自分の中でコウタがだんだん主人公になってきてるけど、たぶん大丈夫でしょう
バースト、2に比べて無印の主人公なんて空気みたいなもんでしたし
俺が初めてアイツと出会ったのは俺が考えた作戦にアイツが引っかかったときだ
自分でもこんな簡単な罠に引っかかるわけないと自信満々に立案した割には半分ほど諦めていたときアイツが引っかかった。
初めは随分間抜けな奴だと思った。
アラガミはみんな強くて怖い奴ばっかだと思っていたからかアイツが引っかかったときは緊張が解け思わず呆れてしまった。
アイツは自分が罠に掛かったことを理解するとすぐにおとなしくなった。普段から浮いてるサリエルが地面にしゃがみこんで黄昏ている姿は非常にシュールでつい笑っちまったよ。
リーダーとアリサが博士を迎えに行ってソーマが周囲の見回りに行った時、俺はアイツの見張りをしてた。アイツはアラガミとは思えないほどおとなしくしていて全く暴れる様子が無く、すぐに暇になった。そのとき、ため息混じりにバカラリーのことを呟いたらアイツは食いついてきた。
「アニメ・・・好きなのか?」
それがアイツが俺に向かって初めて話した言葉だった。
面食らったよ。アラガミが俺に向かってアニメが好きか聞いてきたんだぜ。そりゃビックリするだろ。
でも、アイツがそうやって話しかけてくれたおかげでアイツとは友達になれたと思うんだ。
それからは博士が来るまでの間、アイツとアニメの話で盛り上がったなぁ。どんなジャンルのアニメが好きか?今まで一番気に入ったアニメは?好きなキャラは?いろんな話をしたよ。で、気づいたら友達になってた。
随分あっさりと打ち解けたって?自分でもビックリだよ。アラガミと友達になれるなんて思って見なかったさ。でもさ、アイツとアニメの話してたらアイツは絶対に人を襲わない良い奴なんだって分かったんだ。こういうのを類は友を呼ぶっていうのかな?
博士がアイツにいろいろ質問をしたあと、アイツは解放された。
決して人は襲わない。それがアイツが解放された条件だった。そのときのアイツはそんなこと十分分かってるとい言いたげな顔だった。俺もアイツなら心配ないと思った。
アイツと別れようとしたとき、プリティヴィ・マータの群れに囲まれているとソーマから連絡を受け、すぐに臨戦体勢を取ろうとしたとき、アイツが動いた。
ほんの数分でマータの群れは壊滅した。向かう所敵なしの強さだった。たった一体で12匹のマータを倒しちまったんだからな。アイツが俺たちの敵じゃなくて良かったと心底思ったよ。
次にアイツと会ったのはエイジス計画の全貌を知ったときだった。
みんな計画をぶっ潰そうと活き込んでいたけど、俺は家族のこともあってそんな気持ちになれなかった。
もちろん、あんな馬鹿げた計画を潰したい気持ちはあったさ。でも、家族がアラガミに怯える心配もなく暮らせるのならそうしてあげたかった。
どっちも大切なものだからなかなか決断できなくて、エイジス島がよく見える空母のとこに行ったらアイツがアラガミを食べているところに出くわした。
アイツは俺を見ると残っていたアラガミの死体を平らげ、綺麗に血を拭き取ってから俺に近づいてきた。
あの時、結構顔に出してたみたいですぐに俺が悩んでいることに気づいた。
全部話した。エイジスのこと、仲間のこと、家族のこと、どちらも大切で迷っていること。
そしたら、アイツはこう答えたんだ。
「どっちも大切ならどっちも守ればいい。仲間とともに馬鹿げた計画を潰す。家族がアラガミに怯えなくてもいいようにコウタが頑張って戦う。そんなに難しく考えることじゃないさ」
なんか悩んでいたことが馬鹿らしくなったよ。すっげー当たり前なことだったからさ、肩の力が抜けたよ。
でも、吹っ切れたんだ。アイツの言葉で、自分の悩みは大した事じゃないって。悩むのは自分らしくないって。
アイツのおかげで踏みとどまってた一歩を踏み出せた。だから、アイツがいるこの世界を守ろうって思ったんだ。
全部終わった後、アイツに会いに行った。
エイジスでパーティーをするから一緒に来ないかと誘ったら、嬉しそうにうなずいた。
そのときの笑顔は今でも覚えてるよ。アイツの笑顔を見たらさ、こっちも嬉しくなってきてもっとその笑顔を見ていたいと思った。
でも、その後が大変だったなぁ。山みたいなウロボロスにエイジスにやってきたシユウと変なザイゴート、小さいグボロ・グボロを連れて来て、自分たちが食べる分も持参してきたんだよ。
シユウは酔って暴れそうになるわ、小さいグボロ・グボロは急に大きくなるわ、ウロボロスは中に入れない悔しさでレーザー撃ちそうになるわで大騒ぎだったよ。
まぁ、アイツの笑顔を見れたことは俺の中で一番嬉しい出来事だったよ。
これが俺とアイツの出会いさ。
どうだ、エリナ!おもしろかったか?
え?後半ほとんどは惚気話で彼氏なんていない私への当て付けかって?
いやいや、俺とアイツはそんな関係じゃないって!まぁ、否定できない部分もあるけど・・・。
アイツそもそも恋愛感情なんて持ってなくてな。恋人なんて関係にはならなかったさ。
アイツとは今でも友達だよ。妹のノゾミもアイツに懐いていてな。時々旧市街に連れてってやってアイツと会わせてるんだ。
ところで、エミールがさっきから反応ねーけどどうしたって、どんだけ泣いてんだよ!
は?人とアラガミの垣根を越えた友情に感動して涙が止まらない?
いいからさっさと泣き止め!これから出撃なんだぞ!
もっと甘酸っぱく書きたかったけど無理だった
ラブシーンなんて非リア充である私には難しいものだったよ
非力な私を許してくれ・・・