超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION 作:投稿参謀
女神を討った俺たちが街に戻れば、街は歓喜の声に包まれていた。
当然だ。自分たちを苦しめる恐ろしい存在がいなくなったのだから。
空中神殿は、何処かに飛び去ってしまったようだ。
いつの間にか、あの魔剣も誰かが持ち去っていた。
皆が俺を褒め称えてくる。
だが喜びなど、微塵も感じなかった。
胸の内にあるのは、どうしようもない空虚さだけだ。
この20年は、俺の戦いは、いったいなんだったのろうか?
「呪われろ! 呪われろ! 裏切り者ども!!」
突然、つんざくような声が聞こえてきた。
「お前たちの望み通り、こんな国無くなってしまえばいい!! ……うわぁああああ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!」
呪いの言葉は、後半は泣き叫ぶ声に代わっていた。
誰もがその声に恐れおののき、震えていた。
ただ、俺は何となく思ったのだ。
生きていてくれて良かったと……。
山が火を噴きし、火の玉がタリの街に降り注ぎ、溶岩と黒雲がこちらに迫ってくる。
皆が悲鳴を上げて逃げ惑うなか、俺はそこに立ち尽くしていた。
その時俺の耳に聞こえていたのは、噴火の轟音でも、周りの人々の悲鳴と怒号でもなく、彼女の……女神の泣く声だけだった。
俺は結局、最後まで彼女を救うことができなかった。
この人生に、意味などなかったのだ。
目を瞑った俺の体が土石流に呑まれ、何も感じられなくなった……。
これで、俺の人生は終わった。
だが、それで終わりではなかった。
「メガトロン。何かあったのか? ……白のスカウトをKの12へ」
「何か、とは? ……黒のシーカーをビークルモードに変形させてBの5へ。これで白のサイエンティストをもらう」
今日も政務の合間にチェスに似たゲームで対決するオプティマスとメガトロン。
宿敵の問いに、メガトロンは質問で返した。
「今日のお前は、明らかに精彩を欠いている。……白のスナイパーによる狙撃。シーカーを撃破」
「貴様に分かるのか、そんなことが? ……黒のデストロイヤーをEの5へ。基地を攻撃」
「分かるさ。長い付き合いだ。普段はしない悪手ばかりだしな。……白のリーダーによる宣誓、リーダー、スナイパー、スカウトによる同時攻撃」
そう言うオプティマスに、破壊大帝は肩をすくめる。
「まあ、色々な。……黒のソルジャー5体を
「む! そう来たか。……レイのことだろう?」
ピクリとメガトロンは眉根を上げた。
そんな様子を見て、オプティマスは柔らかい笑みを浮かべた。
「いつだったかも言ったな。一人で抱え込まず、相談してはくれないか?」
「お前に、か?」
「少なくとも、このジャンルについては一日の長があると自認している」
そう言われて沈黙するメガトロンだが、やがて深く深く排気した。
確かに、女神と恋人になったのは、こいつの方が先だ。
敗北の苦い経験と共に、忘れ難い。
「いいだろう。だが、今日の仕事が終わってからだ。……それとフレンジーも同席させたい」
「分かっている。……しかし、すっかりお前の相談役だな、フレンジーは」
「…………」
苦笑気味なオプティマスから視線を逸らすメガトロン。
以前に宝冠をレイに贈った時から、彼女に関する件は自分に相談するようにとフレンジーから言われていた。
何だかもう、完全にメガトロンに対する恐れとかは何処かへいってしまったらしい。
そして、政務が終わった後のこと。
『それはメガトロン(様)が悪い』
「む、むう……!」
官邸の一室でテーブルを囲んでオプティマスとフレンジーに昨夜のことを打ち明けてみれば、辛辣に返された。
フレンジーはオイルの器を揺らしながら、呆れ果てたように大きく排気する。
「まったく、恋愛についてはペーペーの素人だとは思ってたけど、ここまでとは……いっそ別れちまった方が、レイちゃんのためかもなあ」
「そ、そこまで言うか。何が駄目だと言うのだ……」
口答えをするメガトロンを、フレンジーはキッと睨み付ける。
「まずですね、子供のためとかサイバトロンのためとか、理屈をグチャグチャ語ったのがいけませんね! 言ったでしょう! 男らしくって!!」
「だ、だから正直にだな……」
「シャラップ! その上で物で釣ろうとするとか、最低最悪ですよ!! 何ですか、宇宙船に宮殿? 舐めてんのか!! レイちゃんは金や物目当てに結婚するような安い女か!!」
よほど頭に来ているらしく、主君に向かって怒号を上げるフレンジー。
激怒するフレンジーとは対照的に、オプティマスは静かにたずねた。
「……メガトロン。お前は何故、レイに結婚を申し込もうとしたんだ?」
「だから言っているだろう。サイバトロンのために……」
「それ以上言うようなら、私はまたしてもお前を見損なっていたことになる」
冷たい声色のオプティマス。フレンジーの視線も冷たい。
「他にあるはずだ。もっとずっと単純で、何よりも大切な理由が」
「そもそもですね。メガトロン様は何たってレイちゃんを助けだしたんです? あのザ・フォールンに挑み、ボロボロになりながらも。……本当は分かってるんでしょう?」
諭すように言われて、メガトロンは黙考する。
……いや、考える間でもない。二人の言う通り、自覚はしているのだ。
だが、それをレイに伝えるのに足踏みする理由があった。
「最近、スリープモード時に夢を見る……」
平時の豪放さはなく、不安げにメガトロンは言葉を漏らした。
オプティマスとフレンジーは黙ってそれを聞く。
メガトロンは、最近見る夢のことを話した。
妙にリアリティに溢れ、メガトロンをして単なる夢と割り切れない。
あの人間の剣闘士とタリの女神の物語を。
「思うのだ、あの夢はもしや……俺の前世、という奴なのではないかと」
「なるほどな」
オプティマスは深く頷いた。
彼自身、恋人であるネプテューヌがエリータ・ワンの生まれ変わりであることを察していた。
トランスフォーマーの魂は、オールスパークを介してサイバトロンとゲイムギョウ界を流転している。
ならば、人間がトランスフォーマーに転生することもあり得るかもしれない。
「で、でもだったら余計にレイちゃんに……!」
「だからこそだ。もしも、あれが本当に俺の前世ならば、俺はそれに引き摺られる形で、
言い募ろうとするフレンジーを制し、メガトロンは内心を吐露する。
生まれる前からの縁。
ヒトによってロマンチズムを感じるのだろうが、宿命を打ち破るべく足掻いてきたメガトロンからすれば、それはあまり良い物とは思えなかった。
「分かっている。女々しい感情だ。そもそも夢と現実の区別を付けろと言ったのは俺だと言うに……」
「メガトロン」
自虐的に語る宿敵に、オプティマスは低い声を出す。
それから息を吐いて穏やかな口調で諭した。
「メガトロン。前世に縛られたくないというお前の思いは、分かる。だがな、重要なのはお前が今、どう思っているかだ。お前がレイと出会い、育んできた絆は前世如何に寄らず、偽りではないはずだ」
「…………」
黙り込む宿敵に、オプティマスはフッと排気する。
トランスフォーマーを代表する両雄も、戦いから離れれば一人の男に過ぎない。
「しかしレイが告白を断った理由も分かる気がする。今でも十分に幸せ……彼女はそう言ったそうだが、おそらく彼女は罪の意識を抱えているのではないか」
「…………」
レイはかつてタリの女神だった。
だがその治世は良い物とは言えず……むしろ暴政の限りを尽くし、最終的に国を滅ぼしてしまった。
それが彼女の中で幸せになってはいけないという考えに繋がっているのではないか。
オプティマス自身、戦争に対する罪悪感からネプテューヌを遠ざけようとした時期があった。
「だからこそ、お前が受け止めてやれ」
静かに締めくくるオプティマスに続いて、フレンジーも腕を組んでヤレヤレと首を振る。
「まったく、破壊大帝ともあろうもんが、何を怖気づいてんですか。……前世を怖がってんなら、つまりそれこそ前世に縛られてるってことでしょう? それに辛い過去なんざ、忘れさせてやんのが男ってもんでしょう」
「…………フッ」
二人の言葉を聞いて、メガトロンは僅かに口角を上げる。
そしてオイルを煽り、立ち上がった。
少なくと、二人の言葉は彼に決意を促すことはできたらしい。
「行ってくる。結果は後で話す」
「へいへい。自棄オイルの準備でもしてますよ」
「幸運を祈る」
――お前は、彼女を幸せにできるのか?
育成施設の通路を足早に歩くメガトロンのブレインに、不意にあの夢の剣闘士が現れた。
――お前は、彼女を幸せにできるのか?
「……俺はお前とは違う。お前のように運命に流されたりはせん」
あの剣闘士は、ひたすら状況に流されるばかりだった。
挙句の果てにレイをその手に懸けて、己の死を受け入れた。
自分は違う。断じて違う。
「何よりも、俺は……俺はレイを一人にはしない」
剣闘士が何者なのか、本当に前世なのかは分からない。どうでもいいことだ。
それより重要なのは……結局は己の気持ちだ。
「俺は、レイを愛している」
金属生命体が何を抜かすと言わば言え、破壊大帝メガトロンらしからぬと笑わば笑え。知ったことか。
ブレイン内の剣闘士は、どこか満足そうな淡い笑みを浮かべると、まるで霞のように消えていった。
育児施設の部屋に行くと、レイはおらず子供たちを任されたボーンクラッシャーに曰く気分転換のために歩きに行ったと言う。
「父上、どうかされたのですか?」
「ちちうえー、あそんでー!」
「すまないなガルヴァ、ロディ、後でな。……今日は、母と大事な話があるのだ」
駆け寄ってくる子供たちに詫びてから、レイを探しにいく。
何処にいるかは、何となく予想がついていた。
その予想の通り、レイは施設の屋上にいた。日の光に照らされて物憂げに佇んでいる。
「レイ」
「ッ! メガトロン様?」
突然呼ばれて振り返ったレイは、それがメガトロンであると気付くと複雑そうな顔をする。
昨日の今日なので、どういう顔をすればいいか分からないようだった。
「め、メガトロン様。その……」
「レイ。改めて言う。どうか、これを受け取ってほしい」
前置きを抜きにして、メガトロンは指輪を胸の装甲の下から取り出すと、跪いて戸惑っているレイに差し出した。
「……! で、ですからそれは受け取れないと……」
「愛している」
「ッ!」
真っ直ぐに見つめられての急な告白に、レイは固まる。
「俺がお前に結婚を申し込んでいるのは、サイバトロンのため、餓鬼どものため……それも理由の一つだ。だが最大の理由は、お前を心から愛しているからだ。……レイ、どうか俺の妻になってほしい」
「……止めてください!!」
穏やかな声での告白に、しかしレイは強い拒絶を示した。
イヤイヤするように首を振ると逃げるようにして後ずさる。
「もう十分なんです! 貴方がいて、坊やたちがいて、フレンジーさんたちがいて……私みたいな女が、これ以上なんて望んじゃいけないんです! そんなこと許されるはずがない……!」
「馬鹿を言うな」
手を伸ばして慟哭するレイの体を優しく押さえて逃げられないようにし、真っ直ぐに目を覗きこんだ。
濡れた薄青の瞳に、自分の顔が映っていた。
「もう十分だと? そんなワケがないだろう。まだまだここからだ。お前はもっともっと幸せになるんだ! 餓鬼どもが育ち、お前は多くの者から崇められる! それがお前の未来だ!!」
「でも私はタリを滅ぼして……」
「一度の失敗がなんだ! 俺を見ろ。このサイバトロンを一度は滅ぼしてしまったのに、のうのうとやり直そうとしているんだぞ! 一度失敗して懲りているからこそ、もう間違えないはずだ!!」
半ば破綻した乱暴な理屈だが、それでもメガトロンは必死に伝える。
レイは肩を震わせながら、か細い声を絞り出した。
「……わ、私は、幸せに、なっても、いいの……?」
「ああ、いいとも! 俺が許す! 許さぬと抜かす奴は、残さずぶちのめしてくれる!!」
堂々と言い放つと、メガトロンは今一度静かな声でいった。
「レイ。お前は俺の
それは、弱音にも似た言葉だった。
同時にそれは己の力のみを頼りに、唯我独尊の道を歩んできた破壊大帝が、生き方を決定的に変化させた瞬間だった。
そして、もう一度指輪を差し出す。
「どうか、受け取ってくれ。……YESと言うまで、何度でも渡しにくるからな」
「……ふふふ」
涙を拭ったレイは微笑んで、指輪に手を伸ばす。
「まったく強引なんだから……でも、そう。そんな貴方だから、愛しているのだものね」
愛しい破壊大帝の掌から指輪を拾い上げたレイは、それをしげしげと見つめた。
「綺麗……貴方と同じ色ね」
「ああ。俺のパーツから削り出した。……ディセプティコンの風習だ。自分の一部を相手に捧げることで、愛を誓うんだ」
「なるほど」
そして、自分の薬指に指輪を嵌めた。サイズはピッタリだった。
レイはフワリと空中に浮かび上がると、指輪を嵌めた手でメガトロンの顔を撫でた。
「私も貴方を一人にしないわ。だから貴方も私を一人にしないで」
「もちろんだ。……言っておくが、妾も愛人も第二夫人もいらんからな。お前一人がいてくれればいい」
その答えに満足そうに花のような笑顔を浮かべたレイは、夫となるヒトの金属の唇に、自分の唇を重ねるのだった。
* * *
「やっと気付いたか、この愚か者めが」
火砕流に呑まれて死んだはずの俺は、何処か見知らぬ空間にいた。
どこまでも続く闇の中に、俺と対面するように緑がかった金属の生き物が立っていた。
全身鎧がそのまま動き出したかのようなその生き物は、頭に山羊のような立派な角を生やしていた。
「何だ、お前は……いや、それ以前に俺は死んだはず。これはいったいどういうことだ?」
「最初の質問から答えてやろう。我が名はリージ・マキシモ。最初の十三人の一人にして、偉大なるプライム……と言っても貴様には理解できまい」
金属の生き物は、不機嫌そうにそう答えた。
事実、俺にはこのリージ・マキシモなる存在が何を言っているのか分からなかった。
「二番目の質問の答えだが……ああ貴様は死んだとも。今そこにいる貴様は、ただの残滓。幽霊ですらない残り
そう言われて、俺は酷く納得していた。
俺が生きているなど、有り得ていいことではない。
「そして最後の質問の答えだ。これから儂のすることに協力してもらう。そのために貴様を呼び寄せたのだ」
「何をするつもりだ?」
「貴様に説明したところで理解できまい。……が、あえて言うならば未来への抵抗、運命への反逆だ」
運命への反逆。
そんなことが可能なのだろうか。だがもし出来るなら……。
思い起こせば、流されるばかりの人生だった。
運命と言う言葉に、翻弄された。
それに一矢報いることができるのなら、それも良い。
「分かった協力しよう。俺も運命という奴は憎いからな」
「では貴様という存在……その因子を、ある存在にインストールさせてもらう」
「何のことやら、さっぱり分からんのだが」
「だから言ったろうに! ……因子とは貴様を貴様足らしめる情報、魂の設計図のような物だ。それと俺の肉体の設計図である遺伝情報をこれから生まれてくる幼体に、埋め込むのだ」
正直、リージ・マキシモの言うことは俺には何一つ理解できなかった。
「俺の魂を埋め込むと言うことは、そいつは俺の生まれ変わり、ということになるのか?」
「違う。因子は単なる情報。あくまで貴様の一要素を受け継ぐに過ぎぬ。無論、俺の生まれ変わりでもない。その幼体は、俺や貴様とは明確に別人よ」
「よく分からんが……ならば、何故俺なんだ?」
「俺が求めているのは、運命に抗おうとする意思。そして確定された未来を否定する
そこまで言って、リージ・マキシモは血も凍るような笑みを浮かべた。
「メガトロナスの奴は思いもよらんだろうよ。奴が利用した駒が、奴の計画を破綻させる毒矢になるなどと! ちっぽけな有機生命体の因子が、オールスパークの未来絵図を混沌に導くなどとな!」
心底愉快そうに、金属の生き物は嗤う。
半ば直観的に、メガトロナスとはあの剣を寄越した神官のことだと察した。
なるほど、俺を選んだのは、あの神官への意趣返しでもあるらしい。
気付けば俺もまた不敵に笑んでいた。
「ああ、それは面白いな。あの神官に吠え面掻かせてやるのはさぞ痛快だろう」
「だろう! ……ではそろそろ行くぞ」
リージ・マキシモが手を掲げると、俺の体が蜃気楼のように揺らぎ、意識が遠のいていく。
もとより幽霊でさえない残り滓。消えることなど恐ろしくもない。
だがもし、己の因子を継ぐ者に望めることがあるのだとすれば……。
――今も世界の何処かで泣いているのだろう、あの女神を救ってほしい。
そう思考したのを最後に、俺の意識は今度こそ闇に呑まれて、二度と浮かび上がることはなかった……。
深い深い縦穴の底。
立方体状のオールスパークの輝きに照らされて、青く発光するトランスフォーマーの卵が無数に並んでいた。
その一つの上に、山羊のような角を持つリージ・マキシモが霊体のような状態で現れた。
プライム戦争時に肉体は滅んだが、そのスパークは秘術によりオールスパークへは還らず、こうして幽霊のようにサイバトロンに存在し続けたのだ。
しかし長い時を経て、すでに半実体を保つのも困難な古代のプライムだったが、力を振り絞って右腕だけを実体化させ、卵の上に翳す。
掌からリージ・マキシモの遺伝情報を含んだ液体エネルゴンが垂れ、卵にかかった。
エネルゴンは卵に吸い込まれていく。
「良し! あとは……」
ついで、リージ・マキシモが手を振るうと、青い光……あの剣闘士の因子が卵に注ぎ込まれた。
卵の中の幼体が、むず痒そうに身じろぎする。
「ふふふ、これで良い。ではな、息子よ。後は任せたぞ……」
冗談めかして言うと、リージ・マキシモの魂は、母なるオールスパークへと還っていった。
いくらか後、この卵から後にメガトロンと呼ばれることになる、灰銀色の体と赤い眼のディセプティコンが誕生したのだった。
……あの剣闘士の因子が、メガトロンの中で作用してディセプティコンが生まれ持った有機生命体への嫌悪を和らげ、それが巡り巡ってタリの女神の救済に繋がったことは、特筆に値するだろう。
* * *
メガトロンとレイの婚儀は、ごく親しい者だけを招いてささやかに行われた。
サウンドウェーブやショックウェーブ、ブラックアウト辺りは軍団を挙げて大々的に祝いたかったようだが、メガトロンに言い含められて諦めたようだ。
しかしながら、どこからか乱入してきたお祭り好きのオートボット副官と双子やら、サプライズとばかりに貴金属からなるレイの像を用意していたフレンジー、バリケード、ボーンクラッシャーの三名やら、いつものようにオ イルを飲みまくるコンストラクティコンたちやら、それに同調して騒ぐガルヴァら四兄弟……特に下の二人……のおかげで、結局は大騒ぎになってしまった。
その態に、立派な肩当てと金属繊維のマントで珍しくめかしこんだ新郎とはヤレヤレと排気していたが、白い金属繊維の美麗なドレスに身を包んだ花嫁は、それは幸せそうに笑っていたそうな。
これで今度こそ、この物語はおしまい。
ここまで読んでくださった方、評価、感想をくださった方、誤字脱字を指摘してくださった方、本当にありがとうございました。
それでは、また何処かで。