氷雪の魔王と愉快な帝具使い達の話   作:椿リンカ

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社員2「前回はまた似たような続き方したけど、いよいよ大臣かぁ」
社員3「ほぼラスボスですからね、彼」
社員4「今回の話には皇帝陛下の両親のことが出るとかって聞いたアル」
社員1「まー、アニメでもちょこっと言及はされてたし、原作でも最新号(※2016年3月現在)でもあったからなぁ」
社員2「そもそも、二次創作でも似たような描写ばっかだしな」
ロッドバルト「メタ的に注意書きでも・・・この小説では皇帝陛下のご両親はオネスト大臣が暗殺したという設定となっています。ありがちですよね」
社員2「ありがちだよな・・・」
ロッドバルト「今回は第3者視点です」
社員3「そんなありがちな設定なので、とりあえず本編どうぞ!」


結婚には責任を持ちましょう

 

オネストと疲れ切って死んだ魚のような目をしたナジェンダとゴズキが危険種から降りる。オネストはすぐに露子のもとに駆け寄ったが、ナジェンダとゴズキは心なしか足元がふらついている。

夜中にたたき起こされ、危険種に乗って帝都から離れた田舎までやってきたのだ。疲れないわけがない。

 

「露子さん・・・」

「・・・オネスト大臣、来たんですね」

 

「親父!・・・って、おい、なんだよゴズキ!離せって!」

 

オネスト大臣へと話しかけたシュラをゴズキが引き留める。心配そうに露子達を見ている皇帝陛下にナジェンダが跪いた。

「陛下、お迎えにあがりました」

「そうか・・・だが、オネストと露子は大事な話があるのだろう?少し余たちも離れておこう」

「承りました。それではシュラとゴズキも少し席を外すぞ」

「あぁん?なんでだよ」

「シュラ様、大臣もお嬢ちゃんと募る話もあるんでしょ・・・別れ話とか」

ゴズキが「なーんてな!」と付け足しながらシュラの腕を掴んで、ナジェンダと皇帝陛下と共に少しばかりその場から離れた。

 

 

 

「露子さん」

「はい」

「私は悪くありませんから」

二人っきりになった途端にオネストは露子に言い切った。

 

「普段から流されがちな態度をしていたあなたが悪いんです。押せばいけるような雰囲気を出していましたし、異性と安易に二人きりになる油断もありました。私は据え膳あれば食らうタイプです。私に隙を見せたあなたに責任があります。」

「・・・」

「正直私は自分のしていることが悪いだなんて思ってません。前皇帝も妃を殺したことも、今も賄賂やある程度都合のよい法律を通そうともしてますよ。あなたが否定するような非合法な愉しみも嗜んでます」

 

オネストの言葉を露子は黙って聞いていた。何も反論することなく、静かにしている。

 

「結婚して私のものになれば、それらすべてを辞めると約束します。今後のことについては貴方の意見に合わせるつもりです。あまりにも横暴でなければ全てあなたの意見を聞いてあげましょう」

「・・・」

「家出だなんて勝手なことをしてしまったことも今回は多めにみます。いくらでもあなたの我儘だって聞いてあげましょう。この私がここまで譲歩したんです。その意味ぐらい、分かるでしょう?」

 

そう一度言い切って、オネストは露子の前に跪いて婚約指輪を取り出した。

露子へと指輪を差し出し、一呼吸おいて彼は露子をまっすぐ見た。

 

「私のものになってください」

 

「・・・」

 

露子は黙ってオネストを見つめた。少しの間沈黙が続き、返事を待っているオネストに露子が話しかける。

 

「貴方は、結婚をどういうものだと思ってますか?」

「はぁ?・・・なんですかいきなり」

「私、故郷に帰ってきてからずっと考えてたんです。私はオネスト大臣のことは嫌いではありません。それならばお付き合いするぐらいならば良いかもしれないとも考えました。結婚のことだって、もしかしたら良い事なのかもしれない、と」

「・・・それで?考えただけですか?」

「・・・昔、私のおじさんが教えてくれたことを思い出したんです」

 

少し気恥ずかしそうに笑いながら露子は続ける。

 

「『結婚はお互いの人生を背負うことだ』『相手の良いところも、悪いところも、自分のものとして背負う覚悟が必要になる』『だから結婚するときは愛情や幸福だけじゃなくて、相手の不幸も一緒に背負えると思える人としなさい』・・・って。そんなことを言ってたんです」

 

「・・・随分とお綺麗な考えのご親戚ですね」

 

「えぇ、そうかもしれません。そんなに重く考えなくたっていいかもしれないですね。けど・・・」

 

「・・・」

 

「私は今、自分がしてきたことの積み重ねで精いっぱいです。貴方の人生を背負える努力も余裕もありません。だから、ごめんなさい」

 

そう答えて露子はオネストに頭を下げた。

 

「・・・もう少し、時間をください。私が、私のしてきたことを背負えるようになった時までは、結婚できるかできないか・・・分かると思うんです」

「・・・やれやれ。いつまで待たせるつもりなんですか」

「すみません。今はまだ、自分の中でまだ整理が出来てないんです。」

 

苦笑いしながらも露子は婚約指輪を差し出していたオネストの手を両手で包みこんだ。

 

「だからまだ、仲の良い友人でも良いですか、”オネストさん”?」

「・・・友人ですか」

「はははっ、やっぱ、不服そうですね」

「当たり前ですよ、ここまで私を譲歩させて待たせるとは・・・あなたは極悪人ですね」

「これでも前世は魔王でしたから」

 

不満そうにため息を吐くオネストに対して、露子はいつもよりも表情を明るくしていた。

何かが吹っ切れたかのような雰囲気さえある。

 

「・・・そういえば露子さん」

「なんですか、オネストさん」

 

「ロッドバルトという男、なんなんですか」

 

その名前を聞いた露子の顔が一気に真っ青になる。

さっきまでの良い雰囲気が台無しである。

 

「あー・・・あの、それは」

「私の目の前に現れて、煽るだけ煽って帰ったんですが」

「あー・・・ははははっ・・・」

「ちゃんと説明してもらいましょうか?ねぇ?」

 

 

 

このあと滅茶苦茶説明した

 

 

 




社員1「・・・ま、丸くおさまった・・・か?」
社員2「た、多分な・・・」
ロッドバルト「知っていますか?これ、単に問題を先送りしただけ・・・」
社員3「わーーーー!!!社長駄目です!イイ話だと勘違いしてる読者にショックを与えます!!!」
社員4「まぁ、この間にどうにかすればいいアルよ」(震え声)

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