超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION   作:投稿参謀

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ある少女の成長。


第25話 一筋の光

 女神たちを捕らえているアンチクリスタルの結界。

 その下部には、どす黒い液体が徐々に溜まってきていた。

 

「ずいぶん、たまってきたわね……」

 

「あれに飲み込まれたら、どうなってしまうのでしょうか?」

 

 ノワールとベールが不安げに言う。

 

「こんなことなら、対策を研究しておくんだったわ…… わたしは自分から遠ざけることしか……」

 

 ブランが悔恨を口にする。

 

「まあまあ、みんな元気出そうよ!」

 

 こんな時でも元気なのは、やはりネプテューヌだ。

 

「今んとこ無事なわけだし、まだまだ希望はあるって!」

 その言葉にブランとノワールが少し複雑そうな顔になる。

 

「残ったオートボットたちが、助けてくれるのを期待するしかないわね……」

 

「その可能性にかけるしかない、か……」

 

「可能性なら他にもありますわ」

 

 二人の言葉に静かに反論したのはベールだ。

 女神たちは、一斉にベールのほうに視線を向ける。

 他にいったい、どんな希望があると言うのか。

 ベールは柔らかく微笑んだ。

 

「いるじゃありませんか、あなたがたの妹が」

 

 その言葉に、残る三人の女神は虚を突かれたような顔になった。

 

「……ユニ? 確かに最近は少し頼れるようになってきたけど…… それでもあの子には荷が重いわ」

「ロムもラムも、まだわたしが守ってあげなきゃいけない歳だわ」

 

「ネプギアも、しっかりしてるように見えて甘えん坊だし、無理じゃないかな?」

 

 ノワール、ブラン、ネプテューヌはそれぞれ妹に対する自分の主観を述べる。

 だが、ベールは笑顔で、しかしキッパリとそれを否定する。

 

「それは、あなたがたのエゴではなくて?」

 

 三人は、何を言われたのか理解できず黙りこくる。

 静かに、ベールは言葉を続けた。

 

「確かに、あの子たちはかわいらしい。わたくしだって、いつまでもそのままでいてほしいと思いますわ。でもそんな思いが、あの子たちを変身できないかわいい妹のままでいさせているのかもしれない。……そうは思いませんこと?」

 

 穏やかだが厳しいベールの言に、妹を持つ三人の女神は考え込む。

 その言葉を聞いて、オプティマスも考えていた。

 いざというときには、女神たちだけでも助けなければと。

 男子、三日合わざるば括目して見よ。

 頼りにしているぞ、バンブルビー。

 

「来タ」

 

 と、高台に立つサウンドウェーブが平坦な調子で一言。

 それに女神、オートボット、ディセプティコンが一斉に反応する。

 

「オートボット ト 女神ノ妹 ガコチラ二近ヅイテイル」

 

「残った奴全員で、特攻をかけて来たか」

 

 隣に立つスタースクリームは好戦的な笑みを浮かべた。

 他に手などあるまい。

 

「スデ二 モンスター ガ迎撃二向カッタ。アリス カラノ情報二ヨルト、敵ハ オートボット10、女神候補生4、人間2」

 

「寡兵だな。そんな者たちに何ができる」

 

 腕を組んだマジェコンヌはせせら笑う。

 スタースクリームは残虐な笑みを浮かべて号令をかけた。

 

「よ~し、ディセプティコン! オートボットどもを八つ裂きにしに行くぞ!」

 

『おおー!!』

 

 ディセプティコンたちは鬨の声を上げ、移動を開始した。

 

  *  *  *

 

 そして、ズーネ地区入口。

 女神候補生とパートナーのオートボットは一列に並んで、山の向こうから漏れてくる光を見据えていた。

 あそこに大切な者たちが囚われているのだ。絶対に取り返さなくてはならない。

 オートボットたちは新たな武器で武装し、候補生たちも武器を対ディセプティコン用に新調していた。

 

「ぎあちゃんたち、まだ変身できないのに……」

 

 女神候補生たちの後ろに立つコンパが不安げな声を出す。

 

「女神が失敗しても、女神の妹が頑張れば国民は納得するはず。そのほうがシェアへのダメージは少ないはずよ」

 

「それはそうですけど……」

 

 冷静なアイエフの言葉でも、コンパは納得しきれない。

 女神の囚われた姿が全世界に晒されたことで、シェアが急激に低下する可能性が出て来た。

 そうなればシェアクリスタルから候補生たちに送られるシェアエナジーが少なくなり、彼女たちの力は減ずる。

 それに、オプティマスからオートボットに「メガトロン離脱せり、好機到来。なんとしても女神を救出すべし」との連絡もあった。

 この機を逃せば次はない。これが最後のチャンスなのだ。

 

「それにね」

 

 アイエフは銃を取り出し、対ディセプティコン用特殊弾を込めながら静かに答えた。

 この弾丸と、特殊合金製のカタールなら、少なくとも足を引っ張ることはないはず。

 

「私も信じたいの。ネプギアたちなら、ってね」

 

「あいちゃん……」

 

 コンパも意を決して自分の武器を構える。

 それは、巨大注射器に似た形の、ビームガンだ。

 ホイルジャックに無理を言って作ってもらった物で、撃ちだされるビームはトランスフォーマーにもダメージを与えうるはずだ。

 

「大丈夫だコンパ、我々が全力で戦う」

 

「そのために、ここに来たんですものね」

 

 二人の後ろに立つラチェットとアーシーが安心させようと力強い言葉を発した。

 ラチェットは新しい銃、EMPブラスターを右腕に直接装着し、アーシーがエナジーボウと、銃剣一体型の新武器ソニックブレードを装備している。

 さらに後ろには、ホイルジャックが肩に新開発したマグネット砲を乗せ、槍のような物を手に佇み、レッカーズの面々がとてつもなく物騒な武器を構えて出撃の時を待っていた。

 

 やがて、ネプギアが傍らのパートナーに声をかけた。

 

「ビー…… 行こう!」

 

 バンブルビーは力強く頷き、オプティマスの声を再生して号令をかける。

 臨時指揮官としての、初仕事だ。

 

「『オートボット、出動(ロールアウト)!!』」

 

 女神候補生が、オートボットが、アイエフとコンパが、各々の役目を果たすべく動き出す。

 敵はディセプティコンが19体にマジェコンヌとリンダ、ワレチュー、それに数えきれないモンスター。

 

 絶望的な戦いが始まろうとしていた。

 

  *  *  *

 

 並み居る機械型モンスターの群れに、バンブルビーが両手持ちのエネルギー砲プラズマブラスターカノンを撃ち込んでやり、戦陣をかき乱す。

 

「はあああッ!」

 

 そこにネプギアが高出力に強化したビームソードを手に突貫し、残ったモンスターを切り裂いていく。

 

 サイドスワイプが大型ショットガンを撃ちながら違うモンスターの一団の中央に飛び込み、ショットガンから大剣サイバトロニウムソードを展開し大型モンスターを真っ二つにする。

 

「そこ!」

 

 その背に近づいたモンスターをユニの長銃から放たれたビーム弾が残らず撃ち落とす。

 

 スキッズが二連装エネルギー銃プラズマダブルバレットを連射して小型モンスターを掃討すれば、マッドフラップが手に持った銃を大斧サイバトロニアンバトルアックスに変形させて中型モンスターを薙ぎ払う。

 

「「アイスコフィン!!」」

 

 二人が取りこぼしたモンスターたちには、ロムとラムの魔法が容赦なく降り注いだ。

 

 ビークルモードのレッカーズが暴れ回っている場所は、もう地獄絵図だった。

 

「死ね! オラ、死ねぇ! のた打ち回って死ねぇええ!!」

 

「クソより価値のねえ、クソどもが!! ○○○吹っ飛ばしてやらぁ!!」

 

 ロードバスターとレッドフット、とても正義の味方とは思えない酷い暴言を吐きながら、モンスターを追い回している。トップスピンは無言でやはりモンスターを追い回していた。

 彼らのビークルモードはレース用のスポーツカーなのだが、その車体はゴテゴテと銃火器がとりつけられており、非常にヒャッハーで世紀末な外観をしている。

 全身の火器を乱射して混乱し逃げ惑うモンスターを撃ち殺していくさまは、どっちが悪役か分からない。

 それでも敵じゃなくて良かったとネプギアは考えた。

 

 モンスターたちは順調にその数を減らしていく。

 だが、戦場のど真ん中に突如砲弾が撃ち込まれた。

 

「来やがったか……!」

 

 眼前のモンスターを脳天唐竹割りにしたサイドスワイプが漏らした。

 その視線の先には、森林迷彩模様で武装だらけの戦車が、主砲の砲口から煙を上げていた。

 周りにはメガトロン直属部隊とコンストラクティコンが居並んでいる。

 先頭に立つスタースクリームが腕を振り上げ、ネプギアたちまで聞こえる声で指令を出す。

 

「ディセプティコン、攻撃を開始せよ!!」

 

 その声にディセプティコンがこちらに突っ込んでくる。

 

「『オートボット』『迎え撃て!』」

 

 バンブルビーが一同に号令をかける。

 

「さあ来いや、バラバラのスクラップにしてやるぜ!!」

 

「タマかち割ってから、ケツの穴に銃弾ぶち込んでやる!!」

 

 ロボットモードに変形したロードバスターとレッドフットは、もう酷過ぎることを言って武器を取り出す。横ではトップスピンが無言で銃を構えた。

 

「サイドスワイプ!」

 

「なんだよユニ!」

 

「信頼してるらね!」

 

 ユニの言葉に、サイドスワイプは力強い笑顔で答える。

 

「そりゃあ百人力だぜ!!」

 

 武器を構え、二人は走り出した。

 

「スキッズ、頑張ってね!」

 

「マッドフラップ、頼りにしてるよ」

 

 そう言って先に走り出すラムとロム。双子は顔を見合わせてからニッと笑い合った。

 

「頑張ってねってさ、マッドフラップ。こいつで気張らにゃ……」

 

「頼りにしてるってよ、スキッズ。これで燃えなきゃ……」

 

 双子は敵を見据えて声を合わせる。

 

「「男じゃねえよなぁあああ!!」」

 

 走り出した双子はすぐにもう一組の双子に追いついた。

 二組の双子は並んで疾走していく。

 

 さあ、戦いだ!

 

  *  *  *

 

 女神候補生とオートボットがディセプティコンと激突している場所とは、女神が囚われているフィールドを挟んで島の反対側の道。

 アイエフ、コンパ、ラチェット、アーシー、ホイルジャックは身を隠しながらここを進んでいた。

 

「始まったみたいね……」

 

 遠くから聞こえてくる爆音に、アイエフは表情を緊迫させる。

 

「ぎあちゃんたち、大丈夫でしょうか?」

 

 コンパも不安げな声を出す。

 

「信じてあげなさい。友達なのだろう」

 

 穏やかな声でラチェットが言った。

 

「今は、自分にできることをしましょう」

 

 反対にアーシーは厳しい声だ。

 コンパはその両方に頷いた。

 と、ホイルジャックが口を開いた。

 

「それじゃあ、もう一度確認しよう。そのアンチスパークフィールドはアンチクリスタルなる石の力を、機械を使って変換および拡散することで形勢されていると推察される。だからその機械を破壊すれば、少なくともフィールドを、上手くいけば女神を捕縛している結界をも無効化できるはずだ」

 

 その言葉に一同は厳しい表情になる。

 一同はオプティマスたちと女神たちが囚われているフィールドを目指していた。

 目立つ女神候補生とバンブルビーたち、隠密行動が致命的に苦手なレッカーズが敵を引きつけているうちに、アイエフら別動隊が女神たちを救出する。

 それが臨時指揮官バンブルビーの立てた作戦だった。

 

「私が発明した携帯式小型ロケットランチャーなら、フィールドに干渉されず機械を攻撃できる……はずだ」

 

 そう言ってホイルジャックは自分にとっては鉛筆大の単発ロケットランチャーを軽く振る。

 同じ物をアイエフとコンパも背負っていた。

 彼女たちでも軽々と背負えるくらいの大きさと重さで、なおかつ威力もあるのだから、ホイルジャックの技術力や押して知るべしだ。

 

「後は誰かが、結界までたどり着き、機械を無効化すればいい。それで万事解決、ハッピーエンドというわけだ! ……さあ、この先のはずだ」

 

 明るかったホイルジャックの声が緊張を帯びる。

 絶えずどこからか漏れている紫の光が強くなってきた。

 フィールドはすぐそこだ。

 ラチェットとアーシーが先に進み、その後をアイエフとコンパ、しんがりをホイルジャックが慎重に進んでいく。

 

「良ク来タナ。オートボット」

 

 その時、声がした。

 一同がそちらを向くと、一同を見下ろせる場所に、オプティックを覆うバイザーと腕のレドームが特徴的な、銀 色のディセプティコンが立っていた。

 ラチェットはその名を憎々しげに口にする。

 

「サウンドウェーブ……!」

 

「オマエタチガ、コチラカラ来ルノハ分カッテイタ」

 

 機械音声のような異様な声を響かせるサウンドウェーブ。

 さらにその周りにドレッドヘアー状の触手をうねらせるドレッズの面々と、大量の機械型モンスターが現れる。

 

「またあったYO!」

 

「これで最後だがな」

 

「ガウ、ガウガウ!」

 

 モンスターとともにオートボットたちを取り囲み、勝ち誇るドレッズ。

 さらに、

 

「へへッ! ここで終わりだぜ!」

 

 ついでにリンダもいたが、誰も反応しない。

 

「おい! なんとか言えよ!」

 

 無視されて怒るリンダを置いといて、オートボットたちは戦闘態勢に入る。

 

「ふふふ、ちょうど良かった……」

 

 絶体絶命のピンチにも関わらず、ラチェットは低く笑った。

 その声に何事かとアイエフとコンパが見上げると、ラチェットはこれまで見たこともない恐ろしい顔をしていた。

 

「オプティマスたちを捕まえてくれたうえに、偽物まで用意してくれたんだ。私もいい加減、頭に来ていてね……」

 

 そう言って右腕を回転カッターに変形させ、ディセプティコンたちに飛びかかっていく。

 

「さあ! 無料で手術してやる!! 検体になりたいのはどいつだ!!」

 

 ラチェットはEMPブラスターを乱射しながらモンスターの群れに突進し、回転カッターでモンスターたちを切り刻み、またハンマーに変形させて殴り倒していく。

 その暴れっぷりは普段の穏やかさとは裏腹に凄まじいものだ。

 だがサウンドウェーブは無感情さを崩さない。

 

「ドレッズ、攻撃開始」

 

「「おお!」」

 

「ガウ!」

 

 情報参謀の指示に、クランクケースとクロウバーは銃撃を開始し、ハチェットはオートボットに飛びかかっていく。

 それをヒラリとかわしたアーシーはエナジーボウをハチェットに撃ち込む。

 だが、ハチェットも素早い動きでエネルギーの矢をよけて見せる。

 

「しつけのなってないワンちゃんね! 今日のおしおきはスペシャルよ!」

 

 ドスの効いた声とともに、ソニックブレードの刃を展開しディセプティコンに斬りかかるアーシー。

 ホイルジャックは肩のマグネット砲を撃ちまくり、アイエフとコンパはその陰に隠れて、各々の銃でモンスターやドレッズを狙い撃つ。

 

「痛いのいくですよ!」

 

「邪魔よ!」

 

 二人の放った銃弾はモンスターたちを軽々撃破してゆく。

 さらに、アイエフの銃弾がクランクケースの肩に当たり、その装甲を抉る。

 クロウバーはコンパのビーム弾を浴びて、熱そうに身悶えする。

 強固な金属で構成されたディセプティコンの肉体に致命まで至らずともダメージを与えてくるのを見て、リンダが困惑した声を上げた。

 

「な、なんでだ!? なんで人間の攻撃がこいつらに効くんだよ!?」

 

 その声が聞こえたアイエフとコンパは大声で返してやる。

 

「いつまでも女神様やオートボットに、一方的に頼りっぱなしってのは性に合わないのよ!」

 

「わたしたちも、女神さんやオートボットさんたちをお助けするです!」

 

 二人は声を合わせる。

 

「「人間舐めんな、ディセプティコン!!」」

 

 です! とコンパが付け加えたところで、二人を守ってくれているホイルジャックが声を出した。

 

「君たち、ここは私たちに任せてフィールドを目指したまえ!」

 

 アイエフとコンパは頷くと、銃弾の嵐の中をかけていく。

 友を信じて後を任せ、友を救うために。

 

 高台から戦場を一望していたサウンドウェーブは、その動きを察知していた。

 

「クランクケース、コノ場ハ任セタ」

 

 そう言うと、両の手に振動ブラスターを構えアイエフとコンパを歩いて追い始める。

 あの二人だけなら、サウンドウェーブが慌てるまでもない敵だった。

 

「レーザービーク、ラヴィッジ、イジェークト!」

 

 だから、胸の装甲を開いて分身たちを先に送り出した。

 

  *  *  *

 

 少し時間を遡る。

 バンブルビー率いるオートボット本隊と女神候補生たちは、スタースクリーム率いるディセプティコンと壮絶な死闘を繰り広げていた。

 

 ロードバスターがチェーンソーでミックスマスターに斬りかかるが、四枚の盾に阻まれる。

 

「テメエの首を落として、壁飾りにしてやるぜ!!」

 

「カーッペッ! やれるもんならやってみろい、この空き缶野郎が!」

 

 暴言の応酬をするロードバスターとミックスマスター。

 ミックスマスターは渾身の力で腕を振るい、ロードバスターを振り払うとバトルタンクモードに変形して砲撃を開始する。

 瞬時にビークルモードになり、走り回ってよけるロードバスター。

 

 レッドフットとトップスピンは、全身の火器を発射して、ブラックアウト、グラインダーの兄弟と撃ち合っていた。

 

「我ら兄弟の力、今度こそ思い知らせてくれる!!」

 

「そうだな、兄者」

 

 ブラックアウトが大出力でプラズマキャノンを発射し、グラインダーがその間隔を埋めるように機銃をばらまく。

 

「クソが! あのホモ野郎ども、黙ってクソの山になりゃいいってのによ!」

 

「…………」

 

 レッドフットとトップスピンは動き回ってプラズマ弾と銃弾をかわしながら、全身に装備した銃火器で撃ち返す

 プラズマの波が地面を抉り、銃弾が嵐のように飛び交う。壮絶な火力の応酬に、他の者は近づくこともできない。

 

 スキッズとマッドフラップはビークルモードで、それぞれラムとロムを乗せ戦場を疾走していた。

 それを同じくビークルモードのバリケードとボーンクラッシャーが追う。

 ボーンクラッシャーはロボットモードに戻ると、脚部のタイヤでローラースケートのように滑りだし、長く太い腕を振るって双子のオートボットを粉砕しようとする。

 

「死ねや、チビどもが!!」

 

 だが、小柄な身体に合わせてビークルモードも小振りなコンパクトカーである双子は小回りを利かせてそれをよけてみせる。

 

「あたんねえよ! そんなもん!」

 

「やーいやーい! デクノボー!!」

 

 スキッズとマッドフラップはいつもの調子で小馬鹿にする。

 

「おっ死ね! ぶっ潰れろ!! 砕け散れぇえええ!!」

 

 ボーンクラッシャーは怒り狂ってさらに両腕を振るい、体当たりを試み、背中の腕を伸ばすが、全てかわされる。

 それを追い越し、バリケードがスキッズとマッドフラップに追いすがる。

 

「「アイスコフィン!」」

 

 だが、そこに窓から身を乗り出したラムとロムが氷塊を浴びせかける。

 バリケードはそれをよけるが、そのせいでスキッズとマッドフラップから離れて止まってしまう。

 そこにボーンクラッシャーが心配そうに寄ってきた。

 

「大丈夫か、バリケード!」

 

「スピード違反の上に公務執行妨害とは、良い度胸だ!」

 

 しかしすぐにエンジンを回転させて双子二組を追う。

 ボーンクラッシャーもそれを追って走り出した。

 

 並み居るコンストラクティコンの間をタイヤになっている足で潜り抜けながら、サイドスワイプはサイバトロニウムソードをショットガンにして散弾を敵の身体に叩き込んでやる。

 

「どわあああ!?」

 

「ぐおあああ!!」

 

 散弾を撃ち込まれたランページとスクラッパーが悲鳴を上げてもんどりうつ。

 

「喰らうんダナ、このスカし野郎が!!」

 

 さらに続けてロングハウルの斧をかわしながら、その顔面に狙いをつける。

 

「今度こそ味わいなさい、私のタマをぉおおお!!」

 

 ハイタワーが横薙ぎに振るう鉄球をジャンプしてかわすと、空中で回転しながら背中の四連キャノンでロングハウルとハイタワーを攻撃した。

 

「ぼぎゃあああ!?」

 

「アーーーーッ!!」

 

 痛みに悶える両者。

 綺麗に着地したサイドスワイプだが、その背にオーバーロードが飛びかかる。

 

「こんの若造ぐぁあああ!! 今度こそぉおお!!」

 

 しかし、その鋏が若き戦士の背を貫くより早く、横合いから飛来したビーム弾がオーバーロードを撃墜する。

 

「ノォオオオ!? 痛あああ!!」

 

 やかましい悲鳴を上げながら地面に転がるオーバーロード。

 サイドスワイプがそちらをチラリと見ると、ユニが銃口から煙の昇る長銃を構えていた。

 二人は言葉を交わさずに軽く笑いあった。

 

 スカベンジャーの振るう腕から、バンブルビーは逃げ回っていた。

 時にロボットモードで、時にはビークルモードで走って音を立てて迫る腕をかわす。

 

「ははは! どうだべ、オラの攻撃は! 反撃することもできないべ!」

 

 得意になって黄色いチビ助を追い回すスカベンジャーは、足元から聞こえてくる「何なんダナ……なあああ!?」「ちょ!? 何やっとるんじゃ……ぎょえええ!!」「私のタマがぁああ!」などの声に気が付かない。

 ひとしきり走り回ったところでバンブルビーはすれ違いさま振るわれる腕に取りつくと、器用によじ登っていく。

 

「なんだべ! この……!」

 

 もちろんスカベンジャーは振り落とそうと腕を振り回す。

 するとバンブルビーは腕からジャンプして、巨体のディセプティコンの顔に取りつく。

 

「うお!?」

 

 さらに腰にマウントしていたプラズマブラスターカノンでスカベンジャーの顔にゼロ距離射撃を叩き込む。

 

「ぐおわぁあああ!!」

 

 スカベンジャー痛みに足元でネプギアが引きつけてきたスコルポノックを巻き込んで思い切り倒れ込み、動かなくなった。

 一人、サソリ型メカを相手にしていたネプギアは倒れたスカベンジャーの上で電子音の勝鬨を上げるバンブルビーの勇姿を見て、確信する。

 

 いける! みんなで力を合わせれば、きっとお姉ちゃんたちを助けだせる!

 

 そう考えるのも、無理もないことだった。

 

 推移する戦場を安全な上空から見下ろし、スタースクリームは呆れた排気を出す。

 

「あ~あ、まったくどいつもこいつも情けのねえ。特にコンストラクティコンなんかいいとこねえじゃねえか」

 

 部下たちの必死の戦いをそう扱き下ろし、自分のことは際限なく棚に上げてスタースクリームは眼下で戦車の姿のままボケーっとしているブロウルに通信で指示を飛ばす。

 

『おい、ブロウル! テメエの最大火力でオートボットと下等生物どもを吹っ飛ばしてやれ!』

 

 すぐさま反論があった。

 

『馬鹿言ってんじゃねえや! んなことしたら味方を巻き込むだろうが!!』

 

 ヤレヤレとスタースクリームは首を振る。

 

『味方に当たんねえように撃ちゃいいだろ。……さあ、とっととやれ! 命令だぞ!!』

 

『……どうなっても知らねえぞ!!』

 

 ロボットモードへと変じたブロウルは、腰だめの主砲、肩のミサイル、右腕の四連バルカン、左腕のガトリング、あらゆる火器を乱射する。

 降り注ぐ砲弾と弾丸、ミサイルは、地形さえ変える威力の爆発を巻き起こす。

 さらにスタースクリームも、両腕をミサイル砲に変形させて眼下の戦場に向け発射する。

 降り注ぐ砲火からディセプティコンもオートボットも戦いを中断して逃げ惑い、ビークルモードで走り回っていたスキッズ、マッドフラップ、バリケードらは直撃こそさけたが爆風に煽られて横転する。

 サイドスワイプとバンブルビーはネプギアとユニをかばって傷を負ってしまった。

 戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。

 

「ビー! ビー、大丈夫!?」

 

「サイドスワイプ! しっかりして!」

 

 砲撃がやんだところでネプギアとユニが自分のパートナーに必死に呼びかける。

 

「『大丈夫!』『こんなのへっちゃらさ!』」

 

 軽快なラジオ音声とは裏腹に、バンブルビーは脇腹に深い傷がつき、青く光るエネルゴンが漏れ出している。

 

「問題……ないぜ」

 

 サイドスワイプは背中を爆炎に炙られてダメージを負っていた。

 横転したスキッズはロボットモードに変形すると、腕の中のラムに必死に声をかける。

 

「ラム! 大丈夫か!?」

 

「う、うん。ビックリした~」

 

 ホッとするスキッズ。失礼を承知でスキャンしたが怪我はなかった。

 シートベルトとエアバックに感謝だ。

 自分は少し頭がへこんで左脇に傷がつき右足のフレームが歪んでいる程度だ。問題ない。

 横ではマッドフラップも同じように立ち上がる。

 

「マッドフラップ! そっちは無事か!?」

 

「ああ、俺大丈夫、俺大丈夫……」

 

「おまえじゃねえよ! ロムは大丈夫かって聞いてんだ!」

 

 スキッズの声に、ロムはマッドフラップの影から顔を出す。

 見た所怪我はないが、怖かったのか泣き顔だ。

 

「ラムちゃん、スキッズ…… マッドフラップが…… マッドフラップが……!」

 

 その声にハッとなってマッドフラップの身体をスキャンし、大声を出した。

 

「おめえ! どこが大丈夫だ!」

 

 マッドフラップの背中には、廃棄物の欠片らしき大きな鉄片が刺さっていた。

 トランスフォーマーにとっては致命傷ではないが大怪我だ。

 

「だから大丈夫だって…… ほら、ロムは無事だろ?」

 

「ッ! 馬鹿野郎……!」

 

 何でもないように言うマッドフラップを思い切り殴りたかったが、それどころではない。

 ボーンクラッシャーとバリケードが、すぐそこに迫っていた。

 

 地獄と化した戦場をただ一人無傷で睥睨するスタースクリームはしかし不満げな表情だった。

 

『危ねえじゃねえか! 何考えてやがる!!』

 

『スタースクリーム、貴様……!』

 

『おまえ、俺たちを殺す気か!!』

 

 部下たちは通信で矢継ぎ早に罵詈雑言をぶつけてくる。

 それよりもオートボットだ。全員無視できない程度の損傷を負っているがくたばってはおらず、下等生物を後生大事に守っている。

 

『おい、ブロウル! オートボットがくたばってねえじゃねえか! どうなってやがる!』

 

『仲間に当たらないように撃ったんだ! だから近くにいたオートボットにも当たらなかったんだろうよ!』

 

 その答えにスタースクリームは不機嫌に舌打ちのような音を出す。

 ならばオートボットどもにさらなる絶望を与えてやらなければ。

 スタースクリームのセンサーは、オートボットの一匹、黄色いチビ助とそのペットを捕らえていた。

 

  *  *  *

 

 女神たちの囚われているフィールドを目指すアイエフとコンパ。

 ついにフィールドが見える場所まで辿り着いた。

 

「……ここからだと、メッセージを伝えることはできないわね」

 

 アイエフはイストワールからネプテューヌへのメッセージを預かっていたが、ここからだと遠過ぎてメッセージが聞こえないだろう。

 だが、ロケットランチャーなら届くはずだ。

 すぐさま三角錐状の結界の頂点に位置する機械に狙いを定める。

 

「お願い、効いて!!」

 

 祈るような言葉とともにトリガーを引くアイエフ。

 ロケット弾は一直線に機械目がけて飛んで行き、命中した。

 轟く爆音に女神たちとオプティマスたちが何事かと顔を上げる。

 

「やったです!」

 

 コンパが歓声を上げた。

 しかし……

 

「な!?」

 

 結界は健在だった。

 機械の周りにバリアーのような物が張られているのが、遠くからでも見えた。

 もちろん、それで諦める二人ではない。

 

「一発でダメなら、二発です!!」

 

 すかさず自分が背負ったロケットランチャーを構えようとするコンパ。

 だが、アイエフは後ろから迫る気配に気が付いた。

 

「! コンパ、伏せて!」

 

「ヘ?」

 

 一瞬呆けるコンパを押し倒すアイエフ。その頭上を銃弾が通り過ぎて行った。

 見るとそこには、二人を挟むように左右に陣取った機械の豹と鳥が体から直接突き出た銃口をこちらに向けている。

 

「残念だったなあ…… さあ、お嬢ちゃんたち大人しくしな!」

 

 甲高い声でレーザービークが警告するが、アイエフもコンパも大人しくする気はない。

 銃を構える二人だが、二体の動物型ディセプティコンは油断する様子はない。

 

「レーザービーク、ラヴィッジ、良クヤッタ」

 

 さらに、銀色のボディのディセプティコン、サウンドウェーブも姿を現す。

 これは、万事休すか。

 アイエフの頬をイヤな汗が流れ落ちた。

 

  *  *  *

 

 オートボットの有利は瞬く間に覆された。

 

『バンブルビー、バンブルビー! マッドフラップがやられた!』

 

『こちらレッカーズ! クソったれどもに囲まれた!』

 

 この場にいるオートボットの全てが危機に見舞われていた。

 まさか乱戦状態のときに火力で攻めてくるとは思っていなかった。

 だが、悔いている暇はない。

 

「ビー!!」

 

 何か打開策はないかというバンブルビーの思考は、ネプギアの悲鳴じみた声にさえぎられた。

 スタースクリームが、目の前に降りてきたのだ。

 

「残念だったなあ、オートボットども。これでゲームオーバーだ!」

 

 そう言うと腕の機銃をこちらに向け、容赦なく弾丸を浴びせかける。

 バンブルビーはネプギアを抱きかかえるようにして弾丸から守った。

 スタースクリームの機銃に、一撃でトランスフォーマーを戦闘不能にする威力はない。

 この冷酷なディセプティコン航空参謀は、若きオートボット臨時指揮官をなぶって楽しもうというのだ。

 

「ひゃはは、ひゃーっはっはっはっ!!」

 

 高笑いとともに機銃を撃ち続けるスタースクリーム。

 バンブルビーの装甲が砕かれ、致命打となるのも時間の問題だった。

 それでも、せめてネプギアだけは守ろうと決してその場を離れない。

 

「ネプギア!!」

 

「バンブルビー!!」

 

 ユニとサイドスワイプが、それを助けようとするが、群がるコンストラクティコンに阻まれて身動きが取れない。

 スキッズは、マッドフラップに肩を貸しながらボーンクラッシャーとバリケードから逃げるので精一杯だ。

 ロムとラムは必死に魔法を撃つが、恐怖と混乱で上手く当たらない。

 レッカーズでさえ三方から浴びせられる砲火に、少なからぬダメージを負っていた。

 

 もはや、誰もバンブルビーとネプギアを助けることはできない。

 

 ――どうしよう、私、間違ってた……

 

 ネプギアはバンブルビーに守られながら、悔恨に沈んでいた。

 

 ――やっぱり、ビーたちの足を引っ張ってる。私のせいで、ビーが、みんながやられちゃう……

 

 絶望が心を浸食し、思考が闇に閉ざされていく。

 

 ――なんにもできないよ…… 助けて、お姉ちゃん……!

 

 その瞬間、ネプギアは気付いた。

 

 ――また、お姉ちゃんを頼ってる……! でも、だけど私、やっぱりお姉ちゃんがいなきゃ……

 

 不意に、かつて聞いた言葉が脳意をよぎった。

 

『お姉ちゃんが言ってた…… アタシが変身できないのは、自分の心にリミッターをかけてるからだって……』

 

 ――心の、リミッター……

 

『何かを怖がってるとか、そういうことよ……』

 

 それは、誰よりも頑張り屋の親友の言葉。

 

 ――私が怖がってることって…… お姉ちゃんやビーがいなくなること? お姉ちゃんの妹じゃいられなくなること?

 

 それはどちらも恐ろしいことだ。だが、違う。

 

 ――私がお姉ちゃんよりも強くなることだ!

 

 いつまでも、子供のままでいたかった。

 自分より強い者に守られていたかった。

 

 ――私、ずっとずっとお姉ちゃんに憧れていたかったんだ!

 

 姉の背中を追いかけていたかった。

 姉の背中に追いつきたくなかった。

 それは依存にも似た、姉への全幅の愛。

 

 ――だけど、お姉ちゃん取り返すためなら!

 

 しかし、ことここに至っては、愛する姉の危機を助けられるのは自分しかいないのだ。

 

 ――ビーを助けるためなら!

 

 自分を支えてくれた、友の窮地を救えるのは自分しかいないのだ。

 

「私、誰よりも強くなる!!」

 

 その現実が、少女を一つ、大人にさせる。

 柔らかくも鮮やかな光りがその肢体を包み込み、ネプギアを変身(トランスフォーム)させてゆく。

 バンブルビーは、目の前で姿を変えゆくパートナーにオプティックを奪われる。

 姉とお揃いの薄紫の髪は、淡い桜色を帯び。

 衣服は清純なる白いレオタードへと変じ、

 瞳には女神の証たる紋章が輝き。

 そして、背には光の翼が開く。

 

 プラネテューヌの新たなる女神、パープルシスターが、ここに羽化した。

 

 スタースクリームは思わず銃撃を止め、彼から見て突然の、しかし必然の帰結である出来事に驚愕する。

 

「なッ! 新しい女神だと!?」

 

 パープルシスター、ネプギアはその手に新たな武器、ビームガンブレード「マルチプルビームランチャー(M.P.B.L)」を召喚する。

 そして銃身にエネルギーをため、友を痛めつける敵めがけて撃つ。

 

「ぐおおお!?」

 

 顔面にビームを受け、スタースクリームはたまらず顔を押さえて後ずさる。

 ネプギアは高く飛びあがると、眼下の敵全てに向けて銃撃を開始する。

 

 空からのビームにコンストラクティコンたちは悲鳴を上げてのた打ち回る。

 ユニは空を見上げて破顔した。

 

「ネプギア!」

 

 降り注ぐ光線に、ボーンクラッシャーは命中した場所を押さえ、バリケードは距離を取ってそれをよける。

 ロムとラムの顔が希望に輝いた。

 

「ネプギアちゃん!」

 

「すごーい!!」

 

 ネプギアの撃ちだすビームは狙い違わず命中し、ディセプティコンを怯ませていく。

 パートナーの勇姿に見とれていたバンブルビーだが、すぐに自分の身体の異変に気が付いた。

 傷が、治っていく。

 脇腹の大きな傷も、機銃を浴びてできた傷も、見る間に癒えていく。

 それだけではない。

 スパークから力がわき上がる。全身に溢れそうなほど活力がみなぎる。

 

 これなら、まだ戦える!!

 

「小娘がぁ、よくも……ッ!?」

 

 バンブルビーは体勢を立て直そうとするスタースクリームに素早く近づくと、右腕のブラスターを胴体目がけて撃ち放つ。

 

「ぐわああああ!!」

 

 悲鳴を上げて吹き飛び、仰向けに倒れるスタースクリーム。

 

「『オートボット』『走れ!』『続け!!』」

 

 臨時指揮官の号令に、オートボットたちは我に返った。

 痛む体を押してビークルモードに変形し、混乱するディセプティコンを置いて走り出す。

 女神を捕らえているフィールドに向かって。

 オートボットの作戦目的はディセプティコンを倒すことではない。

 あくまでも捕らえられた女神と仲間の救出なのだ。

 

「……ッッ! 何してる、追え! 追えぇえええ!!」

 

 激痛の中から立ち上がったスタースクリームが喚き散らす。

 その声にディセプティコンたちも正気に戻り、ビークルモードに変じて旧敵たちを追いかける。

 

 ネプギアは、まだ遠い、三角錐の結界とそれを取り巻くドーム状のフィールドを凛として睨む。

 

「引くことだけはできません! ……だから!」

 

 不退転の決意を、改めて言葉にする。

 

「やるしかないの!!」

 

 一筋の閃光となってネプギアは姉のもとを目指す。

 

 今、戦いは新たな局面を迎えた。

 




今回オートボットたちが使った武器はメックテックと呼ばれる、玩具の付属品が元です。(ホイルジャックのみG1モチーフのオリジナル武器)

次回、現れるさらなる強敵。
女神の力を簒奪せし魔女。天災の名を冠した怪物。
女神候補生たちとオートボットは大切なものを取り返すことができるのか?

そろそろ遅くなる詐欺とか言われそうだけど、正直、早くなるか遅くなるかは作者にも分からない。

……ところで当作品オリジナルのギミックというか能力というかはアリでしょうか?
主にスキッズとマッドフラップの。

では、ご意見、ご感想お待ちしております。

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