氷雪の魔王と愉快な帝具使い達の話   作:椿リンカ

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社員1「後篇かぁ・・・まさか殺さないよな?」
社員2「そんな展開にはしないはず・・・だよな?」
ロッドバルト「それは見てのお楽しみですよ」
社員3「なんか、ギャグが恋しくなってきますよね」
社員4「シリアスっていうか、胃がもったりするアル」



正義の味方じゃない後編

ゴズキさんと共に声がしたほうへと向かう。夜の闇に覆われていても、喧騒の音が聞こえてくるおかげでその場所まで導かれる。路地裏に入り、少し走ると開けた場所に出た。

建物に四方を囲まれた場所らしく、子供たちが秘密基地にしそうな雰囲気を醸し出していた。

そんな少し幻想的な場所で複数人のガラの悪そうな男たちが帝都警備隊の制服を纏った男性を追い詰めているようだ。

傷口からして深手は負ってないようだが、剣が折れそうになっている・・・複数人を同時に相手にしていたのだろうが、武器のほうが早く限界が来たらしい。

 

「はっ、天下の帝都警備隊の隊長もここまでだな?」

「俺たちのお頭を捕まえやがって・・・」

「お頭の恨みを俺たちが晴らしてやるよ!」

「てめぇはここで俺たちになぶり殺しされるんだぜ?ひひひっ、さぁて・・・足から順々に切ってやろうか?」

「バァカ、まずは目を潰してからだろ」

「ぐっ・・・」

 

どうやら帝都警備隊の隊長さんらしいが・・・パっと聞くと逆恨みか何かだろうか

あまりよろしくない単語も聞こえてくる。

・・・とめないといけない。このまま放置したらあの人は殺されてしまう。

 

「おいおい、何やってんだよ」

 

ゴズキさんが男たちに話しかける。自然な立ち方に見えるが、しっかりと村雨が抜刀できるようにしているし、何より皇拳寺トップクラスの体術がある。

いきなり襲い掛かってきたとして、普通の人間ならば即座に殺せるはずだ。

 

「あぁん?なんだよおっさん。俺たちになんか用か?」

「おいおい、小さい女の子までいるぜ?親子連れかよ」

「チッ・・・邪魔くさいな、そこのおっさん、殺されたくないならさっさと帰りな」

「待てって。どうせならそこのおっさん殺して、ガキのほうは売り払おうぜ。帝都には子供好きがわんさかいるから、まとまった金になると思うしな」

「そりゃそうだな。・・・おっ、良く見りゃそこのガキ、目の色が片方違うぜ?」

 

じろじろと私を見てくる男たち・・・普通ならここで嫌悪感を示すのだろうが、残念ながらオネスト大臣やチャンプさんが性的な目で見てくることに慣れたせいか全くといっていいほど嫌悪感も恐怖感も無かった。

むしろ今住んでいる場所のほうが夜の帝都よりも遥かに危険である。主に貞操的な意味合いで。

 

「それよか、兄ちゃんたち危ないことしてるなぁ・・・そこのおっさん、大丈夫か?何があったか知らねぇけど、やめとけって」

 

ゴズキさんがそう止めるけれど、男たちは武器を構えてくる。

・・・もしも戦闘になれば、ゴズキさんは容赦なく彼らを殺すだろう。

それであの帝都警備隊の人は助かるけれど・・・目の前で誰かが死ぬのは、嫌だなぁ

 

ゆっくりと手袋を外す。少し外しただけで周囲に冷気が伝わってくるようだ

 

「お、おい・・・なんか急に寒くなってないか?」

「気のせいじゃ・・・ぶへぇっくしょい!」

 

足元の石畳に手をひたりと付ける。目標は・・・男たち5人の、足元

頭の中でイメージして、何度も重ねる。足元・・・膝下だけを凍らせるようにだけ・・・

 

「ゴズキさん」

「・・・なんだよ」

「手を出さないで、ください」

「・・・はいはい」

 

その返事を聞いてから、一気に凍らせる。少し威力が強すぎたのか、壁際まで少し凍らせてしまったものの、イメージ通りに足元を凍らせることだけできた。

 

「なっ、なんだぁいきなり!?」

「どういうことだよこれは!?」

「ひいぃぃ!!つ、冷てぇ!!」

「おい、早く氷を崩せ!」

「うっ、お・・・おい!何しやがったんだ!?」

 

焦る男たちの間を通り抜けて、傷だらけになっている帝都警備隊の人へと駆け寄る。怪我をしている部分を止血するために、氷で服を破く。

 

「あの、大丈夫、ですか?」

「・・・君は一体、まさか君がエスデス将軍か?」

「いえ、違います。その、体質みたいなもので・・・」

「そうなのか・・・いや、その体質のおかげで助かった。そこの凶賊たちも殺さずに検挙できそうだからな。ありがとう。まるで君は正義の味方みたいだな」

 

そんな言葉を掛けられてしまって、思わず俯いてしまう。きっと彼の中では人助けをしてくれるような子に見えるのだろうか。ただ単に、私の自己満足のために助けただけなのに。

私はただ、目の前で人が死ぬのを見るのが辛いだけだ。自分が嫌だから、自分が辛いから助けただけだ。

・・・誰かを助けたいなんて、そんな高尚な気持ちでやったわけじゃない

 

「・・・正義の味方なんかじゃ、ないですよ」

 

そう答えるだけで、今の自分には精いっぱいだった。

 

「・・・」

 

ゴズキさんも聞いていたのだろうか、少しだけ私に視線を移して見つめてきた。さっきの私の言葉の真意を探っているんだろう。

けれど、何も言わずに私の頭を少し撫でてから、帝都警備隊の人に肩を貸した。

 

「・・・ごめんなさい」

「・・・なぁに謝ってんだよ」

「その・・・ごめん、なさい」

「謝ってる意味が分からないな。ともかく、さっさと帝都警備隊の他の奴にでも任せようぜ」

 

その後、帝都警備隊の応援を呼んで犯人を検挙したりと少し大変だった。私とゴズキさんの身元を明かしたらすぐに解放してくれたけど・・・この感じだと夜の散歩が大臣に知られるんだろうなぁ・・・ちょっと、それだけが憂鬱ではある。

 

「ま、こんなこともあるだろ」

「そうですね・・・そろそろ帰りましょうか」

「そうだな」

 

またゴズキさんに抱えられて宮殿へと戻ることになった。

道中、ゴズキさんは何か私に言いたげではあったみたいだが、何も言わないまま部屋のテラスまで戻る。

・・・さっきの、言葉のことだろうか

 

「ま、それなりに疲れたから寝れるだろ」

「ありがとうございました・・・」

「気にするな」

 

そう答えてベッドまで行くと・・・チャンプさんがいた。

部屋が暗いから鮮明には見えないものの、息をいつもよりも荒げている。あとこれはたぶん下半身は見ないほうがいいだろう。鼻につく臭いがしているのは気のせいだと思いたい。

 

「あっ」

「・・・」

「いや!これは違うぜ!決して枕とシーツの臭いで興奮していたわけじゃ・・・」

 

即座にチャンプさんをエネルギードレインで気絶させたことは、今思い出しても大人げなかったかな、とは感じている。

 

 




社員1「そういやさ、露子って最近はやりの“無条件で愛される系コミュ障もしくはモブ女子”なのか?」
ロッドバルト「・・・露子さんの現在の相手は?」
社員2「オネスト大臣(黒幕・メタボ・変態・無条件っていうか半分は野望遂行目的)」
社員3「チャンプ(ペドフェリア・ショタもいける・変態・メタボ)」
社員4「ロリコンに限定するなら、チョウリ(使用済み靴下好き)にスピア(着用中パンツ好き)にシュテン(ノータッチ信念のロリコン)がいるアルな・・・あとはドM枠でスズカ・・・」
ロッドバルト「さて、露子さんを好いていそうな方々を見て・・・露子さんが羨ましいですか?無条件に愛されてると言えますか?というか、愛されてるんですかねこれ。性欲交じりのほうが多いと思いますが、愛されてると思います?」
社員1「いや、全然」
社員2「まじご愁傷様」
社員3「本当に勘弁してあげてください」
社員4「これでさらに変なの追加されたら本当に可哀相アル」
ロッドバルト「いやー、流行りに乗りたいところですが、なぜか当社がやると脱線事故を起こすんですよねぇ」

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