社員2「いや、やりたいもんやったほうがいいんじゃね?人気あってもモチベーション低けりゃ飽きるだろ」
社員3「まぁ、仮にこれが原作沿いだとしても人気は出ません。人々が求めるのは主人公です。悪役は求められませんよ」
社員4「それに地味系女子ってどう考えてもヒロインにならないアルネ!ここは美少女投入アル!そう!朕のような美少女をヒロインに!」
ロッドバルト「文句はそこまでに。あと社員4さんは勘違い女乙。さっさと本編やりますよ」
私の名前はナジェンダ、花も恥じらう17歳。ついでにモテ期真っ盛り!な帝国将軍だ
そんな私には前世の・・・いや、違うな。何度も人生を繰り返してきたという記憶がある。不思議なことだが、覚えているのだから仕方がない。
何度も何度も似たような人生を歩んできた
帝国の将軍となり、革命軍へと移り、ナイトレイドのボスとして生きて・・・
その多くの人生は、魔王によって殺されることで終わっている。
いや、正確に言えば魔王の「やり直し」とやらに巻き込まれたと言っておこう。
前回はやっとのことで魔王を倒したわけだが、どうやらまた最初に戻ってきたらしい。
・・・記憶を思い出した時、私は5歳だった。
これからどうすべきか考えていたものの、今までの人生と違って、今回はどうやら帝国は平和らしい。
だからこそ、もう一度私は帝国の将軍になったのだが・・・
「ナジェンダ、帝国の国境警備ご苦労であったな」
「はっ・・・しかし、陛下、その」
「なんだ?」
「いえ、また褒美は部下に与えてください」
「うむ」
目の前にいる皇帝陛下に一礼して謁見の間から外の廊下に出た。
おかしい
確か私がナイトレイドを指揮していたころに陛下が今の年齢になっていたはず・・・陛下が今までよりも早く生まれているのだ
おまけにその陛下は類稀なるカリスマ性と戦略性で、この年齢にして皇帝として見事な手腕で帝国を治めている。
「あぁ、これはこれはナジェンダ将軍ですか」
「オネスト大臣、ですか」
左頬に大きな湿布を張っているオネスト大臣が、骨付き肉を食べながら私に話しかけてきた。今のところ、皇帝陛下を傀儡にしている様子はないものの・・・油断はできない。
「あの、どうなされたんですか?」
「いやなに・・・息子に殴られましてな」
「えっ!?」
「あの子も反抗期なんですかねぇ・・・そんなに私が後妻を迎えるのが嫌なんでしょうか」
「後妻・・・ですか」
「えぇ、後妻です」
大臣に正式な妻はいなかったはず・・・やはりこの世界は今までとはかなり違うらしい。しかしこのオネスト大臣が後妻に迎えるとなると、もしかしてかなり悪女なのでは・・・
「あの、どういう方なんですか?」
「おや、ご興味がお有りで?」
「えぇ・・・大臣の息子様が反抗なさるほどですから、どういう相手かと」
「見た目は普通だと思いますが・・・少しばかり若いせいか、心の整理もつかないのでしょう」
「お若い・・・となると、かなりの年の差になるんですかね?」
「彼女が10歳ですからね、シュラも複雑だったかもしれません」
「・・・」
「どうなされました?」
「・・・10歳の年の差ですか」
「10歳の年の差ではなく、10歳の後妻です」
「・・・」
「後妻として迎えると言った直後に殴ってきましてね」
「・・・そう、ですか」
初めて大臣の息子の対応がまともに見えてきた
私も今すぐにでも殴りたくなったからな・・・
「東方の昔語りで、自分好みに妻を育てるというものがありましてな」
「ソウデスカ」
「私もなかなか好みの女性に会えませんでしたが、会えないなら自分で育てれば良いと気が付いたのです」
「ソウデスカ」
今すぐにでも殴り殺したほうが世のためなのではないだろうか
「それではまた」
「え、えぇ・・・」
上機嫌で去っていく大臣の背中を見ながら、今すぐにでも大臣を暗殺したくなった自分を必死に諌めた。
足早に宮殿の自室へと戻る。
胃がきりきりと痛むのは気のせいだろうか。
宮殿の自室に入る直前、声を掛けられた。
・・・皇帝陛下と同じく、今まで無かったイレギュラーな存在なのだが・・・
「ふふん、また功績をあげたのだなナジェンダ!」
・・・帝国最年少将軍エスデス(12歳)が私の同僚となっているということだろうか
「・・・あ、あぁ。そうだな」
「見ていろよ!私ももっと功績をあげる予定だ!」
「そ、そうか・・・」
「む・・・なんだ、私の顔に何かついているか?」
「いや、そんなことはないぞ」
適当に誤魔化してその場を後にする。
今までのトラウマもあるのだが、何よりも・・・”この”エスデスは記憶持ちなのだ。私が記憶を持っているとバレているかは知らない
ただ、前にエスデスの手帳を拾ったときにひたすらタツミの名前やタツミを描いたイラストがあったから間違いない
・・・思わず思考停止したほどだ。
むしろ何か悪化しているような気がして怖い
タツミがもし来れば監禁しかねないほどの愛情深さに戦慄してしまう。
「それよりも分かっているか?茶髪で緑の目をした男がいたら私に教えろよ!」
「あ、あぁ、分かっている・・・エスデスが探している男の子だからな」
「あぁ!いたら言ってくれ、すぐにでもかけつける」
そう宣言するエスデスの腰には首輪と手錠がいつもベルトに引っ掛けられている。本人いわく「絶対に逃がさないため」らしい
「そ、それじゃあな」
「お前もちゃんと休めよ」
エスデスに別れを告げ、自室に戻る
「ただいま・・・」
「あぁ、お帰り」
自室には私の帝具であるスサノオが夕食を作って待ってくれていた。
スサノオは私が遠征の折に発見し、起動したのだが・・・どうやらスサノオは今までの世界の記憶はないらしい。
・・・だが、いてくれて助かった。
「今日も美味そうだな」
「あぁ、腕によりをかけて作った」
「いつもすまない」
「なに・・・主人の身の回りの世話をするのも俺の仕事だ」
「・・・お前は変わらないな」
「?」
「いや、なんでもない」
大臣がロリコンだろうが皇帝陛下がしっかりしていようがエスデスがヤンデレだろうが・・・帝国の民衆が平和に過ごせるなら、それは良いことなのかもしれない
何より・・・こうして変わらない、大事なものもあるのだから
社員1「年齢操作か」
社員2「幼少期編からですからしょうがないっちゃしょうがないか」
社員3「それにしてもナジェンダさんは記憶もちでしたか」
社員4「でもこれ主人公がいなくても話が進みそうアルネ。主人公ってもっと存在感とか主役であるべきアル」
社員1「実はもう一つ連載ネタがあったらしい。神様転生してハーレム目指した男主人公だったが、神様の手違いで女子転生+逆ハーレム・・・主人公らしい存在感ではあるが、収拾がつきそうにないから執筆は未定らしいが」
社員2「うわー、何その誰も得をしない内容」
社員3「こういう傾向はどこの層に受けるかわかりませんよね。女性向けなのか男性向けなのか・・・」
社員4「中身が男アルが、寄ってくるのは男ばかり・・・ギャグになるアルな」
ロッドバルト「まぁ、ぶっちゃけそれはそれで平和になりそうですがね」