氷雪の魔王と愉快な帝具使い達の話   作:椿リンカ

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ロッドバルト「やっとアカメさんやクロメさんが出ますよ」
社員1「やっとか・・・」
社員2「んで、どういう流れになるんだろうな」
社員3「どうですよ、帝国の腐敗は・・・まぁ、少なくはなってるはずですし」
ロッドバルト「それでも後継者争いや革命軍的な組織はありますよ。原作ほどの組織力は無いでしょうけどね」
社員4「・・・朕も出たい」
ロッドバルト「予定は今のところゼロですが、あなた方の番外編を望む声があれば考えますよ」
社員4「本当アルか!?」
ロッドバルト「可能性が全くないので言い切ります」
社員1「まったくないとか言うなよ」
ロッドバルト「無いですね。それにしてもギャグが少ないので困りますね」
社員1「いや、ま、それは内容的に仕方ないし」
ロッドバルト「まぁ、次回はどう考えても露子さん無双(笑)なのでいいですけどね」


変換編
緊急!選抜試験阻止事件開始


虫の知らせというものが世の中にはある。

そして今、何かこう嫌な予感がしたのだ。

・・・起きたばかりで嫌な予感ってのも、目覚めが悪いけれども

 

100万回も人生を繰り返してきたおかげか、スキルとは呼べないが直観力は鍛えられたと思う。

・・・そりゃ、奇襲攻撃されたり不意打ちされたり助けようと思った人間が次の瞬間に殺されたりしたから・・・

 

「・・・」

 

適当に着替えてダイニングルームへと向かう

オネスト大臣とシュラさんはすでに食事中のようで、香ばしいトーストの香りやイチゴジャムの甘い匂いが鼻孔を擽ってくる。

 

「おはようございます露子さん」

「おはようございます、オネスト大臣」

「・・・」

「シュラさん、おはようございます」

「・・・おう」

 

さて、とりあえずこの嫌な予感は何なのだろうか

この直感は大体、何かしら人が死んだり負傷するときのものだ

・・・今の時間軸で負傷や殺人となると暗殺者が紛れ込むのだろうか?

 

「・・・あの、オネスト大臣」

「なんです?」

「今日はその、警護担当は誰ですか?」

「羅刹四鬼のシュテンだけです」

「・・・?」

 

シュテンさんだけ?

確か警護は2人以上じゃなかっただろうか。何かあった時のために、と。

いつもはシュテンさんとゴズキさんがコンビで組んでることが多いのに、今日はシュテンさん一人だけ・・・か

 

・・・シュテンさんか、大臣か、シュラさんか・・・誰かが怪我でもするのか?

いやでも、もしてかしてゴズキさんが何かトラブルに巻き込まれるのだろうか

 

「あの、ゴズキさんは?いつもコンビですよね?」

「え?あぁ、彼には別の仕事を頼んだのですよ。大事な仕事ですよ」

「大事な・・・?暗殺とかじゃないですよね」

「いえいえ、ただ今日は試験監督・・・・・・いえ、なんでもありません」

 

・・・試験監督?

ゴズキさんが何の試験を監督するんだ?

 

・・・・・・まさか

 

「試験ってなんですか」

「・・・いえ、貴方には関係ありませんよ」

「・・・」

 

・・・アカメちゃんやクロメちゃんたちが、樹海を脱出するあの試験か

帝国が比較的平和だとはいえ、皇帝や大臣などを狙う暗殺者は存在している。

暗殺者育成機関を作ってもおかしくはない

 

「・・・関係ない、なんて、そんな」

「貴方はゆっくり過ごしていてください、できれば私と一緒に」

「・・・妻として、ですか?」

「もちろん」

「・・・後妻として迎える人間にも、言えないことがあるんですね」

「い、いえそれは・・・まぁ、仕事のことですし」

「・・・」

「そんな下っ端の使い捨てのような人間のことなんて、貴方はこれから気にしなくても良いのですから」

「・・・」

 

***

 

親父と会話して、すぐに静かに立ち去る露子の後を追いかけた。

 

「おい、先生さんよ、いったいどうし・・・」

「・・・」

「どこ行くんだよ」

「・・・」

 

そのまま露子は黙りこくって危険種たちのいる厩舎まで歩いて行った。

俺もそれについていく形にはなるのだが、「どうした」と後ろで声を掛けられた

立ち止まらずに振り返ると、小さな少女がこちらについてきていた・・・少女っつーか、知ってる相手だが。

 

「エスデスの姉ちゃんかよ」

「大臣の息子、どうしたんだ?」

「露子の奴、親父と話してて機嫌が悪くなってよ・・・なんか、試験がどうとか言ってたが」

「・・・試験。ふむ・・・暗殺者育成機関が先日立ち上げになったのと関係があるのかもな」

「そういや親父がそんな話してたな」

「確かアカメやクロメの奴が機関に収容されて育ったはずだが、その試験があるのかもな」

「・・・あんたもループしてる記憶があんのかよ」

「隠しているわけではない。そもそもお前もあるのだからお互い様だ」

「・・・気が付いてたのかよ」

 

相変わらず我が道を行く女っつーか、恐ろしく勘も働くよな

・・・タツミの野郎がある意味哀れに思えてきたな

 

そうこうしているうちに厩舎に到着すると、いつもは少し騒がしいはずの危険種たちが大人しくしていた。

いや、なんつーか怯えてるのか?

隅っこのほうに縮こまって様子を伺っているといったほうが正しいだろう

 

「・・・ほぉ、露子のやつ、こんな能力も持ったままだったのか」

「・・・あん?」

「知らないのか?奴はあまり使ってなかったが、危険種を従える力もあるのだぞ」

「まじかよ」

「あぁ。あまり使ってなかったようだったが・・・おっと、いたぞ」

 

エスデスの姉ちゃんに言われて視線を移すと、露子が厩舎の管理をしている奴に足止めされていた。

帝具で危険種を従えているからこそ、危険種たちの様子がおかしいことに気が付いたらしい。

 

「おい露・・・」

 

声を掛けようとしたと同時に、厩舎の管理者がぶっ倒れた

 

「っ!」

「・・・エネルギードレインの力も健在、か」

 

急いで露子のところへと向かう

 

「おい、何してんだよ!」

「・・・」

 

俺が問いただしても黙ったままだ。

前髪とメガネで分かりにくいが、表情は心なしか怒っているような気がする。

 

「露子、これからアカメ達の試験をぶち壊しに行くんだろう?」

 

エスデスは露子に近づいて、不敵な笑顔を浮かべている

なんでこいつはこうも楽しそうにしてんだ・・・

 

露子は黙ったまま頷いた

・・・っておい、まじか

 

「そんなことやったら親父だってさすがに・・・」

「・・・」

 

俺が説得する前にエスデスの姉ちゃんは露子の手を掴んで危険種の背へ乗ろうとし始めた。

露子は特に抵抗もしていないようで、自分も乗ろうとし始め・・・ってまて!なんでそうなってんだよ!

 

「お前らなんで乗ろうとしてんだよ!」

「・・・」

「試験会場に行くには手っ取り早いぞ」

「そういうことじゃねーよ!」

 

「私もついていこう、露子」

「・・・ありがとうございます」

「おい!話を聞け!てか俺のことを放置していくなんてふざけ・・・」

 

「なんだ?別にお前はついてこなくてもいいぞ」

「・・・」

「・・・う、うるせぇな!俺も行くに決まってんだろ!」

 

乗せられた気もしなくもないが、仕方ない

・・・つーか、これ、露子怒ってるのか?

怒ってる姿は見たことねーけど・・・・・・親父のフォローをしとくか

 

・・・ついでに、今のうちにクロメとアカメのやつを自分の部下にしちまうか

使えるし、それに自分のものにしとけばウェイブの野郎への意趣返しになるからな

 

 

そんなことを思っていたシュラではあったが、エスデスはこっそりと「なるほどこういうのがツンデレというものなのかもしれないな」とか思っていたのは秘密である




ロッドバルト「露子さんはですね、怒ると・・・」
社員1「怖いとか?」
ロッドバルト「いえ、面倒なんです」
社員2「なんだよそれ」
社員3「そこは怒らせると怖いとかテンプレなのでは?」
ロッドバルト「怒るとまず黙ります」
社員4「ふんふん」
ロッドバルト「そして物でも人でも八つ当たりします」
社員1「・・・お、おう・・・」
ロッドバルト「冷静になれば自分のしたことを後悔するタイプなのですがね・・・」
社員2「その言い方はまさか」
ロッドバルト「はい、実は1話目のタツミ憑依さんにガチで怒ってたせいか、私、あの会話の後に椅子で殴られたんですよ」
社員3「なぐっ・・・」
社員4「まじアルか」
ロッドバルト「本当です」

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