるのは禁じられんやなぁ…。ここは中辛程度のものを―――?」
左に曲がるとどこかで見覚えのある顔をした少女がカレールーを持っていた。
あかね「もしかして、りんちゃうん?」
りん「あかね!?どうしてここに?」
あかね「どうしてって友達とカレーの食材を買いに来てるんやで」
すると偶然りんと会い、ひょっとした顔で見つめ合った。これってホンマにたまたまやな。
りん「私も友達と一緒にカレーの材料を買いに来たところなんだけど。奇遇ね、また会えるなんて」
あかね「いいんや、出会いは突然にって気分やし」
お互いにハイタッチしながら笑ううちら。やっぱ新鮮な光景やで。
のぞみ「うらら、カレーにチョコを入れてみようよ!」
うらら「はい、ビターじゃ無意味ですしホワイトチョコなんかどうでしょうか♪」
りん あかね「「ホワイトチョコ入れたらカレーの意味ないでしょ(ねん)!!」」
すると右側でピンク色の髪でツインテールの少女と同じくツインテールであっちは長めで黄色の髪をした少女が発言した言葉にうちとりんはツッコミを入れた。ってなんだが一緒に言うてもうた…。
うらら「りんさん、どうしてダメなんですか?甘口にホワイトチョコを入れたらスイーツなカレーになるんですよ!?」
りん「あのねぇ、カレーに甘すぎる味はいらないのよ…!それだとカレー風味の甘いルーになるわよ…」
あかね「りんに同感や…」
のぞみ「あれ?りんちゃんその子は?」
ピンクのツインテールの子がうちに指をさしながらりんに質問してきた。そうやな、いきなり割り込むなんて尺やないな。
りん「えっとね、昨日友達になった子なんだけど。名前はあかねって言うの」
あかね「よろしゅうな。二人はりんと友達なん?」
のぞみ「そうだよ、りんちゃんは私達の一番の親友なんだよ!ね?」
うらら「りんさんは賢いんですよ」
りん「そういうならアンタ達も賢くなりなさいよ…」
ホンマ面白い面子と友達だったなんてなぁ。まるでみゆきとやよいみたいやで。
あかね「りんは恵まれてるなぁ。面白い友達がいて」
りん「ああでも言わないとこの二人は学習しないのよ」
のぞみ「そんなことないもん!だってこの前国語のテストの平均点4点上がったんだよ!?」
りん「たった4点じゃ変わらないでしょ!まぁのぞみは国語を頑張ってるんだからそこは否定できないけどね」
うらら「あ、そういえば私達の名前を言い忘れてましたね。私は春日野うららって言います」
のぞみ「私はのぞみ、夢原のぞみだよ」
あかね「ええ名前やな。それよかりん達に言いたいことがあったんや」
りん「何を言いたいの?」
折角やし、ここはうちの自慢なことを伝えるか…!
あかね「次の休日にうちの家族が経営しているお好み焼き屋に来るとええで」
のぞみ「あかねちゃんお好み焼き屋さんやってるの!?」
うらら「すごいですね!是非食べてみたいです!」
りん「へぇ~、あかねって結構しっかりしてるみたいね」
今の発言に三人は結構関心してるようや。うちは中辛のルーを手にとると、
あかね「もちろん、うちの友達も招待するで」
りんの肩を撫でながら笑み浮かべた。
りん「あかねの他の友達もいるの?」
あかね「当然や、みんな明るいで。っていうか、うちの友達の内にのぞみとうららによく似てる面子がいるんや」
のぞみ「私とうららによく似てる面子…?」
うらら「誰なんでしょうか?」
あかね「それは会ってからのお楽しみや。ってそろそろうち友達のところに行かねんがあかん。それじゃ、また会おうで!」
りん「またね~!」
のぞみ「バイバイ~!」
うらら「また会いましょうね~!」
そろそろ時間が迫ってきたようやからうちはりん達と別れ、なおとれいかのところへ戻った。なんだかお茶目でまどろみのある時間やったなぁ…。
~~緑川家~~
れいか「そんなことがあったんですね」
なお「あかねっていつの間に新しい友達ができたのよ…(フフフッ)」
買出しを終えたうちらはなおの家でカレーを作って食べている。正直うちって案外人気者かもしれへんな。
あかね「思い出し笑いちゃうんかなお?」
なお「ごめん、なんだか羨ましくてさ」
れいか「笑っているなおも可愛いですよ♪」
なお「れいかまで…、こういう休日も悪くないよね」
笑いを堪えながらカレーを頬張るなお。そうやったな、うちが探していた新しいことの一部が発見できたかもしれへん。
②に続きます。