今、俺の目の前のベッドで静かな寝息を立てているババア、プレシア・テスタロッサ。
その小さく可愛い寝息と歳のわりにあどけない寝顔だけ見れば写真の一枚でも撮りたくなってしまう。てか、襲っちまうぞ。………童貞にそんな度胸ねぇけど。
さて、今でこそこのように大人しく寝てはいるが、さっきまでのババアの様子はそりゃまあ酷ぇもんだった。
あの喧嘩の時、急に咳き込んで血を吐いて倒れたババア。その原因が俺の拳によるものだったなら「どうだコラ!」とガッツポーズの一つでもしてたんだが、生憎とそうじゃない。殴って唇が切れて血が出た、鼻血が出た、なんて程度のモンじゃなかった。
文字通りの吐血。体の内から吐き出された血。
本当の原因はおそらくだが何かしらの『病気』だろうよ。顔以外に外傷なんてなかったしな。
苦しそうに胸を押さえ、血を口から撒き散らし、そして滝のように湧き出る汗。
俺は思ったね。こいつ、死ぬんじゃね?ってよ。そして同時にこうも思ったね。ふざけんな!ってよ。てか、言ったさ。
『ふざけんなよプレシアぁ!何勝手にくたばりそうになってんだよ!テメエに血反吐吐かせんのは俺の役目だろうが!死ぬなら俺に殺されてから死ね!!』
『あ、なた、という男は……』
それを最後にプレシアは苦しそうな表情のまま気を失った。
まぁ、その後ベッドに寝かせてしばらくしたら容態も安定してくれたんだが、それでも時折苦しそうな表情を見せる。
(しかし、さて、どうすっかね)
ババアは結局病またはそれに類するものなんだろうけど、生憎と俺に医療の心得なんてもんは無いので、本当のところババアの今の詳しい容態は分からない。
またガキや犬もババアの体のことについては何も知らなかった。ガキはただただ涙を流し、犬は戸惑いの表情をあらわにするだけだった。
(あ~あ。ホント、参ったね)
ババアとその傍で心配そうな顔をしているガキと犬を残し、俺はその部屋を後にする。そして適当な部屋へと一人で入り、俺は自分の怪我の応急処置を始めた。
「つうか、こんな見るからに使われてなさそうな部屋もやっぱ豪華なんだな。こういうとこに一度でいいから住んでみてぇもんだ」
俺はベッドの上に腰掛け、そのベッドのシーツを剥ぐと適当な大きさに引き裂き、出血している頭や胸に巻きつける。
特に骨がイってるっぽい胸部は厳重に。いわゆる胸部骨折の応急処置、簡易のバストバンド。医療の心得がなくとも、これくらいの知識は持ってる。
上手くいけば、胸部・肋骨の骨折ならこれで自然治癒するらしい。
「いだだだだだっっ!おー、痛。クソ、今度この痛みを不可思議倍にして返しちゃる!」
それにはまず自分の傷を治し、ババアの病(暫定)を治さにゃならん。全快のあいつをぶっ飛ばさなきゃ意味がねぇかんな。
てか、病気だかなんだか知んねーけど、そんなモンが俺の喧嘩の邪魔しやがんなっつうの。絶対ぇ治してリベンジだ。
「ふぅ、取り合えず一回帰ってシャマルを連れて来っか。怪我やらなんやら治すの得意みたいだし」
俺は上着を着直し、部屋から出てまたババアやガキのいる部屋へと向かう。自分一人じゃ転移なんて出来ねぇからよ。ガキに頼んで連れてってもらうしかない。
しかし、部屋へと向かう途中、そこでふと人間の本能というか男の悪い癖というか、一つの欲求が生まれた。
簡単に言えば、所謂探検心。
冒険、探検の類はどんな世代も心クるものがあるだろう?しかも、場所がこんな豪邸とくれば、そりゃあ探検したくなって当たり前だろう。財宝ザックザザク?
(ババアの容態もとりあえずは安定してっし、ちっとばかしシャマル連れ来るのが遅れても大丈夫だろ。今日明日どうこうなるような感じじゃねーだろうし)
てか、例え容態が悪化したとしても、それが命に別状なさそうなら俺は探検を優先する。自分の欲望最優先。
「ンじゃ、レッツ探検!!」
小さくて高級そうで無くなっても気づかねぇモンはどこかな~?
探検開始して10分。俺は格差社会の現実を体験した。
部屋数の多さ、調度品の品の良さ、高級感………怒り、呆れ、驚きを通り越して、もう疲れさえ感じてきたよ。
「しかも、やたら広いもんだから現在地が曖昧だ」
右から来たのは分かるが、その後どっちから来たかがもう分からん。家で迷うってすげぇレアな体験だよな。俺んちなんて目ぇ瞑ってでも歩けるぞ?
「ここが地下ってのは分かってんだが……」
階段、何回も降りたしな。………自宅に地下って。
いざとなったら腹いせに天井ぶち抜いてやる!!
「取り合えず適当に歩いて階段を探──────お?」
そこで、ふと目に入った一つの扉。
今まで入った部屋のそれと違い、どこか威圧感があり、とても頑丈そう。『あの扉の奥には裏ボスがいる』『伝説の剣がある』と言われても信じてしまいそうな、そんな雰囲気ばっちりの扉。
開ける?開けない?
「勿論、開・け・る、ってね」
開けない、なんて選択をするわけがない。仮に、俺にとって善からぬモノが扉の奥にあるとあると分かっていても、絶対に開ける。それこそが探検の醍醐味だろ。
俺はトントンっとリズム良く扉に近寄ると、何の躊躇いもなく扉に手をかける。鍵は掛かっていないようで、少し重くはあったが、少しずつ確実に扉は開いていった。
果たして。
開けた先には細い通路と、それを挟むようにゴチャゴチャと敷き詰められた意味不な機械。天井を見上げれば電気もなく、唯一の光源は部屋の奥にあるでっかいガラスの筒から発せられている緑の光。
「こりゃまた、暗~いトコだな。機械室かなんかか?」
家に機械室ってのもおかしいが、何にしろ、期待はずれだ。こんな狭く、暗い部屋に高級なモンが置いてあるとは思えない。
それでも、俺は一縷の望みをかけて、ガラスの筒が置いてある奥へと足を進める。
──────そして足を進める毎に、そのガラスの筒に近寄る毎に、俺の顔は驚きに染まっていた。
最初に分かったのは、そのでかいガラスの筒は何かの液体に満たされているという事。
次に分かったのは、その中に『何か』が入っているという事。
次に分かったのは、その『何か』が『人間』だという事。
次に分かったのは、その『人間』が『何も身に纏っていない金髪の少女』だという事。
そして最後に分かったのは………
「………フェイト?」
変な液体の中、目を閉じて漂っている素っ裸の少女……紛れも無く、フェイト・テスタロッサだった。
間違いない、間違いようが無い。どう見てもあのガキだ。
しかし、反面ガキである筈が無い。あいつは今、ババアの傍にいる。あの優しいガキが、あんな状態のババアの傍を離れるとは思えない。仮にアルフに任せて離れたとしても、ここに居る理由はないはず。
訳が分からねぇ。ガキで間違いないのに、ガキである筈が無い。
酷い矛盾だ。
「つうか、酸素ボンベもなんもつけてねぇのに息は大丈夫なのか?………お~い、大丈夫か~?」
コンコン、と俺はそのガラスの筒を叩く。
反応なし。
ま、まさか死体……
「いやいや、ねーよ。大方蝋人形かなんかだろ」
もしくはフェイトのクローン、なんてな。ほら、あのエヴァの綾波レイみたいな?で、この液体はさしずめLCL?…………在り得ねぇー。
確かに魔法なんてふざけたモンは存在したが、いくら何でも人間、命の創造までは出来ねぇだろ。………あ、いや、でも夜天たちはどうなんだ?『魔導生命体』って言うくらいだから、ちゃんと命があんだよな。なら、魔法ってのは命も創り出せるのか?それとも夜天たち、ひいてはあいつらのオリジナルが特別なのか?
「だとしたら、それをコピーできるあのアルハザードの店主はどんだけ~」
話が逸れたが、さて、未だ疑問は氷解していない。
この目の前のフェイトそっくりさんはなんなのか?
普通に考えるなら双子ってのが妥当だが、それじゃあ何でこんな液体の中に?やっぱり蝋人形?クローン?………………やっぱ死体?もしかして、この変な液体で満たされたガラスの筒って、魔法世界の棺桶なんじゃねーの?
改めて俺は目の前のフェイトそっくりさんへと目を向ける。
金髪に幼い顔立ちとぺったんボディ。どこからどう見てもフェイトくりそつ……………ん?いや、良く見ると一つ決定的に違うとこがあった。
「………幼すぎんな」
フェイトもガキなのはガキなんだが、それ以上に目の前のそっくりさんは幼い。フェイトは十歳手前くらいだろうけど、このそっくりさんは5歳前後くらいの体型だ。
ますます分からん。
「ハァ………戻るか」
考えたところで分かんねぇし、それに何か今にも動き出しそうで気味悪ぃ。
ババアが起きたら聞きゃあいいや。
フェイトそっくりさんに多大の興味はあるものの、俺はそれを一時保留にし部屋を出た。
結局宝はなかった。なら、さっさと戻ってフェイトに頼んで家に帰ろう。まあ、あのガキが寝込んでるババアを置いて素直に転移してくれっかは分かんねぇけど、そん時は無理やり転移させよ。ンで、シャマル連れて来てババアを治して、それで色々と吐いて貰おう。ンで、喧嘩の続きして、それが済んだら…………
「アルハザードに行って、一度あの店主をぶん殴っとくか?」
俺の厄介事の始まりの地、俺を厄介事に放り込んだ張本人。
ああ、やっぱ殴っとくべきだな。まだあの温泉街に店を構えてるかは分からんが。
「………あ、その前にバイト探さにゃ」
ああ、それに携帯も新しいのを買わにゃならんな。つうかプレシアに弁償させにゃな。
ハァ~、何かいろいろめんどくせー。
地下から何とか元いた部屋へと戻り、「母さんの傍に居たい」と我が侭ぬかすガキを半ば無理やり連れ出し地球へと転移させた。
地球へと戻ってきた俺達は休む間もなく、その足で俺の自宅へと向う。
フェイトとアルフの二人にはマンションで待ってろと言ったんだが、終ぞ首を縦に振る事無く、強情なまでに「着いて行く」の一点張り。理由を聞けば、曰く「大怪我してるのに1人で歩くなんて危険」だそうだ。少し前まで我が侭言ってたくせに、いざ地球についたらこれだ。
まあ、その気持ちは嬉しいし、ガキの優しさってのも悪くはないが、それ以上にちっとばかしウザったい。それにフェイト本人も結構な怪我してんだから、出来ればマンションで大人しくさせてやりたかったってのもある。無理やり連れて着きといてあれだがな。
そして何より、俺、人から心配されんのって嫌いだし。
しかし、結局最後にはフェイトとアルフの同伴を許した俺。我ながらなんて優しいんだ。女性の気持ちを無碍にしない男、鈴木隼とは俺のこと。
紳士と呼んでくれ。
「ちょっと隼、そんなに引っ付くなって……っ!」
「しゃ~ねぇだろ?しがみつかなきゃ落っこちちまうんだから」
「そりゃそうだけどさ……う゛~~、なんか変な感じだね」
「こっちは素敵な感触だ」
いいか?俺は怪我人だ。歩くのも一苦労な程のな。さらに魔力切れで空も飛べない。
とすれば、残る手段は他の奴の手を借りての移動。つまり、この場合はアルフにおんぶしてもらって自宅へ続く空を飛んでいる訳よ。
で、そうすると勿論俺はアルフにしがみ付かなければならない。落ちたら大変だからな。そして、その結果アルフとの接着面に性欲そそられる感触が生まれても不思議ではない、謂わば不可抗力という奴だろう?
「ひゃわ!?ちょ、み、耳に息を吹きかけるな!」
「ああ、悪ぃ、くしゃみ出た」
「そんな、くすぐる様な甘い微風のくしゃみがあるかい!」
「なら、欠伸」
「『なら』ってなんだい!そんなに眠いなら寝てな!ならこっちもやりやすい」
「……………中々積極的だな」
「何をどう解釈したのさ!?」
改めて言うが、俺は変態じゃない。紳士だ。
であるからして、同伴を許した真の理由が決して『アルフの体を背後から思う存分弄れ、堪能出来る』なんて、そんな邪なモンじゃねぇからな?
まあ、仮に変態だとしても、変態という名の紳士だ。
「二人とも、仲良いね」
「お?なんだ、フェイトも交ざりたいか?しかし残念。俺ぁガキには欠片も興味ねぇからよ、お前入れてアルフと3Pすんなら最低でも後10年は必要だな。さらに、その時メロン級に成長してたら尚良し!」
「?」
さて、そんな楽しい会話と素敵な感触を味わえる空の旅ももう終わり、体感時間にすればものの数十秒だったように思う。
自宅、現着。
当たり前だが、数日前最後に見たボロアパートと寸分変わらない姿でそこにある。フェイトの実家の、あの豪邸ぶりを見た後だと本当にやるせねぇ。
(久々……って程でもねぇが、それでも数日振りの我が家か)
以前は1日や2日家に帰らない時などザラにあった。友人宅、公園、その辺の路地裏などなど、寝る場所を選り好みしない俺にとって「帰宅」というのは行為は、日常生活においてさほど重要なことじゃなかった。バイトに行くにしろ、遊びにいくにしろ、少しばかり街外れにある俺んちから目的の場所への移動を考えると、むしろそれは面倒ですらあった
それが今はどうだ?
家に帰ることが当たり前の日常になり、ある種家主としての義務感まで出て来ている始末だ。
昔からの俺を知っている奴が今の俺を見たら、どのような反応をするだろう?笑い飛ばすか、はたまた呆れ返るか……。どちらにしろ、俺は明らかに丸くなった。それが良い事なのか、悪い事なのかは知らんが……いや、世間からみたらこういうのを『大人になった』というのかもしれない。なら、少なくとも悪くはないのだろう。
(思えば、あいつらと暮らし始めて、顔を合わせなかった日はなかったな)
数日振りの帰宅に対して、あいつらはどんな顔をするだろう?ガキんちに行く前の念話での様子から、たぶん心配はしてんだろうな。夜天の奴なんて泣くんじゃねぇか?もしかしたら、あの物騒ロリーズも泣いて俺の帰宅を喜ぶかもしれん。
(あいつら、俺がいなくてもちゃんと生活出来てんだろうな?)
こういう心配まで出来る程、俺はいつの間にか大人になっていたようだ。
我ながら怖いほどの成長とそれに伴う紳士ぶりだ。
(そうだよな。もう俺も成人はとうに過ぎてんだ。そろそろ落ちつかねぇとよ)
喧嘩とか言ってる場合じゃないのかもしれない。ド腐れ生意気ロリーズに対しても、寛大な心で大人としての対応を見せるべきだろう。
俺は仏も真っ青な澄んだ顔で、微笑みさえ浮かべながら自宅の扉を開けた。
「ただいま、皆!心機一転、大人の階段踏破中、NEW俺が帰って来たぞー!」
爽やかに、ニコやかに、俺は自らの帰宅を大きな声で伝えた。
さあ、ブッダな俺の帰還だ。暖かく迎えろ、そして俺もお前らを暖かく包み込んでやる!
──────────そんな俺に返って来たのは暖かい家族愛ではなく、冷たい2つのデバイスだった。
「ぶげらっっ!!??」
「「隼ーーーッ!?」」
フェイトとアルフの声を聞きながら、俺は10mくらいぶっ飛ばされた。
いやぁ~、俺んちがアパートの1階にあって良かったぜ。もし、これが2階とか3階だったら落ちて死んでんぞ?まぁ、既に大怪我してっから瀕死には変わりねぇけどよ。アハハハハハ…………………。
俺はこの瞬間もって、大人への階段を駆け降りた。
「何してくれんだ、ええゴラァァアア!?殊勝な気持ちで帰ってきた主様に対してジョートーで返すたぁいい度胸じゃねぇか!ぶっ殺されてぇのか、クソロリども!!!」
俺は頭からの流血を拭いながら起き上がり、いきなり魔法を放ってきた、扉の先にいる二人、ヴィータと理を睨み付けた。
2人は玄関の前でデバイスを持ち、怒髪天な感じの顔で仁王立ちしている。目つきも俺に負けず劣らず凶悪。
「るっせぇ、このウスラボケ主が!人の気も知らねぇで陽気に帰ってきやがって!」
「此度ばかりは、流石に腹が立ちました」
そう言ってデバイスを構える二人からは並ならぬ怒気。
「大怪我してる主を気づかえねぇテメェの気なんて知った事か!」
視界が不自然に揺れる中、俺も負けじと激昂する。
「何が大怪我してるだ、ピンピンしてんじゃねぇか!しかも、なんでその金髪がいんだよ!それも、仲良さげによぉ!」
「どこをほっつき歩いてたかは知りませんが、人を心配させるだけさせといて、戻って来たと思ったら女連れですか?いいご身分ですね?死にたいのですか?」
ヴィータと理は視線を俺からフェイトとアルフへと向けた。そんな、視線だけで人が殺せそうな目を向けられた二人は訳が分からなくも、恐怖で自然と体が一歩後ろに下がっていた。
「ああ!?意味分かんねー事ほざいてんじゃねぇぞ!どこで何しようと俺の勝手だろうが!つうか、フェイト連れて来て何が悪ぃ!?テメェらよかよっぽど可愛いガキだぜ!アルフにしたって文句の付け所もねぇしよ!」
「あぅ……っ」
「て、照れるね」
俺の言葉にフェイトとアルフは素直に照れを見せ、逆にその言葉と二人の反応を見たヴィータと理の顔には多量の青筋が。
「いいご身分?ハッ!テメェらこそ俺に意見するなんて何様だァ!?家族だからってちょづいてんじゃねーぞ!夜天やシグナムなら兎も角、ちんちくりんでぺったんこで態度デケェお子ちゃまな奴の意見なんて誰が聞くか!心配?クソほども可愛くねぇガキに心配されても1ミリも嬉しくねーんだよ。そのぱーぷりんなオツム矯正して出直して来いや!」
最後に俺は右手を前に突き出し、その中指だけをおっ立てた。
「…………カチ~ン」
「…………潰す」
それから俺達はマンションの前でド突き合った。ご近所さんの目が気になりだしたら、次は場所を移動して家の中でド突き合った。
その間、フェイトとアルフはただただ呆然としていたように思うが、あまりそっちに気が回らなかったので正確な所は知らん。ただ、1度フェイトが仲裁に入ってきたのは覚えてるが、「「「引っ込んでろ!」」」という俺達3人の容赦ない言葉を受け、半ベソ掻きながらあっけなく退場していった。
「誰が上なのか、テメェらの頭かち割って直接叩き込んでやんよぉ!!」
「テメェなんかの為に六銭払うのも勿体無ぇ!すり潰して直接三途の川に流してやる!」
「お尻の穴に奥歯突っ込んで手をガタガタいわせてあげましょう」
「「「…………上等ッッ!!」」」
久々のロリーズとの喧嘩は数時間、夜天たちがバイトから帰ってくるまで続いたのだった。