超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION   作:投稿参謀

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短い! 圧倒的に短い!!

これ、前回に組み込んどきゃよかった……。


第140話 輪の中へ

 リーンボックスの教会の庭に置かれたテーブルを、ネプギアとユニ、ロムにラム、そしてアリスが囲んでいた。

 ネプギアはガチガチに緊張しており、ユニは怒りを堪えているような表情、ロムとラムも不安げだ。

 他方、アリスはムッツリとした顔で腕を組んでいた。

 

「久し振りね、ネプギア」

「は、はい! おひゃしぶりです!」

 

――噛んだ……。

 

 緊張のあまり噛んでしまったネプギアに、アリスはフッと息を噴き出す。

 

「そう緊張しないで……っていうのは無理か。ディセプティコンのスパイ相手じゃあ」

「そ、そんなつもりは!」

「いいの、本当のことだもの。今は良くても、過去は消えないわ」

 

 達観した様子のアリスに対し、ネプギアは顔をしかめる。

 

「そんなこと……」

「無いって言える? 私はあなたたちの情報をメガトロン様に流していた。あの、ズーネ地区での戦いの時から、ずっと」

 

 暗い顔になるネプギア。

 アリスも厳しい顔で思う。

 

「……笑っちゃうでしょう? 友達の振りをして相手の懐に潜り込むのが、私の得意技なの」

 

 視線をネプギアから外せば双子女神が、俯いて肩を震わせていた。

 幼い二人のその姿に、アリスの胸がズキンと痛む。

 こうなることは分かっていた。

 お人好しの妹女神たちに、知人がスパイだった事実は辛かろう。

 

 しかし……。

 

「……すっごーい! アリスちゃん、女スパイなんだ!!」

「カッコいい……(ワクワク)」

「……え? はえ!?」

 

 思わぬ双子の言葉に、アリスは素っ頓狂な声を上げてしまう。

 ロムとラムはキラキラと瞳を輝かせて、身を乗り出す。

 反対にアリスは思わず身を引いていた。

 

「ねえねえ! スパイって、やっぱりあれするの! 色仕掛けとか!!」

「い、色仕掛け……(ドキドキ)」

 

 自分が何を言っているの分かっていないのか、無邪気な笑顔のラムに対しロムはちょっと顔を赤らめている。

 何にせよ、凄く可愛い。死ぬほど可愛い……とアリスを内心で悶えさせるには十分だった。

 二人とも愛される動作が自然と出てくる。

 自分なんか、こういう所作を身に付けるのに、死ぬほど苦労したっていうのに。

 

――何て可愛んだコンチクショウ! 天使か? あ、女神だった。こんな妹がいてくれたら……いけない、これじゃあダメな時のベール姉さんじゃあないか。

 

「あ、あの!」

 

 アリスが姉と同じ道(いもうともえ)に堕ちまいと、湧き上がる『萌え』に抵抗していると、ネプギアが声を上げた。

 

「そ、その、友達の振りをしていた、ってことはつまり私たち、友達じゃなかったんですか!」

「そこ!?」

 

 思わず目を点にして聞き返すアリス。

 何かもっと、重要な話しをしていたつもりなのだが。

 対し、ネプギアは至極真面目な顔だった。

 

「ええ~! アリスちゃんとわたしたち、お友達じゃなかったのー!?」

「お友達じゃないの……?」

 

 加えて、物凄くビックリした顔のラムと、ちょっと泣き出しそうなロム。

 チクチクと痛む胸は置いておいて、アリスは残酷な真実を告げることを決意する。

 

「そうなるわね。……少なくとも、今までは」

「なら!」

 

 ネプギアは急に立ち上がると、アリスの傍に近寄る。

 そして、右手を差し出した。

 

「改めて、アリスさん。……友達になりましょう」

「…………」

 

 その右手を見つめたまま、アリスは自問する。

 果たして、この手を握る資格が自分にはあるだろうか。

 自分は、スパイだったのだ。

 

「もう! なにやってるのよ!」

 

 いつまでも硬直しているアリスに痺れを切らしたラムは自分も立ち上がり、アリスの手を掴む。

 そしてアリスが驚いている間にネプギアの手とアリスの手を無理やり重ねた。

 

「はい! これでお友達だね!」

「え、え……これってアリなの?」

「いいんじゃ……ないかな?」

 

 戸惑うアリスにネプギアも苦笑する。

 

「わたしたちも、お友達……(ニッコリ)」

「わたしも、わたしもー!」

 

 ロムとラムも、笑顔で繋がれたネプギアとアリスの手に、自分の手を重ねる。

 アリスは一つ息を吐くと、苦笑混じりながらも微笑む。

 この笑顔には勝てない。

 

「……アタシは、すぐにはアンタを許せそうにないわ」

 

 だが、ユニは鋭い視線と共に言葉を発した。

 

「当然よね。あなたたちを騙していたんだもの」

 

 笑みが自虐的な物に代わったアリスに、ユニはキッと目つきを鋭くする。

 

「でもそれより問題なのは……アンタ、リーンボックスの女神候補生になったんでしょう!!」

「え、ええ……まあ、ね」

「なら、これからはライバルね。まずはそれが重要よ! 長い付き合いになるんだもの。スパイだったこと、ディセプティコンだったこと……これからゆっくり消化していけばいいわ」

 

 堂々と宣言したユニは椅子を立って、自分も手を重ねる。

 

「だから、まずは友達! そこから始めましょう」

 

 ユニが勝気に笑むと、他の女神候補生たちも笑顔になる。

 アリスは、自分の目から液体が流れ出ていることに気が付いた。

 

 ……人はそれを涙と言う。

 

 答えなんか、最初から決まっていた。

 

「……うん!」

 

 涙を流しながら、アリスは頷く。

 女神候補生たちは、誰ともなく笑い合うのだった。

 

 

 

 

 

 そこから少し離れた木の陰から、ベールが顔を出していた。

 

「良かったですわね……アリスちゃん……」

 

 その後ろには、ジャズとバンブルビーが並んで身を屈めている。

 

「ああ、良かった……だから、ベールは仕事に戻ろうな」

「あら! 妹を見守るのは姉の務めであり特権ですわ!」

「『いい話だな、感動的だ。だが』『サボり』『だ』」

 

 金属生命体たちのツッコミを意に介さずに、ベールは涙を拭うとウットリとした笑みを浮かべる。

 

「ああ、それにしてもあの空間はまさに妹天国。あの中に飛び込みたいですわ」

「……妹ならもういるだろ」

「妹は、何人いても困りませんわ」

「『いや』『困る』『んじゃね?』」

 

 漫才めいたやり取りは、実のところ妹たちにも届いていた。

 

「あのアリスさん……ところでアレは……」

「いつもの病気よ。ほっといていいわ」

 

 ネプギアの困惑顔に、ちょっと冷たい笑顔で返すアリスだった。




最後の騎士王に登場するD軍のキャラ設定が公開されました。
各ファンサイトに一人ずつという中々に困った形で。

メガトロンとバリケードに加えて、

大型のレッカー車に変形するロングハウルに似た姿の戦術家オンスロート(いつも怒ってるといういつもの実写D軍)。

オートバイに変形するモヒカンヘアのような頭と魚類のような顔のモホーク。(こんな顔だがメガトロンへの忠誠は厚いらしい、下記の連中に比べりゃ常識人なんだろうか)

クランクケースの同型で衝動的で暴力的で殺人狂のバーサーカー。

クロウバーの同型で銀行強盗犯(TFなのに)のドレッドボット(玩具名フーリガン、バーサーカーとこいつのどっちかが錆びたワンボックスカーに変形するみたいです)

ショックウェーブと似た頭部を持ちジェット機に変形するニトロゼウス(玩具名ニトロ、ショックウェーブとの関係が示唆されてるが……?)

の七人の模様。

……碌な奴いねえ! でも個性的なのは嬉しいです。

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