煌きは白く   作:バルボロッサ

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第3話

 初めてここに来た時は、これからに対する不安と恐怖が大きかった。

 

 海を隔てた隣国。大陸よりも小さな、でもとても強い人たちがいる島国。

 

 大陸の歴史を学ぶ中で必ず教わる大黄牙帝国のお話。その物語の中で出てくる国。本の中で、この国はまるで鬼が住んでいる国のように描かれていた。

 

 2年前、まだ幼かった自分は、しかしなぜ自分がこの国に遣わされるのか、大体分かっていた。

 父の ―その時はまだ帝国ではない― 煌の国の王には、娘は自分しかいないから。

 

 だから、特に必要な国に自分が嫁ぐことになるだろうことは分かっていた。そしてそんな自分が、政治的な話をしに行く兄二人に、煌の王子二人に連れられていくことの意味は分かっていた。

 

 自分が嫁ぐことになる国。

 この国の王家で、最も自分と年齢が近く、3歳年上の人。

 

 初めて会ったとき、やはりあの人も怖かった。

 

 煌の宮殿とちょっと似ている宮中に着くと、兄たちはこの国の王と兄よりも少し年上くらいの二人と大事な話があるから、と自分はあの人と共に逗留する屋敷に案内された。

 

 

 その道すがら、

 

「姫。出会いの贈り物を持ってきたのだが、受け取ってはいただけないか」

 

 そう言って差し出してくれたのは、見たことのある、けれども今までに見たどれよりも綺麗な白い羽を持つ羽扇だった。

 白羽扇ですね。と答えたら、少しだけ面白くなさそうにして、

 

「む。やはり大陸の姫には見慣れたものだったのか」

 

 昔はともかく、今はこの国の方が使われている扇と同じものを大陸でも使っていることが多い。それでも時折羽扇を好んで使う貴族がいることは知っていた。

 だから目新しさはなく、むしろこの国独特のものの方が驚くのに、と思ったのは内緒だ。ただ、続けられた言葉には、とても驚いた。

 

「いきなり現れたり消えたりした‘迷宮’とかいうところで手に入れたものなのだが」

 

 

 

 あの人は迷宮攻略者。

 かのシンドバッドと同じく、何万人もの人が命を落したと言われる死の穴の一つから戻ってきた方。

 しかも聞けばお一人でそれを成し遂げたという。

 

 

 その語り方は、鍛練と勉強に嫌気がさした弟がちょっと脱走して冒険に行ってきました、と言うのと同じような話しぶりで、でも語られる内容はシンドバッドのお話にも劣らぬ物語。

 

 それ以外にも色々な話をした。

 戦争のこと、平和のこと、国のこと、世界のこと

 武芸のこと、馬術のこと、料理のこと、兄弟のこと

 

 和の国のことを聞くのは楽しかった。大陸のどの国とも違う独自の文化を継承しているからだろう、どことなく煌のものに似ているようで、しかし聞く話、見るものそのほとんどが、大陸のものとは違っていた。

 

 

 いつの間にか、怖さはなくなっていた。

 

 煌へと帰る船の中で、私は兄から私があの方の許嫁となるだろうことを伝えられた。それを聞いても、私の中には不安はなかった。

 

 

 普段ぼんやりとしていて、けれどもその瞳の奥には理性と知性を備えているところなど従兄によく似ていた。

 武勇に優れているところもよく似ており、煌に居る時に従兄と手合せしたときには、どちらが強いのだろうと、まだ自分の力では分からないことを考えたりしていた。

 

 

 2年の間に数度、私はこの国を訪れた。

 その度に語ってくれるお話は、嘘か本当か分からないほどで、まるで絵物語を読んでいるような気にさせてくれた。

 

 一度だけ弟の白龍を連れてきたが、その時のことを思いだすと苦笑が零れる。あの子は昔からよく泣く子だった。あの方とお会いした時も、私の影からおっかなびっくり顔を出しては引っ込めていた。

 

 あの子も決して、愚鈍な子ではないから、あの方がどのような方なのか分ったのだろう。

 

 私の夫となる方。煌から、あの子のもとから私を奪っていく方。

 

 だからだろう、会うたびに顔をそむけて、けれどもあの方の語るお話に興味を引かれて、鍛練につき合って頂いた際には、ムキになって挑みかかっていた。

 

 国に帰ると、青舜と ―あの子より1歳年上の私たちの友人と― よく鍛練するようになった。

 

 

 あの方に頂いた白羽扇は、今も肌身離さず持っている。

 粗末に扱っているわけではないが、それでも白い羽というのは汚れたり羽が落ちたりするものだろうに、あの扇は迷宮のものだからか、不思議なことに痛むことなく、2年たった今も、真っ白なままだ。

 

 

 …………もしあれが、いずれあの方の妻になる人へと渡したものだとしたら、お返しした方がいいのかもしれない。

 

 おそらく自分は、もうあの方の妻になることはないだろう。

 

 閃王子も和の国王も普通では到底できないほどの早さで帰国の船を手配してくれたが、それでも、国内の情勢を思えば、自分が今までと同様の立場で居られるとは思えない。

 

 あの時、国王があの方だけを呼び止めたのは、その話をするためだったのだろう。

 あの後、私の警護のために来てくれたあの人の表情は、いつにもまして厳しく、初めてお会いした時以来の怖さを感じた。

 

 いや、怖かったのは変わってしまうこれからだったのかもしれない。

 

 今の煌の情勢はまったく分からない。

 治療中と言っていたが、火傷をおった弟の安否が分からない。

 

 父が殺されたのは、戦を起こしたからだろうか。

 例え平和を作るためという大義を掲げようと、結局やっていたのは侵略の戦争だったのだから。

 

 きっと自分とあの方の婚姻関係は白紙に戻るだろう。

 

 和と煌の同盟のためには、対等な条件で盟を結ぶためには、どちらも直系の王族、皇族がその立場に立つ必要がある。

 でなければ、例えば、一方が傍系の女性を、一方が直系の王族を出せるとしたら、それは傍系の女性を差し出した方が、立場としては強い場合がほとんどだから。

 対外的に、対等であることを主張するためには、互いに直系であることが必要なのだ。

 

 閃王子たちは言わなかったが、気づいていたはずだ。

 今の状況であれば、おそらく煌の宮中ではすでに、叔父が、紅徳叔父上が次の皇帝に即位することがほぼ決定しているであろう。

 

 叔父上には多くの姫がおられるから、直系の女性を差し出すという条件はさして難しくは無い。

 

 涙は、流れない。

 

 色々なことが一度に起こり過ぎて、感情が追いつかないのかもしれない。ただ、頭の中の冷静な部分が、現状だけを他人事のように考察していた。

 

 そうであるならば、その方がよかった。

 

 だって、もし感情が追いついていれば、きっと自分は一歩も動けない。

 

 一刻も早く残された母と弟のもとに帰らなければならない。二人の無事な姿をすぐにでも見たいはずなのに……

 この地を離れたら、もう自分がこの地を踏むことはなくなってしまうだろうから。

 

 こんなにも、この国を離れがたく感じてしまうほどに、この国が好きになったのだから。

 

 いや…………

 好きになってしまったのは、国だけではなく……

 

 

「皇女殿下」

 

 

 

 この国の王との景色を、最後となるだろう景色を惜しんでいた白瑛に声がかけられた。

 

 

「閃王子。光、王子……」

 

 国の要となる二人がわざわざ見送りに来たのは、それだけ和にとっても煌との関係を気にしているのだろう。

 白瑛は癖というほどに慣れてしまった呼び方、‘光殿’と言う親しげな呼び方をついつい口にしようとして、慌てて呼び方を変えた。

 すでに心を切り換えておかねば、立ち去れない程に別れが惜しくなってしまうかもしれないから。

 

 白瑛の考えていたことは、やはり話題に上がっていたのだろう。そのことに気づいた光の眉がわずかにしかめられた。

 一方の閃は、敢えてそれに気付かなかったかのように、スッと両手を胸元に掲げ、煌式の礼をとった。

 

「急な出立となり申し訳ありません。船は可能な限りのものを用意いたしました、海の天候もおそらく問題はないものと思います」

「いえ……こちらこそ、ご厚意感謝します」

 

 わずかに動揺した白瑛だが、なんとか取り繕って礼を返した。

 

「皇帝が崩御され、国内の情勢が不安定かと思いますが、和の外交官も僭越ながら同行させていただきます」

 

 変わらぬ両国の友好のために。そう告げる閃の言葉は、少しだけ棘となって白瑛の胸を刺した。

 中原へと進行中の煌が今更、後方の友好国、和と敵対して得るメリットは少ない。むしろ和の国力などの条件を鑑みればデメリットの方がはるかに大きいのだ。

 だからこそ、両国の関係はさして変わらないだろう。変わるとすれば、白瑛自身の立ち位置だけだ。

 

「僭越など。重ね重ねのご厚意、感謝してもしきれません」

 

 儀礼的なやりとりを済ますと、閃はちらりと光を見て、身を引いた。閃が引いた代わり、それよりも近く、光が憮然とした面持ちで白瑛の前に立った。

 

「白瑛殿」

 

 その声はいつもよりも固いものだったが、いつもと変わらぬ呼び方を -白瑛が最大限の自制心で抑えた呼び方を― 聞いて、流れなかったはずの涙が出そうになった。

 ただ、ここで零れ落ちてしまえば、きっともう立ち上がれない。

 だからこそ、白瑛は毅然と光に視線を返した。

 

「光王子。これまでの格別のご配慮、深く感謝します」

 

 “これまでの”

 その言葉には、拒絶と別れが込めていたはずだ。白瑛は手に持っていた白羽扇を、大切な宝物を光へと差し出した。

 

「……これは?」

 

 眼前に差し出された白羽扇に、それを差し出す白瑛の両手を見て、光は感情を消したような眼差しを白瑛に向けた。

 

「これは私などが持っていて良いものではなかったのです。どうか、王子の……あなたの妻となる方に、差し上げて下さい」

 

 差し出した両手が震えていなかっただろうか

 あの方を見る目は、真っ直ぐに見つめ返せていただろうか

 

「不要な、ものだったか」

 

 ひどく寂しそうな声が、白瑛の耳に届いた。

 

「そのようなことは……この2年で、いえ、今までで、これに勝る宝物はありませんでした」

 

 本当は手放したくない。

 これから先、自分は女としてではなく、練白瑛として、弟を、母を、国を守るために身を尽くさねばならない。

 もう会う事がないと分かっても、彼の色の残るものをずっと手元に置いておきたい。

 

 でも

 

 それをすれば

 

 きっと先には進めない

 

 

 

 光はすっと手を差し出し、

 

「えっ?」 

 

 白羽扇を持つ白瑛の腕をとった。

 気づいた時には腕を引かれ、白瑛の体は光に抱きしめられていた。

 

「光殿っ!」

「……その呼び方の方がいいな」

 

 咄嗟の事に、改めたはずの呼び方が戻ってしまい、指摘されて白瑛はハッとなった。

 

「宝物だというのなら、持っていてくれ」

「で、ですがっ!」

 

 耳元で語りかけられる言葉に、白瑛は今までにないほど動転し、なんとか離れようと身をよじった。

 

「俺が選んだのはあなただ」

「!」

 

 抱きとめられた腕から逃れることはできず、告げられた言葉に抵抗すら止められてしまった。

 

「この2年。あなたと居られた時間は、私には大切な時間だった。あなたを見て、あなたと共に歩むことを選んだ」

 

 語りかけられる言葉は、毒のように心へと染みこんできた。

 すぐにでも拒絶の言葉を告げなければ、きっとこの毒は、心を捉えて放さなくなってしまう。

 頭の中の、段々と小さくなりゆく冷静な部分が抵抗をしようと告げている。

 だが、それでも体はもう、その腕から逃れることはできなかった。

 

「例え始まりが国同士の思惑だったとしても、私はあなたを選び、守ることを誓った。ならば、それを違えることはしない」

 

 いや、きっと冷静な部分などではなかったのだろう。

 

 ただ、諦めていただけだ。

 この人を信じ切ることができていなくて、この関係が終わってしまうのだと決めつけて

 国同士の思惑で始まったのだから、この結末も仕方ないと受け入れようとしていただけだ。

 

「あなたの意志で、私を拒むのならば仕方がない。だが、そうでないのなら……持っていてほしい。その扇を」

 

 望んでもよいのだろうか。

 信じてもよいのだろうか。

 

 それは、今まで語ってもらったどの物語よりも、夢のような言葉だった。

 

「私は必ずあなたのところに行く。今度は私の方から。何があろうとも、あなたを守るために」

 

 

 今度こそ、信じよう。

 

 例え今、離れることになろうとも

 繋がりを示す関係が白紙に戻ろうとも

 

 

 この誓いを、この方を

 

 いつか、またともに歩ける道を、信じよう。

 

 

「ありがとう、ございます、光殿……」

 

 

 

 

 抱き留めていた腕を放し、自分よりも低い位置にあるその瞳を見つめた。

 泣いているかと思ったその顔には、しかし震えるような声に反して、涙の痕は流れていなかった。

 

「私も、あなたに約束します」

 

 白瑛は、少しだけ潤んだ瞳で光を見上げ、言葉を紡いだ。

 

「今度お会いする時。その時の私が、守られてばかりの私ではないことを、約束します」

「ほう」

 

 強気な言葉、ただお淑やかなだけの女性ではない、いつもの白瑛。

 そのことに、光は、ほんの少しだけ寂しさを混じえながらも、いつものように笑いかけた。

 

「あなたの隣を歩くにふさわしい力をつけて、お会いします」

「ふっ。言ってくれる」

 

 今は、互いの立場があやふやで、不確かな物となってしまった。

 光は、すっと右腕を差し出した。

 

「次は、俺が煌に行く。その時まで、しばらくお別れだ」

「……はい」

 

 

 

 

 遠くなっていく姫の一団を見送る光に、兄は不安げな眼差しを向けた。

 

「光。姫との関係は、こちらから外交的に交渉しておくから、くれぐれも早まった真似はするな」

「……たとえば……このまま一団に紛れて煌に直談判に行く、とか」

「光」

 

 姫の一団には和国からの使者、護衛も随行している。

 和-煌の航路は比較的海賊などが少ないが、それでも万一のことがあってはならないし、和からの使者が随行していれば、よもやいきなり政変で姫が捕えられるといったことも起きにくいだろう。

 

 それが、現状とることができる唯一の方法だった。

 思いつめたように言う光の方法は、効果としては大きいが、混乱している他国に、この国の王子を、しかも軍事力としても破格の迷宮攻略者を派遣することなどできるはずもなかった。

 

 優秀な弟だが、突飛なく迷宮攻略に赴くなど、予想しづらい行動をとる弟だけに、閃は咎めるような声をかけた。

 

 

「心配なさらずとも行きませんよ。こちらも、そして煌もまだその時期ではないでしょう」

「…………」

 

 自重するという弟の言葉だが、閃の眼差しは鋭い。

 たしかに光の力は強い。剣の腕前だけならば、まだわずかに自分の方が上であると閃は見ていた。しかし、光には金属器の力もあるのだ。

 だからこそ、不安になる。

 

「やれることは、ある」

 

 光は決意を秘めた面持ちで、既に見えなくなった一団から背を向けた。

 

「光」

 

 去り行こうとする弟の背に、閃は声をかけた。

 予測しづらくとも、それでも分かることはある。

 

「踏み込みすぎてはいけないよ。あの組織のことも、まだどれほどの力を持っているのか、その片鱗すら分かっていないのだから」

「…………」

 

 煌に対して打てる手は、現状全て打ってある。

 外交を通じての白瑛との婚姻関係継続の意志。同盟に関すること。

 

 ならば、光が打つべき手は、

 

「光」

「言ったはずです。何があろうと、俺は白瑛を守る。そのためにできることはまだあります」

 

 沈黙を返した光に、閃はもう一度その名を呼ぶ。

 返ってきたのは、昨日と同様、曲げられぬ固い思いの言葉だった。

 

 決して浅慮ではない。しかし、それでも弟の決意に、閃は危ういものを感じずにはいられなかった。

 

 光の瞳には、先程まで愛しい人に向けていた温かみは欠片もなく、ただ、影に潜む敵を見据えた冷たい焔を宿していた。

 

 

 

 

 

 

    ✡✡✡✡✡

    

    ✡✡✡✡✡

 

 

 

  始まりの物語が、終わる

 

 

 

 

 そこはまるで幾千、幾万の軍が激突したような戦場跡だった。

 

 先程まで戦いが繰り広げられていたそこには、しかしたった一人の男しかいなかった。あたりには達磨のような形の小さな人形が無数に落ちており、たった一人の男は、半ばから折れた木にもたれかかり、血にまみれていた。

 

 体中に無数の傷を負い、左の腹部はなにかの魔法を受けたのだろうか、大きく抉れ、その衣裳を赤黒く染めていた。

 右手にはなんとか彼の武器である刀が握られているが、その腕は力なく垂れている。見れば腕の付け根、右の胸元にも風穴が空いており、止めどなく血が流れ出ている。

 まだ息があるのだろう、震える唇から息を吐こうとすると、その口からは血泡がごぽりと落ちた。胸元の風穴は心臓を避けてはいるものの、重要な血管だけでなく、肺腑にまで穴を空けているのだろう。

 左の腕は、なにかで呪われたかのように黒いあざが広がっていた。

 

 

 

 とある組織があるのだ。

 

 その名は知らない。その目的も知らない。

 

 だが、許せなかった。

 

 それの起こした行動がもたらした結果を

 それのもたらす結果を

 

 

 

 ゆるせなかった

 

 誓いを守れなくなる自分が

 

 このような結末を迎えてしまう運命が

 

 

 だが、運命とやらを恨みはしない

 

 その運命のおかげで、あの娘と出逢えたのだから

 

 運命を呪えば、それすらも否定してしまうから

 

 

 

 約束したのだ。必ず彼女のもとに行くと。何があっても彼女を守ると

 

 

 体の傷は致命傷だらけだ。助かる見込みなどないだろう。

 赤く染まった男の口元が震えるように言葉を紡いだ。

 

 その呟きは途切れ途切れで、例え口元に耳を当てたとしても聞こえる声量ではなかっただろう。

 

「罪、業と、呪、怨……精、霊よ。汝と、なん、じの眷、属に、命ず……」

 

 これが運命だというなら、そのようなもの乗り越えてみせる。

 

「我が、いの、ち、を糧とし、我が、意……志のち、からとな、れ」

 

 例え人から外れようと、

 

「な、ん、じに、命、ず……我が、身を贄、に、わ、が、身を、喰ら、え……」

 

 どのようなものになろうとも、

 

「我が、魂、を、大いな、る罪と、し、ここ、に顕、現せよ」

 

 

 それでも、俺は誓いを違えることだけはしない。

 

 

「ガミジン」

 

 

 それは、愚かな選択なのかもしれない。ただ、それでも選んだのは自分だ。

 この力を受けいれることを決めたのも、

 この道を選んだのも、 

 禁忌と言えるだろう、この力を使うことを選んだのも

 

 だから、

 

 その咎を受けるのは自分だ。

 

 

 




今回の話でひとまず最初の区切りとなります。

ご意見、ご感想などよろしくお願いします。

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