社員2「メタい話すると文章のノリが悪いとかなんとか」
社員4「あってないようなもんアル」
社員3「さて、やっと帰ってきましたか・・・」
ロッドバルト「次回あたりは帝都の様子でもいいですがねー、まぁ、そのあたりも筆のノリ次第でしょう」
雪が降る寒村
生まれ育った故郷へと露子は戻ってきた。
皇帝陛下やエスデス将軍、シュラも交えてではあるものの・・・無事に帰ってこれたのだ。
「しかし陛下、本当についてきても良かったのですか?」
「良いのだエスデス。言伝は残してきたし・・・何より、余も少し帝都から離れて考えたいことがあったからな」
「・・・そうですか」
「しかし、帝都から出るのは初めてだ。こうして民たちの暮らしを見るのも皇帝の勤めだとは思わないか?」
エスデスに笑顔でそう応える皇帝ではあったが、無理矢理笑おうとしているのが手に取るように分かる。エスデスの部屋に来たときから目の縁が赤くなっていたのだ。
恐らくは自分たちが眠っている間の時にでも泣いていたのだろう
・・・そこまでエスデスは気が付いていたのだが、指摘することもなく将軍として接した。
これが自分の部下ならば何かしら声を掛けただろう。彼女は自分の部下には飴と鞭を持って接することでメリハリの利いた強い軍を作ってきたのだ。
しかし相手は皇帝陛下。しかも公務の時に感じる威圧感や凄みを今の彼から感じ取ることができない
・・・そう、まるで繰り返してきた世界にいた時のような、カリスマ性があるが頼りない年相応の少年のような雰囲気だ。
「(皇帝陛下も何か違和感があるが、繰り返してきたかどうかはまだ聞けないな。何よりも今はタツミが最優先事項だ。陛下が記憶が残っているかどうかなんて後でもかまわん)」
エスデスはそう思い直して、すぐ先を歩く露子とシュラへと視線を移す。
そしてすぐあとに。あどけない少年の声が聞こえてきた
「ねーちゃん・・・?」
エスデスの視線に捉えた少年は茶色の髪色で綺麗な緑色の瞳を持っていた。
自分の愛したタツミをそのまま幼くしたような少年が露子のほうを見ていた。
「ねーちゃん!ねーちゃん!」
タツミは露子の姿を見つけると、頬を赤らめて涙目になりながら露子に飛びつ・・・いや、突進した。思わず倒れ込んでしまう露子だったが、タツミはそのことに構わずずっと露子に抱きついてぼろぼろと泣きながら姉に甘えていた。
「・・・ただいま」
「お“がえ”り“な”ざい“ぃぃぃ」
「あぁ、もう、そんなに泣かなくていいから」
露子の服がすっかりタツミの涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっているところをエスデスは乙女の微笑みを浮かべつつ悦に浸っていた。
「泣いてるタツミも可愛らしいな・・・」
エスデスは小さな少年時代のタツミを見るのは初めてであり、もしも自分とタツミとのあいだに子供ができたらこんなに可愛いのかと柄にもなく妄想していた。
・・・まぁ、そう、恋愛すると時々ある妄想といえばそうだろう。そういうことにしておこう。
そんな彼女の様子にやっと気が付いたタツミがエスデスのほうへと視線を向ける。露子がタツミの顔をハンカチでぬぐいながらではあるが、タツミのエメラルド色の瞳がエスデスを見つめた。
「ぅう・・・ん?おねえちゃん、だぁれ?」
タツミの上目遣いに、彼女は思わず興奮してしまった。
今すぐにでも屈服させてすべてを自分好みに染めて愛したいと
「あぁっ!タツミはやはり可愛いな!!」
すぐさまエスデスはタツミに飛びついて頬ずりをする。柔らかな頬の感触に満足しながら、しっかりと抱きしめる。首輪や手錠を用意していたのだが、久しぶりに会うタツミ・・・しかも少年時代の可愛らしい姿に思わず道具を使うことも忘れて感動しているらしい。
「っわぁっ!え?あ?くすぐったいよー」
「本当にタツミは可愛いな、ふふっ、頬も柔らかくて食べたくなる」
そのエスデスの様子に苦笑いを浮かべる露子、いつもと違うエスデスの様子に引いているシュラと皇帝。
特に皇帝については見たことも無いデレッデレなエスデスの姿に違和感を抱いているようだ。
露子はあまりのエスデスのデレっぷりにようやく頭も冷静になってきたのか、オネスト大臣とのあれそれを忘れてエスデスを引き留めるほうへと思考を向けた。
「あの、エスデスさん、勢いあまってキスとかしちゃあの、だめですよ?」
「何故だ」
露子の言葉にエスデスの顔が真顔になる
目が笑っていない
「いやあの・・・」
「私はようやくタツミと再会できた。もう二度と離れないぞ。絶対にタツミは私のものにする。邪魔をするなら貴様を倒してタツミを連れ帰る」
「ね、ねーちゃんをいじめるのか!?」
エスデスの腕の中にいるタツミがエスデスの言葉に反応する。
驚き、頬を膨らませて怒るタツミの姿にエスデスは更に興奮していた。
「そんな顔もするのだな!初めてみたぞ!あぁ、本当に可愛いな!」
「か、かわいいとかやだ!おんなのこみたいじゃんか!」
「素直に嫌がるタツミも可愛いなぁ・・・タツミがそういうなら露子には手を出さんぞ。安心しろ。タツミ、好きだぞ!」
「っ!?」
あまりにもテンションが上がったのか、人前でタツミの頬に口付けるエスデス。このままでは弟(タツミ)のファーストキスまで奪いかねない勢いに露子も慌てて止めに入った。
「エスデスさん落ち着いてください!子供にそれはだめです!」
「えぇい邪魔をするな露子!タツミにはしっかりと私と愛を育むということをだな・・・」
「ねーちゃんたすけて!」
小さな子供たちが楽しそう・・・いや、騒がしそうにしているのを遠目から眺めて呆れているシュラと、その様子を見て少しだけ微笑む皇帝であった。
社員1「おおう・・・」
社員2「羨ましいようなそうでないような」
社員3「・・・そういえば今更ですが・・・メタ的に言うと、なぜ我々が前書きと後書きを?」
社員4「そりゃもう朕みたいな可愛い美少女がいるからアル!当たり前のこと聞くな」
ロッドバルト「だって作者の言葉とか近況とかクソじゃないですか。読者からすれば”お前の近況なんか知るかよ死ねば?”でしょう?ならまだこちらのほうがいいですし」
社員1「それはそれですげぇけどな・・・」