氷雪の魔王と愉快な帝具使い達の話   作:椿リンカ

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社員1「タイトルはまじめですね」
社員2「タイトルだけはな」
社員3「中身はきっと酷いんでしょうね」
社員4「というかぐだぐだな話よりも朕の活躍を描いた番外編希望アル!」
ロッドバルト「今回の話はもう少しシリアス寄り・・・になるはずですよ」


皇帝陛下の真意とブドー大将軍の苦慮

皇帝陛下と帝都を守ることは、代々受け継がれてきた家訓だ

だからこそ私は・・・オネストを警戒している。

 

将軍は政治に口を出してはいけない。しかし、それ以前に奴の動向は皇帝陛下を脅かすものではないかと睨んでいる。

陛下に害を及ぼすならば今すぐにでも処罰するが、まだ決定打が見つからない

・・・それ以前に10歳児を後妻に迎えると言っていた時点で社会的に抹殺したほうが良いかもしれないが

 

「ブドー、気にするでない。オネストも大事な家臣だ」

「・・・陛下」

「お前は帝都の守護に専念してほしい」

「・・・御意」

 

陛下は齢12としては類稀なる才覚で帝国を治めている。

他の将軍や文官は陛下を一目置いているが・・・しかし時折、私には陛下の考えが分からないことがある。

 

何かを抱えているような、何かを秘めているような憂いた表情をしていることがある

 

・・・いや、何かあれば私は陛下の盾となればいい

 

 

***

 

 

「皇帝陛下との謁見?」

 

「謁見といいますか・・・皇帝陛下が個人的に貴方に今から会いたいと」

 

露子にそう伝えると、おろおろと焦って俯いてしまう。

あぁ、可愛いですね本当。いやそうじゃない、なぜ陛下が彼女に会いたいといったのか・・・真意を図りかねますね

 

陛下も記憶があるのでしょうか?

 

「あ、あの、わか、りました・・・」

 

「いいのですか?」

 

「うぁ・・・は、はい・・・その、偉い人から、言われましたし・・・」

 

しどろもどろで顔を赤らめて話して・・・・・・早く手籠めにしたいですね。

それはともかく、陛下のところまで連れて行かなければ

 

露子の力を知っていて、興味を持ったのだろうか

 

・・・ループ時の記憶があるのだろうか?

いや、あるとするならば私はすでに処刑されているだろう

 

この世界では、シュテンやチョウリたちのように性格が少し変化しているという考えが妥当ですね

 

「あ、あの、どうしたんですか」

 

コートの端を遠慮がちに掴んで、上目遣いで露子が尋ねてきた

 

「あぁいえ、なんでもありません。考え事をしていただけですよ」

 

「そうですか・・・」

 

・・・前髪が長すぎますね。メガネも邪魔です。

折角のオッドアイが見えにくいですし、何よりも表情が見えにくいのが難点です。

 

抱くときに表情が見えるほうが興奮しますからね!!!

 

 

***

 

 

「それでは外で待っておきます」

 

オネスト大臣はそう答えて部屋から出ていく。

今、皇帝陛下の私室には・・・私と、陛下だけだ。

 

空気が重いとまでは言わないが、気まずい空気というか、押しつぶされそうになる。

陛下を何度も殺したことがある私からすれば、罪悪感しかない

 

陛下は陛下で黙ったまま私を見つめてくる。ループしていた時とは違い、天真爛漫とは違うようだ

 

「お前が露子か」

「は、はい・・・」

「不思議な力があるそうだな」

「あの、その、ちょっとだけ・・・ですけれども・・・」

 

手袋をはずして、そっと机を触る。

 

ひんやりと空気が凍り、触った部分が凍っていく・・・机が全部凍る前にすぐに手を離して手袋を嵌め直した。

 

「・・・その、素手で触ると、凍らせてしまう、ので・・・」

 

「・・・そうか」

 

少し残念そうな、憂いた表情をしてそう答えた。

なぜそんな顔をするのだろうか?も、もしかして私何かしたのだろうか、下手なことしたのかな・・・

 

 

「・・・露子は、オネストと結婚するのか?」

 

「えっ、あ、ま、まだ・・・それは・・・その」

 

「・・・そうだな、まだ決めれないだろう」

 

苦笑いをして、皇帝陛下が私に近づいた。

自然な流れで手を取り、両手で私の手を包み込んだ

 

 

そして、にっこりと私に笑いかける

 

 

「何かあれば、余にいってくれ。力になるぞ」

 

「えっ・・・あ、は、はい」

 

 

その笑顔は、私の知っている皇帝陛下の笑顔と似ているようで、どこか違っている気がした。

 

 

***

 

 

「・・・それにしても、オネスト大臣も何を考えてんだかな」

 

ゴズキは天井裏でぼやきながら頭を掻いた。

羅刹四鬼として仕事はこなすものの、やはり上司のロリコン趣味は辟易しているようだ。

 

「ロリを嫁にしたい気持ちは十分理解できるがな」

「理解すんじゃねぇよ」

 

・・・正確に言えば、同僚と上司のロリコン趣味に辟易している

 

「そういえばお前、そろそろ交代の時間だろう?」

「おっとそういえば・・・」

「また娘のところか?」

「当たり前だ。俺の可愛い娘の顔を観に皇拳寺までな」

「悪いとは言わないが、家族愛とやらに浮かれているといつか足を掬われるぞ」

「幼女に興奮してるてめぇにだけは絶対に言われたくないな」

「・・・お前の娘は良いロリだ」

「ぶっとばすぞ」

 

お互いに憎まれ口をたたきながらも警戒を怠ることは無い。

帝国が平和とはいえ、やはり皇帝陛下やオネスト大臣の命を狙う賊や政敵は数多い・・・暗殺者が送り込まれることもある。

 

そのために羅刹四鬼はこうして陰ながらに活動しているのだ。

 

「ま、いざとなれば俺には村雨があるからな」

「帝具を過信するなと言っているだろう」

「分かってるって・・・そういや、今度はオネスト大臣が暗殺者育成するってんで帝国中から子供を集めるらしいぜ?」

「帝国中のロリが集まるのか・・・」

「その言い方はやめろ」

 

そんな天井裏の会話を、皇帝陛下は聞いていた

 

 

「・・・そろそろ、か」

 

「?何がですか?」

 

 

露子は不思議そうに首を傾げる

 

 

「いや、なんでもないぞ」

 

 

 

 




ロッドバルト「次回は番外編です」
社員1「番外編って・・・誰の?」
ロッドバルト「さぁ?ですが、露子さんやアカメキャラのみなさんではないようです」
社員2「それってつまり」
社員3「我々の出番ですか。やっと、やっとなんですね・・・」
社員4「朕の華麗な姿をやっとお見せできるアルヨ!」

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