不可能男との約束   作:悪役

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み、皆さん!

ギャ、ギャグはいりませんか……!

配点(すっこんでろ馬鹿)


西国無双の理

 

立花・誾は想定した成り行きになっていない事に脳内で不可解な! という困惑と戦っていた。

 

何ですかこれは……!

 

立花・誾は様々な戦争と闘争を経たという自負がある。

襲名する前は立花の家で父や宗茂と。

襲名後は当然、その後の歴史の流れや明記されない小競り合いなどにも参戦した。

どの闘争とて楽である、などと思った事は無い。

それは慢心の元であり、武家の人間にっては戦に命を懸けている敵や味方に対しての恥だからだ。

故にこの立花・誾。

あらゆる状況下の戦いでも、己の刃を迷わずに叩き込んできた。

だが、だがだ。

 

これは本当に何なのですか……!?

 

現実に帰還した視界が超高速に流れていく己の体と風景だ。

現状、自分の体は空中に浮き、頭を下にした状態で飛んでいる。

飛ばされる力が強いため、未だに落下に至っていない状況で見るのは地上で煌く見慣れた輝きと聴き慣れた戦の音だ。

相手は自身の味方である弘中・隆包と敵対者である武蔵副長熱田・シュウとその補佐である本多・二代だ。

そこまではOKだ。

何一つとして問題は無い。

敵対者と鎬を削り合い、打ち倒そうとする戦闘の光景だ。

それだけなら心が滾るだけだ。

だが、今見える光景は

 

「死ねーーーー!!」

 

本多・二代が丁度弘中副長と鍔迫り合いをしている最中に武蔵副長が本多・二代の背後から遠慮なく横一文字に斬りかかっている最中であった。

 

 

 

 

 

これが武蔵か……!

 

隆包は恐ろしい理解を目の前の光景から知りつつあった。

防御に関しては強国の副長相手でも容易く奪わせないという自負があるその目で視れば武蔵副長が如何に本気で刃を振るっているのかを理解出来ている。

どれだけ本気かと言えばこのまま行けば本多の娘が真っ二つに裂けるくらいには本気だ。

武蔵はギャグに関しては本気だ、という情報は隆包も知ってはいたが、仲間ごと纏めて斬ろうとするのはギャグじゃなくて邪悪ではないだろうか、と思う。

だが、そうではない事を隆包はもうこの数分間で理解している。

そう思った瞬間に目の前で鍔迫り合いをしていた本多・二代の姿が消えた。

隆包は無理に追わなかった。

蜻蛉切りの伸縮機構で自分を上に飛ばしたのは理解していたし、何よりも目暗ましとなった瞬間に熱田・シュウが歩法で消えている事を察知しているからだ。

 

──最初はこうでは無かった。

 

この二人とて息を合わせようとしていたのだ。

だが、直ぐにボロが出まくった。

原因は単純に対応訓練をしていなかったのだ。

片や最近、武蔵に編入してきた本多・二代。

もう一人は最近まで力を抑えていた熱田・シュウだ。

どちらもその手の訓練はしてはいても足りてはいないはずだ。

だから、二人が思った事も何となく分かる。

 

これでは勝てない(・・・・・・・・)。だから、勝てる方法にシフトす(・・・・・・・・・・)()

 

「どっちかが考え合わなかったらどうすんだ……」

 

だが、そうはならなかった。

でも、思わず一つ納得する思いはあった。

道理で武蔵副長は本多・二代を己の補佐にする事に何も文句を言わなかったものだ、と。

未熟であっても勝利を求める意気はあると見出しているのだろう。

 

「はっ」

 

流石は武蔵副長。

流石は熱田・シュウ。

いい。それでいい。

同じ事しか考えていない馬鹿なら叩き潰すのに罪悪感何て一切感じずに済む。

だからこそ、お互い一切の呵責も無く敵意を沸かして武器を振るえる。

ああ、分かる。

見えるぞ熱田。歩法で見えなくても見えている。

勝つのは俺だと根拠なく本気でそう思っている、否、確信している瞳。

もうそれだけで俺でも英国のロバート・ダッドリーであっても十分な挑戦状だ。

故に俺も叩き込んだ。

 

 

 

 

……あ?

 

熱田は目の前にいるバット野郎がバットを下ろして片手を上げるのを見た。

降参のポーズ──なわけではないのは顔の表情を見れば分かる。

抑えていても分かるくらいに今、とっても愉快だという表情。

ならば何だ、と歩法を使いながら、見ていると

 

くい、くい、と手の先の指が内に向かって2,3回曲がった。

 

来い来い、とよくある風に。

 

「────」

 

自分が浮かべている表情が一気に変わるのを感じる。

きっと隆包のおっさんが浮かべているのと全く同じだと理解できる。

何だ、このおっさん。防御型とか言いつつ、全く枯れてねえじゃねえか。やっべ、マジで気に入りそう。

危うく尊敬しそうになりそうなくらい良い挑発だ。

だが、いい。

これはいい。

凄くいい。

ぶった斬るのに本気で躊躇わずに済む。

そして向こうもバットでこっちの頭蓋をヒットするのに躊躇わない。

 

やっぱ戦場っていいなぁ!

 

口先だけの関係で済まない殺し合いっていうのは下手な人間関係を凌駕すると思う。

楽しくて、面白くて、嬉しくなる。

自分レベルの馬鹿が世界には普通にいるのだと思えるのはかなり幸福で幸運だと思う。

そんな風に思っていたから、思わずついポロリと本音のような嘘が漏れた。

 

 

 

これが殺し合いなんて(・・・・・・・・・・)のじゃな(・・・・)……

 

 

 

一瞬で弱い自分を殺す。

そういうのはいい。

そういうのはトーリやネイトや正純辺りに任す。

俺はこれでいい。

だから、俺はここで誰よりも速く疾走する。

そう改めて心に誓い────挑発に応じた。

 

 

 

二代は立花・誾と空中を凌ぎ、弾き合い、空中に堕ちる間に地上で起きた戦いを見た。

最初に感じ取ったのは聴覚。

聴覚加護を付けていても耳に響くような甲高い音が空にまで響いた。

それが歩法で消えていた熱田殿の左手に握られていた刃の柄を正確にバットで打ち払った音だと目が捉えた時には既に次の動作が行われていた。

歩法も刃も見切られた事を切り捨てるかのように放たれた右の貫きを弘中副長が左の空いた手で打ち払いながら、右を囮にしたつま先を蹴り飛ばしたのも見る。

その間、1秒に見たかどうか。

だが、二代は二人の攻防の意味を悟った。

 

今のは互いの間と距離を把握する為の調整!

 

どちらも本気ではあったが、目線が今、互いに互いの動きを追い回っていたのを今度は目ではなく感覚で掴む。

見たはずだ。

お互いの動き、速度、間合い、呼吸、方向性を。

ならば

 

「次……!」

 

こちらの叫びに応じるかのようにまずは剣神が動いた。

抑えられていた刃を外しにかかった。

手首の揺れ戻し、視線の誘導、左の刃だけではなく右半身すらも敵の意識に乗せる為のフェイント行使による動き。

 

「っ」

 

戦場においての無駄な動きである事は重々承知の上であろうにここまで届いたかのような舌打ちの音をスラッガーが放つのを二代は聞いた気がした。

つまり、剣の抑えは解放された。

外された剣をそのまま戻すなどせずそのまま斬りに行く事を望んだ。

型で言うなら左の横薙ぎのような形。

決まれば肩下から両断。

至近で大剣ならば難しく見えるが、剣神の切れ味ならば楽勝だろう、と目測で判断できる。

 

一刀両断で御座るか……!

 

刃を握った人間ならば一度は憧れる一撃を見れるか、と二代は期待した。

隆包副長はスプラッターになるとは思うが、相手も戦場に出ている以上、覚悟の上だろう。

 

ならばいいで御座るな!

 

来い、一刀両断。

そう思い、目を輝かせていると

 

「おや、目の前に砲弾が」

 

 

 

 

上空の砲弾の音と共に隆包はしてやったりの感覚が一瞬でこの糞餓鬼、の感想に移り変わった。

結論を言えば剣の攻撃は即座にフェイントに合わせた調整で今度は刃ではなく手首を穿つことによって阻止した。

今度は目の前のガキから舌打ちが響いた時は笑顔を浮かべてやろうかと思ったが、次の瞬間、バットから手ごたえが消えた瞬間、奴の手首から先が視界から消えていた。

 

歩法か!

 

そう内心で言い切る前に奴の手首の先がこちらのバットを握っている人差し指と中指を捕まえている事に気付く。

 

ん・の・く・そ・ガ・キ……!

 

思わず内心でスタッカートで区切る。

ガキの癖に躊躇せず指折りしてくるとは肝が据わっている。

うちのバッター連中に見習わせたい所だが、そこは置いとく。

指が折られた程度で鈍る戦意は無いが、バッターとして指を捨てるのは矜持に反するし、単純に問題だ。

故に自分は指にかかる力に一切抵抗せずに、そのまま足を力の方向に向けて飛ばした。

 

「……っ」

 

武蔵副長が目の前を通り過ぎる足先を見て、視線でこっちに訴えてくる。

 

ん・の・く・そ・や・ろ・う……!

 

めっちゃ同意出来るからこそ、敵意を惜しみなく噴出できる。

回避の為に熱田の指はこっちの指から離れている。

拘っていたら顎の骨を砕く程度になっていたのにいい勘と判断してやがる。

だが、これで仕切り直しだ。

そして仕切り直しをしたからこそ分かる事がある。

 

うっわ、嫌なこった……ここまで相性が互いに良過ぎる相手は初めてだぜ……

 

お互いの戦い方が機能し過ぎているのだ。

俺は防御。

奴は攻撃。

無論、攻撃をしてこない敵手などいないのだが、この少年の思考は本当に攻撃本能しかないように攻めてくる。

そして向こうも同じような答えを出しているだろう。

本気で殺し合っているつもりなのに、まるで訓練をしているような事になっている現状をどう打破するかを。

その思考に思わず苦笑してしまいそうになってしまう。

 

何て嫌なガキだ……

 

思わず職分を忘れさせるようなその在り方は厭らし過ぎる。

何せここまで思いっきり防御させつつ互いに読んで読まれて冷や汗を流せる機会は中々無い。

恐ろしい事にこのままやれば完全燃焼出来るのではないか、という欲望が沸き上がってしまいそうになる。

そして更に最も厭らしいのは自分に任された仕事を行うよりもこいつを自由にする方が厄介だ、という事だ。

腹を空かした獣を檻から解き放つようなものだ。

さて、どうするかねぇ、と色々と頭を巡らしていると

 

「──」

 

上空を砲弾を捌いて飛んだ武蔵副長補佐を追いかけて飛ぶ誾と視線が合った。

その視線の意味を理解してしまうと軽く溜息を吐いてしまう。

 

やれやれ……おっさんは若い人間には弱くなるもんだなぁ……

 

自分がガキの時はそこを突け狙ってちょろまかしたものだが、同じ立場になってしまうと苦笑するしかない。

 

「ったく」

 

しゃあねぇなぁ、と呟いた瞬間──思いっ切りバットをフルスイングした。

 

 

 

 

 

 

熱田は今まで築いた経験を裏切るような攻撃に、しかし逆に感嘆の吐息を吐いた。

 

……うぉい。

 

なぁにが防御型の副長だ。

そのフルスイング、頭に激突したら軽く吹っ飛ぶ威力をここまで自然なモーションで放つことが出来るのか。

お互い簡単に届く間合いであったとはいえ、目の前でスイングのモーションに入るのを止めれなかった。

速かった。

だけどそのモーションを見ていると止められない理由にも納得した。

恐らくそのモーションは彼の人生そのものだ。

弘中・隆包という人間がずっと続けて生み出し、体に染み込ませ続けたフルスイング。

何十何百なんてそんな軽いモノじゃない。

何億何兆くらいは軽く繰り返したこの男だけの最高傑作だ。

まぁ、それがこちらに思いっきり振るわれたら溜まったものじゃないのだが。

鉞を即座に体とバットの間に入れるのだが、敵の勢いは止まらず、そのまま体も一歩こちらに踏み込み

 

「お……?」

 

力の行く先が上に向かうのを察したが、反応は追いついても肉体が間に合わず

 

「おおぅ……!」

 

上空に思いっきり吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

一気に30m程吹き飛ばされたが、別に恐怖心も何もない。

だが、疑問はある。

 

はて、何故、上に吹き飛ばされた?

 

上に吹き飛ばせれば足場がなく、次の攻撃に対処することが出来ない──何てつまんない常識を俺に当てはめるつもりならばぶった斬るだけだが、奴はそんなキャラではあるまい。

それに派手に吹き飛ばし過ぎだ。

これでは追撃までに無限に近い手段を取れる。

ならば、今すぐにこちらを何とかする何かがあるのだ。

 

上空にある何……

 

頭の中にある文面を途中で区切り、己の肉体の反射に全てを任す。

吹き飛ばされた勢いを落とさずに己の体を捻じり、回転する。

ゼロコンマ以下の時間で回転に成功させ、その勢いで刃を振るう──こちらを狙って放たれた砲弾を、

するり、と砲弾を切り裂いていくのを見るが、俺は俺で一つ失態に舌打ちをする。

 

前が……!

 

見えねえ。

自分の刃と敵の砲弾が己の前方の視界を殺している。

こういう時、大剣というのはうざい。

大きいから銃弾とかそういったのに盾にするには便利だが、振り回すとなると大きいから不便だ。ついでに持ち運びも。

 

『理不尽ーーーー』

 

刃の抗議も無視して、砲撃手の先を読むために考えようとして

 

「考えるの面倒だな……」

 

 

 

 

 

立花・誾は凄まじい反応を見た。

砲弾と戦闘の音に紛れ、自分は十字砲火の反動で剣神の上空に飛び、剣神が正面からの一撃に対処したのとほぼ同時に上空から撃ったのだが

 

「反応するのですか……!」

 

最初の一撃と対処法自体は同じだ。

斬った時の勢いを殺さずまた回転し、足りない速度を刃の噴射によって上げ、ほぼ一回転をしようとした所で足元辺りに来た砲弾をその回転の勢いで踵で蹴り飛ばしたのだ。

見た目的には蹴球(サッカー)のオーバーヘッドキックに見えるが、剣神は砲弾を蹴った反動を下に向け、一気に地上に落ちていった。

追撃避けだ。

その事を理解し

 

「成程」

 

武蔵副長の評価を更に上に修正する。

己の五感や勘を信じる速度が物凄く速い。

幾度も同じことをして自分の命を救った経験によるものだろう。

ならば殺そうとする事を躊躇う事は無い。

何故ならばそうせねば失礼になる相手なのだから。

自分も十字砲火を利用して、速度を上げて落下し、地面に降り立つ。

十メートル程距離を開けてはいるが、目の前に剣神が立っている位置に。

 

「…………」

 

剣神は明らかな不機嫌を顔に宿していた。

その瞳には隠す気もなく"お前じゃない"という感情が込められており、足は今でも向かいたい所に行こうと力を込めている。

その事に、歯噛みと震脚を持って否定する。

辺り一面が揺れる。

埃や様々な欠片などが浮かび上がり、直ぐに落ちるが、人の身で発揮されたその武威に、しかし少年の表情は変わらない。

その事実に立花・誾は一息、冷静になる為に呼吸を行います、頭の中を冷却する。

それだけで十分だ。

それだけで立花・誾は西国無双の妻でいられる。

 

「武蔵副長・熱田・シュウ。ここでその首を獲らせていただきます」

 

「やれると思ってんのか」

 

「Tes.」

 

誓約の言葉を躊躇わずに口から出す。

何故なら今の返事に躊躇う事は今までの自分の生涯を否定することになるからだ。

こちらの返事に成程、と頷く剣神も己の言葉自体を馬鹿にもせずに受け止めながら

 

「俺以外なら叶ったかもな」

 

「何故、とお聞きしても?」

 

俺に勝っていいのはお(・・・・・・・・・・)前じゃねえ(・・・・・)

 

一切、表情を変えず、語調を変えない言葉に誾は言葉を受け止めながらも冷や汗のような感覚が背筋を通った気がした。

何故なら今の一言は本当に一切、虚飾も強気も含まれていないのが強制的に理解させられ(・・・・・・・・・・)たからだ(・・・・)

まるで懇切丁寧に理論を説明されて納得させられたような感覚。

1と1を足せば2になるだろ、と教えられたようなものだ。

つまり、この少年は真実、私が彼にとって勝っていい人間では無いから俺には勝てない、と心底本気で思い込んでいるのだ。

否、思い込みなどというレベルでは到底足りない程に思い過ぎてどこまで行き過ぎているか不明の底なしの虚。

これを狂気と取るか別の言葉と表すかは人によるだろうが

 

「Tes.」

 

己の姓と夫を思い出せば、何と評せばいいのか一目瞭然だ。

自分は武家の女なのだ。

 

「その信念を真正面から切り崩しましょう」

 

そうして自分は覚悟を決めた。

 

 

 

 

熱田・シュウは目の前の両腕義腕女が腕の接続を解除する光景を見た。

諦めや降伏などという選択肢は無い。

何故ならこの女の目に宿る意気はそんな後ろ向きな思いなど一切存在していなかったからだ。

腕を外そうが何をしようがこの女は少なくとも今はまだ敵だ。

一瞬、あちらの副長の事を思い出すが、二代の気配が無いのを見る限りあっちを追っていったのだろう。多分、きっと。違う可能性が非常に高いが極小の可能性に賭ける分の悪い賭けは嫌いじゃねぇ……!

まぁ、それはそれとしてならばこの場で何故腕を外すのかというのはこの場が戦場である事を考えれば簡単だ。

そうすれば己にとって有利な状況を生むことが出来るからだ。

巨大な義腕が落ちた後は肩に背負っていた二つのケースが落ちる音だ。

ケースの中から現れるのは黒い義腕。

両肩に十字の紋章が刻まれた腕は自動的に肩の接合部に合致し、自ら嵌める。

合致が済んだ瞬間に十字の紋章は赤く光り、手指を動かす事が可能となり、その動きで己の自立空間から物を出した。

 

十字の砲だ。

 

ただし、今までの十字砲火よりももっと巨大な十字砲だ。

小型の十字を二つ、巨大な十字を二つ、そして両腕に十字双剣。

 

「それがテメェの正規装備かよ」

 

「Tes.かつて宗茂様に挑まれ、破れ、その後は人に使うには禁じられた装備です」

 

「俺は人じゃねえと?」

 

徒人(ただびと)の域を超えた武人と認めて出して差し上げました。如何に?」

 

その返答に苦笑して、大剣を肩に背負う。

 

「たかが城程度と思ってんならテメェの敗北が確定するな」

 

「思いませんとも───貴方は宗茂様を倒したのですから」

 

ならいい、と俺は頷き────戦闘の開始の音を武家の女が叫んだ。

 

「穿ちなさい───四つ角十字(クアトロクルス)!」

 

 

 

 

 

 

4つの砲弾の行く先を誾は見届けながら、走り出した。

 

一つ残らず断ち切られましたか…………!!

 

攻城砲弾であっても剣神の刃の切れ味には全て等価値になるという事だろう。

その圧倒的攻撃力は他の追随を許さない。

一つの到達点である事を認めながら、しかし今の一閃を見た。

全てに対処してはいたが、その瞬間、攻城の砲弾二つを剣閃で、砲弾一つを腕で、最後の一つを体捌きで避けたのを見たが、最後の一発がすれすれであった事を見た。

見切って躱したとも取れるが、その見切りに余裕を然程感じなかった。

そうだとも。

どんなに切れ味が鋭い名刀であっても、扱う腕は二本で、刀自体は一本しかないのだ。

弱点が無いわけでは無い。

あの男は最強クラスではあるかもしれないが、無敵では無いのだ。

その事実に亀裂に近い笑みを浮かべて、結論を出す。

遠距離からではあの男に余裕を与える。

必要なのは至近距離からの必殺の間合いだ。

無論、それは向こうの必殺に入るわけだが

 

「構いません……!」

 

何故なら私も同じだ。

武蔵副長と同じだ。

自分の敗北など自分の夫である人一人で十分だ。

他にはいらないし、入れる事など許せるはずがない。

故に自分が相手の必殺の間合いに入ろうが気にする事は無い。勝つのは自分なのだから。

そうして一直線に走っていると武蔵副長も同じようにこちらに前進してきた。

浮かべた笑みと戦術を見て、ああ、私もきっと全く同じ笑みを浮かべていると思い

 

「…………!」

 

砲弾と剣戟が交差した。

 

 

 

 

 

空間に炎で作られた花が幾多も咲く。

形作られる速度は音を超えて、消えるのも待てない速度で作られていく。

熱田・シュウは超至近距離で立花・誾と競り合っていた。

 

はっ……!

 

今日は実に楽しい一日だ。

何せ副長の次は攻城用の砲撃を超至近距離で対処と副砲二つと刃二つも処理しなければいけない。

敵の微かな呼吸音ですら聞けるような距離で全てを打ち落とすのは速度と体術だ。

刃を握っている右半身を四つ角十字に十字砲火二つ、十字双剣一つと重点に攻められながら、刃が無い左半身を四つ角十字一つ、十字双剣に攻められる。

特に左半身に来る四つ角十字が厄介だ。

流石に攻城クラスを殴り飛ばすと拳から先が折れるか砕かれかねない。

刃は下位の刃なら俺は傷付かないのだが、流体強化されているだろうから無意味だ。役立たずなスサノオめ。

故に己は今、出来るだけ重心を右半身に置いている。

そうなると右側の被弾面積が増えるが、右側に体を寄せると左側を四つ角十字で狙うのが難しくなる。

ただでさえ巨大な攻城砲だ。

二つとも近付けて置けばお互いが干渉しかねないし、射線が己に被って邪魔になる。

それを持って己は西国無双の妻の攻撃法に対処していたが

 

ああ、くそ! 俺、鈍過ぎるだろう……!

 

右半身の攻城の攻撃を刃で切り裂き、小型砲弾を斬りかかってきた立花・誾を押して作った空間に無理矢理入り込んで避けながら己への殺意で殺したくなるところだった。

全ての一撃を目では追えているのに、体の反応速度と単純な速度が間に合わない為に、ギリギリな上、攻撃を届けられていない。

己の無様さに憤死レベルの怒りを得るのを避けれない。

例え、相手が立花・誾であっても、己にとって許せない領域というものがある。

同時にこんなにも俺は鈍かったか、と純粋な疑問が一瞬、頭をよぎるがそんな物を考えている暇はない。

こっからの突破を考えないと、と思い、刃を構え直し、再び斬りかかろうとし

 

「……!?」

 

敵の姿が消えた。

術式をまず最初に思い浮かべるが、即座に否定する。

 

「……俺の歩法か!?」

 

視界の端に立花・誾の姿はある。

しかし、自分にはそれは認識できない。

普段自分がやられるから他人にやられるのは新鮮……というわけではなくやられた場合の対処の為に留美にやって貰ったりして訓練しているから新鮮さは無い。

が、明確な接敵はここくらいであるのにこうもかまされるという事は、たった数秒間の攻防でこちらのタイミングを掴めたという事か。

 

「気に入った!」

 

思わず、そう叫びながら歩法破りを行う。

呼吸を意図的に止めて、数秒で結果を得れると思った瞬間に目の前に十字架が現れた。

しかも、ぎっしりと4つ程。

つまり、何だ。

 

「これらを前に出す為の囮か……!」

 

答えはほぼゼロ距離による同時連続射撃であった。

 

 

 

 

 

 

 

「………やりましたか!?」

 

爆音と振動を発生させていた四つ角十字と十字砲火を一旦停止し、粉塵が飛び散る現場を見る。

賭けはとりあえず成功した。

歩法を成功させる事もだが、己の肉体と砲との位置入れ替えは高速で行わなければ対処される。

聖術による加速を己と砲に適用させつつのバック&アタックだ。

本当ならばゼロ距離射撃どころか、ぶつけながら撃ち抜きたかったのだが、先程から動体視力に関しては本当に目を見張るものがある。

目と肉体が連動していないのがやや腑に落ちないが、それは今は置いとく。

当たったのならば間違いなくグロ画像になっているのは確実だ。

例え加護があったとしてもあれ程の距離ならば軽く足首があればいいですかねレベルだ。

父にもよくバトル物がショッキングホラーになりかねないからやるならば肉体が残るであろう鬼型や竜、武神などにするがいい、と言っていたが、どちらにしろそこまで綺麗な死体は残らないのでは。

しかし、突風によって粉塵が晴れた先には

 

「──いない!?」

 

足首所か血飛沫一つない。

ならば生きているのだ、と頭で即座に思考の淀みを払い、敵がどこにいるのかを五感を研ぎ澄ませ

 

「しゃおらぁ!」

 

左の家屋から壁を轟音一つで吹き飛ばしながら、人影が飛び込んできた。

武蔵副長だ。

 

……刃の噴射を利用して右に飛びましたか……!

 

元々、右側に重心を置いていた身だ。

右側に飛ぶこと自体は体制からして容易であっただろう。

己の判断を一切過たず動ける所は流石だ。

賞賛はそこらにして、今はこの刃の対処だ。

砲を戻すには時間が足らない。

だが、それならば方法は簡単だ。

 

己の技を信じればいい。

 

誾は敵の刃を一切恐れず、武蔵副長に近づく一歩を踏み込んだ。

敵の間合いに近付く事で、まず大剣の刃の懐に潜り込む。

鍔本に近付けば、近付くほど、刃とは切れ味が悪くなる。

無論、それは剣神の刃には通じない理屈だろうし、私が狙おうとしている事ではない。

狙うは鍔だ。

己の体を割ろうとする刃の鍔に十字双剣を挟むように差し込む。

そうすると

 

「……っ!」

 

刃の加護は発生せず、こちらの剣を断つ事が出来なくなる。

剣である以上、加護が発生するのは刃のみだ。

鍔までは加護の範囲から外れている。

手首の捻りで外せぬよう更に奥に踏み込めば完璧だ。

前に踏み込んできている以上、後ろに戻るのは不可能だ。

故に己はそのまま右の十字双剣を腹に突き刺そうとして

 

「ぬっ……!」

 

左の十字双剣から手応えが消失した。

反射で左目のみでその理由を確認。

そこにはこちらの抑えに一切反抗せずに、剣が背後に押し込まれるように飛んでいこうとする瞬間。

相手は剣を捨てたのだ。

 

 

 

 

熱田は一切己を緩めなかった。

何故ならこの人妻は俺に対して首を獲る、と言ったのだ。

そこまで大言壮語を放ったのだ。

その礼儀として

 

「容赦しちゃならねえな!」

 

握った刃と押された反動を利用して即座に左側にステップ。

背を思いっきり前に曲げているので、敵の膝にキスしかねない態勢のまま動く。

そうすると己の胸を刺そうとしていた相手の右腕が頭上に来るので手首を両の手でホールドする。

そしてそのまま己の速度を一切緩めずに疾走する。

このままこの腕を折る。

この義腕には砲筒を管理する機構か術式があるというのならば、腕一本失えば敵は腕と砲二つを失う事になる。

一挙両得である。

そう思い、一歩で力づくで引き抜くように折ろうとし──まるで簡単に抜けた。

 

 

 

 

「──」

 

即座に腕を立花嫁から遠い所に放り投げながら、大地にしっかりと足を付ける。

何故なら

 

自分から義腕を外したって事は何かあるって事だ!

 

己の攻撃力と手段を捨ててもお釣りが出る手段があるという事だ。

つまり、危険だ。

それがどんな危険に繋がるかを一秒ほど考えて、俺は答えに辿り着いた。

 

「成程! さっぱりわかんねぇな!!」

 

次の瞬間、顔面に諸に何か丸い物が当たった。

直撃だった。

 

 

 

成功です……!

 

立花・誾は己の戦術の成功の手ごたえを感じた。

片腕一本を犠牲にして成し遂げたのは腕を取ろうとする時間で砲を放つ事であった。

何やら馬鹿が変な事を叫んでいたが、完全に脳天に命中させた。

それも十字砲火ではなく四つ角十字の方だ。

攻城の一撃を受けた人間がどうなるかなんて容易い、が決して気を抜く事なく即座に振り向き死を確認しようとして

 

「──」

 

肩に手を置かれた。

誰の手なのか考えるまでも無い。

不発だったのか、というのは無しだ。

それくらい自分には厳しくしていた人生だったと思うからだ。

ならば、向こうの方で何かをしたのだと思っていると

 

「ったく、超うざ面倒なシスコンストーカーを思い出させやがって……」

 

などと意味不明なコメントと共に嫌な予感に逆らわずに振り返らずに一歩前に出

 

「がっ……!」

 

背中の一点に拳の一撃が入るのを実感したと同時に吹き飛ばされる。

衝撃で体が回転する視界の中、一瞬、見えた武蔵副長の姿は頭から血を流しながらも、それ程重いものではなく、何故か彼の足元の地面が砕けていた。

破砕音に関しては着弾時の音で誤魔化したのかもしれないが、何故そんな物が出来たのかは、知識と経験が教えてくれた。

 

「まさか……」

 

吹き飛ばされながら呟く言葉の続きは思念が答える。

 

化勁ですか………!?

 

己に受けた衝撃を体内で吸収するかベクトル変換をして相手の攻撃を受け流す体術。

極東による体術ではない。

どちらかと言うと清・武田寄りの武術だ。

そんな物をどうして武蔵の副長で、剣神が修得しているのだ。

そう思うが、己の体を無事にするよう頭を義腕で庇っていると即座に家屋にぶつかる結果になった。

 

 

 

 

 

派手に家屋に激突する女を見ながら、俺は一切油断せずにそのまま疾走した。

狙いは立花・誾──ではなく砲の方。

あれらがこの女の攻撃力だ。

それら全てを例外なく剝奪し、破壊する。

それぐらいはしないといけない女だ。

手元に己の意志で戻ってきた八俣の鉞を肩に担いで疾走しながらそれを絶対の認識と脳に刻む。

現に

 

「……っ、十字砲火!」

 

吹き飛んだ場所から聞こえる女の声が砲弾を放つ。

今もまだ激痛を感じる身で尚こちらを倒す事を諦めぬその姿勢に自分が誤った判断をしなかった事を悟り、そのまま疾走する。

カウンターアタックをするように狙いは腹から上を狙った見事な射撃。

あの一瞬でよくぞここまで正しく狙った。

だから、俺はそのまま前傾の姿勢になる。

よく点蔵などが行う忍者の全力疾走のような体勢。

あらゆる場所においても軽く踏破する走法で、速度を更に上げる。

頭を下げた事によって砲弾は髪の毛一本を掠る位置で突き抜けていく。

この砲のもう一つの弱点。

遠隔制御式の為に即座に己の体を追従して、補正出来ない。

まぁ、そもそも対人に使うような砲弾では無いのだろうが、そういう不備がある時点で自業自得だ。

肩に担いだ上段のまま、すれ違うように十字架に刃を叩き込む。

ぬるり、と砲塔の先から入り、まるで紙のように切り裂く己の在り方に一つ、苦笑の吐息を吐きだしながら

 

「──」

 

断ち切った。

十字架の砲は二つに分かたれ、最後には自爆の光を灯す。

破砕音と共に夜に光を与える十字砲火を見ながら、そのまま即座に横に鉞を放り投げる。

何故ならそこには十字砲火を囮とした四つ角十字が己を撃ち抜こうとしていたからだ。

打ち出した砲弾をそのまま鉞が貫き、その勢いのまま四つ角十字の砲口に入り、刃として目的を果たし、二つ目の光となる。

 

『タダイマー』

 

即座に己の手元に帰ってくる刃を手で掴みながら、振り返ると己に甘えぬと言わんばかりに震える足を正せ、こちらに刃を向ける立花・誾の姿があった。

そこには一切の諦めの意志も無ければ、姿勢も無い。

実に俺好みだ。

例え片腕を失くし、砲塔全てを失っても、己の意志は無くさない。

確かに立花・宗茂は女を見る目があったな、と思い

 

「……!」

 

10m程あった距離を一歩で詰めた。

 

 

 

 

 

 

速い、というその感想を抱かくことを許されないまま立花・誾は条件反射で左の刃を突き刺す。

反射的な動きにしては己でも上出来な突きを、しかし剣神は反応した。

刃を手指の動作で半回転して、逆手で握りながらこちらの刃を己の刃の腹に沿わせたのだ。

刹那のタイミングで起こされたのは己の刃が、敵の刃の腹によって滑る感覚。

思わず、阻止しようと手首の動きで流れに逆らおうとするが

 

「あっ……」

 

ずるり、と前に出ていた左足が地面から滑る感覚を得て、視界が空に向こうとする。

一瞬だけ見えた物は、敵の片足が知覚出来なかったという事。

今の今まで一度も使われる事が無かった歩法を今、ここで使い見事に嵌められる事よりもぞっとする事実が己の頭を冷やした。

 

……負ける……!?

 

負ける。私が負ける。

負けたら、負けてしまったら

 

宗茂様が………!

 

襲名が、とかそんな問題ではない。

ここで己が負けるという事はこの男は完全に宗茂様と並び、超えていかれてしまうかもしれないという事だ。

違う。そんな評価で終わる人じゃないのだ。

あの日、あの時、この両の腕が断たれた時の宗茂様の速度を私は知っている。

きっと他の誰よりも速く、誰にも追いつけなかったはずだ。

そうだと私は信じている。

立花・宗茂の妻で、西国無双の妻は信じている。

 

 

この人はもっと高い所に向かい、辿り着ける人なのだと信じている。

 

 

それを穢してしまう。

私の敗北で穢してしまう。

それだけは駄目だ。

先程、宗茂様以外に敗北など受け入れないと誓っておきながらのこの軽さは相手からしたら侮辱にしか感じれないのだとしても

 

 

己は立花・誾なのだ(・・・・・・・・・)

 

 

だから、即座に己はある動作を行った。

 

 

 

 

 

女を断ち割ろうとした刃を、己は即座に止めた。

その距離はほぼ爪先くらいという超至近距離だったが、止めた。

何故かというと断ち割る寸前に女は己に残されたもう一つの義腕を外したのだ。

己の最後の武装を外し、俯く姿から察せれない程、立花・誾という女を理解していないわけではない。

一歩、己が離れると女はそのまま片膝を地面につけて跪く。

そして

 

「……立花・誾、武蔵副長の力に敗北を受け入れます……」

 

その言葉に堂々としたものは無かったが、弱さだけを込めないよう告げられた言葉であった。

あれ程諦めないという意思を持っていた女が、自ら武装放棄をして敗北を受け入れる理由を察せれないわけでは無い。

分かってはいる。

分かってはいるが

 

「卑怯者め……」

 

思わず口から出た言葉は恨み言。

何故ならこうまでされたら俺は刃を引かざるを得ない。

立花・誾に対する勝利"だけ"を手にするしかない。

そしてそれを責める事も許されない。

何故ならこの女がどれ程、夫の事を信頼して、理解しているのかも知ったからだ。

 

「……」

 

ふぅーー、と息を吐く。

改めて周りを見ると戦争は何時の間にかかなり進んでおり、佳境の状態になっていた。

この感じだともう俺の出番は余り無いだろう、熱田は実感した。

 

 

アルマダ海戦は決着を着けようとしているのだ。

 

 

その事実を思い、肩に剣を担ぎ、何時もの姿勢になりながら

 

「Jud.」

 

とその敗北を受け入れ、女の横を通り過ぎる。

通り過ぎながら、女にとっても俺にとっても言わなければいけない事を告げる。

 

「なら、今度は立花・宗茂を連れてこい」

 

立花・宗茂が今、どんな状況かは完全では無くても理解はしている。

俺はあの男と対峙し、負かしたのだから。

でも、だからこそ勝者として敗者に告げる。

 

「俺に負けた立花・宗茂でも、別の立花・宗茂でもねぇ」

 

それは

 

 

 

「西国無双の妻が完全無欠に誇れる最高の立花・宗茂を連れて来い」

 

 

 

その言葉に直ぐに帰って来る言葉が無かったが、別に気にせずに俺は戦場に戻ろうと思った。

一歩で、そのまま飛ぼうとするタイミングに返事は帰って来た。

 

「当たり……前です……!」

 

少し揺れて、鼻を鳴らす音を聞かない振りをしながら、熱田・シュウはその言葉の先を待つ事にした。

 

「宗茂様は……宗茂様は……! また笑って私を迎えに来てくれます……! あの時みたいにきっと……!」

 

あの時、という言葉の意味は分からないが、二人の大事な事なのだろう、と思い、その叫びを心に刻む。

その後に放たれた女の叫びを。

 

 

「あの時みたいに……何時もみたいに笑って、また私を迎えてくれます……!」

 

だってそれが

 

 

 

「私が信じて負けた西国無双なのですから……!」

 

 

 

涙が混じって告げられた単語にJud.と返す。

全ての言葉を受け止め、理解したという審判の返事。

西国無双の妻がそう叫んだのならば、そうであると俺も受け止め、少しだけ微笑を浮かべ

 

「ならとっとと来い。待つのは余り得意じゃねえんだよ」

 

本当になっ、と心の中でそれだけを告げて、俺はそこから離れた。

俺が信じて負けた最強の為に、俺も行く。

その夢が叶うまで俺は止まらず疾走し続ける。

立花の姓がそうであるように、勝者として俺もそうする事を改めて誓った。

 

 

 

 

 

 

 




ま、待たせ過ぎました……! 本当に毎度の事ですが申し訳ない!

でも、これでようやく二巻下が終われる……本当に……。

後、一話、もしかしたら何時もよりも文字数が半分以下ですが少し二巻下の終わりを語ってそれで英国終了ですぅ。
どうなっても一話で終わらせるつもりなんであしからず。

今回久々にホライゾン書いてギャグを書ける……! と思っていたら久々に書くとシーンが戦闘だけを書くしか出来ないシーンで思わず馬鹿な!! と叫ぶ所でした! これがクロの呪い……!

ともあれ、長々と書きましたが感想、評価などどんどんくれたら幸いです。
……覚えている人いるかなぁ……ちょっと怖いですねぇ。





先に言っておくがクロ! 俺はちゃんと言質取ったぜ!!

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