超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION   作:投稿参謀

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第151話 去りゆく者たち

 ハネダシティ市庁舎の一室に赤とオレンジの体色を持つトランスフォーマーの雛がいた。

 もちろん、ロディマスである。

 

 今度はポータルで逃げないように誰かが代わる代わる見張っている。

 そのロディマスは、部屋の窓に張り付いて外を見ている。

 

 窓の外の市庁舎の中庭に女神たちとオートボット、そしてアイエフ、コンパ、イストワールが集まっていた。

 これからのことを話し合うためだ。

 ダイノボットとセターン姉妹もいるが、未だにリペア中のジャズはこの場におらず、立体映像での参加だ。

 

「おっす、ノワール」

「ネプテューヌ」

 

 ノワールはネプテューヌのスッキリとした顔から、彼女が立ち直ったことを察した。

 多分、アイエフやコンパが何かしたのだろう。

 だから、それ以上は何も言わずに微笑む。

 

「改めて、オプティマスを救う手立てがあるかもしれない」

 

 ジェットファイアは掌から映像を投射する。

 そこには、巨大な立方体……オールスパークから滴のような物が一つ落ち、それが形を変えていく姿が映し出されていた。

 

 神秘的に光り輝く結晶を、菱形の金属フレームが覆う。

 フレームには優美で細緻な模様があり、両端が反対に湾曲していた。

 

「リーダーのマトリクス。最初のプライムの内、長兄たる光の戦士プライマに授けられた至宝。……そして、オールスパークの分体とも呼べる物だ」

『マトリクス……単なる伝説だと思っていたが』

 

 ジャズが、唸るように言う。

 すでに伝説の堕落せし者が降臨している状況ではあるが、さらに伝説の上乗せときた。

 

「重要なのは、マトリクスはオールスパークから派生した力であるということだ。……オールスパークには命を生み出す力があった。ならば、その派生にもあるはずだ」

「はず、ね……」

 

 ブランは、ジェットファイアの言葉に懐疑的であるようだ。

 余りに儚い希望だが、今はそれ以外に縋る物もない。

 

「それで、そのマトリクスはいったいどこにあるの?」

「最初の十三人……原初のプライムの、最後の生き残りがその在り処を知っているはずだ」

「ええと、確かオプっちから聞いたことがあるような……。確か、マトリクスを盗んで逃げたとか何とか……」

 

 ネプテューヌが恋人から聞きかじった知識を口にすると、ジェットファイアは突然地面を拳で叩いた。

 

「盗んだだと!? いや違う! 彼は悪しき者からマトリクスを護る使命を帯びていた!! ザ・フォールンの目を欺くために兄弟たちが囮になり、その隙に彼はマトリクスを持って姿を眩ましたんだ!!」

「そ、そうなんだ……やっぱりあれかな。歴史は歪んで伝わっちゃうのかな?」

「で、その最後の一人は何処にいるの?」

 

 老兵の剣幕にちょっと引くネプテューヌだが、ノワールが強引に話を戻す。

 ジェッチファイアは咳払いをすると、頭上を指差した。

 

 空いっぱいに広がる、惑星サイバトロンを。

 

「それ以上は俺も知らん。しかし彼は去り際にこの言葉を残した。マトリクスが必要となった時、その時のプライムに最初に戦う術を授けた者を訪ねよ、と」

「それって……今のプライムはオプティマスだから、オプティマスの師匠ってこと?」

「だとしたら、センチネルか? 奴がマトリクスの在り処を教えてくれるとは思えないぜ。そもそもその言葉が正しいか分からん」

 

 ノワールとアイアンハイドが難しい顔になる。

 裏切り者が、こちらを助けてくれるとはとても考えられない。

 

「詰みか……」

 

 ミラージュも深刻な声で呟く。

 一同を重苦しい沈黙が包むが、ネプテューヌはブツブツと呟きながら何やら考え込んでいた。

 

「プライムに最初に戦う術を授けた者……オプっちに最初に戦い方を教えた人……最初に戦いの手ほどきを……そうか! 分かったー!!」

「な、なによ!? どうしたの!」

 

 両手を振り上げて叫ぶネプテューヌに、ノワールがツッコミを入れる。

 構わずネプテューヌは喜色満面で自分の考えを説明する。

 

「うん! 読者のみんなはもう忘れてけるかもしれないけど、前にサイバトロンに行った時、アルファトライオンが言ってたんだ! 自分がオプっちに最初に戦いの手ほどきをしたんだって!!」

「……なるほど! アルファトライオンはオプティマスの養父だったものね」

「父親が息子にものを教えるのは、当然ですものね」

「しかし、メタいわね。ネプテューヌ。……やっと調子を取り戻してきたか」

 

 ネプテューヌの言うことに、ブランとベールも納得する。

 しかしノワールは惚けたことを言う紫の女神に、少し安堵していた。

 やはり、ネプテューヌはこうでないと。

 一方でジェットファイアは首を傾げる。

 

「アルファトライオン? 聞かない名だ。それにプライムの養父とは」

『ああ、親子関係なんかないトランスフォーマーにしちゃ、ちょっと奇妙だよな』

 

 ジャズもジェットファイアの疑問に同意する。

 何せトランスフォーマーと言うのはオールスパークの力によって『生産』される存在なので、厳密な意味での血縁関係は存在しないのだ。

 種族的遺伝子は卵に機械的に入力することで繋がれていくが、個人の遺伝子は継がれない。

 

「それはともかく、本当にアルファトライオンがマトリクスの在り処を知っているとは限らない。それにどうやって彼に会いに行くの? 彼はサイバトロンにいるのよ」

 

 しかし、ノワールが当然の疑問を口にする。

 

「行く方法なら心配いらん。俺の体内には小型のスペースブリッジが内蔵されている。……使い切り式だから、2回しか使えんがな」

 

 ジェットファイアはドンと胸を叩く。

 にわかに見えてきた希望に、皆の顔が明るくなってきた。

 

「イストワール様! イストワール様ぁ!!」

 

 その時、教会の職員が血相変えて中庭に駆け込んできた。

 

「何事ですか?」

「大変です! これを見てください!!」

 

 職員は持ってきた機械を操作して立体映像を流す。

 そこに映っていたのは、ビークルモードのブラックアウトとグラインダーにワイヤーで吊り下げられるオプティマスの亡骸だった。

 映像には、何故か勇壮な曲がBGMとして流れている。

 

「オプティマス!」

「『司令官……!』」

 

 オートボットたちが驚愕していると無残な姿のオプティマスが地面に落とされ、ディセプティコンたちが骸に群がりあらゆる暴行を加え、さらに十字架に括り付ける。

 

「酷い……!」

「やろぉ、許せねえ!!」

「とても見ていられませんわ……」

 

 ノワールが顔を怒りと嫌悪に歪め、ブランが隠すことなく怒声を発し、ベールは目を逸らす。

 そしてネプテューヌは前のように半狂乱になるこそないものの、酷くショックを受けているようだった。

 

 やがて映像が切り替わると、画面いっぱいに現れたのはディセプティコンのエンブレムを思わせる……いや、その基となった顔、ザ・フォールンだ。

 

『この下劣な世界に生きる、塵どもに告げる』

 

 ザ・フォールンが静かだが狂気を感じさせる声を発する。

 その間にも、BGMが神秘的かつ荘厳な物に変わりながらも流れ続ける。

 

『貴様らを護っていた、オプティマス・プライムは死んだ。もはや貴様たちに出来ることは潔く滅びを受け入れること……などではない。それでは俺の気が済まん。貴様らは生まれながらにして薄汚い盗人であり、その遺伝子の一片までも穢れに満ちた人殺しどもだ! 貴様らの存在その物が、我らに対する償いようもない罪であり、底知れない辱めなのだ!! 故に! 恐怖に震えろ! 苦痛に喘げ! 絶望にのたうちまわり、悔恨の中で消えるがいい!!』

「ど、どういう理屈よ、それ!!」

 

 あまりの物言いに、ノワールが思わず叫ぶ。

 おそらく、堕落せし者の中ではゲイムギョウ界の人々はオールスパークを盗んだ相手で、オールスパークの喪失が原因でサイバトロンが滅びかけているのも、ゲイムギョウ界にオールスパークがあるせい、ということだろうか?

 だとしたら、もはや堕落せし者の言うことは支離滅裂だ。

 

『次はラステイションを攻撃する。時刻も、何処から襲うかも、一切教えん。その時が来るまで、怯えているがいい』

 

 一際大きなファンファーレと共にザ・フォールンの映像は消える。

 

「まずいことになったわね」

 

 静まりかえる一同の中で、最初に声を出したのは冷静さを保っている……少なくともそうしようとしているアイエフだった。

 

「この状況でオプティマスを助けるためにネプ子が動いたら、国民はネプ子が自分たちよりオプティマスを取ったのだと……自分たちを見捨てたのだと思いかねない」

「そうですね。有り得る話です」

 

 爪を噛むアイエフに、イストワールも極めて難しい顔で同意する。

 ノワールも苛立ちと戸惑いを隠せないようだったが、女神として凛とした顔を作る。

 

「何にしても、私はいったん国に帰るわ。早く対策を練らないと……」

 

 一方で、ジャズは何やら難しい顔で首を傾げていた。

 

『……すまない。この映像、もう一回流してくれ』

「ジャズ? どうしたんですの、こんな悪趣味な……」

『いや、もしかしたら……』

 

 指示通り再生されるオプティマスの無残な姿、堕落せし者の演説、流れる仰々しいBGM。

 そしてそれが終わると、ジャズは声を上げた。

 

『……やっぱりだ! このBGMにはモールス信号が隠されている!! 俺のセンサーでも何とか拾うのがやっとだが、間違えない!』

「モールス信号って、あのトンとかツーの並びで言葉を伝える、あの?」

 

 怪訝そうな顔のノワールに、ジャズは頷いた。

 

『そうだ。……しかし、暗号化されてる。見たことも聞いたこともない様式だ。少なくとも、オートボットではな』

「ッ! もしかしてアリスちゃんなら! ちょっと待ってくださいまし」

 

 相方の言わんとすることに気付いたベールは、すぐに妹に連絡を取るのだった。

 

 

 

 

 

 連絡を受けたアリスは、すぐさま暗号を解読してみせた。

 その内容は、ラステイションの攻撃計画、その全容だった。

 攻撃する場所、時刻、人数と構成、全て分かった。ポータルは一ヶ所ずつしか開けないので同時に何か所もは攻撃できないことも、そしてザ・フォールンの真の狙いは、女神を捕らえることだということも。

 

「しかし、この暗号を送って来た奴は、つまり……」

『サウンドウェーブでしょうね。……この暗号は諜報部隊でもごく限られた者しかしらないわ』

 

 BGMにメッセージを仕込む……そんな真似が出来るのは、あの映像を編集したであろうサウンドウェーブをおいて、他にいない。

 しかも、BGMに潜ませたモールス信号に気付く相手と、暗号を解読できる相手がいないと意味を為さない。

 つまり、トランスフォーマーでも優れた音楽的センスを持つジャズと、サウンドウェーブ肝いりの諜報員だったアリスがいないと。

 大胆で、綱渡り的なやり方だ。

 

「……でもこのメッセージを信用できるの?」

『分からない。全部罠で、メッセージを受け取るのも織り込み済みってこともありうる』

 

 当然の問いを出すブランに、アリスはゆっくりと首を横に振る。

 あの情報参謀が何を思ってこんな情報を送ってきたのか、皆目見当もつかない。

 単純に情に流された、というのはほぼ有り得ない。

 ならば、メガトロンの命だろうか?

 

「なんにせよ、これに賭けるしかないわ。後は女神としての力が戻ってくれば……」

 

 悔しげにノワールが呟く。

 シェアが現在進行形で奪われ続けている今、女神化も出来ず戦うことすらままならない。

 国民のことは信頼しているが、この大事に自分が戦えないのは辛い。

 

「そのことだが、我々に考えがある」

「ヴイちゃん、ハイちゃん?」

 

 そこで、ヴイとハイのセターン姉妹がフワリと浮遊して前に進み出た。

 

「我々は元々、ネプテューヌとネプギアから女神の力を少しずつ分けてもらって実態化している」

「だから、その力を皆さんに分ければ……変身は出来ずとも、戦えるくらいの力は取り戻せるはずです」

「で、でもそんなことしたら……!」

 

 セターン姉妹の提案に、ネプテューヌは驚き断ろうとする。

 彼女たちが女神の力を失えば今度こそこの世に止まることは出来ないだろう。

 しかし、姉妹は穏やかに微笑んだ。

 

「ネプテューヌ、ダイノボットたちとも話し合って決めたんだ」

「私とお姉さまは元々幽霊のような物。私たちの時間は、遠い昔にもう終わっているんです」

「そんな……」

 

 ダイノボットたちは、何も言わずに姫君たちの後ろに立っていた。

 悲しんでいるのか……いや、確実に悲しんでいるが、それを顔に出そうとしないのが騎士たちの矜持だった。

 彼らの重い覚悟を受け取ったネプテューヌは、表情を引き締めた。

 

「分かった。……でもそれなら、わたしはいらないから、みんなに分けてあげて」

「ネプテューヌ!?」

 

 これから大変な時に力がいらないとは、どういうことかとノワールが声を上げる。

 すると、ネプテューヌは笑顔で答えた。

 

「わたしはこれからサイバトロン星に乗り込むからね。向こうには、もともとシェアなんて無いし」

「……いいのね?」

「もちろん、みんなこれから大変だしね!」

 

 ブランの問いに、ネプテューヌは頷く。

 大変なのは、これからあの荒れ果てたサイバトロンへ行くネプテューヌも一緒だろうに。

 

「……よし、では少し待て。いくぞハイ」

「ええ、ヴイお姉さま。力を……」

 

 セターンの姉妹姫が手を重ね合う。

 すると霊体である姉妹の体から虹色の輝きが漏れだした。

 そして漏れ出た光が八つに集まり、菱形のクリスタルに変化する。

 クリスタルはネプギアの下に一つ、ノワールとベールの下に二つずつ、そしてブランの所に三つ飛んでいく。

 

「そのクリスタルを体内に取り込めば、僅かだが力を得られる」

「しかしシェアが完全に吸い尽くされてしまえば、その力も失われてしまうでしょう」

「時間はそんなに残されていない、ってことね」

 

 姉妹姫の説明に頷くノワールだが、そうしているとヴイとハイの体が薄れてきた。

 セターンの姉妹は、互いに手を繋いで微笑み合う。

 

「ではな、ハイ。向こうでも仲良くやろう」

「ええ、ヴイお姉さま。きっと……」

 

 そしてずっと忠実に仕えてくれた騎士たちに顔を向ける。

 

「グリムロック、スラッグ、今までありがとう」

「スコーン、ストレイフ、あなた方には感謝しつくせません」

 

 優しい笑みを浮かべる姫君たちにダイノボットの長たるグリムロックが代表して何か言おうとしたが……。

 

「……俺、スラッグ! やっぱり、姫様たち、いなくなっちゃ嫌だぁ!! うわぁあああん!!」

 

 急にスラッグが、薄れていく姫たちの前に跪いて泣き出した。

 スコーンとストレイフが慌ててスラッグを立たせようとする。

 

「スラッグ、今更何言ってんだ! 皆で決めたことだろう!」

「無粋」

「でも、嫌だ!! うわぁああんッ!」

「そ、そんなに泣くなよ! 俺だって、俺……だって……ぐすッ」

 

 大泣きするスラッグに釣られて、ストレイフも嗚咽を漏らし、スコーンも無言で涙を流す。

 グリムロックもついに堪えきれなくなって涙を溢れさせた。

 

「泣くな! 我ら、ダイノボット、姫君を送り出す時、泣かないと決めた!」

「グリムロックも、泣いてる! うぉおおおん!」

 

 最後の最後で感情を抑え切れなかった騎士たちに、もうほとんど霞のようになってしまったヴイとハイは苦笑する。

 

「まったく、最後まで締まらない奴らだ」

「でも、それが彼ららしいですわ」

「そうだな。……立て、ダイノボット! お前たちに最後の命を言いつける!!」

 

 気を吐くヴイに、ダイノボットたちはビクリとして姿勢を正す。スラッグも立ち上がった。

 

「ダイノボット! 誇り高き騎士たちよ、この世界を護れ! 女神を護れ! 人々を護れ!」

「そしてそれを傷つける、あらゆる邪悪な者たちを打ち倒すのです!!」

 

 まずグリムロックが、自らの胸に拳を当てて誓いを示す。

 スコーン、ストレイフもそれに続き、最後にスラッグが涙を拭って胸に拳を当てる。

 

「誓う! 我らダイノボット、命ある限り、この世界、護る!!」

「ああ……ありがとう、グリムロック、感謝してる。スラッグ、もう泣くなよ。お前は元気が取り柄なんだから」

「スコーン、これからも皆と仲良く。ストレイフ、貴方の飛び方は最高でしたよ」

 

 騎士たち一人一人に笑いかけるヴイとハイの体が、光に包まれていく。

 

「当代の女神たち、この世界を必ず護れよ! お前たちなら、きっと大丈夫だ!」

「オートボットの皆さん! 貴方がたなら、どんな困難も乗り越えられます!!」

「そしてネプテューヌ! オプティマスを救え! それがこの世界を救うことにも繋がるはずだ!!」

「ネプギアさん! お姉さまの力になってあげてくださいね!」

『さようなら、ゲイムギョウ界!!』

 

 女神とオートボットたちにエールを送り、別れの言葉を口にして、ついにヴイ・セターンとハイ・セターンの姉妹姫……遥かな昔からゲイムギョウ界を見守ってきた巫女たちは、光となって消えた。

 天国へと昇っていったのか、全なる魂……オールスパークの下へと召されたのか。

 

 あるいは故郷であるセターン王国へと還ったのか、それは誰にも分からない。

 

「……ありがとう、ヴイちゃん、ハイちゃん」

「あなたたちのくれたこの力、絶対に無駄にはしません」

 

 ネプテューヌとネプギアもダイノボットたちに倣って胸に拳を当てる。他の女神も、オートボットも、アイエフとコンパも拳を胸に当てた。

 

 彼女たちのためにも、この世界を護らねばならないと、全員が決意を新たにするのだった。

 

 ……ロディマスは視聴者の窓から一部始終を見ていた。

 オプティマスの無残な姿も、セターン姉妹の自己犠牲も、ダイノボットの涙も、全て。

 幼い思考では、ほとんどのことは理解できなかったが、姉妹姫の魂の気高さを理解した。

 そして直観的にすべきことも分かった。

 

 オプティマス・プライムを救う。

 

 遺伝子は繋がらずとも、もう一人の父とも呼べる総司令官を助ける、そのために出来ることを、例え僅かなことでも全力でする。

 

 幼いスパークが決意と使命に燃える。

 

 それを無知故の無謀、幼さ故の愚かさと見るか……。

 

 

 

 

 あるいは真のオートボットとしての出発点、大器の片鱗と見るかは、人それぞれだ。

 




ヴイ・セターン、ハイ・セターン姉妹、これにて退場です。
彼女たちは本来ならダイノボット編で成仏するはずが流れ的に現世に残って、ここまで長く登場することになりました。

次回、サイバトロンへの旅立ちと、その前に起こるちょっとした事件。

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