氷雪の魔王と愉快な帝具使い達の話   作:椿リンカ

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ロッドバルト「次回から暗殺編ですが、筆が進まないそうなので今回は番外編です。いえ、本編で判明するかわからない事柄ですね」
社員1「どういうことッスか?」
ロッドバルト「まぁ、伏線回収できるかどうかっていうのと・・・」
社員2「どうかっていうのと・・・?」
ロッドバルト「本編は変態だらけのギャグ時空でいたいじゃないですか」
社員3「あんたそれが目的か」
社員4「そういうのは本編で・・・・・・」
ロッドバルト「それよりも本編はより変態性を追求しますよ」
社員1「ってかベルベット・・・」
ロッドバルト「ペルソナネタですがそれがなにか?」


外伝:皇帝陛下と●●●のベルベットルーム

自分の私室とそっくりな造りをした部屋で目が覚める。眠り始めるといつもこの場所にやってくるせいか、普段からあまり眠った気分とは言い難い。

 

机に突っ伏して寝ていたのだろう。椅子から降りてベッドへと向う

 

「まだ眠っているのか?」

「ん・・・」

「起きろ」

「・・・んっ、あぁ、お前か・・・」

「今日も公務が終わったのでな」

「・・・そうか」

 

眠っていた少年にそう声を掛ける。余の若い頃に少し似ている顔立ちのせいか、何やらドッペルゲンガーという伝承を思い出してしまう。あれは確か出会えば死ぬというものだったな・・・縁起が悪いことこの上ない。

 

しかし、決定的に余とこやつでは違うことがある

 

こやつは・・・そう、ループ時の記憶を持っている。

余はそういった記憶は一切持っていない・・・いや、そもそも余はこやつとは違う人間なのだから、違っていて当たり前か。

 

世の中でいう「二心同体」という状態・・・なのだろうな。

 

普段の公務は余が使い、プライベートではこやつに体を使わせている。

 

「露子とやらに会えたようだが、どうだった?」

 

「・・・余よりも幼い姿だったな。少し新鮮だった」

 

「良かったな。気に入っていたのだろう?」

 

「・・・あぁ、気に入っていた。しかしオネストの後妻になるかもしれないとはな」

 

「やはり気に入らぬか?余が更迭しておいてもいいが」

 

「そっ、それはダメだ!」

 

「・・・相変わらず情に流されやすいな。余とは大違いだ」

 

「そ、そんなことはないぞ!」

 

「説得力が無いな」

 

・・・余とは違い、あまりに幼くて純粋な者だとは思っている。

少しだけ羨ましいと思うけれど、皇帝陛下としては不向きなのだろう・・・信じすぎるのだ、こやつは。

 

オネスト大臣のことも、未だに捨てきれないのがその証拠だ

皇帝としての人を見る目・・・心眼が圧倒的に足りない。人生経験の浅さ以上に、人を信じたいという善意が強すぎる。

 

「反乱分子は処分すべきか、それか自身の力を見せて圧倒させるほかはないぞ」

 

「・・・余には、全く足りぬな。そのような力は余は持ってない」

 

「お前はまだ幼い。それに箱入りで育てられたのだ、致し方ないだろう」

 

「・・・・・・そう、か?」

 

「未熟だと思うならばもう少し表に出て人と・・・家臣たちと触れ合うがいい。生の人間とのやりとりこそ経験豊かになるというものだ」

 

幼い少年にそう応えるものの、余からすればあまり皇帝には向いていないと判断している。

余のカリスマ性を受け継いでいるものの、あまりにも経験値不足が目立ちすぎる。

 

「・・・また眠くなってきたな」

 

「またか・・・いや、子供だから仕方あるまい」

 

「・・・・・・すまない」

 

「あまり気にするな、それにお前を狙っている刺客もまだいるのだ。身の安全が確保されるまでは表に出るのを控えたほうが良いだろう」

 

「・・・うむ、そうだな・・・」

 

「・・・」

 

「・・・その、そろそろ名を教えてくれぬか?」

 

「お前が立派な皇帝になったら、教えよう」

 

「・・・意地悪だな」

 

「そんなことはない。そう思う前に学べばいい」

 

毎日似たようなやり取りをしながら、また目の前の少年がベッドで眠る

・・・やれやれ、子の扱いは千年も前から慣れないものだ。

 

ベッドの縁に座って、少年の頬を撫でる

こんな幼いうちに皇帝の重責を背負うとは・・・

 

「こんばんは、お元気みたいですね」

 

耳障りな男の声が聞こえた。

・・・いつも通りに、部屋の机にいつの間にか銀髪の悪魔が座っていた。作法のなっていない無礼者だな・・・

 

「・・・元気も何もないだろう」

「二心同体生活には慣れたようですね」

「・・・悪趣味な悪魔め」

「悪趣味なのはあなたでしょう。いい加減、貴方の正体を教えて差し上げればいかがですか?」

「・・・」

「彼はきっとあなたを二重人格か何か、そういうものだと認識していますよ?」

「・・・それで余はかまわぬ」

 

癇に障る悪魔だ・・・いや、悪魔だから当たり前か

千年前にも似たような輩はいたが、それよりも悪質には違いない。

 

「しかし、露子さんのためにここまで準備しておいてよかったですよ。見ていて楽しいです」

「・・・人間を玩具扱いしているゲスが」

「当たり前じゃないですか、人間という存在は最高の玩具で人形で・・・美味しそうな食事ですから」

「・・・」

「あなただって、人を使う側の人間じゃないですか」

「・・・」

 

「始皇帝たる貴方も私も、同じ穴の貉ですよ」

 

嫌味ったらしい表情で言い切る悪魔を睨みつける

 

・・・本当に嫌な奴だ

 

「あなたはまだまだ、皇帝陛下の心の支えになってあげてくださいね。さぼっちゃだめですよ?」

「・・・言われなくとも分かっている」

「そのためだけに、貴方の魂を皇帝陛下の中に入れたのですからね」

 

にやにやと童話の笑う猫のような笑みを浮かべている奴を殴りつけたくなる

 

・・・何を考えているかわからない、いや、ただ単に面白がっているのだろう

 

「・・・貴様は、なぜあの露子という女に入れ込んでいる?」

「面白いから、ですよ。彼女が苦しんでループしているときはとても笑いましたし、その分、魂の輝きも素晴らしいものになりました」

「・・・悪魔なら、魂を食べるのか?」

「えぇ、そうですね。ボーナスステージが終われば、食べる予定です」

「・・・本当にクズだな、貴様は」

「最高の褒め言葉ってところですね。ありがとうございます」

 

・・・あの女もろくでもないモノに目を付けられたのだな

 

ふと、あの女を思い出して少しだけ憐れんだ

 

・・・やっと手に入れた幸せの後は、悪魔に食われるだけなのだから

 




社員1「えっ」
社員2「おい社長」
ロッドバルト「まぁ、本編でバレるかわからないので。ぶっちゃけギャグで通したいんですよね」
社員3「いやいやいや、これは本編でやるべきだろ」
ロッドバルト「めんどいです。大体なんでそんなセオリー通りにやらなくちゃいけないのですか」
社員4「つくづく天邪鬼アルな」
ロッドバルト「まな板はすっこんでろ」
社員4「殺す、髪の毛バリカンで狩りつくしてハゲ死んでしまえ」

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