サリエルの日記   作:ニート天照大神

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メリークリスマス
私からのクリスマスプレゼントです


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V月K日

ハルオミが探していた赤いカリギュラを発見した。

肩に神機が突き刺さっているところから間違いないだろう。

私が倒しては意味が無いので、なんとか愚者の空母まで誘導することができた。

サカキに作ってもらった通信機でハルオミに連絡を取り、討伐準備が整ってることを伝えた。

ハルオミたちが来るまでこのカリギュラが移動しないよう足止めしていたが、見れば見るほど奇妙なカリギュラだった。

全体的に赤いだけでなく通常のカリギュラよりも強い冷気を放ったりとどんな食性したらこんなのになるんだ。

しかも手負いながらも結構な実力で足止めであること忘れてしまいそうになってしまう。

万全の状態のこいつをここまで追い込んだハルオミたちはすごいな。

そうこうしているとハルオミがギルと副隊長さんを連れてやってきた。

部外者の私が手を出すのは野暮なので作戦領域から離脱し、事の成り行きを見守ることにした。

3人は的確にカリギュラを追い込んでいくが、あと一歩のところでギルが直撃を貰い副隊長さんは神機を弾き飛ばされてしまった。

ハルオミが副隊長さんのフォローに向かうが、カリギュラの動きが素早く注意を引くくらいしか出来ない。

丸腰の副隊長さんにカリギュラが向かい、あわやというところにハルオミの射撃が神機が突き刺さってる箇所に当たりカリギュラが怯んだ。

その隙に副隊長さんが突き刺さってる神機を蹴り、カリギュラにダメージを与える。

そこにギルの渾身の一撃が決まり、カリギュラは倒れた。

こうしてハルオミとギルの仇討ちが終わり、私たちはアナグラに帰った。

 

 

V月L日

サカキからしばらく副隊長さんとともに過ごすよう命令された。

私の突発的な捕食欲求は以前よりも激しくなくなったが、今でも続いておりそれの対策に副隊長さんを使うのだそうだ。

副隊長さんたちブラッドの隊員には血の力という特殊な力があり、副隊長さんの力は『喚起』というらしい。

副隊長さんとコミュニケーションを取ったり、共に過ごしていくうちにその人の潜在能力を覚醒させる、というもだそうだ。

迷惑だろうとサカキに言ったが、すでに副隊長さんから許可を貰っているとのこと。

相変わらず手回しのいい奴だ。

さっそく、副隊長さんと共同生活を送ることとなり、今日は一緒に任務に出かけた。

相手はヴァジュラ。それなりの個体だが、特に苦戦することも無くあっさり終わった。

帰還用のヘリが来るまで時間があったので、副隊長さんといろいろ話をした。

副隊長さんはロシア支部の外部居住区出身で孤児院で育ったとのこと。

孤児院の子供たちの面倒を見つつ、働いていたところをラケル博士がやってきて孤児院の運営資金を送るためブラッドになったそうだ。

孤児院育ちのせいで他人に依存してるところがある、と自傷気味に話していたが、他人を労わり、他人を助けようと努力することは素晴らしいことだと私は思う。

もっと自信を持ってもいいと思うが、私が言ってもしょうがない。

副隊長さんと話していると、なにか強い力が胸の奥から込み上げてくる感覚がした。

まだひどく小さな感覚だが、これが副隊長さんの血の力の影響なんだろう。

私の潜在的な力か。できれば傷つけるものではなく、守る力であってほしいな。

 

 

V月M日

今日は珍しい人と出会った。

ラケル博士の姉、レア博士だ。

偶然アナグラで会ったので、研究の息抜きにラウンジでお茶することになった。

レア博士は極東に来てからときどきこのラウンジを利用しているそうだ。

他の支部がどうなっているかは知らないが、うちのようなラウンジはそうそう無いだろう。

まして、移動拠点であるフライアならば極力無駄な部分を省いているだろうから落ち着いて茶啜れる場所なんて限られてるのだろう。

なんで私を誘ったのか聞いてみると、ラケル博士が私のことをいたく気に入っていたので興味が出たそうだ。

あの博士に気に入られるなんて心底嫌だが、目の前にいるのはその姉。顔に出さないように気をつけた。

フライア側には私たち友好的アラガミの情報は流しているため、これまで目立った衝突などはない。ただ、やはりアラガミということで訝しく思う人がいるのでフライア側に立ち入ることは自粛している。

ラケル博士についてどう思っているかレア博士に聞かれたが、どう答えたものかと悩んだ。

あの人はとにかく苦手だ。だが、なにが苦手なのかと聞かれると言葉が詰まる。

私の細胞がラケル博士を警戒しまくっていることもあり、本能的に苦手な相手と決め付けているとしか言えなかった。

また、個人的にあまり信用できないとも答えた。

どうにも黒い噂が引っ付いて回るので警戒しといて損は無いと私は言った。

その答えを聞いたレア博士は驚いた顔し、ほんの少し安堵にも似た表情を見せた。

すぐに困ったような顔になり、あの子とできるだけ仲良くしてあげて、と言って仕事に戻っていった。

レア博士はこれまで警戒対象だったが、今回の一件で警戒対象から外すことにした。

ラケル博士とグルであると思っていったが、一瞬見せたあの表情からラケル博士との協力関係であることは薄いと判断した。

身内を悪く言う発言をした相手に怒りなど見せず、安堵や困り顔を見せるのはおかしい。

過去にラケル博士の手術の件もあり、あんまり強く出れないのかもしれない。

となると、その罪悪感を利用されている可能性がある。

とりあえず、レア博士は信用できる人物だろう。

運が良ければラケル博士についていろいろ聞けるかもしれない。

 

 

続く

 

 


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